【デュエマ】殿堂予想選手権2024夏 第1回 ~零龍その2~

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本日の殿堂候補カード

というわけでこんにちは、神結です。

《零龍》の話の続きになります。

歴代零龍デッキ

さて、そんな《零龍》の登場は超天篇第4弾「超超超天!覚醒ジョギラゴン vs. 零龍卍誕」。

超天篇と言えば第3弾が《生命と大地と轟破の決断》を始めとした数々のパワーカード、南葛黄金世代、いてまえ打線、奇跡の世代など何とでも形容出来るレベルの強さで有名ですが、そこはさすがの超天篇。この第4弾もしっかり歴代最強クラスの強さを揃えています。

具体的に挙げると《天命龍装 ホーリーエンド // ナウ・オア・ネバー》や《絶望と反魂と滅殺の決断》といったトップクラスの汎用SRは勿論、ジョーカーズの切り札である《バーンメア・ザ・シルバー // オラオラ・スラッシュ》、GRも《ヨミジ 丁-二式》に《カット 丙-二式》、《クリスマⅢ》といったメンツを揃えており、十王篇シリーズと同時並行で書いている私としては、寒暖差で風邪を引きそうな面々です。

ちなみにこの時期にTwitterでよく見掛けるコイツも、第4弾だったりします。

まぁその上でなんですが、第4弾で一番強いカードは何かと訊かれたら、即答で「零龍」です。

登場してすぐはもちろん、それ以降を継続的に最強クラスのデッキを提供し続け、数々のカードを殿堂送りにしました。

というわけで、歴代の零龍デッキについて順に見ていきましょう。

アグロ零龍

最速2キルのやべーやつ。活躍時期は、主に2019年の年末から、コロナ期にあたる2020年の夏前まで。

狙いは早期の零龍卍誕で、《零龍》+小型打点で早々に殴り込む、というある意味一番わかりやすい《零龍》の使い方をしています。

  • このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の手札をすべて捨てる。

理想ムーブは1ターン目に《怨念怪人ギャスカ》を召喚、これでまず《手札の儀》を達成。

そして2ターン目に先ほど墓地に叩き込んだカードたちから《暗黒鎧 ザロスト》《ステニャンコ》《卍∞ ジ・エンデザーク ∞卍》《偽りの名 ドレッド・ブラッド》といったカードたちを宣言。

例えば《暗黒鎧 ザロスト》蘇生→《ステニャンコ》を《暗黒鎧 ザロスト》を割って蘇生→《卍∞ ジ・エンデザーク ∞卍》を《ステニャンコ》+先に出た《怨念怪人ギャスカ》を対象にして蘇生といった工程を経ると《復活の儀》と《破壊の儀》が達成。

《破壊の儀》で《ブラッディ・クロス》を拾うとちょうど墓地が5枚になっている筈で、ターン中にこれをプレイすることでぴったり8枚で《墓地の儀》が達成。

これで零龍卍誕し、《零龍》と《手札の儀》で出したGRクリーチャーでリーサルがありますよ、ということで無事2キルの完成です。

トリガーを踏んで止まったとしても《零龍》のワールド・ブレイカーは通っており、除去されない零龍が残っている中、2ターン目の貴方に何が出来るんですか? という要求を突きつけることになります。

デュエマはこれまで、アグロデッキはどんなに速くとも3キルという壁があったのですが、それをぶち壊しましたね。

前回お話した「手札の儀・破壊の儀問題」(ざっくり言えば、この2つの儀同士が互いの壁になっているため、リソースを残しながら零龍を卍誕出来なかったり、卍誕のテンポを阻害するという零龍の課題)を最速1ターン目に手札の儀を解決してしまうという、誰も干渉出来ない速度を出すことによって強引に解決しています。

ちなみに別に2ターン目に卍誕しなくとも当然強く、3ターン卍誕+過剰打点のような組み方も出来ます。

当時は【デイヤーループ】が最優デッキとして環境に君臨していましたが、速度に特化したアグロ零龍は環境の一角として脅威的な存在でした。

  • これを付けたクリーチャーに「パワード・ブレイカー」を与える。(「パワード・ブレイカー」を持つクリーチャーは、そのパワー6000ごとにシールドをさらに1つブレイクする)
  • 罪・無月の∞罪:自分のターンのはじめに、これが自分の墓地にあれば、自分のクリーチャーを2体破壊してもよい。そうしたら、このオーラをバトルゾーンに出す。
  • これをクリーチャーに付けた時、コスト7以下のオーラを1枚、自分の墓地から選び、そのクリーチャーに付ける。

