こんにちは、神結です。
さて、2021年最初の大きな企画としまして、「殿堂解除できそうなカード選手権」を実施しようと思います。
ちなみに以前やったプレ殿解除選手はこちらからどうぞ。面白いよ。
ただ殿堂カードはプレ殿を遥かに凌ぐ枚数あるので、どうすれば出来そう? ってflat-くんから訊かれて色々考えたんですよね。
文明とかで分けるとおかしな数になるし、あいうえお順とかわかりにくいなぁ……ってなったところで、いいの思い付いたんですよ。
これだよ! これでいいじゃん!
というわけで殿堂カードをS~Eにランク分けして(やべー奴をS、「……?」ってなるのをEに配置)、ランクごとに解説していく感じにしていこうかんと思います。
初回はTierEについてです。
目次
殿堂カードとは
これを読んでる方には説明不要かもしれませんが、初回なんで簡単に説明しておこうと思います。
殿堂カードとはデッキに1枚しか入れることの出来ないカードです。
性質上ゲームエンドに持っていく強力なカードや、ループやワンショットの核となるようなカードが指定されていきます。
また《暴龍警報》などのように、「今後出す予定の新カードと組み合わせるとちょっとマズイから、先に規制しておきます」といったパターンもあります。(この時は《轟く侵略 レッドゾーン》と合わせたギミックが危惧されての殿堂でした)
長いデュエマの歴史の中では、随分昔に指定されてなお解除されていないカードやむしろプレ殿に近いものもあったりと、一概に「殿堂カード」と言っても様々な顔を持っています。そういうわけで、今回のランク分けも人によって性格やデュエマへの見方が如実に現れるような気がしています。
Tier表について
Tier表はS~Eの6段階ですが、C~Aまでは+-を追加したので全9段階あります。
各ランクの内訳はざっとこんな感じです。
S……ピン投であってもデッキの核であり、プレイした試合はほぼゲームが決まると言っていい。プレ殿有力候補たち。
A……明らかにおかしな動きをするカードであり、引いた試合は勝ちゲームにかなり近付く。
B……かなり強力なカード。プレイ出来るとゲームが優勢になったり、不利対面を捲れることもある。
C……解除出来るか微妙なライン、環境で使っても充分強力で殿堂カードとしてデッキに投入されることもしばしばある。”切り札”として程よいレベル
D……それなりに力のあるカードだが、環境的にいえば標準的なラインなので解除してもよさそう。
E……解除されても使われなさそうだが、それはともかくしてあげてほしい。
なお零龍等の外部カードについて殿堂カード扱いですが、対象外としています。
またあくまでこのTier表は「各カードを均等に見た場合のTier表」になるので、「このカードは直近で殿堂したから」とか「ランデスカードは重くみるから」みたいな外的な要素は一切考慮しないものとします。
TierEの殿堂カード
TierE:解除されても使われなそうだが、それはともかくしてあげてほしい。
このランク帯のカードは戻ってきても正直大きな役割が期待出来なそうor環境に戻るのは難しそうというカードたちです。
そういう意味では殿堂カードに指定されている方が存在感があるようにも見えますが……。
別に存在感を示すことがカードの生き様ではない筈なので、個人的にはこの辺りのカードは解除して欲しいですね。
以下簡潔ではありますが(ここで簡潔にしておかないと後がヤバイ)、各カードについてコメントしておこうと思います。
《インフィニティ・ドラゴン》
・自分のドラゴンがバトルゾーンを離れる時、自分の山札の一枚目を墓地に置く。そのカードがドラゴンまたはファイアー・バードであれば、自分のドラゴンはバトルゾーンを離れずにとどまる。
・Wブレイカー
条件付きでドラゴン全体に除去耐性を与えるカードです。バトライループの裁定変更の際にちょっと話題になりましたね。
初出は不死鳥編とだいたい14年くらい前のカードになります。最近ではデュエプレにも実装されました。
元々は【連ドラ】などで使用された際に、自身を含むクリーチャーを大幅に強化してしまうためどうしてもヘイト対象となりました。その結果、殿堂になったと思われます。まあ連ドラが強かったかと言われると微妙なのですが……(小学生環境では強かったです)。
そんないにしえのヘイトカードも現代では7マナというコストが大きく足を引っ張っています。このマナ域なら、もうフィニッシャーを投げたいターンです。種族にコマンドがないのも痛いですね。
また現代のトリガーの主流は《終末の時計 ザ・クロック》のような全体ストップトリガーであり、少なくとも互いのクリーチャーに除去を打ち合うといった展開にはならないでしょう。
ドラゴン中心のデッキに搭載された場合は活躍するシーンはあるかと思いますが、それも「許されたカードパワー」の範疇になると思います。
