どうもご無沙汰しております。レッドことyk800です。
去る2020年3月14日(土)、ついに発売された「十王篇」の始まりを告げるスタートデッキ、「ジョーのキリフダッシュ」&「鬼札の鬼タイム」。
新ギミックである<キリフダッシュ>と<鬼タイム>をいち早く体験できるこの機会、逃してなるものか! と友達を誘って対戦会をやってきました。
やばいねデュエマ。めちゃくちゃ楽しい。
そんな激アツスタートデッキ、この記事では「ジョーのキリフダッシュ」にスポットライトを当て、スゴいところを徹底解剖していきたいと思います! 早速レッツゴー!
→「鬼札の鬼タイム」編はこちら。
「ジョーのキリフダッシュ」
目次
ざっくり所感
まずは「ジョーのキリフダッシュ」から解説。というのも友達と1つずつデッキを買ったんだけども、僕が使ったのが「ジョーのキリフダッシュ」の方だったので。もちろん入れ替えてプレイもしたので「鬼札の鬼タイム」についても抜かりありませんよ! 同時にアップされた記事で解説していますのでそちらもよろしくお願いします。
チーム切札のメインギミックである<キリフダッシュ>を大々的にフィーチャーした「ジョーのキリフダッシュ」。4投された《凶戦士ブレイズクロー》や《無頼勇騎タイガ》、<キリフダッシュ>の凄さを最速2ターン目に体感できる新カード・《新導バット》など、前のめりでアグレッシブな側面もあれば、トリガーブーストでありながら4マナと手打ちしやすく、時に除去トリガーとしても機能する《ヘットルとフエートル》、「なんで回収が任意なんだ」と巷で話題の超パワーカード・《熊四駆 ベアシガラ》などでガッツリとマナを伸ばし、腰を据えて戦いに行く側面もあり、これらを大量投入されたトリガーでバックアップしながら戦っていくスタイル。
これは「鬼札の鬼タイム」にも共通なんですけども、今回のスタートデッキはトリガーの枚数がめちゃくちゃ多いです。お互いに殴って勝つしかないスタートダッシュデッキどうしの対決ではこれが非常に重要なポイントになるので覚えておくといいでしょう。
先述の通り、基本的にビートダウンデッキではあるのですが、切り札である<キリフダッシュ>軍団が4〜5マナのラインに集中しているので、速攻デッキと呼ぶにはやや遅いゲーム感を意識しなければなりません。序盤のクリーチャー展開は打点というよりも「置き<キリフダッシュ>起動装置」という感覚で、あまりガツガツ攻めていくよりもしっかりため込んでから動き始める方が<キリフダッシュ>の強みが活かせるように感じました。
じゃあ、そんな<キリフダッシュ>の強みってなんなのさ? ズバリ3つのポイントにまとめてお伝えしましょう。それがこちら!
⒉マナさえ足りれば1ターンに何回でも、好きなブレイクのタイミングで発動できる!
⒊「どの<キリフダッシュ>が来るんだろうか?」 と相手に悩ませ、時にプレイの方向性を強制できる!
