神結(外面)
本記事は「デュエマAdvent Calendar2024」の該当記事となります。
こちらの企画はFTGのメンバーでもあり、長らく親交(という一言で表すにはあまりも色々あり過ぎるけど)のあるあーくんが発案したものです。詳しくは以下のリンクを参照してください。
企画成立までの非常にライブ感ある経緯については省略しますが、せっかくですので今回は普段は中々触れることがないカバレージについての話をしようかなと思います。
題して「2024年カバレージ覚書」。
「どんなイメージで大会前を過ごしているか」「書くにあたってどういった考え方をしているのか」などを、今年書いたカバレージを参考に、振り返っていく感じです。
想定している読者は結構狭めなのですが、カバレージ読者の皆さまには楽しめる内容になるよう心掛けます。よろしくお願いします。
神結(内面)
目次
2024年カバレージ覚書
2024年に書いたカバレージ記事の本数ですが、数えたところ35本らしいです。12/21にエリア予選関西があるので、最終的には37本になると思います。
神結(外面)
こうして見ると、デュエル・マスターズってだいたい月1ペースでくらいでは何かしらのイベントやっているんですね。
35本全てのカバレージを振り返っていくと1人アドベントカレンダーが成立しそうなのですが、今回は印象に残っているものについて幾つか触れていきます。
超CSⅥ福岡、群馬
超CSⅥ福岡の開催は2024年の1月。シーズン的には2023年度後期ですが、今回は年の振り返りということでここの話もしましょう。
まずは事前記事の方から。
超CS福岡という大会は、2023年度後期ランキングのちょうど終盤の開催であり、全国権利確定直前というタイミングだったんですよね。
で、執筆時点では次シーズン(2024年度)のランキング形式の変更が発表されており、出たCSのポイントが全て反映されるという形式で行われた最後のランキングでもありました。
そのため「今回のランキングの記録は記事として残しておきたいため、そうした事前記事を書いて欲しい」という依頼の元、執筆したのが当記事になります。
2017年度より開始されたDMPランキングは、時代の流れによって開始された当時とは大幅に様相が変化しました。
現在では当たり前となっている平日CSが開催されるようになったのは2019年度から。当時は関西限定で、あっても週1とか。
それが2022年には平日に複数回のCSが行われるようになり、翌2023年度には平日CSをハシゴ出来るようにまでなります。
この年の後期は様々な部分でインフレしており、記事内でもリキセキタクジン選手が言及していましたが、月のボーダーは6000pts。当のタクジン選手は「2023年10月1日から2024年1月10日までの合計日数が102日」の間に、150近いCSに参加していました。この辺は記事内でも“稼働率”という言葉で説明していますからね。
現在のランキングについてはそれはそれで問題点はあると思いますが、当時の異常さについてはインタビューも含めて伝わったかな、と。
で、それとは打って変わって当日のインタビュー記事はかなり方向性が違います。
内容は地元福岡のプレイヤーにインタビューし、現地のデュエマ事情やオススメのグルメについてインタビューしたものです。
ただこの時の根底にあったのは「地方格差」という割とリアルな問題だったりします。
私は現状だと東京に住んでいて様々な恩恵を授かる立場ではあるのですが、生まれも育ちも東北地方です。住所こそ仙台でしたが、最寄りの駅よりも最寄りのスキー場の方が近くにあるという、そんな場所でした。
ですので「なんでもかんでも都会でやればいい」という考えには基本反対なんですよ。
だからこそ超CSって素晴らしいイベントだなぁと思っているわけです。
そんなわけなので超CSをキッカケとして、色んな場所に行ったり見たりして様々な地方の魅力を感じて欲しいのですが、「地方都市の特性や魅力を正しく理解する」ってそれなりに難しくて。
夏に行われた超CS新潟の時に「新潟行ったけど観光するものがなかった」みたいなツイートを見て、うーんとなってしまったんですよね。
いや、そうなんだよな。だって新潟駅周辺って「そこに住む人たちにとっての便利な場所」であるからさ、観光用に作られた都市ではないんだよ、っていう。
仙台に来た人にも「飯は何処でも美味いですけど、観光するなら松島とか行った方が楽しめると思いますよ」って言っていますからね。
……というようなギャップも感じていたので、超CSⅥの前に川崎さんに「現地のプレイヤーにその土地の魅力を伝えてもらうインタビューとか出来ませんか?」と相談したところ、このような形で実現したというわけです。
「出来るだけ現地のプレイヤーにたくさんインタビューしたい! カバレージに載せたい!」という理念も私の中にありまして、複数のプレイヤーに聞くあの形式にもなりました。