そんなわけで殿堂カードのランクとしては、Eでも妥当だと思っています。
ただしこの子の場合、恐らく解除したくても出来ないと思われる理由があって、それがドラゴンが場を離れるときに山札上を墓地に置く効果が強制であるという点です。
これが具体的にどのように弊害を招くかというと、例えば《龍装鬼 オブザ08号》でこのカードのパワーを0にしたとします。
インフィニティの効果で山札を1枚墓地に置いてドラゴンだったら留まるわけですが、パワー0のクリーチャーはルール上墓地に行くため、再び山札を墓地に置きます。
……というように、ドラゴンじゃないカードが捲れるまで強制的に山札が削られることになるわけですね。
この現象は、ゲームとして余り良い体験とは言えないでしょう。初心者がルールで戸惑うことはあり得る話ですが、好んで入れたカードが初見でこのように逆用されてしまったら、流石に気の毒だとは思います。
というわけで、ランク的にはこういった事情は一切鑑みないのでE相当で間違いないと思いますが、解除されることはないんじゃないでしょうか。
任意だったら、何も問題はなかったのに……。
《極魔王殿 ウェルカム・ヘル》
・このドラグハートをバトルゾーンに出した時、または自分のドラグナーが攻撃する時、闇のコスト5以下のクリーチャーを1体、自分の墓地からバトルゾーンに置いてもよい。
・龍解:自分のターンの終わりに、自分のクリーチャーを4体破壊してもよい。そうした場合、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップする。・このクリーチャーが龍解した時、相手のクリーチャーを2体まで破壊する。
・このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から1枚目を墓地に置いてもよい。その後、進化ではないクリーチャーを1体、自分の墓地からバトルゾーンに出す。
・Tブレイカー
・龍回避:このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、バトルゾーンを離れるかわりに、フォートレス側に裏返す。
ワンワンたちの実家です。
2015年の革命編の環境というともう5年以上も前の話になってしまうのでおさらいしますが、この《極魔王殿 ウェルカム・ヘル》は2枚で1セットです。デッキには2枚必要なんですよ。この辺りは《邪帝遺跡 ボアロパゴス》と大きく違う点です。
そういうわけで、現在ワンワンたちの実家は半壊の憂き目に遭ったまま、長らく野ざらしにされているわけです。
さて、このカードが弱いのかと言われると別にそんなことはないのです。ただこれを出せるドラグナーが基本的に《極・龍覇 ヘルボロフ》に限られるのが根本的な問題です(出そうと思えば他の手段も使えますが)。
このヘルボロフってカードは7マナなのですが、仲間である《真・龍覇 ヘブンズロージア》と違って《ドラゴンズ・サイン》のような早期着地の手段は少なく、本当に7マナを溜めないと出せません。
ちなみに全盛期の【黒単ヘルボロフ】はこの7マナを稼ぐまでのターンを《復讐 ブラックサイコ》などを使って稼いでいたのですが、コイツも取り上げられています。悲しいなぁ……。
ドラグハートやドラグナーというギミックが令和においても強力なのは、昨年のデュエマに触れた人であれば嫌というほど理解していると思うのですが、じゃあ【黒単ヘルボロフ】も同様かと言われると全くそんなことはないんですよ。
ちょっと着地までに時間が掛かりすぎるんですよね……。
というわけで、ランク的にはE相応だと思います。
一応、戻ってきたら【デュエにゃんループ】が好きな人たちが喜びそうではあります。
《瞬封の使徒サグラダ・ファミリア》
このクリーチャーがタップされている時、相手は呪文の「S・トリガー」を使えない。
この子もちょっとインフレの波に完全に取り残されたカードだなぁ、と感じています。そもそも殿堂掛かったタイミングでもそんなに使われてなかったカードなんですけどね。(赤白轟轟轟での採用率は半々くらいでした)
効果はシンプルで、タップされているときに呪文のトリガーを封殺するというもの。「コイツから殴り始めてください」という、シンプルなカードですね。
が、白系のメタビートがこのカードを2ターン目にプレイしている余裕はないでしょう。
現代デュエル・マスターズにおいては、2ターン目にプレイされる白のカードといえば《音奏 プーンギ》や《奇石 ミクセル》といったカードです。
何かっていうと、メタカードなんですよ。
2ターン目にはメタカード出さないと間に合わないんですよ。
況してや《ヘブンズ・フォース》をプレ殿に没収されたため、「メタカードと一緒に置く」といったプレイすら許されなくなりました。
