【カバレージ】超flat-cs 決勝 極道 vs. H前リョーマ「ふーん

超flat-csカバレージ

決勝 極道(赤青マジック) vs. H前リョーマ「ふーん(アナカラージャオウガ)

 決勝が、始まる。

 思えばこのCSは、環境読みが非常に難しいCSであった。

 まず前提として、アドバンスのCSがオリジナルに比べて少ないこと。これは単純に、環境デッキの分布を知る術が少ないということでもある。

 加えてこの超flat-CSという舞台もまた特殊なものだった。開催日はGPの翌日であり、参加者の多くはGPからの連戦となる。「GPのオマケで遊びに来た」という人もいる筈だ。

 更に言えば「普段はオリジナルにしかやっていない」というプレイヤーがどれくらい含まれているかも、まるで読めなかった。普段アドバンスについてペラペラ語っている当ブログだが、ことこのCSのメタゲーム予想については「マジでわからん」と友人には溢していたらしい。

 

 その中で決勝に残ったのは、共に山口県のプレイヤーである極道H前リョーマ「ふーんである。両名については、既にこれまでのカバレージで簡単に紹介した。

 デッキはそれぞれ【赤青マジック】と【アナカラージャオウガ】である。共にオリジナルから端を発したデッキだ。

 これだけ見ると「普段はオリジナルにしかやっていない」というプレイヤーが、オリジナルのデッキを流用して持ってきた……というストーリーに見えるかも知れないが、それは決して違う。広島・福岡という親アドバンス国に挟まれた山口という県は、アドバンスが遊びやすい土地であり、逆に言うとデュエマをガッツリやろうとするなら、アドバンスを避けられないとも言える。

 だから決して「昨日のGP終わって、せっかく手元にデッキがあるしそのまま出ようかな」という気まぐれによる選択ではない。

 アドバンスとオリジナルは違うし、違うからこその【赤青マジック】であり、【アナカラージャオウガ】なのだ。

 

 前置きは少し長くなった。

 気付けば両選手の準備も整った。禁断の展開、そして超次元の確認を済ませ――

 決勝が始まった。

Game1

先攻:極道

 極道の初手埋めは熟考の末、《AQvibrato》となった。少し意外な印象を受けたが、H前リョーマ「ふーんのマナチャージに対する反応を見て、その謎は解けた。

極道「全然違ったー! サムライだと思ってたー!」

 決勝なのに相手のデッキわからないとかあるの? と思うかもしれないが、テンポのいいCSであればあるほど、同じく本戦で戦っている相手のデッキというのは意外とわからない。まして準決勝はフィーチャー卓と通常卓で引き離されていたため、尚のこと知る機会はなかっただろう。

 恐らく同じ地域であるが故に、普段使っていたデッキなどを知っていた故の予想だろう。

 しかし、それはともかくとして。H前リョーマ「ふーんはというと、少し困惑した様子で返した。

H前リョーマ「ふーん「え、でも次元……」

 ……彼の超次元ゾーンには《次元のスカイ・ジェット》や《銀河大剣 ガイハート》といったカードは置かれていない。そうじゃん、と極道は思わず苦笑い。とんだうっかりである。

 極道は気を取り直して《♪やせガエル 負けるなケローラ スパイラル》を唱える。対するH前リョーマ「ふーんは、2ターン目の《幻緑の双月》からのスタートする。

 3ターン目、極道は手札を見て自問自答していた。いや、行くか? 今日の俺は強いか? そんなことを呟くと、意を決したようだった。

 まずは《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》を出すと、「手札は捨てません」と高らかに宣言。

 当然ながらそのまま《芸魔隠狐 カラクリバーシ》へと革命チェンジし、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》を唱え、アンタップと出す効果で《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》を繰り出す。

 ……だがここでは後続となる《芸魔王将 カクメイジン》を引き込むことは出来ず、ターンエンド。

 一命を取り留めたH前リョーマ「ふーんは、ここは《Disメイデン》をプレイ。ブロッカーを建てつつマナを伸ばしていく。

 4ターン目の極道

 ここではなるべく大きなアクションが欲しいところだったが、プレイしたのはなんと願ったり叶ったりの《ストリーミング・シェイパー》。しかも《芸魔王将 カクメイジン》を含む4枚キャッチに成功する。

 そして場に残っていた《芸魔隠狐 カラクリバーシ》を《芸魔王将 カクメイジン》に革命チェンジし、ブロックを強要。ここは《Disメイデン》でキャッチするしかない。だが横にいた《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》が、《芸魔隠狐 カラクリバーシ》へと革命チェンジ。ジリジリと迫っていく。

