【デュエマ】殿堂予想選手権シリーズその３《死神術士デスマーチ》

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本日の殿堂候補カード
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ブロッカー（このクリーチャーをタップして、相手クリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい）

墓地進化：闇のクリーチャーを１体自分の墓地から選び、このクリーチャーをその上に重ねつつ出す。

このクリーチャーがバトルする時、そのバトルの終わりまで、バトルしている相手クリーチャーのパワーを－4000する。（パワー０以下のクリーチャーは破壊される）

個人的な殿堂予想：C

C：殿堂は免れそう
B：五分五分くらい
A：殿堂濃厚
S：はよ〇ね

使用されているデッキの強さ：A

デス麿は～、悪くないですね。

というわけで、《死神術士デスマーチ》です。

黒緑速攻の時代から長い長い現役生活を送っている彼ですが、令和においても現役バリバリです。

とはいえ自身がガンガンに盾を割っていた嘗ての姿はなく、エースのお膳立てをするカードにプレイスタイルを変えています。昔はトップ下で前に出てゴールを狙っていた長谷部が歳を重ねるうちにポジションを下げてどんどんチームを支える立場になった、みたいな感じですね。本当か？

というわけで現代での使い方は主に「墓地退化」というギミックの中での活躍となっております。

改めて説明しておくと、「墓地の闇のクリーチャーに重ねて場に出す」という墓地進化のギミックを生かし、闇の強力なクリーチャーを《エマージェンシー・タイフーン》などで墓地に置いておき、それを元に進化して場に出します。その後《龍脈術落城の計》などのカードを指定する呪文等によって《死神術士デスマーチ》だけを退けることで、進化元であったクリーチャーが場に残る、というものです。公式用語ではありませんが、このギミックを「退化」と呼んでいます。要するに、ちょっと特殊なコンボデッキというわけです。

実は退化自体それなりに歴史があり、特に「トリガーでルーター呪文を撃てるため、盾を殴られながらコンボ準備を進めやすい」「色合い的に《終末の時計ザ・クロック》を採用しやすい」などの要素が合わさって、殴る系のデッキに対しては強く出られました。例えばあの全盛期の【モルトNEXT】を相手にしてさえ有利だったんですよ。だからモルネクメタのデッキとして、CSなどでも普通に結果を残していました。

ちなみに当時の呼び名は、主に「落城退化」、或いは「落城」。

一方でコンボデッキの宿命としてハンデスなどのコントロールや、ルーターや落城を止めてくる呪文メタ、あとは墓地に進化元を用意しておく都合上墓地メタなどにも弱いです。

あと単純に、このコンボって結構事故りやすいんですよ。理論上は《死神術士デスマーチ》＋《龍脈術落城の計》を同時にプレイ出来る4ターンには退化出来るんですが、「デスマーチ」「落城」「退化元」の三種を用意せねばならず、どれかが引けなくて6～7ターンになっても退化出来ない、なんてこともしばしばありました。

ところが墓地退化の潮目が変わったのは昨年。進化クリーチャーに関しての裁定が変更され、（詳細は長くなるので結論だけ話すと）これまで進化クリーチャーを退化で場に残すことが出来なかったのが、出来るようになりました。

これによって《竜魔神王バルカディア・NEX》とかいう浪漫と呼ぶにも失礼なバカカードが退化ギミックによって出せるようになったんですよ。

これまでは《世紀末ヘヴィ・デス・メタル》とか《奈落の葬儀人デス・シュテロン》とかで頑張ってて「トリガーで除去されたら終わり」の一発屋デッキだったんですが、《竜魔神王バルカディア・NEX》で走るだけでたちまち勝ちが確定してしまうような、そんなデッキに生まれ変わってしまいました。

実際、《竜魔神王バルカディア・NEX》さんも《∞龍ゲンムエンペラー》さんも《死神術士デスマーチ》さんには頭が上がりません。いやまぁゲンムさんは別にそこまで依存してないですけど、こと《竜魔神王バルカディア・NEX》についてはデス麿の支えなしではやっていけないですからね。

そして現在の環境では主に【アナカラー退化】と【ドロマー退化】の2つのデッキが存在しています。

ドロマー型については従来までの退化の発展系であり、「強いトリガーでアグロには有利」「やや不安定なコンボギミック」「回れば強いけど事故ると悲惨」みたいな使うにはそれなりの読みと覚悟が必要なデッキなんです。ぶっちゃけ、《竜魔神王バルカディア・NEX》という最強のフィニッシャーを手にしたところで、「必要なギミック」自体は変わってません。要するにどんなに最新式のパーツを使ってもモーターが一緒だったら普通に限界はあるよ、って感じです。

ところがアナカラー型は、かなり特殊なデッキです。

まぁ端的に言えば「コントロールデッキのフィニッシャーが退化ギミックになった」みたいなデッキで、《天災デドダム》による初動の安定感、マナを伸ばして戦えるのでメタに対しても強い、《Disジルコン》でハンデスにも強い、なんなら自分から《絶望と反魂と滅殺の決断》でハンデスも出来る、というかなり完成度の高いデッキとなっています。

流石にコレは令和のデッキでしたね。

私個人としてはこのデッキの成立は完全に予想外で、前回の殿堂後の記事で「退化なんてデッキはメタデッキの類いだし、そんな強くないからどうせ半年も経たないうちに消えるよ」みたいなことを書いたんですが（読者の皆さんに配慮してもう少し柔らかい言葉で書いていましたが、ニュアンスとしてはそんな感じです）、このデッキのお陰でそうはならなかったみたいです。たぶん、開発側もここまでコントロールに寄った退化が出てきて活躍しているのは予想外なんじゃないでしょうか。

代償として従来の退化の強みであった「アグロに強い」という部分は失いました。一応ジルコンなどのブロッカーで頑張れる部分はありませんが、如何せんその程度で赤単は止まらんのでね。

……というわけで、ここまで退化の歴史と現在の活躍について説明してきました。

ここまで読んできた優秀な読者の皆さんなら、もうお気付きのことでしょう。

デスマーチ、なんも悪くなくないっすか？　

どう考えても一番悪い奴、《竜魔神王バルカディア・NEX》じゃないですか？？？

デスマーチが殿堂予想に上がるのを見るにつけ、やっぱりカジュアル先生の仰るように変わったのはデス麿じゃなくてデス麿を見る周りの目だったんですね……。

まぁ一応「場にいるだけで勝てるような黒の進化クリーチャーが出せなくなる」みたいな話もありますが、別に出してくれなくていいんだよな、そんなカード。

あと最近はちょくちょく《ブレードグレンオー・マックス》経由のマナ退化基盤も見掛けるので、コイツしばいても第二第三の四天王が現れる可能性ありますからね。さすがにデスマーチが四天王最強だと思うけど。あと一応《鬼面妖蟲ワーム・ゴワルスキー》とかも残りますし。

というわけで個人的には《死神術士デスマーチ》は殿堂しない読みです。

次回は本当の悪の方について取り上げたいと思います。

それでは、また。

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