【イベントレポート】Mtg観戦イベント「Master of Revolution」に行ってきました

こんにちは、神結です。

本日はマジックの観戦に革命を、テーマにしたイベント「Master of Revolution」についてのイベントレポートになります。

まずこれは先に書いておきたいのですが、意欲的なイベントということもあって非常に楽しかったです。

ちなみにこの記事は最初はnoteで書く予定だったのですが、訳あってこちらで書いています。なんかこのサイトに興味がある人は読まなさそうな気がするし、逆に興味を持ってそうな人はこっちに書くと読んでくれなさそうな気がしてるのですが……。

そういうわけで予めご承知置きしていただきたいのは、まずデュエマは微塵も関係ないイベントです。

またデュエマ関係ない記事書いていいというゴーサインが出たので、今後は遠慮無くデュエマに関係ない記事も書いていこうと思います。

あと多分長くなります。



イベント概要

Master of Revolution -innovation orders- #1

フリースタイルダンジョンをご存じの方ならわかりやすいかと思いますが、“Monster”であるトッププロに対して気鋭の選手が勝負を挑み、全抜きすると賞金を獲得出来るというものです。今回のMonsterは八十岡翔太行弘賢という押しも押されぬ世界のトッププロです。そこに勝負を挑みます。ちなみにアーサー王こと浅原さんが円卓の騎士を統べるという世界観だったのですが、デフォルトで非常に拡張性が高いので上手いこと考えたなと感心しました()

さて、我々は挑戦者がMonsterに挑む様子を観客として観戦します。

この「観戦」が、今回の肝になります。

・併せて読んでおいて欲しい記事
【MTG】「Master of Revolution」に行ってきたよ【観戦イベント】

主催の意図

MoRで実現したい世界

noteに書いてるのでそれを読んで貰えればわかると思いますが、チアードは「(e)スポーツ観戦に革命を」をキーフレーズに事業を展開しています。昨年はBリーグ(プロバスケ)の「千葉ジェッツふなばし」との連動企画で、実際に飲食物(≒スタジアムグルメ、通称スタグル)の売り上げに増加に成功しています。

要はTCGに於ける「観戦」の文化の生成と、その観戦の仕組みの模索するイベントだと僕は解釈しています。

・チアードのHPはこちら

観戦という行為

僕はスポーツ観戦が趣味でして(一時期は趣味を通り越して明らかに生活の一部だった)、いまでも現地や配信を問わずサッカーを観ています。

さて、ここで気になるのはMtgという競技が「観戦」という楽しみ方とマッチするか、ということです。

とりあえずわかりやすく、ここではサッカーとの対比をして考えましょう。

大前提として、恐らくルールの難解さという点ではサッカーもMtgも変わらないでしょう。勝利条件は共にわかりやすいですが、そこに至るまでの方法は難解極まりないです。

カードゲームの難解さについてはここの読者には改めて説明するまでもないですが、それはサッカーも同じです。

例えば現代サッカーは「ポゼショナルプレー」と「ストーミング」に大きく戦術が二分しています(詳細は長いので省略しますが、大雑把に言えば前者は「攻守に優れたミッドレンジorクロックパーミッションデッキ」で、後者は「《ファントム・ベール》入りのカウンターデッキ」くらいに認識してもらえばいいと思います)が、それを観戦しながら理解することは非常に難しいです。

しかしサッカーには「観戦」という文化が根付いています。

何故か? と問われれば要因は幾つかあります。そもそもパイの大きさが違うとかはあると思いますが、今回もっとも大事だと思うのはわかりやすい「歓喜」の瞬間があるということです。

「歓喜」とは、仲間と喜びを分かち合うことです。

サッカーは細かな戦術や、そもそものルールを知らなくともゴールが決まれば歓喜することが出来ます。スタジアムの雰囲気そのものを楽しむ訳ですね。

【参考】サッカー観戦はハードル高め?初心者さんにありがちな“思い込み”の答え合わせ
https://www.jleague.jp/j-tano/1738

「歓喜」が出来ることは、観戦文化にとっては大きな要素であると思っています。

観戦に革命を ~革命前々夜?~

さて、先にも言及しましたが今回のMoRは「マジックの観戦に革命を起こそう」をキーフレーズにしたイベントであります。

僕はマジックのイベントはそもそも詳しくないので現状のマジックの観戦文化がどんなものか(通話しながらグランプリ配信などは観る)はよく分からないのですが、そもそもTCGの観戦という文化にあまり馴染みがありません。現在ではTCGに関わる人の多くは「現役プレイヤー」だからです。