ありがたいことに福岡のプレイヤーにはあれ以降良くしていただけることも多いです。今年も遊びに行くつもりだったのですが、流れに流れて2月頃になりそうです。
また群馬でも同じような形式でインタビューしました。
北関東のCS主催の皆様には何かとお世話になっているのもあって、こうした形でインタビューすることが出来てよかったです。でも冒頭の白梟が全てを持っていってしまった気がする。
全国大会2023
全国大会のカバレージをやる上で自分が大事にしていることは、「参加プレイヤーとコミュニケーションが成立するレベルにあるか」だと思っています。
……どういうこと? と思うかもしれませんかもしれませんが、結構そのままの意味です。
意味するところは複数ありますが。
- 全員でなくとも、参加するプレイヤーとある程度フランクにコミュニケーションが可能
- 参加プレイヤーのリストの細部やプレイの意図などが理解出来る
1については、会場でどれだけの選手と雑談ベースで話が出来るか、みたいな話。緊迫した会場の中で、試合間とか質問するのって嫌がる人もいるでしょうし。GPだったらそんな必要ないと思うんですけどね。互いにとって気が楽な方がいいよな、って思っています。GPだったらそんな必要ないと思うんですけどね。
2についても、プレイヤーが真に見て欲しいことを見抜けるかって大事だと思うんです。
プレイヤーって勝利を褒められるよりも、直前のプレイとかリストの秀逸さとかを見て貰える方が嬉しい筈なんですよね。「あそこのトリガー強かったですね~」って言われるより、「あのトリガーを受け入れにしてた直前のプレイ上手かったですね」って方が、よりいい筈で。
でもそれって自分の口から言える人もいれば、そうでない人もいるわけでライターとして拾えるか・解っているかは重要ですよね。
リストの話とかしているときも、1から4くらいの前提の話ってさっさと省略したくて、8と9の話を深めたいじゃないですか。
IQが20違うと話が通じないって話あるじゃないですか。あれが真実だとは思わないんですけど、それでもゲームの解像度が2段階違う人に話をする場合って、めっちゃ歩み寄って貰っている筈なんですよ。
それこそこの前の《闘門の精霊ウェルキウス》抜きとか《氷牙君主ハイドロ・ビスマルク帝》入りの話をするときに、「そもそも今のアドバンス環境が」って話からしてもらうのって、相当歩み寄って貰っている筈なんです。
だからまぁつまりライターだろうがなんだろうが、デュエマをやった方がいいし、CSに出た方がいい、自分でもちゃんと勝てるように頑張るっていう話になるといいいんですけどね。
最近の若いライターの子たちは、ここはやってくれていて嬉しい限りです。
全国大会に出るレベルのプレイヤーと1段階解像度が違うのはしょうがないです。
でもそのラインで踏みとどまれるかどうかは重要だと思っています。
……と、前置きは長くなりましたが、全国大会2023の話になります。
この時は2つの事前記事とゲームカバレージ、そしてアドバンスのメタゲームブレイクダウンを担当しました。
事前記事のインタビューは上記の超CSの事前記事からの一環として、ランキングシステムの記録として引き続き「ランキングを勝ち抜いてきた人」にフォーカスをしたインタビューを行うことになりました。
確かこの時は2024年のエリア予選の復活も確定していたので、「ランキング勢が大半を占める全国大会」も最後だったんですよね。
人選はほぼお任せされたので、いい機会だとも思い、個人的に気になっていたことがあった人たちにお願いしてインタビューさせていただきました。
全国常連と新顔、両方の方々と話が出来て気に入ってます。
にわかくんとか当時は新顔でしたけど、デュエチューブリーグ参戦もあって、いまやすっかり華のあるプレイヤーになりました。上手いプレイヤーはこれからもたくさん出てくると思いますが、華があるというのは別な才能だと思うので、活躍し続けて欲しいです。
そしてゲームカバレージを2本担当しましたが、これはありがたいことにかなり評判良かったですね。
ゲームカバレージを書く時に意識していることは「話を盛らないこと」「嘘を吐かないこと」の2つです。
自分はよく「それは本当に“絶対に負けられない戦い”ですか?」みたいなことを言ったりします。
本当に負けられない戦いだったらいいんですけど、極端な話負けていい試合とかってないですし、殊更に強調するには、相応の理由が必要だと思っていて。手癖とか勢いとかで、そういった言葉を使ったりすると陳腐化に見えちゃうよね、というのが持論です。
あとゲームカバレージってリアクションの記事なんですよ。
例えばデッキ解説のような記事を書く場合、全て自分側から矢印が出てくることになるんですが、ゲームカバレージは向こうから来る矢印を受け止めて、返す必要があるわけです。