じゃあ2ターン目以外にプレイしようとなっても殴れるまでのタイムラグが存在します。またご存知の通り《奇石 ミクセル》の下には《ジャミング・チャフ》という優れた呪文封殺カードが存在するため、単体で役割すら主張出来なくなりつつあります。
というわけで、ランク的にはE相応と判断しています。
個人的には【青白リブリバリア】でよく使っていました。あとはなんといっても“【ヒラメキスネーク】(※)のフィニシャー”という輝かしい勲章も持っているので、功績を見ると充分凄いカードではあるのですが。
※【ヒラメキスネーク】……E3期に突如現れた化け物デッキ。偏差値70。作ったビルダーの偏差値は70億くらい。
3ターン目に《デビル・ドレーン》から《光姫聖霊ガブリエラ》を踏み倒し、次のターンにガブリエラに《ヒラメキ・プログラム》を当てることで始動。《偽りの名スネーク》の踏み倒しから《魔光騎聖ブラッディ・シャドウ》等を出してマナと手札を伸していき、最後は《瞬封の使徒サグラダ・ファミリア》+《ダイヤモンド・ソード》で締める。ちなみに《予言者ローラン》から始動すれば最速3キルが可能。
当時はビッグマナ(カイザー刃鬼、キューブ)が強い環境でもあったため《デビル・ドレーン》の通りがよく、また性質上この手のデッキはビマナに有利に戦えるため単にデッキパワーだけでなく環境的にも強力だった。主な実績は2013年全国大会準優勝など。
ソリティア系のデッキもいまに比べて少なかったこと、キーパーツ自体はE2に揃っていたのにデッキとして発見されていなかったこともあって、結構衝撃だったとのこと。
《破界秘伝ナッシング・ゼロ》
・アタック・チャンス-無色クリーチャー(自分の無色クリーチャーが攻撃する時、この呪文をコストを支払わずに唱えてもよい)
・自分の山札の上から3枚をすべてのプレイヤーに見せる。こうして見せた無色カード1枚につき、このターン、バトルゾーンにある自分のクリーチャー1体はシールドをさらに1枚ブレイクする。見せたカードはすべて、好きな順序で山札の上か下のどちらかに戻す。
このカードも結構数奇な運命を辿っています。
登場した後はファンデッキで楽しまれていた程度だったのですが、ジョーカーズが登場すると評価が一変。最盛期には1枚2000円を超える高価格カードになります。現在の《フォール・クロウラー》みたいなもんだと思っていただければいいです。
ちなみにこの子が殿堂する頃には《ジョジョジョ・マキシマム》が登場しており、《ゴールデン・ザ・ジョニー》も含めてマキシマムでフィニッシュする型が主流になっていました。まあつまり、直前では使われなくなっていたんですよね。
確かに奇襲力という点なら一定の評価を与えるべきカードだとは思うのですが……。
トリガーの質も上がっている現状だと、このカードで手札を使い切ってブレイクしても何かを踏んだ場合ちょっとどうにもならない可能性が高いんですよね(当時ですらそうだったので)。もう《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》でインチキも出来ませんからね。
ただ一部地域では《希望のジョー星》入りの【青白ギャラクシールド】でフィニッシャーとして使われていたことがあったらしく、個人的にはちょっと推しポイント高めです。結構ニヤけました。
《希望のジョー星》との開拓の可能性、実はあるのか……?
ただまあ、それを加味してもランク的にはE相当と評価していいと思います。《希望のジョー星》を使うデッキって速度を出さないデッキだと思うのですが、危険視されていたのは速度のある《破界秘伝ナッシング・ゼロ》の筈なので。
《超竜バジュラ》
・進化-自分のドラゴン1体の上に置く。
・このクリーチャーが攻撃するとき、相手のマナゾーンからカードを2枚まで選ぶ。相手はそれを持ち主の墓地に置く。
・Tブレイカー
小学校時代、僕の友人が1パック買って目の前当てやがったカードです。
とりあえずこのカードについての解説は、生き証人たちに任せることにします。
超竜バジュラが殿堂したのは2008年で、環境にやばい影響を及ぼしてたのは《龍仙ロマネスク》登場直後で、母なる呪文全開の時ね。競技に近いトーナメントで1番活躍したのは多分E1です。年寄りの豆知識な。 pic.twitter.com/iNXU3LUyzz
— K.BLUE / ホリケン (@Densen_K_B) February 21, 2020
E1限定構築のエリア予選は、たしかストロング7とフルホイルパックという超パワーパックがあった事で、ボルバルエクス→バジュラっていう地獄ムーブがトップメタだった記憶がある。当時の殿堂に比べて殴る環境だったからか改めてスパークとかのトリガーの価値が再評価されてたのが印象的。