なお速度に関する話をしていますが、零龍の性質上ちょっとゲームが長引いても強く、また《卍∞ ジ・エンデザーク ∞卍》のオーラを付ける効果を生かし《解罪 ジェ霊ニー》を使い回してコントロールするパターンの零龍デッキもありました。

実は全国大会2019に向けてこの構築のデッキをひっそりと調整していたのですが、コロナの直撃によってお披露目する機会を失いました。

 

まぁ結論として最速2ターンキルは従来のデュエマを大きく踏み越えていると判断されたか、そのトリガーであった《怨念怪人ギャスカ》は零龍登場から約半年後に殿堂となりました。

ぶっちゃけ《怨念怪人ギャスカ》は考慮漏れだったんじゃね? みたいな話は当時もあって、零龍が出るにあたってデッドマンがサンプルデッキをツイートした際にギャスカがあるないとかで話題になったことがあったよな~~~と思ってデッドマンのツイート遡ったんですけど、アイツ過去ツイ消してやがって、該当のものと思しきツイート見られなかったんですよね。

まーどうであれ、《怨念怪人ギャスカ》が殿堂されたことでアグロ零龍自体は下火になります。

が、それはそれとして「単体ではゲームを決めないけど、零龍卍誕に寄与出来れば強い」「過去のよくわかんないカードたちが零龍のお陰で輝く」という零龍の歴史は、まだまだ始まったばかりなのでした。

オカルトアンダケイン

最速3ターンロックのやべーやつ。活躍時期は2020年冬頃から翌年の初夏まで。デッキ自体は「ドラグナーへの対抗」の意味合いで開発された経緯があるため2020年の秋前くらいには存在していたのですが、プレイヤーに広く認知されるようになったのはだいたい2020年冬殿堂の前後でした。

特にZweiくんがこのデッキを喧伝していたこともあって、名前だけは知っているという方も多いでしょう。

(より正確に言えば、《不敵怪人アンダケイン》と《腐敗勇騎ドルマークス》を使ったランデス型の墓地ソースがあり着想元になったと思われるが、今回は割愛)

これってどんなデッキなの?って話をすると、むったさんがデュ礼講くらいの勢いでべらべら6時間は喋り始めるのであんまり書きたくはないのですが、とはえいデッキ名自体が一人歩きしている感もあるので、簡潔に触れておこうと思います。

ざっくり言えば、《不敵怪人アンダケイン》をフシギバース使って繰り出し、その効果で4コスト以下のクリーチャーを蘇生して、それを使い回して勝つ、というもの。

クリーチャーを使い回す際に《煉獄の悪魔龍 フォーエバー・オカルト》を用いることから、【オカルトアンダケイン】の名を冠しているわけです。

デッキの動きとして一例を挙げると、2ターン目にまず《戦略のD・H アツト》を召喚し、《不敵怪人アンダケイン》を墓地へ。そして《暗黒鎧 ダースシスK》を宣言。コスト5を盤面に用意します。

3ターン目に3マナからフシギバースを宣言し、《不敵怪人アンダケイン》を場に。そして《不敵怪人アンダケイン》の効果で《フォール・クロウラー》を場に、といった流れです。

《フォール・クロウラー》でなくとも《天災 デドダム》などでリソースを広げたり、《追憶人形ラビリピト》を蘇生して《煉獄の悪魔龍 フォーエバー・オカルト》と組み合わせて全ハンデスしたりと、柔軟な動きが可能です。