ですので受け取り方の引き出しがどれだけあるか、というのが問われるところだと思っています。
さて、まずRound6(予選最終戦)ですが、はやと vs. おなかいたいの試合は、勝った方が予選抜けというわかりやすいシチュエーションでした。
ただ個人的に、この日のおなかいたい選手はデッキリストを見たときに「覚悟決めてきたんだな」と感心しました。アドバンスが【火光水ゴスペル】で、オリジナルが【火水マジック】。
特にオリジナルのマジックというのは、同型戦を厭わないという覚悟の選択です。
彼はGP2023-2ndの準優勝によって全国権利を獲得していますが、そもそもCS格以上の大会に参加したのはこのGPが初めてだったとのことです。
私はこの決勝戦のカバレージを担当していたのでおなかいたい選手を一度間近で見ていたのですが、GPの時と全国大会の時とで表情が全然違うんですよね。人間って自信を持ったり、覚悟を決めたりすると、顔って変わるんですね。
この一戦、というより全国大会を通してすっかりおなかいたい選手のファンになってしまったので、またGPとかで活躍している姿を見たいですね。
決勝に関しては、なるべく空気感をそのままお伝え出来ればと思い、受け取ったものをそのまま書いています。
若き天才の登場と、歴史ある水魔導具の栄光をぜひ味わってください。
DMGP2024-1st(オリジナル)
決勝などを担当しました。
多面打ちに必要なものは、想像する力です。盤面を全て追うのは不可能であるため、AからCに変化したときにBで何が行ったのか、知識で補う必要があります。
凄い単純に言えば、マナが2枚タップされて、墓地に《フェアリー・ライフ》が落ちてたら何が起こったかって見て無くてもわかるじゃないですか。これを繰り返す感じです。
3卓の中でより重要そうな状況になっているところを中心に見つつ、他はある程度結果から補う……というのが基本スタンスになります。
が、この時の環境トップは【闇自然ジャガイスト】とかいうあまりにも厄介なデッキでした。2手でAからFくらいまで変化しているデッキです。全てを追い切るのは不可能ですので、ある程度の割り切りは必要になります。
ええ、随分と苦労しました。
なお決勝については各々の名誉のため、詳細は語らずに墓場まで持っていこうと思います。
ちなみに1日目選手参加の2日目ライター参加でしたが、疲労が半端なく、“明日の自分を寝かせることでハイパー化”して耐えていました(エナドリ)。
ジュニアGP2024
私が思うに、デュエマカバレージ界最高難易度ミッションは「ジュニアGP決勝4面打ち」で間違いないです。私が言うのですから、間違いないです。
それでは何故かというと、ジュニアGPの性質にあります。
まず第一に、参加者のプレイが非常に早い。参加者は直感的な択を取るので、プレイ間が短い。例を挙げるなら、2023年に行われたジュニアGPの【水闇魔導具ミラー】は10分で決着します。時間切れになっているのは、天門デッキ同士がブロッカー並べ合って膠着しているときくらいです。
このお陰で、多面打ちの大原則である「プレイヤーが考えている間に他の卓を観る」が通りません。視野を広くとって、可能な限りの情報を拾い続ける必要があります。
更に言えば、参加者のデッキは個性あるものも多く、見ないと動きがわからないリストが多いんですよ。このお陰でゲームで何が起こるか予測しにくく、上記した「想像で補う」が全く役に立たないんです。
もちろん担当しているジャッジの方に「試合の展開、ざっくりでいいので覚えておいていただけると助かります」みたいな話はしますが……。
じゃあどうするか、と言われたら最後は結局気合いです。
今日では根性論はバカにされがちですが、あらゆる手を尽くした上であともう一歩頑張らなければいけないとき、その一歩を作るのは結構なパターンで根性だったりします。このアドカレ記事も、現在〆切当日の朝?の5時05分ですが、いま根性で突破を図っています。
カバレージ、最後は体力勝負です。
ちなみにジュニアGPは参加者がみんな非常に元気で、デュエマを心の底から楽しんでおり、会場にいるだけで暖かい気持ちになれます。
これもずっと続いて欲しいイベントですね。
超CSⅦ横浜、超CSⅦ広島
印象的だったのは、卍しょーけん卍チームのフィーチャー。
一緒に調整とか練習とかはしたことなんて一度もないんですけど、ずーーーーーーーーーっと一緒にアドバンスのCSで対戦してきた人たちではあるんでね。感慨深かったですよ。ちゃんと勝っているじゃん、って。
卍しょーけん卍ってちゃんと上手くて、その上でめっちゃ変な奴だからもっとフォーカスしたいんだけど、如何せんやっているレギュレーションがレギュレーションなだけあって、取り上げる機会が中々ない。だから今回、千載一遇のチャンスでした。対戦相手もあーくんたちのチームで、また良かったですね。