まずは1つ目。<キリフダッシュ>の最大の強み、それはなんと言っても「トリガーを回避しやすいこと」でしょう。<キリフダッシュ>はシールド・トリガーを解決しおわった後に宣言、解決ができる能力です。当然ながら<キリフダッシュ>で登場するクリーチャーを除去トリガーで除去することはできません。ラス盾のブレイクに合わせてスピードアタッカー持ちの<キリフダッシュ>を構えることができれば、かなり確実性の高いダイレクトアタックを実現できます。
たくさんトリガーを踏まれて状況が変わってしまった時でも、「何を使うか?」「そもそも使わないのか?」といったところを後出しで調整できるのはこれまでのカードにあまりなかった強みです。
そして2つ目。これも1つ目と共通する部分が多いのですが、自分で「どのブレイクに合わせて<キリフダッシュ>を発動させるか? を自分で調整できる点が素晴らしいですね。1回のブレイクで使う枚数に制限はないので、「トリガーから《ツルハシ童子》(スレイヤーブロッカー)出てきたけど《モモダチパワー!》でどかして《勝熱龍 モモキング》で打点削りつつ2点。ちょうどシールドがなくなったところでもう2マナ、《新導バット》を召喚してダイレクトアタック!」とパズルみたいに動いて詰めにかかる局面も実際の対戦中にあったりしました。
これ実際にやってみると強いだけじゃなくてめちゃくちゃ楽しい! リアルタイムに戦術を組み換えていく感覚をデュエマで実感できるのはとても新鮮。ぜひ実際に対戦してみて味わってほしい感動でした。
最後に3つ目。これは対面をやってて思ったことなのですが、デッキ収録内の<キリフダッシュ>軍団だけでも「どれが飛んでくるか」を想定してトリガー除去の当て先やブロックする・しないを決めるのは困難を極めました。全ケアとか無理ですよ、本当に。
もちろん致命的なものだけはどうにかして避けることになりますが、この「致命的なものは回避しなければならない」というのがかなりのクセモノ。キリフダッシュ視点からすれば「相手にとって一番致命的な行動」がわかれば、それをほのめかすプレイをすることで応手を打つことを強制させることができます。それに合わせて作戦を決めればいいわけですから、圧倒的に優位に立てますよね。
ただし、これはお互いにある程度のカード知識や「読み」が成り立つ対戦相手でなければあまり意味のないことでもあります。初心者さんの場合は、あまり考えない方がいいかもしれませんね。
総じて「真面目にやろうとするとめちゃくちゃ頭使うギミックだなー!」というのが大雑把な感想。
ハイエイジのプレイヤーにとってビートダウンデッキの戦略を大きく広げる選択肢として魅力的であるのはもちろん、「バトルフェイズ中に突然切り札が飛んでくる!」という見た目のハデさがあるため、ローエイジのプレイヤーにとっても十分に楽しめる素晴らしいギミックだと感じました。
では、個別のカード解説に移っていきましょう。
収録カード徹底解説!
《凶戦士ブレイズクロー》・《無頼勇騎タイガ》
このデッキのアグロっぽい要素を支える部分。どっちもスタートダッシュデッキの収録内容としてはバッチリですが、<キリフダッシュ>の噛み合いはあまり良くありません 。
1ターン目から展開できるクリーチャーやスピードアタッカーは一見すると<キリフダッシュ>起動に便利そうに見えますが、《凶戦士ブレイズクロー》は強制アタックを持っているため殴り返しなどで破壊されてしまうと手札1枚の損失になってしまう点。スピードアタッカーは同一ターン中に<キリフダッシュ>用のマナを確保しなければならないため展開が遅くなる点でやや扱いづらいです。
ただし、《新導バット》や、新パック「切札×鬼札 キングウォーズ!!!」に収録される《カダブランプー》や《モモダチ キャンベロ》といった、「火文明単色」かつ「1〜2マナで発動できるキリフダッシュ」との相性は抜群。新パックでこれらのカードを引き当てたプレイヤーが速攻デッキに改造するための道筋として、これらのカードが収録されているのだと思います。
《火焔タイガーグレンオー》・《デュエダインD》・《罠の超人》