ただこれは、ある程度時間が解決してくると思っています。直接の競技から距離を置いている人は、時間の経過によって増えていきます。そんな人たちに「観戦」というコンテンツを与えるのは、パイを大きくする意味では必須です。実際、所謂「観る将」と言われる「将棋を指すのではなく、観戦するファン」の人数は、ニコニコ等で対局が配信されるようになったことで大幅に増加(或いは可視化)しました。

TCGが目指すのも、こういった文化の醸成でしょう。

ただし、将棋的な観戦とスポーツ的な観戦は大きく違います。先に書いたような「歓喜」の共有という部分において、将棋の観戦はあまり発生しません。叡王戦で藤井てんてーが飛車を振った瞬間とか、ごく僅かな機会に限られています(だからこそ将棋中継では解説者が面白い話をしたり、様々なコーナーを設けて飽きさせないような工夫をしています)。そして僕の感想としては、チアードが目指しているのは将棋的な観戦システムというよりかはMtgでスポーツ的な観戦システムを構築することだと感じています。

ただしMtgはスポーツよりは将棋のように、わかりやすい「歓喜」を共有しにくい競技だと思っています。徐々にアドバンテージ差を付けてゲームを決めるといった性質である以上、ゴールやホームランのようなシーンがないからです。

だからこそ、主催側がその「歓喜」のシーンを提示する必要があります。そういった意味ではクロエビさんの実況は不可欠でした。恐らく解説側も逆算的に「歓喜」を呼び起こすようなストーリーが作られるように話を持っていく必要があるのかもしれません。そういう意味では、いずれは「解説のプロ」も必要になるんではないでしょうか。(個人的には、カードについては、その効果についてもう少し解説が欲しかったなと思いました)

イベント内で印象的な活躍が多かった《エルズベス、死に打ち勝つ》。
カード名も含めて、格好いいんですよね。

超ニッチな解説(ここでは『高度に専門的』という意味で使ってます。要はゲームの内容をめっちゃ深掘りして解説する)というのも一定の需要はあると思いますが、これは「観戦」という文化が根付いた先の話になると思っています。地上波の実況に必要なのは、たぶん松木安太郎なんでしょう。対してDAZN(月額制でネットでスポーツ配信を行う専門チャンネル)では、下田実況(超ニッチな実況)を戸田解説(超ニッチな解説)で聞いたりするわけです。

ちなみにアーサー王こと浅原さんが使っていたデッキはハンドコンボデッキだったのですが、(他の方も指摘していましたが)観戦という意味では非常に上手い選択だったと思います。「○○と××が揃えばいい」「あと△△を引ければ……」という状況になりますし、それを解説側も言及しやすいので、ターンドローやマリガンで歓声挙がるんですよね。これはゴールとかホームランに近い要素だと思います。

結局のところ、「歓喜」の瞬間をどう生成するか。

これが今後のイベントで考えるべきことだと思っています。

恐らく最終的には、既存の観戦文化とMtg(TCG)独自の要素が加わった新たな観戦システムが構築されるのだと思います。これが“革命”なのでしょう。

今回のイベントは革命前々夜くらいだったかもしれません。まずは王政を作らないと革命するモノもないので、その王政を作っている段階なのだと思います。


雑感

上記の前提を踏まえて、感想をいくつか箇条書きで並べていこうと思います。

マジレスが強すぎる

フリースタイルダンジョンは、挑戦者がMonsterたちに勝負を挑む訳ですが、Monsterたちは強力です。本来ならワンパンでゲームが終わって企画が成立しなかったりするのですが、フリースタイルダンジョンにはジャイキリを達成しやすい要素が発生します。

例えば、Monsterは有名なラッパーなので挑戦者はMonsterのことをよく知っていますが、逆は別です。挑戦者側はMonsterに言いたいことはたくさんありますが、Monsterは挑戦者に対して言いたいことはなかったりします。その上で、挑戦者に後手を取られるとあまり言うことがないのです。無難なラップで入ってきたMonsterに対して攻めの糸口を持っている挑戦者は、充分に勝てる可能性があります。

もっとも、その挑戦者もスタミナ切れや徐々に強くなっていくMonsterに対して最後は屈していく……というのが王道パターンだったりするのですが……。

そんな中で、今回はMonster側に特にハンデはありませんでした。

彼らは強いので、クロエビさんの実況を引用するなら順当に「マジレス」して勝ちます。2人を終えた時点でMonsterが挑戦者をフルボッコにしている様子を見て、これは企画として実は怪しいのでは……? という気がしてきました。Monster側は、一定レベルの手の内は明かしつつ(デッキリストを挑戦者側に一部公開しておく等)、Monsterの総数で稼ぐ……みたいな方法だとどうなるんでしょう。この辺りの方法は再度検討されるのかな、と思っております。