これは絶対3面取ってやろうと思って、気合いで追いました。
ちなみにこの時、「カバレージ班」なるチームのインタビューを行いました。
本来カバレージ班ならばカバレージの仕事をしているので偽りのチーム名な筈なのですが、何故か見覚えのあるメンツでした。
この時ジャイロが「試合中の手札・マナ置きなど、追えるものは全て追う」と言っていたので、ちょっと面白そうだと思って自分も試したんですけど、自分にはあんまり合わないやり方だなぁと感じました。
私はその場で感じたファーストインプレッションを大事にしたいので、その場で観客同様に“観戦”するスタンスの方が合うかなぁ、と。
まぁ、書き方は人それぞれなんでね。面白ければなんでもいいんですよ。
DMGP2024-2nd(オリジナル)
この日はね、とにかく疲れていました。
記憶が薄いけど、前日参加からの疲労に加えて、なんか気疲れするような案件も並行して起きていたので、決勝始まる前にへろへろでした。ヘッドジャッジの齋藤さんと一緒に、大塚くんに向かって「お前いつ天のスリーブはヤバいだろ」って話をしたことしか覚えていない。
で、まぁ決勝始まる時点でその場にいた両プレイヤーもジャッジも私も、たぶんめっちゃ疲れていた筈なんですよ。
特にプレイヤーについては、3位決定戦の間に“監獄”に閉じ込められて待たされていた訳ですから、休まる気も休まず、気疲れだけするような状況で90分くらい待たされていた筈なんですよね。
準決勝であれだけのプレイを魅せた人が決勝ではミスをする……なんていうのは、起こっちゃうんですよね。
GP決勝を一番目の前で見てきた可能性もある私から言えることがあるとすれば、あの場の雰囲気は独特ですし、蓄積された疲労は計り知れないものがあります。残業して12時間働いた後に正常なプレイって取れますかね?
観戦している方は、もうちょっとだけでいいので選手を慮って欲しいです。これはお願いです。
それともう1つ、kaisora選手のインタビューをさせていただきました。
これはそもそもインタビューの中で本音を私も話しているのですが、私が一番最初にkaisora選手に関心を持ったのが、23年ランキングのラストで【火自然アポロ】を使ったというエピソードからなんですよね。
おなかいたい選手といい、覚悟を決めた選手というのが私にとっての癖なのかもしれません。
そしてインタビューをしていく中で、かなり理性的といいますか、再現可能な方法で強くなっていったというのを知り、「これは何としてでも伝えなければ」という使命感に駆られていました。
インタビューしていて面白かったですし、インタビュー自体も好評で良かったです。
エリア代表決定戦
全て終えたわけではありませんが、北海道→盛岡→福井と遠征が続き、大変ではありますが非常に楽しいエリア代表ライフを過ごしています。
北海道エリアは、長年北海道で戦うプレイヤー同士の戦い。東北エリアは、新デッキたちの躍動。そして北陸エリアは、石川県1位2位による最強を決めると、それぞれ違ったエピソードがあります。
これがエリアの魅力ですかね……。
エリア代表でお会い出来る方々って当然ながら直接お会いする機会も稀なのですが、だからこそ土地に寄り添ったといいますが、その地のプレイヤーにフォーカスしたいなぁ、とは考えています。
上でも書きましたけど、私がそもそも地方好きですからね。
北陸でいうとあゆりさんはそうだし、いかろす–Limも熱かったし、東北では松川が新しいデッキ作って持ってきてたし、デュエチューブリーグや上位ランカーではないけども強いプレイヤーっていっぱいいるんですよ。
そういう方々の気概というか、エリアに懸ける想いを届けていくのが、このエリア代表に於ける使命かなとは思っています。
ただ今回はぜひジャイロやたけじょーといった新世代のライターたちの活躍を応援といいますか、どちらかと言えばサポート寄りな業務もやっています。
「何処までサポートするのがいいのかな~?」と、これもまた難しいです。「見て学べ」の時代ではないけど、私の視点からは彼らは「期待の若手」なので、ぜひ結果を出し自信を付けて欲しいところです。
競技的にもデッキが多く、2ブロおもしれ~~~~が詰まっています。
おわりに
というわけで、ざっくりと今年参加したカバレージに於ける振り返りでした。
上記は全て私の感想とか意見であるので、みんながそう取り組んでいるわけではないです。あと若い子たちに「こうやれ」と言っている訳でも無いですし、むしろ逆張って欲しいなとも思っています。
というわけで、明日はアドカレの担当はこの流れでジャイロです。期待して待っていてください。
それでは、また。
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