最終的には《フォール・クロウラー》を使い回し、相手のマナを全て刈り上げて安全に詰め切ることを目指します。

その中で《零龍》はあらゆる過程で動きを後押しする、最強の1枚でした。

盤面リセット能力は勿論ですが、《復活の儀》は《不敵怪人アンダケイン》で達成出来る上に蘇生クリーチャーの選択肢を増やすことが可能です。

また《破壊の儀》を《煉獄の悪魔龍 フォーエバー・オカルト》1枚で解決することが可能で、続く展開札の回収も行えてしまいます。

そして最後はフィニッシュに使う半ループのパーツとしても活躍することに。

具体的には《零龍》+《不敵怪人アンダケイン》+《フォール・クロウラー》の盤面で、これらをコストに《煉獄の悪魔龍 フォーエバー・オカルト》を召喚(※)。

(※現在では、《煉獄の悪魔龍 フォーエバー・オカルト》のコストとして、場を離れない=破壊できない《零龍》をとることは出来なくなっています)

つづいて《煉獄の悪魔龍 フォーエバー・オカルト》をコストにフシギバースを使用し、1マナで《不敵怪人アンダケイン》を召喚。これで《フォール・クロウラー》を蘇生し、フシギバースによってマナに送られた《煉獄の悪魔龍 フォーエバー・オカルト》を回収することで、黒マナの枚数分《フォール・クロウラー》を使い回すことが出来る訳です。

コンボそのものに墓地の枚数を必要とするわけではないため、当時よく使われた《龍素記号Xf クローチェ・フオーコ》などの墓地メタはプレイでケア可能なのも優れた点でした。

また例の手札・破壊の儀問題についても《追憶人形ラビリピト》が「相手の手札をゼロにすることで手札の儀を達成出来る」ことの他、卍誕を急ぐのであれば《破壊の儀》で《暗黒鎧 ダースシスK》を拾って即座に消費、なんてことも出来るので、この問題の解決を達成出来ています。

全国大会の延期の延期がなければほぼ間違いなくこのデッキが全国優勝の栄誉を手にしていたことでしょうし、全国大会は「最強のオカルトアンダケインはどの構築か」といったテーマになっていたでしょうが……。

結果としてコロナの影響で公式大会で日の目を見ることはなく、2021年の夏に《不敵怪人アンダケイン》と《暗黒鎧 ダースシスK》が殿堂入り。オカルトアンダケインの結論構築の闇の中に。

このデッキも終焉を迎えることになりました。

水闇ゼーロ

先3全ハンデスのやべーやつ。活躍時期は2022年の秋から冬。

《闇王ゼーロ》を使ったコンボ自体はあったものの、クロニクルデッキ「零龍」の登場によって大きくブラッシュアップされ、【青黒ゼーロ】として登場しました。

特にアフターコロナ初のGPとなったDMGP2022アドバンスでは、お馴染み◆ドラちゃんこと◆ドラ焼きさんが見事にベスト8へ。

使い方はクロニクルデッキの説明書に書いてある通り。《戦略のD・H アツト》などで手を回しながら、《暗黒鎧 ザロスト》やムゲンクライムを使って手札を保ちつつ盤面を展開。そして盤面3体を手札3枚を使って、《闇王ゼーロ》を唱えます。

イメージとして、先攻で《戦略のD・H アツト》をプレイした後に、手札を消費しなければゼーロが撃てます。例えばアツト→ザロスト+ターボ兆とか。《闇参謀グラン・ギニョール》があるとかなり幅広がりますね。

《復活の儀》もあるため、思っているより先3ゼーロは決まります。

で、そこで出すのが《知識の破壊者デストルツィオーネ》。

効果はシンプル、《ロスト・ソウル》内蔵クリーチャーです。当然ながら、これで手札破壊の儀問題は「相手を全ハンデスする」ことであっさり解決。更に《零龍》の唯一のデメリットである相手の手札+1枚という点も、3ターン目には関係なくなるので割と解決。

ここで1回全ハンデスを通した後は、じっくり《龍月 ドラグ・スザーク / 龍・獄・殺》からGRで打点を展開。これも、クロニクルデッキで手にした新ギミックでした。最後は《時空の禁断 レッドゾーンX》も絡めながら細かく詰めていく、という感じですね。

このデッキは先にマウントを取ってしまえば《墓地の儀》残しで盤面を詰めていき、何かトリガーを踏んで除去を食らったときに卍誕で返すことが出来ますし、逆に相手に先にマウントを取られても卍誕さえあれば返すことも出来ます。

 