 反撃の糸口が欲しいH前リョーマ「ふーんは、《キユリのASMラジオ》を唱えた。マナを伸ばせば《CRYMAX ジャオウガ》の着地もあったが、ここは《Disジルコン》と《同期の妖精》。最高の当たりとはならなかったが、なんとかブロッカーを置くことは出来た。更に続けて《♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》で7を宣言し、盤面に立つ《芸魔王将 カクメイジン》の動きを止める。

 しかし極道は止まらない。

 5マナを払って《芸魔隠狐 カラクリバーシ》を召喚すると、即座に《芸魔王将 カクメイジン》へと革命チェンジ。これは当然《Disジルコン》でブロックされるが、続けて先のターンに場に出ていた《芸魔隠狐 カラクリバーシ》をも《芸魔王将 カクメイジン》へと革命チェンジ。

 コマンドが6体登場したことで、禁断解放まで達成する。更に何かと厄介な《同期の妖精》を封印することにも成功した。

 そしていよいよ、《芸魔王将 カクメイジン》の攻撃が通った。

 こうなってしまえば、あとはマジックのゲームである。墓地から《瞬閃と疾駆と双撃の決断》が唱えられる。既に盤面には充分打点が用意された。

 【アナカラージャオウガ】に《伝説の禁断 ドキンダムX》を飛ばすトリガーは基本的に採用されていないし、またG・ストライクのケアに加えて万が一の保険にもなる《同期の妖精》も着地している。

 極道が最終的にアドバンスの特性を見事に生かし、第1ゲームを先取した。

極道 1-0 H前リョーマ「ふーん


GAME2

先攻:H前リョーマ「ふーん

 Game2は静かな立ち上がりだった。

 H前リョーマ「ふーんは3ターン目に、アグロデッキに有力な《ボン・キゴマイム》から発進する。対して極道も同じく《ボン・キゴマイム》を設置したが、互いのデッキの性質を考えると極道は苦しい。

 相手のボンキゴを見たH前リョーマ「ふーんは、ここは慌てることなく《天災 デドダム》続けて《キャディ・ビートル》とプレイしていき、将来的な《芸魔王将 カクメイジン》への革命チェンジを防ぐ。

 極道もならば仕方ないと、一旦《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》を繰り出した。

 その後は、しばらくじりじりとした展開が続いた。

 《天災 デドダム》をプレイするH前リョーマ「ふーんに、《ボン・キゴマイム》で対抗する極道。だがこれは【アナカラージャオウガ】にとっては歓迎すべき展開だった。続くターンの《アーテル・ゴルギーニ》がクリティカルヒットし、極道の盤面を消し飛ばしていく。

 やがて充分な打点が並んだH前リョーマ「ふーんは、仕上げに入る。

 

 クローザーを任せられたのは、当然《CRYMAX ジャオウガ》だった。

 場に出た時の効果でシールドを2枚焼却すると、その2枚がなんと《終止の時計 ザ・ミュート》。

 少し驚いたような様子を見せたH前リョーマ「ふーんだが、ここは冷静に《天災 デドダム》から攻撃を開始。この1点も、なんと《終止の時計 ザ・ミュート》だった。

 だがこの1点での《終止の時計 ザ・ミュート》では、S・トリガー・プラスは起動しない。残る打点を止める手段は、極道には残されていなかった。

極道 1-1 H前リョーマ「ふーん


 感性というのは人それぞれだ。

 極道はこの試合、楯に3枚の《終止の時計 ザ・ミュート》がいたが、いずれも不発に終わることとなった。

 楯に3枚のミュートがいたことについて、「このタイミングじゃないんだよ」と思うか「今日の俺はツキがある」と思うかは、それこそ人の感性次第だ。

 で、当の極道はというと、どうやら後者寄りの捉え方をしたらしかった。


GAME3

先攻:極道

 後手2ターン目に《天体妖精エスメル》から入ったH前リョーマ「ふーんに対して、先手で《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》をプレイする極道。だが3ターンで走る手札はなかったようで、ここはターン終了を告げる。

 H前リョーマ「ふーんもあまり表情が芳しくない。どうやら《ボン・キゴマイム》や《キャディ・ビートル》といったカードを引けていないようだった。《天災 デドダム》をプレイしてカードを探しにいくが希望のカードはなく、横に《とこしえの超人》を置いて祈るようにターンを返した。

 しかし極道は《芸魔隠狐 カラクリバーシ》がない。山札を掘り進めるものの、一向に見付からなかった。

極道「たぶん、ここにいっぱい落ちているんだよな」

 恨めしそうに、禁断の封印を見る極道。《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》を動かすことができなかった。

