こんにちは、神結です。
掲題の通りです。気まぐれでカバレージのいろいろについて書いていきます。
最初は「カバレージのいろは」っだったんですが、このタイトルにすると「カバレージとは」みたいな話から書かなきゃいけなくない気がして……。
私の尊敬する桜井政博さまが最近YouTubeチャンネルを作りましたけど、そこでもチャンネルについての説明はしていましたが、1から説明するスタイルではなかったんでいいかな……って。まぁ、い&ろ&は辺りについてもその気が起きたら書くとは思います。
というわけで第1回は超CSⅣでやらせていただきました「カバレージ多面打ち」について、覚えてるうちにメモをしていこうかと思います。
多面打ち
文字通りカバレージを多面打ちする、という話です。
通常カバレージは1試合に対して1ライターが付いて試合を記述するわけですが、それだとミクロなフォーカスにはいいんですが、マクロな理解が難しいという問題があります。
まぁそのための「メタゲームブレイクダウン」だったりはするんですが、実際のゲームがあるのとないのとでは理解がそれなりに違うじゃないですか。
あとはチーム戦とかもですね。チーム戦は基本的に3試合同時に進行するわけですが、1試合フォーカスしても「実は横の2試合が終わってこの試合は消化試合で……」みたいなこと展開はちょっと読んでる方も冷めますよね。
そんなわけで「広く概要を」という目的がやっているのがダイジェストカバレージになります。
読んでない方はこの辺りを参考に。
超CSⅣでは準々決勝の4試合を同時に書いています。これを便宜上「多面打ち」って呼んでる訳です。
本家漫画ではオアシスさんが得意としていますが、あれのカバレージ版だと思って下さい。
多面打ちに必要な要素
僕も滅茶苦茶経験があるわけではないんですよ。前回のGPで2面はやってて、別のCSで3面はやっていたんですが、4面打ちは初めてでした。
ただ個人的にはゲームカバレージを普通に書ける人であれば、その応用で別にいけると思ってます。単純にそれを4つ同時にやるだけなんで。基礎の延長戦上にあるので、別にそこまで特別なことをしているわけではないかなぁ、と。
だから結構、やってみれば色んな人が出来ると思います。
ただ、個人的にある程度「推奨スキル」というか「攻略推奨レベル」みたいなものはあると思ってます。
イメージとして多面打ちは、「レベルアップするとそのうち解放されるスキル」みたいなもんじゃないかと。
で、その上で必要だと思っている要素は、こんな感じ。
- ゲーム中に余裕を持って書ける
- 実際のゲームスピードを理解している
- その対面のゲームのポイントがわかる
- いまある盤面から、その後のゲーム展開をある程度具体的に予想出来る
1はライタースキルですが、2、3、4はどちらかと言えばデュエマのスキルです。
まず前提として、カバレージは「完璧な棋譜」が必要というわけではない、と僕は思っています。
棋譜と動画の話とかすると面倒なので省略しますが、個人的には「棋譜の煩わしいところを読ませない」というのもカバレージのポイントだと思っているので、間をある程度省略することは大事です。
で、どう省略するかは(デュエマと大きく関わる部分の)ライターの腕、という話ですかね。ゲームのポイントを抑えつつ、如何に伝えるかという。まぁ全国トップレベルのプレイヤースキルは必要ないです。が、ある程度環境デッキの動きと「こういう展開になったときはだいたいこっちが勝つよな」みたいなのをしっかり把握していると、だいぶ楽が出来ます。
そして、適度な省略を覚えると少し余裕が生まれてきます。
1on1(という言い方もちょっと変な話ですが)のカバレージなら、この余裕を使って「この人いま何考えてるんだろうなぁ」とか「これ、〇〇持ってたら返せそうだけど、あの様子だとどうだろうなぁ」とか観察しつつ、カバレージそのものに深みを持たせることに使っていきます。
そして多面打ちであれば、この余裕を使って他の卓を観ます。
ダイジェストカバレージは、全体の流れやある程度のゲーム展開を伝えるのが役割だと思っています。「この大会はどんなデッキが勝ち残っていて、実際それがどんな活躍をしているのか」という話ですね。
もしスポーツが好きな人がいれば、ハイライトをイメージするのがわかりやすいです。ハイライト動画って、1回の表から9回の裏まで毎回追ってるわけではないですよね? サッカーも90分間追い続けるわけではないですよね?
