→前回
こんにちは、神結です。
前回に引き続き、1/19に開催されたジャッジエリアの話をしていこうと思います。
関東エリアとエルボロム
では改めて、関東エリアの話からいきましょう。
中四国エリアでは【光闇メカ】の台頭などもありましたが、優勝が【火水アグロマジック】だったということもあり、関東までに大きなメタゲームの変化はないだろうと判断できました。
如何に【光闇メカ】が強かったとして、残り時間を考えるとデッキを乗り換えるには元々メカに対する知見を持っている必要があり、だとすれば元々メカを選択肢に入れていた人しかいないのでは、と考える訳です。
まぁつまり、増えないでしょ、という感覚です。
仮に【光闇メカ】が流行ったとしても、ありがたいことに【ドロマーエルボロム】はここに対して大きく有利が付いているので、直接対決で困ることはありません。
さて、当日は各プレイヤーたちのデッキは散りつつも「受けギミックが強い」という認識は共通だったようでした。
例えば◆ドラ焼きさんやぴゅうくん、そして元々の【ドロマーエルボロム】の構想を作ったこっちゃー先生といった実力者たちは、みんなそれぞれ形の違う《超光喜 エルボロム》のデッキを使用していました。
そんな中で、うっちー・ハマチが《♪ハックより 一時ずらして じゅうとなな》を使用したリストで優勝・準優勝と大きな結果を残しました。
ちなみにハマチの決勝については、あの後色々再現しながら話し合いをした結果、どうやら直勝ちルートがなく一度ターンを返す必要があり、「相手に《聖霊超王 H・アルカディアス》を引かれていたのが直接的な敗因」という話になりました。
↑ カバレージを振り返ったところ、当のハマチが記憶を無くしていたことがわかり、普通にミスだと発覚。お馬鹿!
まぁいずれにせよ【ドロマーエルボロム】はもっとも注目されるデッキとなり、翌週に控えたジャッジエリアに挑むプレイヤーの誰もが無視出来ない状況になった訳です。
こうなると、私としては【ドロマーエルボロム】を使う可能性はかなり低下しました。
同型を避けたいのもそうですが、ギミックデッキである以上ちゃんとした対処手段があり、《ポッピ・冠・ラッキー》や《聖霊超王 H・アルカディアス》といったカードが増えてくると考えられたからです。
これは前回でも触れましたが、【ドロマーエルボロム】というデッキはそこまで万能という訳ではなく、不利対面自体が幾つかあります。
1つは、ゼニス系のデッキです。
ジャストダイバーを貫通してくる《黙示録の水晶》で時間を持っていかれ、《偽りの名 ワスプメリサ》の着地までいかれるともう負けでした。
特に【火自然ゼニス】はヤバい。
調整期間中の会話でも「赤緑ゼニスに当たったら帰ろう」が合言葉と化していました。
関東エリアまでのメタゲームの流れだと、ゼニスの立ち位置は悪く、デッキとして無視してもいい状況でしたが、こうなってくると話は別です。
またジャッジエリアの特性上、【火自然ゼニス】でワンチャンを狙ってくる参加層も一定数いると考えてられ、その意味でもやっぱり無視は出来ないでしょう。
そしてもう1つは、ハイパーエナジー系のデッキです。
【水闇エナジー】や【光水エナジー】系のデッキは不利なのですが、その主たる要因は《魔誕の斬将オルゲイト》に対する有効打がないことでした。
【ドロマーエルボロム】の解説に関しては別のメンバーに任せますが、このデッキがメタクリーチャーを突破するには《アーテル・ゴルギーニ》を使うしかありません。しかし《アーテル・ゴルギーニ》の効果を《魔誕の斬将オルゲイト》に反射されると割とお手上げで、特に《ポッピ・冠・ラッキー》が横にくっつく【光水エナジー】は天敵中の天敵と言えました。
逆に言えば、これらのギミックを使えば【ドロマーエルボロム】を攻略できると知っていた自分は、残り1週間という限られた時間の中でかなりの情報アドバンテージを得ていた訳です。
「水自然ジャイアント」に至ったわけ
というわけで、以上を踏まえて【ドロマーエルボロム】は使わないと判断した訳ですが、じゃあ何を使うのかという話です。
そのためにも、まずはジャッジエリアのメタゲーム予想をしていきましょう。
関東を経由しなかった時の最大母数は、恐らくは間違いなく【クローシスジャオウガ】でしょう。そして順当に考えれば、このクローシスに勝ちにくいデッキはそもそも数が少ないと考えられます。
その上でクローシス自体も変化があると思っていて、対【ドロマーエルボロム】を意識して《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》を採用した構築の他、【4cジャオウガ】にマイナーチェンジさせている構築もあるんじゃないか、と考えました。
また「普段デュエマしているわけではないけど、ジャッジエリアには出たい!」という方が結構な数いらっしゃるのですが、そうした方々は比較的使いやすいデッキを使ってくると考え、これは【クローシスジャオウガ】か【火自然ゼニス】の二択ではないか、と考えていました。
その他【ドロマーエルボロム】に明確に不利が付く【光闇メカ】は少ないだろうということや、1人回しである程度完結しやすく見える【ハイパーエナジー】系のデッキは一定数いるだろうこと、フェアリーさんは直前までリーグが忙しくてそこまで手が回っていないこと、おんそくさんは《ツイン・シックス》から《「特攻」の鬼 ヨミノ晴明-1.0》を出しているだろうことが予想出来ました。
というわけで、改めて整理してみるとこんな感じ。
ん、ジャイアントでいけるのでは……?