ちなみに零龍デッキ大好きアドフィクさん曰く、《手札の儀》残しというプレイが確立されたのはこの頃からとのこと。

というのもこの時期はクロニクルデッキの【火闇ドルマゲドン】や【ガイアッシュ覇道】といったデッキが活躍しており、環境にドルマゲドン・禁断が多い時期でした。

これらは受けのギミックとして禁断カウンター……即ち、コマンドをトリガーさせての禁断爆発や《最終龍覇 ロージア》+《邪帝斧 ボアロアックス》→《インフェル星樹》を使った禁断解放による受けが存在しているわけです。

この禁断カウンターは本来のデッキならば《時の法皇 ミラダンテXII》のようなカードでないとケア出来ないのですが、そこは《零龍》。

最終的に詰めるときに手札を使い切ったり、或いは《時空の禁断 レッドゾーンX》などを使って《手札の儀》の条件を達成して殴り始めると、禁断爆発を食らってもターン終了時に《手札の儀》から卍誕して《終焉の禁断 ドルマゲドンX》を一発処理して勝利、となるわけです。

(対ガイ覇の場合は《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》などがあって手札が増えるパターンもありますが、少なくとも先に踏むロージアはケア出来てるし、後続のクリーチャーを《時空の禁断 レッドゾーンX》に侵略などにすることで追加のケアも可能)

ちなみに同じ理屈で、自分が攻めている時であれば【マーシャルデリート】などの楯からの《アクア・スペルブルー》→《オールデリート》もケア可能。こっちに関しては、デリート撃てば勝手に《手札の儀》条件を達成するんですよね。

対オービーメイカーの《とこしえの超人》も先に《復活の儀》さえ切れている状況ならば……とか、色々と書きたいことはあるのですがそれはまたおいおい。

いずれにせよこの年の《零龍》は大暴れをしたため、そのギミックの主犯格である《暗黒鎧 ザロスト》は遂に殿堂に。

以降は《ビックリーノ》を使ったリペアがされることになりました。

 

(参考・水闇バタイユDOOM)

 

同じく《復活の儀》+《暗黒鎧 ザロスト》のギミックを使ったデッキ。

盤面に4体クリーチャーを並べて《アクセスコード・トーカー》……ではなく、《ジョルジュ・バタイユ》を召喚。

これで《破壊の儀》を満たしつつ墓地を大量に肥やし、《破壊の儀》で《超神星DOOM・ドラゲリオン》を拾ってそのままDOOM+《禁断竜王 Vol-Val-8》で勝つ、というデッキ。

卍誕を特にギミックに組み込むことなく、《破壊の儀》だけをしゃぶり尽くす。捕鯨して油だけ採取して残りは廃棄するみたいな所業。

ちなみに《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ》が効かないという利点はあったものの、【青黒ゼーロ】以上に《暗黒鎧 ザロスト》へ依存するため、《暗黒鎧 ザロスト》殿堂によって当然消えた。

(参考・自然単オービー)

自然のクリーチャーが5体以上いると、《界王類絶対目 ワルド・ブラッキオ》になれる《十番龍 オービーメイカー Par100》。

先攻だと5体並べるというのは難易度が高いが、そこを《手札の儀》で解決したのが、この零龍入りのオービーメイカー。3ターン目に手札を使い切ると、盤面は基本的には4体。《手札の儀》からのGRクリーチャー召喚によって、ぴったり5体揃えることが出来る。

《零龍》のデメリットについては、早期に《十番龍 オービーメイカー Par100》を着地させることで相手の多くの手札を腐らせる事が出来るため、そこまで痛手でもない。

清々しいくらい《零龍》の美味しいところだけを利用したデッキだが、《樹占の風》を使って《復活の儀》を目指したりなど、何故か真摯に《零龍》の卍誕を目指すルートを確立しようという人もいたとか。

ちなみにこちらは殿堂の影響はほぼ受けておらず、現在でもそのまま使える。環境的に受けが強い期間が長くて適応が難しかったが、現在では《とこしえの超人》をもっとも上手く使えそうなデッキとして再注目されているところ。

 

なお2023年には【水闇サガ】という、自分の動きだけを考えれば絶対に《零龍》があった方が強いデッキが存在していましたが、3~4ターン目の2ドロー(復活の儀)でアドを稼ぐよりも開始時に相手に1枚手札を追加で与える方がヤバいというミラーの特性により、【零龍サガ】はあまり一般的にはなりませんでした。