再録トリガークリーチャーズ。<キリフダッシュ>というギミックはシールドをブレイクしなければ何も始まらないので、場に残って打点となるトリガークリーチャーの存在は大事です。
特に《火焔タイガーグレンオー》は「鬼札の鬼タイム」に収録されている《ガワラ入道》や《ツルハシ童子》といった厄介なブロッカー軍団を一掃できる優れもの。スタートダッシュデッキどうしの対戦においては、このカードの存在によって、「ブロッカーを起こしておいてトリガー除去で凌がれた場合に備えるか? それともパワーの低いブロッカーたちから先に殴って《タイガーグレンオー》を避けるか?」というような駆け引きが生まれている点が絶妙だと感じました。場合によっては手打ちも視野に入る、見た目よりも重要なカードです。
《デュエダインD》は火力範囲が限られるのはもちろん、バトルなので《ガワラ入道》が戻ってきてしまう点、スレイヤーにぶつけると死んでしまう点でやや扱いづらさが目立つかな、といった印象。
《メイプル超もみ人》
マナを伸ばせて殴れるジョーカーズクリーチャー=神。3ターン目に取りたい行動ナンバーワンです。
というかこのデッキ、3ターン目にやることがマジでない。2ターン目に殴れるクリーチャーを置いても<キリフダッシュ>のビッグアクションは4マナ以降に固まっているため、ここで絶対にギャップが生じます。改造するならこの辺りをどうにかする意識を持って構築を探っていくのが良いでしょう。
3マナを増やすアプローチとしては《洗脳センノー》や《爆鏡ヒビキ》、新パックから収録の《U・S・A・BRELLA》などのメタクリーチャー、あるいは盤面を作れる《ウォッシャ幾三》などの採用がオススメ。
2ターン目にマナを増やすアプローチとしては大定番の《ヤッタレマン》・《タイク・タイソンズ》はもちろん、ジョーカーズにこだわらずにカードを選べるようになる《虹彩奪取トップラサス》などの採用も良さそうです。というか「なんで鬼タイムには《ブラッドギア》入ってるのにキリフダッシュには《トップラサス》ないねん!!!」って無限にキレてました。
《ノー千休》
それではお待ちかね、新カードの解説です!
《ノー千休》は先述した「置き<キリフダッシュ>起動装置」としてまあまあ優秀なカード。それ以上でも以下でもなく、普通に改造すれば抜けていくカードですが、ことスタートデッキ対決であればかなり有用です。なぜなら、このカードはスレイヤーによる殴り返しを受けないから。
「鬼札の鬼タイム」にはスレイヤーが一定数採用されており、思考停止で殴ると損をしやすい構造になっています。しかし、相手の速攻もなかなかのものですから、殴り返しを一切しないというのもなかなか辛い。そこで《ノー千休》の出番。
「鬼札の鬼タイム」に収録されている2コス以下のカードは全てパワー2000以下であるため、パワー3000の《ノー千休》で一方的に潰すことができます。その上で《キズグイ変怪》などでの殴り返しを受けず、安全にアンタップして中盤以降の<キリフダッシュ>要員に回せるので、かなり便利なカードである印象でした。構築で使えるレベルではないかもしれませんが、デッキを使って遊ぶ分には覚えておきたい1枚ですね。
《ヘットルとフエートル》
ブロッカーも退かせるトリガーブースト。<キリフダッシュ>を活用するうえで、ブロッカーの排除は永遠の命題です。4コスという比較的手打ちしやすいコスト域で繋ぎとしても優秀。現在の環境でそのまま活躍できるとは一切思いませんが、<キリフダッシュ>の動向・およびそれに伴うブロッカーの増え方次第では構築でも使われうるカードだと思います。このカード《タイク・タイソンズ》からJチェンジしてブーストできるんだよな。
スタートデッキ対決においては「このカードが2枚盾に埋まってればフリーウィン」と言えるほどのカード。ガツガツ殴ってくる「鬼札の鬼タイム」に対してはトリガーブーストでこちらの手を早めるのが非常に有用ですし、めちゃくちゃ厄介な《ガワラ入道》や《ツルハシ童子》を後腐れなく処理できるのも強いポイント。