これを精度良く出来るようになれば、多面打ちカバレージは書けるということになります。
基礎の延長線上、というのはそういうことです。
実際にどう書いていたか
使っていたのは教員がよく使ってそうなバインダーとノートだけ。
普通にこういう感じの。
これで試合観ながらメモしてる感じですが、基本的には棋譜をメモってるというより試合全体の流れを書いてる感じです。「AとBでビートプラン」とか、「コンボの準備、急ぐプレイヤーA」とか。そっちの方が、後でカバレージにするときに追いやすいです。これは、PCで直接書いてない弊害ですね。PCならそのまま書けば済むんですが、これはメモなんで。
あとこれは大事な要素ですが、「直接観られなかったもの」は絶対発生します。全てのプレイヤーの一挙手一投足、追えるわけではありません。そのため、それを一部は想像で補いつつ「間違わないように書く」というのはかなり大事だと思っています。
例えばメモにある《アクア・ベララー》ですが、「ベララーでカードAが見えたので、ボトムに送った」とか1on1なら追えますけど、4卓同時は追えないので「《アクア・ベララー》を出してコントロールの体制に入った」みたいな書き方をする、とかですかね。
まぁ全て観られるわけではないということで1つ辺りの濃度は落ちますが、ダイジェストとわざわざ銘打ってるのでそこは問題ないです。見えてない部分の想像をする必要はそこまでありません。嘘を書かないことの方が重要です。
ただ「いまこの展開になってるから、ゲームはそんなに動かなそう」とか「次のターンには凄いことが起きそうだからなるべくここを観よう」とか、そういうことを直感的に判断しながら進めていく必要はあります。そこは完全にデュエマのスキルですね。
同じデッキが多いと頭が結構バグります。書く際に何か決め毎を設けて区別した方がいい気がします。デッキの違いに着目するとか、プレイヤーで覚えるとか。
ちなみにどうメモしていたかというと、画像の通りノートを四分割して書いています。
ノートのスペース的に、かなりギリギリです。こう考えると、現状だと物理限界的に4卓が限度かも。
はやくこれになりたい。
「1と2はそんなに違いはない、2と3は違う、3と4は同じ(川崎理論)」というのがありますが、あんまりアテにしなくていいと思います。まぁ1と2は同じは割と同意で、2と3は違うも同意なんですが、3と4は違いますからね。
あとこれも余談なんですが、一番書きやすかったのはドロマーの落城退化でした。マジでゲーム展開がわかりやすい。
逆にジョーカーズとかボルシャックとか、一瞬目を離した隙に意味分からん打点が並ぶデッキは難しかったです。
覚えているところでいうと、ソーシャルディスタンスも天敵です。
テキストカバレージブースに描かれた謎の図 pic.twitter.com/rTdeYFJQnv
— カワサキ(開発主任K) (@poxnoid_k) July 23, 2022
このツイートにあるんですけど、自分はほんとは左の配置がよかったんですけどソディの関係で右のような配置になりました。
左であれば正面向いてれば全部見えるんで楽なんですけど、回る配置は絶対見落としが増えるんでちょっと難しいですね。
今回の話と次回?
今回の超CSでは落城退化とかJOとか「事前準備を整えていれば展開がわかりやすいもの」、グルメのように「封殺したらあとはゆっくりなもの」などダイジェスト的に書きやすいものが多かったです。
あと何より、オリジナルなんですよ、フォーマットが。これは結構大きかったです。
ただ続くGPは話が別で、1ターンの動きがエグいアドバンスがありますし、同じく1ターンの動きがエグい龍頭星雲人みたいなデッキも登場しています。そして、比較的書きやすかったものはだいたい殿堂してしまいました。落城なぁ、このカバレージだとマジで嬉しいデッキだったんだけどなぁ……。
GPでダイジェストカバレージがあるのか、あったとして誰が書くかは不明ですが、覚書として残しておこうと思います。
あとノウハウのメモに近いので、なんか他に思い付いたことがあったらだらだら追記するかも。