そんな中で3人抜きを果たした松本選手は、本当に見事でした。文字通りの救世主でしたね……。

観客の行儀がよい

僕はMtgをよく知らないので声出しとか出来なかったんですけど、ただ詳しい人たちも大人な感じの方々が多かったので「どよめきが上がる」まではあっても「ブチ上がる」とか「トぶ」ところまではなかったんですよね。

フリースタイルダンジョン的、と聞いていたのでそこはちょっと残念というか消化不良感がありました。

そういえばレッドさんが自身の記事内で「既にグループが出来ていて、ぼっちには辛かった」的なことを書いていますが、実はこれについては「観客同士がブチ上がればそんな垣根は一瞬で壊れる」ので問題は解決します。というか、見ず知らずの人とハイタッチしたり、肩組んだりできるのはスポーツ観戦の醍醐味ですよね。

というわけで、もう少しIQというか偏差値は下げてよかったなぁ~~~とか思っています。

観戦は疲れる

今回のイベントは12時半~17時半くらいですた。思えばサッカーは90分、野球は3時間(うち応援してる時間は半分)です。

僕も気付かなかったのですが、観戦はどうやら結構疲れるんですね。後半はかなりダレました。まあ、最後の最後はアーサー王は締めてくれたんで、終わりヨシッ(現場ファン)みたいな感じにはなったんですけど、どうやら「適正観戦時間」というものがありそうなんですよね。

これどれくらいなんでしょうね。根拠は薄いんですけど、多分3時間くらいなんじゃなかと思ってます。

そんなわけで、可能ならば次のイベントは18時~21時半とかでやってみて欲しいですね。

勝敗予想のポイントについて

イベントの肝の一つに「勝敗予想による視聴者参加」というものがありました。

今回は仕組みは以下のようなものでした。

「会場内で使えるコインを買う(1枚500円)→1枚コインを買う毎に、5枚のチップが貰える(初期に15チップ)→このチップを使って勝敗にベットする→予想が当たると、賭けたチップの倍の“ポイント”が付与される」

恐らく、賭博に当たらない方法を調べた結果このようなシステムになったのだと思います。

で、このポイントを盛った人にプレゼント(あとはランダム順位プレゼントもあった)があったんですが、これは参加のモチベーションが正直難しかったです。

というのも、基本的に賭博的なものは自身との戦いになるものが多いのですが、これは他者と戦わねばならないからです。例えば競馬で自分が1万円をアーモンドアイに賭けて勝てば1万5000円くらいは還ってくるわけです。要は勝てばそのまま自身に返ってきます。

ですが今回は、自身との戦いの上に他者とも勝負しなきゃいけなかったんですよ。というのも、例えばトップの人が自分より多くのポイントを積んでいた場合、自分が勝つには「予想が当たった場合、その人を超えるだけのチップを賭けなければいけない」という条件が追加されます。

つまりほぼほぼ勝ちの見込みがない場合、最終ゲームにベットする理由が発生しません。

というわけで、今回のような仕組みでやる場合は是非ともポイントを次回以降に持ち越せる「通算ポイント制度」とか欲しいな、と思っています。まあこの辺りは法解釈的にOKなのかとかは知らないので、木曽さん案件だと思いますけど「通算nポイント到達で景品」とかだと、参加する意味合いが発生するのかなと思っています。

あと今回のようなイベントならば、景品はスリーブよりもむしろ「サインカードが欲しい」と同じく会場にいたばんぱくが言ってたんですが、僕もここは同意見です。

トッププロを呼ぶという点は継続して欲しい

これは完全に個人的な意見というか、「何に価値を感じてお金を出すか」という価値観の部分の話にはなります。

観戦に何を求めてるかは人によって違うと思うのですが、僕としては「新進気鋭 vs トッププロ」って構図は絶対に維持して欲しいんですよね。「あそこに行けば、トッププロの試合が生で解説付きで生で観られる」という方向性で育って欲しいと思っています。

極端な話、僕は「はじめてのおつかい」に金を払いたいわけではないのです。大丈夫、人気は後からでも追い付きますから。

終わりに

今回このイベントに参加した理由は「フリースタイルダンジョン的なもの」という謳い文句に惹かれつつ、「同じ事をDMでやりたい」という想いがあったからです。

現状だと課題は山ほどあるんですが、僕は夢見てます。

いつかユーリが、dottoさんが、Monsterルームから登場するようなシーンが実現することを。

そういうわけで、僕はチアードのチアー勢としても今後のイベントも楽しみに待っております。

今回はお疲れ様でした。

改めて書きますが、楽しかったです。