 死の分水嶺を乗り越えたことで、流れは一気にH前リョーマ「ふーんへと傾く。

 《アーテル・ゴルギーニ》が置かれ盤面が蓋され、さらに追い討ちのように絶望の《キャディ・ビートル》も降ってくる……。H前リョーマ「ふーんの優勝が、刻一刻と近付いてきていた。

 そしてゲームに終わりを告げる《CRYMAX ジャオウガ》が、いよいよやってきた。

 これにて終わりだと、誰もが思った。先のゲームと同様に、《天体妖精エスメル》の1点から詰めていく。そして続けて《アーテル・ゴルギーニ》で2点。

 だが結果的に、これはやや迂闊だったかもしれない。

そう、この日幾度となく極道の命を救った《終止の時計 ザ・ミュート》。

 それがなんと、極道の楯から2枚同時に飛び出してきたのだ。今日の彼は、やはりツキがあった。

 1枚なら問題ないかもしれない。しかし2枚となると、話は別だ。

極道「2枚なら、あるぞ……」

 ターンが返ってきた極道。乗り越えるべき壁の数を数えていく。ブロッカー、《CRYMAX ジャオウガ》の敗北置換、そして《キャディ・ビートル》……。

 熟考の末、プランは決まった。まずは《ド浮きの動悸》で《キャディ・ビートル》を退け、革命チェンジで《芸魔隠狐 カラクリバーシ》。《♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》でブロッカーを止めて1点を刻む。続けてもう1体のミュートも《芸魔隠狐 カラクリバーシ》へとチェンジし、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》。《芸魔王将 カクメイジン》への準備を始める。

 ……が、これは極道側にもミスが出た格好だ。

この《芸魔隠狐 カラクリバーシ》はプレイヤーへの攻撃を宣言していたが、それはミスだった。これによってH前リョーマ「ふーんのシールドは1枚となり、《芸魔王将 カクメイジン》から撃つ呪文の枚数が減るのだ。

 ここまで2種のカードを乗り超えたが、まだ《CRYMAX ジャオウガ》の敗北置換効果が残っている。これを突破するには単純に殴る回数が必要だ。

 そして現状だと、それが若干足りていない。呪文は2回撃ちたかった。だからこの《芸魔隠狐 カラクリバーシ》は《天体妖精エスメル》を踏むべきだった。

 

 しかし、今日の運命とは随分とやんちゃだった。

なんとこのシールドから見えたのは、《「お茶はいかがですか?」》。そしてこれをほぼ反射的に、H前リョーマ「ふーんは唱えてしまった。

 結果、極道の前になんと2枚のシールドが出来上がってしまった。そしてこれが致命的なミスだったとH前リョーマ「ふーん自身も気付いてしまった。

 無情にも《芸魔王将 カクメイジン》が走ってくる。ブロック出来るクリーチャーは、いない。

極道「《瞬閃と疾駆と双撃の決断》で」

 やがて奇術のように、打点が次々と生み出されていった。

 そしてそれは《CRYMAX ジャオウガ》の敗北置換をも乗り越えていくのに、充分なものであった。

極道 2-1 H前リョーマ「ふーん

CHAMPION:極道


 決勝は、難しい試合だった。

 それはプレイの難易度についてもなのだが、試合を総括しようと試みた時にも、そんな言葉が出てくる。

 岡目八目という言葉があるように、筆者である私からは裏目というのはハッキリと見えやすかった。だから今回、ミスはミスだったと敢えて書いてみた。

 「ミスって勝った」「ミスって負けた」は本人も自身を責めるし、周りから不必要に誹謗を受けることもある。それが優勝を決める試合とのなると、尚のことだ。その日の好プレイが、全てなかったことのようにされてしまうのだ。

 だがその上で、デュエマはミスをするゲームだと筆者は思っている。試合の中で正しい択を見付けることの難しさもあるし、「見られている」ことのプレッシャーは相当に重い。練習中にしないようなミスが、本番では起こる。

 試合後、両プレイヤーと最終ゲームについての話をした。H前リョーマ「ふーんの真摯な表情が印象的だった。

 デュエマを極めることに、ゴールはない。新しいカードが出れば新しいデッキが生まれ、新しいプレイも生まれる。ずっと走り続ける。昨日のミスが今日の勝利に、今日の好プレイが明日の勝利に繋がっていく。

 我々は、常に道半ば。

 だから全ての過程を未来の勝利に繋げれば、それでよい。

 そして、今日の勝利に繋げたプレイヤーを讃えられればそれが最上だ。

 

 この日の勝者は、【赤青マジック】で今日を駆け抜けた極道だった。

彼ならきっと、今日の勝利を次なる勝利へ繋げてくれることだろう。

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