強いていうなら2ターン目にブーストや軽減を使って3ターン目に出せればさらに便利になるので、改造するならそっち方面で考えたいですね。
《新導バット》
<キリフダッシュ>急先鋒。トリガー除去で止まらないスピードアタッカーがなんと2マナで手に入っちまうんだ! 対戦会においてはダイレクトアタック率文句なしの第1位でした。
たった2マナで発動できるので気軽に使うことができて、ルーティング能力も強制ではありますが便利。このカードの攻撃時に手札に加わった<キリフダッシュ>も攻撃終わりに宣言することができるのでトップにお願いするアツさも楽しめます。手札0ならタダでドローできるテキストも優しい。
パワー4000のボディが頼もしく、殴り返し要員としても優秀ですね。《キズグイ変怪》の猛攻を相打ちで防いだことは数知れず。「鬼札の鬼タイム」が誇る最凶トリガークリーチャー《「辻斬」の鬼 サコン丸》の対象範囲外なのが結構偉く、中盤に出た《新導バット》が止まらずに殴り切れる場面も1度ありました。
今回のような中速デッキはもちろん、速攻デッキに入れても凶悪な性能を発揮してくれそうなので、構築での活躍が楽しみな1枚です。冷静に考えて簡単に2ターン目2打点を入れられるのはスペックが壊れている。
「鬼札の鬼タイム」を改造するならぜひ入れたいカードです。墓地肥やしまでついてるんだもんなあ。
《飛べ! イカロソくん》
テキストから受ける印象よりも遥かに強力だったカード。実質ノーコストのスピードアタッカーなので弱いわけがなかった。
最初の方は「攻撃しなければならない」「<キリフダッシュ>を構えてなければ意味がない」「ブロッカーがいると機能しない」といろいろな問題があるように見えて微妙かな? と思っていたんですが、<キリフダッシュ>を貯め込むプレイに切り替えたところで評価が一変。
何よりも、「アタックトリガーなのでとりあえず出して残しておけば次のターン以降に使えるマナが実質+5される」という部分が凄まじくえらい。残れば勝つカードなので対処を強制することができ、そうなると5000という絶妙に処理しづらいパワーが活きてきます。
構築では未知数ですが、「鬼札の鬼タイム」との対戦においては《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》の範囲外に収まっているため5マナ以下で対処する手段がほぼなく、出してしまえば高確率で1ターン生き残るカードとして安心して運用ができました。あとは手打ちの除去でブロッカー捌いて《イカロソくん》が5マナ起こしてキリフダッシュ連打で終わり!
2枚あればアンタップも2回使えて、《ベアシガラ》の回収能力で次の弾を引っ張ってきてゴー、みたいな動き方もできるようになるのでとにかく面白いカードでした。
《モモダチパワー!!!》
ブロッカー排除として使いにくいのが困り物ではあるものの、厄介なスレイヤーやシステムクリーチャーの除去に便利な火力呪文。「鬼札の鬼タイム」とのマッチアップではどちらかと言えばトリガーとしての用途が中心だった印象ですが、「ジョーのキリフダッシュ」ミラーになれば甘えた《イカロソくん》や《ノー千休》を1マナでガシガシ咎める凶悪なカードとして使われそうです。
このカードはどちらかと言えば構築での活躍の方に期待がかかるカードではありますね。1マナで6000まで焼けるとなると単なる火力呪文といえども環境次第で検討に値するようになるでしょう。
《ホスピヨゲール》
絶妙な重さと「自然単色」というマナへの置きやすさが相まってあまり使った記憶のないカード。《ガワラ入道》や《ツルハシ童子》の処理に使いたかったところなんですがキリフダッシュするためにはブロッカーが邪魔なので難しいカードでしたね……。
9000というわがままボディはなかなかの存在感。《「双打」の鬼 ウコン丸》の火力範囲外なのはこのデッキだと《勝熱龍 モモキング》とこのカードのみなので展開次第では使うこともある……のかな……? 改造すれば抜けてしまうカードだと思います。
《ゴールド・キンタックス》