今回の殿堂に関わるデッキ

で、いよいよ現在活躍中のデッキについて触れていこうと思います。

水闇卍夜

全国大会2023にて、◆ドラちゃんでお馴染み◆ドラ焼きさんらが持ち込んだことで注目されたデッキ。

デッキ自体は有志の開拓によって2023年の夏頃からデッキの存在は知られていたのですが、その難解さとアドバンスの大型大会がなかったことも合わさって、デッキ自体が中々フィーチャーされませんでした。

どういうデッキなのかと言えば、DTLでセキボンさんが披露してくれましたが、決まれば3ターン(一応最速2ターンルートもある)の《ツタンメカーネン》ループデッキです。

《卍夜の降凰祭》によって《龍月 ドラグ・スザーク》を繰り出してGRを並べ、それらを《暗闇の裏闇市》によって割りながらドローすることで後続を確保しつつ山札を掘り進めていき、最終的にはGRを全て引っ張りだして、それらを《龍月 ドラグ・スザーク》で出し続け、自分は《ジョルジュ・バタイユ》を《暗闇の裏闇市》によってLO回避するので、《ツタンメカーネン》がグルグル回るよ~という感じ。

とはいえこれはあくまでフィニッシュの1つに過ぎず、《卍夜の降凰祭》さえあれば《ガル・ラガンザーク》か《頂上混成 ガリュディアス・モモミーズ’22》の相手によく刺さる方を山札から放り投げることでゲームが成立します。どちらかというと、これが強いことでデッキが成立していると思っています。

《零龍》はというとこのデッキでは比較的サポートに徹する役割にはなっていますが(それでももちろん、上記2つの参考デッキに比べたら遙かに卍誕は狙う)、アドフィク曰く、このデッキはどの零龍デッキにもない零龍の使い方があって、それが手札の儀で《ガル・ラガンザーク》が立つこと。

これまでの零龍デッキはGRが比較的大人しくゲームの決定打になることはあまりなかったのですが、《堕魔 ドゥザイコ GR》に夢幻無月の門がくっついてくるなら話は全然別。

このお陰でメタカードを超えることも出来るようになっており、例えば相手の《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》に対して敢えて《卍夜の降凰祭》を唱えて魔導具セットと《ガル・ラガンザーク》を墓地に叩き込み、《墓地の儀》達成でテスタを処理。ターン終了時に《手札の儀》で《堕魔 ドゥザイコ GR》をGRして夢幻無月の門の宣言、《ガル・ラガンザーク》を擁立、みたいな感じです。これでバイクはまぁまぁちゃんと死にます。

 

またこのデッキに関する研究も進んでおり、完全ループを必要としない環境であれば《ツタンメカーネン》を引っこ抜いて《堕魔 ドゥザイコ GR》を12枚揃えることで、上記のような展開を狙ったときにエラーが発生しなくなりました。

ちなみにこの場合でも《卍夜の降凰祭》をループさせることは出来るので、山札を調整することで《頂上混成 ガリュディアス・モモミーズ’22》のEXライフに《卍月 ガ・リュザーク 卍 / 「すべて見えているぞ!」》を仕込んで殴りにいく、みたいなケアをやったりします。

ただコイツに関しては、まぁ《零龍》が強すぎるというよりも実は《ガル・ラガンザーク》が強すぎる問題の方が大きい気がしているので、《零龍》云々ではないと思っているのですが、問題は次のコイツです。

闇単ゼナーク

みんながほのぼのと3キルしている牧歌的なアドバンス村を、突如襲った黒い悪夢。

ここまでの零龍デッキをよく知る人ならわかるかと思いますが、【アグロ零龍】+【青黒ゼーロ】を足して割らずに2を掛けたようなデッキです。

デッキの主役は、新弾で登場した《死神覇王 ブラックXENARCH》。

最速で2ターン目に着地することもあり、以降は苛烈なハンデスを飛ばしてくるため、3ターン目には沈黙させられることも多いです。

例えば、1ターン目に《緊縛の影バインド・シャドウ》、2ターン目に《霊淵 アガルーム=プルーフ》と《堕魔 ザンバリー》を召喚。《堕魔 ザンバリー》で《死神覇王 ブラックXENARCH》を切って、アガルームでバインドをハイパー化すると、これで条件達成。

