こんにちは、神結です。
キーワード能力解説、今回は「ヨビニオン」です。
既に環境で大活躍しているカードもいますが、「何故活躍出来ているのか」も含めてお話し出来ればと思います。
それではどうぞ。
キーワード能力説明「ヨビニオン」
というわけで、現在進行形で大活躍中のヨビニオンですが、その能力は以下の通りです。
- ヨビニオン(このクリーチャーが召喚によって出た時、自分の山札の上から、これよりコストが小さいクリーチャーが出るまで表向きにしてもよい。そのクリーチャーを出す。残りをシャッフルし、山札の下に置く)
凄くざっくり言えば、召喚したときに山札から自身より小さいクリーチャーを1体引っ張ってくる(リクルートしてくる)能力です。
例えば上の《八卦ヨーイ》を召喚した場合、コスト3以下のクリーチャーを出すことが出来ます。
ただしその出す方法というのが、山札を順番に捲っていくという手段なんですよね。山札を捲っていって、条件に合致するクリーチャーが捲れたらそれを出す、という感じです。
基本的にはクリーチャーを横に並べるギミックではあるのですが(これは前回紹介したハイパーエナジーの補佐的な意味も強いでしょう)、「出せるクリーチャーのコストが限定される」ということで、デッキ構築次第では特定のカードに確定でアクセスすることが可能です。
つまりヨビニオンを活用する場合は
- ヨビニオンで出る目が確定するような構築
- ヨビニオンでクリーチャーが横並びことを肯定する構築
の何れの方向性でデッキを組むか、先に決めておく必要があります。
前者で有名なのが、《ヨビニオン・マルル》を使用した水闇自然の【アナカラーマルル】になります。
- ヨビニオン(このクリーチャーが召喚によって出た時、自分の山札の上から、これよりコストが小さいクリーチャーが出るまで表向きにしてもよい。そのクリーチャーを出す。残りをシャッフルし、山札の下に置く)
- 各ターン、自分の2体目のクリーチャーが出た時、自分の山札の上から1枚目を見る。そのカードを手札に加えるか、タップしてマナゾーンに置く。
2→4という古来より存在するマナカーブに4コストの《ヨビニオン・マルル》は当然問題なく搭載が可能です。
その上で、ブーストからの《天災 デドダム》や、《天災 デドダム》からのスタートも受け入れとなっており、《ヨビニオン・マルル》から《天災 デドダム》を確定させられる基盤を上手く実現していると言えます。
ちなみに余談ですが、私はこのデッキに何度か《光牙忍ハヤブサマル》を積もうとしたことがあります。それはダメなんだって。
それはさておき、現在ヨビニオンの主な使われ方は《ヨビニオン・マルル》→《天災 デドダム》のような「確定ガチャ」を引く方向性になっています。
他には《ヨビニオン・フレイムバーン》→《ボルシャック・栄光・ルピア》のパッケージとか、最近だと《スゴ腕プロミキサー》+《ホワイト・スワン》だったり、或いは《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》or《AQ NETWORK》のパッケージなどが使われています。
これらはそれぞれ「ドラゴン」という種族の強みや、「S・トリガーで6コスト」という基礎スペックの強みを生かし、特定のデッキの出力をしっかり上げてくれています。
一方「数を増やす」という目的での採用については、現在はそこまで浸透していません。
これに関してはそれが弱いからというよりも、環境とか、カードプールの影響の方が大きいような気がしています。シンプルに「数を揃えること」が直接勝ちに繋がるギミックが登場したら、「なんでもいいから展開に繋がるカードを引っ張ってくる」ような感じに、ヨビニオン持ちクリーチャーが採用されることがあるかもしれません。
具体例を挙げるなら、《十番龍 オービーメイカー Par100》はまさにそれです。
- このターン出した自分の自然のクリーチャー1体または自然のタマシード1枚につき、このクリーチャーの召喚コストを3少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。
- マッハファイター
- Q・ブレイカー
- シビルカウント5:自分の自然のクリーチャーまたは自然のタマシードが合計5つ以上あれば、相手のターン中、相手のクリーチャーまたはタマシードが出てその能力がトリガーする時、かわりにその能力はトリガーしない。(例えば、相手は「このクリーチャーが出た時」で始まる能力を使えない)
ご存知の方も多いでしょうが、このカードはとにかく横に並ぶクリーチャーの数が求められます。
ですので【アナカラーオービー】では《キユリのASMラジオ》と並ぶ展開札として、《ヨビニオン・トライブ》を採用しているケースを見掛けました。
- このクリーチャーを自分のマナゾーンから召喚してもよい。
- ヨビニオン(このクリーチャーが召喚によって出た時、自分の山札の上から、これよりコストが小さいクリーチャーが出るまで表向きにしてもよい。そのクリーチャーを出す。残りをシャッフルし、山札の下に置く)
- このクリーチャーが破壊される時、墓地に置くかわりにマナゾーンに置く。