ブロッカーの処理に使いたいところなんですが<キリフダッシュ>するためにはブロッカーが以下略。実際の使用感としては「4コスSA2打点バニラとして使う」「6コスで厄介なブロッカーをどかしながら走るSA2打点として使う」の2つのモードがあるカードだな、という感覚でした。
SA2打点ということで複数の《イカロソくん》を絡めた大展開の後詰めとしては非常に優秀です。もちろんシンプルにスペックが高いので強いことには強いのですが、「アグロプランで使いたいのに2ターン目にブーストが撃てないので4ターン目まで登場を待つことになり、その間に打点が捌かれたりブロッカーが立ったりして仕事させづらくなる」という展開は非常に多かったです。やはり2ターン目にブーストを撃たなければ……。
カード自体のパワーは高いもののこの構築のままでは活かしきれない、ややもったいないカードという感じ。裏を返せば改造によって光を当てることのできるカードかな? とも思うので使い方を考えてあげたいところですね。シンプルに《一撃奪取トップギア》・《虹彩奪取トップラサス》から繋ぐとグルーヴ感溢れて非常にいい感じ。
《熊四駆 ベアシガラ》
さて、ついに来た問題のカード《ベアシガラ》。このカードもまた、《キンタックス》と同じ「2ターン目にブーストがないから3ターン目に出せない問題」の影響を色濃く受けているカードではあります。しかし、このカードは中盤以降に強いのが魅力です。
何よりも注目すべきは、「2ブーストがアンタップインである」という点。つまり、デッキトップから単色が2枚落ちれば実質2マナとして運用でき、そのまま追加の<キリフダッシュ>を叩き込んでロケットスタートが取れるわけです。
<キリフダッシュ>はあとで実際にプレイができない状態になったとしても宣言自体は可能です。アンタップマナが4マナの状況で《ベアシガラ》と《新導バット》の<キリフダッシュ>を宣言し、《ベアシガラ》召喚→火文明を含む2マナがアンタップ状態で追加されたので《新導バット》召喚というようなアクションも取れるので、戦略の幅が一気に広がります。多色入りのデッキでは濁る危険性がありますので、自然単色のデッキで特に活躍しそうなテクですね。
ただし、<キリフダッシュ>の宣言はすべて同時に行う必要があるので、《ベアシガラ》で回収した<キリフダッシュ>をそのままプレイ、みたいな曲芸は残念ながらできません。うっかりルールミスして、回収するカードを間違えないようにしたいところ。
新弾のカードとして公開されている《モモダチ キャンベロ》は火の1マナで《ベアシガラ》をSA2打点として運用できるようにしてくれるため相性抜群。先述のアンタップインテクとの相性も良いためアグレッシブな《ベアシガラ》の使い方としてはかなり良さそうです。
《勝熱龍 モモキング》
スペックがシンプルに高い良カード。2面除去と1面除去+Wブレイカーのどちらを選んでも5マナのアクションとしては破格の性能です。
ただし、ブロッカーの処理に使いたいのに<キリフダッシュ>するには以下略な難点は依然として持ち合わせており、あくまでも差し合いを制するカードという印象。スタートダッシュデッキをどちらも使う場合は、「ジョーのキリフダッシュ」ミラーの場合に特に重要な役割を果たしそうです。
どっちが強い? 「ジョーのキリフダッシュ」・「鬼札の鬼タイム」
スタートダッシュデッキどうしの対戦会ということで、やはり重要になるのは直接対決の結果。こっちが強い! と明確な結論を出せれば良かったのですが、僕と友人との見立てでは相性は五分五分といったところでしょう。
トリガーの採用枚数が14枚と非常に多く、どちらも搦め手を持たないシンプルなビートダウンの構成なので、トリガーの埋まり方・踏み方にかなり左右される印象でした。「最初のワンパンで《サコン丸》を踏んでしまってそのままズルズルと盤面制圧されて負け」「《ブラッドギア》経由で後手4ターン目に出てきた《ウコン丸》が2回攻撃してきたが、どっちも《ヘットルとフエートル》を踏んだので2ブーストして6マナ。返しにマナ埋めて《イカロソくん》からフルパンして《モモキング》→《新導バット》で6点、《イカロソくん》と《モモキング》で2枚トリガー踏んだけどどっちも<キリフダッシュ>で回避して勝ち」みたいなゲームがまあまあの頻度で展開されます。