2ターン目の終了時には、まず《霊淵 アガルーム=プルーフ》の効果で3体墓地肥やし。

続いて、《死神覇王 ブラックXENARCH》が蘇生し、これで《復活の儀》と《破壊の儀》の条件を達成。

一旦《復活の儀》を使った後、先に《手札の儀》を使ってGR召喚、その後《破壊の儀》を達成して、墓地に落っこちた《無限皇帝の顕現》を回収。

最後に、《死神覇王 ブラックXENARCH》の効果を解決し、自身の登場時とGR召喚をした分で2回ハンデス。

次のターンも、《無限皇帝の顕現》があるので、確実に2ハン出来ます。これ、先攻2ターン目です。

上記の展開を見ればわかるように、これまで散々書いてきた手札破壊の儀問題についても、ターンエンド時に《手札の儀》を解決した後に《破壊の儀》を達成出来るという、なんかもうこれまでの調整はなんだったんだと言いたくなるような身も蓋もない解決をしています。それが出来たらみんなやってるよ!

更に《DARK MATERIAL COMPLEX》とも相性がよく、《死神覇王 ブラックXENARCH》がカウントを稼いでくれるのはもちろん、自身が《死神覇王 ブラックXENARCH》のカウントに貢献したり、フィニッシャーになったりと、まぁまぁやりたい放題チャンネル。

あの【火水マジック】すらも、多数のブロッカーに囲まれるこのデッキを突破出来ずにハンデスを押し付けられるため、不利を被っています。

2ターン目の《巨大設計図》でリソースを確保出来る【光自然ヘブンズゲート】も、自身が展開する4ターン目までには手札を刈り尽くされたり、或いは折角展開したものを《死神覇王 ブラックXENARCH》で粉微塵にされたり、《∞龍 ゲンムエンペラー》すら《死神覇王 ブラックXENARCH》効果で打ち砕かれるので途方に暮れることになります。

アドバンスのプレイヤーもそれ相応に知識や引き出しが多いので様々な手を使って対策を試みていますが、それ以上にゼナーク側の引き出しが多く、そもそも最速2ターン目の動きに対応出来るデッキはおろかカードが少なく、そしてそして《零龍》の存在が壁として立ち塞がってきます。

例えば《とこしえの超人》は確かに有用な対策カードではありますが、《とこしえの超人》を出せば3~4ターン貰えるかといえば全然そんなことなく、突如《無限皇帝の顕現》が《メンデルスゾーン》と化すために6マナで手札から召喚されるパターンがあり、《とこしえの超人》を出して貰えるターンはせいぜい2ターンくらいと思った方がいいでしょう。

また、《死神覇王 ブラックXENARCH》が「各のターンの終わり」であるために、相手ターン中の召喚を咎めるメタカードは貫通されます。また《ポッピ・冠・ラッキー》というこの手のメタカードの中では最強クラスの効果・耐性を持っているカードでさえ、パワーが3000ライン以下であると《霊淵 アガルーム=プルーフ》の効果後に《墓地の儀》を使用され、これで溶けた直後に《死神覇王 ブラックXENARCH》がこんにちはしてくるんですね。

また《死神覇王 ブラックXENARCH》の着地を咎める状況になったとて、今度待っているのが《DARK MATERIAL COMPLEX》や《零龍》による怒りのフルパン。

特に《墓地の儀》残しから、《DARK MATERIAL COMPLEX》攻撃時に《ビックリーノ》出すと、受けられるトリガーって《終止の時計 ザ・ミュート》等の本当に数える程しかないんですよね。

というわけで現在アドバンスでは「ゼナークに勝てるデッキ」という以前に、まず「ゼナークに勝てる口デュエマ」を探すところから始まっており、どちらかといえば大喜利のレベル感で対策を考えている段階です。

ちなみに私は《ユニバーサル・鮫・アンド・シー》+《夜露死苦 キャロル》を入れた【火水マジック】で挑みましたが、当然抜けるのは《ボン・キゴマイム 》だったために、同型の《ボン・キゴマイム》にわからされて負けました。そうじゃないねん。

で、どうするの?