ある程度何のクリーチャーを捲っても次の手数に繋げやすく、出てくるクリーチャーの質自体はそこまで大きく問われないことから、こういった構築を実現出来るわけですね。
ヨビニオンで変わったこと
さて、《魔誕の猛将ダイダロス》が発表されたことで、第4弾でも引き続きヨビニオン持ちのクリーチャーが登場することは確定しました。
そんなわけで今後も強化が約束されているギミックではありますが、ヨビニオンは現時点でもデュエマのゲーム性・デッキ構築に大きな影響を与えていると私は考えています。
その中で一番大きいのはやはり、「ゲームの再現性」を大きく高めていることにあるでしょう。
いや、だってさ。《スゴ腕プロミキサー》凄いよ。
- S・トリガー(このクリーチャーをシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ召喚してもよい)
- ヨビニオン(このクリーチャーが召喚によって出た時、自分の山札の上から、これよりコストが小さいクリーチャーが出るまで表向きにしてもよい。そのクリーチャーを出す。残りをシャッフルし、山札の下に置く)
例えば【光水ライオネル】というデッキは、これまで盤面リセットをするのに《スロットンの心絵》+《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》+《ジョーカーズの心絵》の3枚コンボ要求だったんですよ。
でもそれが、1個適当にタマシードを置いて《理想と平和の決断》で楯増やしているだけで《ジョーカーズの心絵》さえ手に持っていればいいという話に変わっちゃったんですよね。
《ジョーカーズの心絵》で流した後の再展開についても、やっぱり《スゴ腕プロミキサー》を持っているだけで山札の何処かに帰っていった《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》を即座にリクルート出来るようになっているんです。
要するにゲームの中で特定のキーカードを絡められる確率は大幅に上がっており、結果として「強い動き同士がぶつかり合う」ゲームが増えるんですね。
また同じく「《天災 デドダム》を引けた時は強いけど、そうでないとちょっと……」というような、序盤の足腰が弱い(引くカードによって動きに大きな格差が生じる)デッキなんかは、ヨビニオンの恩恵をかなり受けることが出来ます。
【アナカラーマルル】って、まんまこれですからね。
ですので今後《天災 デドダム》に限らず、3コスの優秀なクリーチャーを要する種族や、3コス以下の特殊なカードを起点とするギミックなんかは、ヨビニオンによって大幅な強化が来る可能性があります。
例えばこういう感じの癖が強い&互換性のあるカードがほぼない系のカードたちは、ヨビニオンによってデッキを組みやすくなりました。
そういう意味では、デッキをデッキとして成立させるハードルを下げていると言えるでしょう。
一方、勿論ちゃんと弱点もあります。
それは良い点と表裏一体ではあるのですが、とにかく「デッキの縛りが大きすぎること」でしょう。
【アナカラーマルル】は当然ながら3コスト以下のクリーチャーを積めません。だから《光牙忍ハヤブサマル》は入れられないし、アドバンスに持ち込んだときには《とこしえの超人》などのメタカードを諦めざるを得ませんでした。
現代デュエマは不利な相性を捲る際に低コストのメタクリーチャーの力を借りることが多いですが、ヨビニオンが入るとそれが難しいんですよ。
つまり、対応力が下がります。
純粋なデッキパワーで勝負となるんですが、今後の環境の変化に対応しにくいのもそうですし、不利相性の改善も見込みにくいです。
また上で紹介した《スゴ腕プロミキサー》も、普通のデッキでは使えないカードです。5コス以下のクリーチャーが1~2種しかないデッキなど、殆ど存在しないからです。
またヨビニオンの存在は相手に情報を与えることにも繋がります。
そもそもデッキを捲るのは勿論ですが、「《ヨビニオン・マルル》が入っているということは、《とこしえの超人》や《キャディ・ビートル》のようなメタカードが入っているわけないよね」とデッキ構築もバレます。
ちなみにデッキを捲る過程で《流星のガイアッシュ・カイザー》が3枚くらい見えて「じゃあ持っていないよね?」という感じにドカドカに踏み倒された、という経験をした人もきっといる筈(まぁデッキを捲る行為はこちらが得られる情報も多いので、プラスの方が大きいという見方もありますが)。
とはいえ、今後しばらくは【アナカラーマルル】だけでなくヨビニオンを組み込んだ・軸としたデッキは増えていくと考えています。
個人的評価は9/10くらい。カードプールが広くデッキ構築の自由度が高いデュエマらしい、強力なキーワード能力だと思っています。反面、弱点もちゃんとあるかなという。
是非とも早め早めにヨビニオンを触って、構築や使い方について知見を深めていただければと思います。
というわけで、今回はここまで。
次回のキーワード能力は番外編ネタで「パーフェクト呪文」について触れていく予定です。
それでは、また。
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