— カワサキ(本物)(かつての開発主任K) (@poxnoid_k) February 22, 2020
ちなみに友人同士の戦いでは《コッコ・ルピア》→《闘龍鬼ジャック・ライドウ》→《超竜バジュラ》は当たり前のように強かったです。
ここから意気揚々と店に持っていって、コッコに除去を当てられて当たり前のように敗北する、というところまでテンプレです。たぶん僕の世代では同じような経験をした人や、逆に《コッコ・ルピア》にしっかり《魔弾デュアル・ザンジバル》を当てていた人がたくさんいると思います。
というように、当時から別に環境で暴れ回っていたわけでもないです。
余談ですが、栃木県の小山で開催されている「こあら杯」にはバジュラコントロールを毎回使う人が(少なくとも僕がよく通ってた2019年までは)いました。
そんなわけで、ファンに愛されているカードでもあるんですよ。
カードの強さ的に見ても殿堂カードとしてはEランク相当だと考えていますが、それはともかく使いたい人は山ほどいると思うので解除してくれてもいいんじゃないでしょうかね。
《バジュラズ・ソウル》
あの《超竜バジュラ》の魂が、クロスギアに。
《超竜バジュラ》との最大の違いは、ちゃんと環境で暴れ回ってたということでしょう。流石にこの時代の競技シーンは伝聞でしか知らないのですが、とにかく《青銅の鎧》から繋がるのがヤバイらしく、更には戦国編にてクロスギアサポートが出てきたために殿堂送りになったのでは、とのこと。
やらかし度はそれなりにあるので、コイツはSPのベヨネッタよろしく前世の懲役刑を受けてる説はあります。
ちなみに銀枠のフレーバーテキストは「持つ者だけが、世界に平和を与えることができる。」というもの。
なんというか、平和というのは数多の兵器の残骸と積み上がった死体の上に成り立っているとでも言いたげな一文ですよね。
正直、現環境でもライフ→ツバメガエシ→バジュラズされたら普通にビビるとは思います。
まあ出てきた《アクア・ツバメガエシ》が当たり前のように《SSS級天災 デッドダムド》に破壊されて特に何も起こらないのでランク的にはE相当だと思っていますが、この平和の象徴が解除されることはなさそうだなぁと個人的には思っています。
《ビックリ・イリュージョン》
・Sトリガー
・種族をひとつ選ぶ。このターンの終わりまで、バトルゾーンにある自分のクリーチャーはすべて、その種族を追加する。
特に環境でも使われていたわけでもない予想外の殿堂カードが来たときに、そのカードを「ビックリ枠」と呼ぶことがあります。
そのビックリって単に驚きを表しているわけではなく、このカードのことなんですよね。
このカードは全く使われていた様子のないのに、ある日突然殿堂しました。普通にビックリした人が多かったと思います。
直後にアタック・チャンス系の呪文(例:上記の《破界秘伝ナッシング・ゼロ》)が来たのでその相性のよさを危惧されたのでは、と現在では憶測されています(恐らく正しいと思ってます)。特に《天頂秘伝ゼニス・レクイエム》と使われるとマズかったのではないか、ということでした。
まあこのカードは某デネなんとかブログの管理人のなんとかさんが玩具にしていることで知っている方も多いと思います。
彼がよく遊んでいるダイナモって、色々唯一無二みたいな部分が多いのでルール的にかなりややこしいんですよね。プレイヤーの皆さんにおかれましては、遊ぶ上で基本的に縁のない話だと思いますので特に調べなくていいですし、デネなんとかブログの動画の再生数や記事のアクセス数に貢献しなくて大丈夫です。
なお肝心のカード評価なのですが、当時危惧された動きを令和のデュエル・マスターズで実践した場合、本当にビックリされるとは思います。
ただ大抵の場合は決まらないことが多いですし、仮に決まってもその後平静を取り戻して「ほーん、で?」と返されるケースが多々だと思いますので、まあランク的にはEで妥当でしょう。一応《異端流し オニカマス》で上の動きをされたら割と嫌かな……。
コメント、簡潔で済まなかったな……。
次回予告
「コイツの現役時代にバリバリ使っていたけど、別にパワーカードだと思って使ったこと一度もないんだよな」
「君に関してはもう完全に冤罪だよね?」
「撃てば勝つというか、撃てば勝てるようにデッキそのものを構成しないといけない感じで高い芸術性を求められるんだ」
「頭がリューイーソーではないので、正直正当にこのカードを評価出来る自信がありません」
「オレ、コイツ、キライ……」
「なんか令和というか平成終期からデュエマってそういうところでもう戦ってないから」
次回、TierDランク編をお楽しみに!(全10枚を予定しています)
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