一応、《死神覇王 ブラックXENARCH》登場前にアドフィクさんと話していたのは、《ガル・ラガンザーク》のプレ殿希望、という話でした。

というのも【火水マジック】が何らかの殿堂を受けるのはオリジナル視点で確実であり、こうなると上位3デッキ(マジック、天門、卍夜)のバランスが卍夜一強に大きく傾いていくこともあって、そうなると《ガル・ラガンザーク》のプレ殿なんじゃね? という。

となると天門最強じゃね? とも思うのですが、まぁどんなに早くても4キルしかしない天門が最強の分には対策もあるし、健全な環境じゃねーの? という話でした。

まぁこれは(少なくともプレイヤー視点では)納得感があります。対天門はある程度ゲームを遅らせる手段もあるし、天門に効くカードも積みやすいので、天門が最強の分にはデッキによっては太刀打ち出来るんじゃないか、と(ドラグナー達に希望があるとは言っていない)。

 

ところが《死神覇王 ブラックXENARCH》がやってきて、この前提が色々大変なことになりました。

私の希望だけ言うならば《零龍》+《死神覇王 ブラックXENARCH》のコンビ殿堂なんですけどねぇ。現在掛かっているコンビ殿堂って「《未来王龍 モモキングJO》+《禁断のモモキングダム》」だけなんですけど、同じくらいの格はあるでしょ。

ただあの《絶望神サガ》でさえ半年使わせようとする開発なので、どうやら新しく出したカード・それに伴うデッキをすぐに規制掛けないというのは、かなり優先度の高いルールっぽいんですよね。だってサガだよ? 冷静に振り返ってテキストミスってただろとしか思えないあのサガですら、半年くらい遊べたんですよ。

となると、零龍ゼナークって今回実はノータッチなんじゃないかな……。

 

一応他の案としては《零龍》の直プレ殿とか、或いは《緊縛の影バインド・シャドウ》の殿堂とかですかね。

ただ《零龍》のプレ殿ってやらないような気がしているんですよね。

《零龍》って《零龍》をサポートするカードでデッキ40枚を構成出来うるのが本当に面白いカードだと思っていて、アドバンス特有のものだとも思っており、これが無くなるのはアドバンスにとって大きな損失だと思っています。

その上で《零龍》は確かに強すぎて、幾ら何でも殿堂カードを出し過ぎなんだよな。《怨念怪人ギャスカ》、《暗黒鎧 ダースシスK》、《不敵怪人アンダケイン》、《暗黒鎧 ザロスト》、みんな大変なことになってしまいました……。もっと言えばたぶん《腐敗勇騎ドルマークス》とかも含まれるでしょう。ここに《緊縛の影バインド・シャドウ》も足します? そうしないと思うんだよな。

コイツらの中には《零龍》なくてもという雰囲気の人たちもいますが、《零龍》と組んだらダメなことは確実で、如何に《零龍》が強いかという話ではあるんですよね。

 

面白い案だと顔見知りのあーくんが「《復活の儀》をプレ殿して、代替となる新しい零龍星雲を出すのはどうか」という話をしていました。

イメージとしては神帝シリーズみたいに、《復活の儀》の代替となる零龍星雲をくっつけて遊ぶ感じですね。

まー面白い案だとは思うのですが、現実的ではないですかね。そもそも、零龍星雲を単体でどうこうするのは現在のルール上無理だと思っています。

というのもこれは伏線?だったんですけど、実はその1で公式ルールを引っ張り出してきた理由ってここにあって、零龍星雲自体はカード名を持たない(810.4a)ので、たぶんそれ単体を殿堂・プレ殿させることは現状不可能な筈。

まぁルールを変えることも出来なくはないでしょうが、何より《零龍》の1枚の代替を作る、という案があまり現実的に聞こえないので、これは面白いですけど将来的にもないかなと思っています。

 

というわけで、私の希望を言えば《零龍》+《死神覇王 ブラックXENARCH》のコンビ殿堂予想としてはノータッチ。だってサガでも使えたんだもん。たぶん使えるよ。

 

長い長い《零龍》編でしたが、お付き合いいただきありがとうございました。

次回、「天門編」でお会いしましょう。それでは、また。

 

勝手にすぺさん:アドフィク、◆ドラちゃん


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