しかし、「じゃあ運だけじゃん!」とはならないのがこのゲームの面白いところ。トリガーの採用枚数が多いことはお互いにわかっているので、攻撃の仕方や<キリフダッシュ>、事前のプランニングの妙が結果にきっちりと反映されます。その上でどうしようもない運負けもありますが……やれることはやってのそれと完全な運ゲーでは感じ方が全く違いますよね。
考えられることは無数にあって、その上でトリガーによる運要素が程よく実力差を覆してくれるいいバランスのデッキ相性です。今回のスタートデッキは至る所から開発部の本気を感じますね。
さて、それでは僕が感じたマッチアップのコツを解説していきます。
まず、全体を通してのプランニングは「貯めて伸ばしてワンショット」。「ジョーのキリフダッシュ」側は基本的に序盤から攻めてはいけません。相手の<鬼タイム>達成を早めますし、トリガークリーチャーや与えた手札から簡単に打点を伸ばされてしまいます。
相手は<鬼タイム>達成のために序盤からガンガン殴ってきますので、序盤はこれらの殴り返しやマナブーストに費やし、手札に<キリフダッシュ>持ちのカードを貯めていきましょう。
我慢できねえ、早く<キリフダッシュ>したいぜ! と突っ込んでしまうと、リソースが先細りつつ相手は豊富な手札から<鬼タイム>発動してくるのでボコボコにされること請け合い。楽しいのでつい突っ込んじゃうんですけどね……めっちゃわかる……。
相手の使うカードの中で、特に厄介なのは《ガワラ入道》と《ツルハシ童子》。ブロッカーに止められれば<キリフダッシュ>が起動できないのはいうまでもなく、《ガワラ入道》は対処手段の少なさで、《ツルハシ童子》は<キリフダッシュ>経由でトリガー除去をケアしても1打点をキャッチできるトリガーブロッカーという強みで「ジョーのキリフダッシュ」を苦しめてきます。ワンショットを狙いたい都合上、ブロッカーが複数並ぶと要求される打点が大幅に増えるのもめんどくさい点。
テンポよく処理する手段としては《ヘットルとフエートル》が有効なほか、どちらもパワーが1000なので、複数体が並んでどうしようもなくなった場合は《火焔タイガーグレンオー》も刺さります。
《ツルハシ童子》と《サコン丸》の5枚に、《襲来、鬼札王国!》のリアニメイトも加えた都合7枚がトリガーブロッカーとして機能するカード群。これらのカードが埋まっていた場合は<キリフダッシュ>単体では乗り越えられないため、仕掛ける際は可能であれば+2点は準備しておきたいところです。
特に<鬼タイム>を発動した《襲来、鬼札王国!》から《サコン丸》を釣られてしまうと3面が止まってしまい、ほぼ壊滅状態になります。殴り始める前に相手の墓地をチェックして、打点を何点用意するべきかよく考えましょう。
いずれにせよ、「どっしりと構えながら相手の打点を捌きつつ、トリガークリーチャーで一気に押し切れる盤面を形成してから<キリフダッシュ>連打でゲームセット」というプランが原則として有効になります。《デス・ハンズ》や《ジャック・アルカディアス》もなんのその、次々に襲いかかる<キリフダッシュ>の波状攻撃で鬼退治しちゃいましょう!
おわりに
今回の記事はここまでとなります。
いろいろ書いてきましたが、とにもかくにも<キリフダッシュ>という新ギミックの魅力がグッと詰まっていて、その上でパーツ取りとしての魅力もデッキとしての完成度も、これまでのスタートデッキの中で屈指の高水準にあるように感じました。これで1000円しないのは本当にお買い得。
もちろん、ここまでで書いたことはあくまで「僕が触ってみて感じたこと」。みなさんが自分自身で動かしてみれば、また違った発見があるに違いありません。この記事を読んで、「実際に回してみたくなった!」という感想を抱いていただけたのなら、何よりの幸いです。
同時公開の「鬼札王国の鬼タイム」編もぜひぜひお楽しみくださいね! それでは!
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