より正確に言えば、「ドロマーエルボロムに寄せたビッグマナは結構立ち位置いいのでは?」であり、そして「だったら、優勝を見るならジャイアントなのでは?」となりました。
まず一定のアグロ耐性があり、その上で受けデッキをキッチリと封殺出来るのは【水自然ジャイアント】【トリーヴァゼニス】でしょう。
両者とも、この環境では数少ない「理想の最終盤面」を作れるデッキですから、受けデッキは倒し切る構築は目指せます。
というわけで、一旦リストを構築。
ちなみにトリーヴァゼニスについては、結構早い段階から《「戦鬼」の頂天 ベートーベン》を減らす・抜くことを考えていました。《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》やスレイヤー等が増えた状況なので、そもそも殴らせるという行為に問題があり、封殺としては《銀河竜 ゴルファンタジスタ》の方にシフトしたかったためです。
ただトリーヴァはトリーヴァで対クローシスに対して不安があり、やはり《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》が着地されてしまったときの分の悪さが気になりました。この環境で楯勝負が成立するのは《超光喜 エルボロム》が入っているデッキくらいです。
その点ジャイアントは《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》着地に合わせて《同期の妖精 / ド浮きの動悸》をぶつけたり、そもそも《銀河竜 ゴルファンタジスタ》で動かなかったりと受け流すことが出来ます。
また私自身が【ドロマーエルボロム】をよく知っていたため、デッキの弱点自体も把握していました。あのデッキはとにかく《魔誕の斬将オルゲイト》に弱い。
- ハイパーエナジー(このクリーチャーを召喚する時、コストが異なる自分のクリーチャーを好きな数タップしてもよい。こうしてタップしたクリーチャー1体につき、このクリーチャーの召喚コストを2少なくする。ただし、コストは0以下にはならない)
ブロッカー - ジャストダイバー
- W・ブレイカー
- このクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻してもよい。
- 相手のターン中に、相手のクリーチャーが出て、そのクリーチャーの能力がトリガーした時、自分もその能力を使ってもよい。
面を捌いて《魔誕の斬将オルゲイト》を落とすと、急に動けなくなります。ジャイアントは《清浄のカルマ インカ》を積めるので、最終的には最終的には両者を《同期の妖精》で守りながら《♪必殺で つわものどもが 夢の跡》を絡めて殴ることで、詰め切れます。
上記の表に挙げたリストの中で、明確に勝てないのは【ターボマジック】だけです。
というわけで、優勝までのプランとしてはこうです。
環境の中でも不利が少なく、安定したゲーム展開が可能なジャイアントを使用。リストも、ほぼ全方面見られるようにする。展開するデッキには有利。《ボン・キゴマイム》などと使うデッキに対しては、並べ合いから《範丸の超人》で粉砕可能。基本戦術として、相手に対してテンポゲームを仕掛けて自分の土俵に持ち込み、そこから先は2ブロ・デュエマのやり込み差ですり潰す。
クローシスも4cもドロマーも、そして火自然ですらドンと来いです。デッキ単位でキッチリと火自然を意識していた人も、殆どいないでしょう。ドロマーを倒すためにウキウキで火自然を持ってきた奴らを《範丸の超人》で粉砕するイメージも出来ていました。
我ながらなんという完璧なプラン。あとはイレギュラーさえなければ……。
なお最大のイレギュラー枠として私がもっとも警戒していたまっつーさん率いる極悪?北九州勢(※)は今回不参加な筈なので、メタを見てそれをきっちりと外してくる集団もいないでしょう。
※極悪?北九州勢
ここで指しているのは、「くわけん」と呼ばれるコミュニティのこと。
2018年のジャッジエリアにおいて北九州勢は「ジャッジエリアなんてどうせみんなワンチャン狙いの【青単ムートピア】ばかりで、真面目に【赤青覇道】なんか使ってくるやつはおらんやろ」という大会の実態に則したメタゲーム予想を立て、当時環境トップだった【赤青覇道】に不利ながらも、【青単ムートピア】に大きく有利だった【赤単ビートジョッキー】を持ち込んだ。
そして箱を開けてみると彼らの予想した通り、ジャッジエリアはワンチャン狙いの【青単ムートピア】ばかりだっため、彼らは順調に勝ち進み、本戦進出。その本戦でも“赤青覇道を使っていた私がいた山を綺麗に避けて”決勝進出を果たし、なんとワンツーでフィニッシュしたのだった。
この出来事は私にとっては苦い思い出ではあるのだが、同時に「一発勝負の大会で勝つための方法」について考えさせられる最初のキッカケにもなった。
あとは先に全国大会を決めたうっちー(無職)と、CS帰りのいぬいを呼び出して練習。
とくにうっちーくんは前日までホントに手伝ってくれました。マジでありがとう。
その練習の中で「思ったよりメカに勝てない」とか色々ありましたが、それはまたリスト解説の時にでも書こうと思います。
とりあえず、練習を踏まえて出来上がったリストは以下の通り。
本当に自信があったんですよね。
優勝したら「ま、うっちーくん達がいい意味でメタゲーム進めてくれたのでね。全て私の掌の上でした」とかカマすつもりで就寝。
いよいよ本番です。
ジャッジエリア当日
こうして私のジャッジエリアは終わりました。
デッキリストについては、別途記事で解説しようと思います。
それでは、また。
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