yk800の週刊! メタゲーム・ウォッチング Vol.33【20.12.9】

 どうも、レッドことyk800です。

 来たぞ、殿堂発表!!!

 結論から言うと予想はめちゃくちゃ大外ししたんですが、それによってわかったウィザーズ社の方針もありますので、その辺については後ほど。

 今週は書くことめちゃくちゃ多いのでさっさと本編に入っちゃいましょう。12月第2週、メタゲーム・ウォッチング、スタートです!



先週の結果総まとめ

 まずは先週(20.12.3〜20.12.6)行われたCSの結果を見ていきましょう。

(※元となった大会結果は田園補完計画さんからお借りしています。また、情報の抜け・漏れがある可能性がございますことをご了承ください)

 群雄割拠の間隙を突く【カリヤドネ】。

 ここ3ヶ月では一、二を争う母数の多さで、リストチェックもなかなか苦労した先週末のCS。様々なデッキが入り乱れる中、【カリヤドネ】が前週トップの【バーンメア】を僅差で上回り今週の1位となりました。

 母数の増加には「殿堂前の使い納め」などの外的要因が存在した可能性も考えられますが、「勝ち切れた」要因としては、やはり一強環境の終焉に伴うメタビート、メタコントロール系デッキの低迷が挙げられるでしょう。

 メタビートが苦手とする、カウンターを主軸に据えたデッキや防御的なデッキが幅を利かせる現環境。そんな中で一切攻撃せずに勝利できる利点は大きく、アンフェアデッキの王者として堂々の風格を見せつけてくれました。

 現在の環境の中心ともいえる【バーンメアジョーカーズ】は、どこかのタイプに偏ることなく幅広いデッキタイプが入賞しつづけています。そんな中でも【旅路バーンメア】の入賞リストの多くが《ポクチンちん》を採用しており、墓地デッキに対する意識の高さが伺えました。

 ベスト5入りを逃したデッキに目を向けると、【サバキZ】の入賞数増加が目立ちます。

 入賞者は以前にも【サバキZ】でのCS入賞例のあるプレイヤーや名のある強豪プレイヤーが大多数。ここからうかがえるとおり、【サバキZ】は強さだけでなく、そのプレイ難度の高さでも非常によく知られています。

 同時処理の多さによるプレイ順、大量の裁きの紋章が同時に手札に入った時のサバキZでの切り方、マナの取捨選択。とにかくひとつひとつのプレイにおける選択肢が多く、そのうえで能動的に触れる領域がシールドと山札に限られるため、ミスを取り返す手段がほとんどないのが難易度を引き上げる要因となっています。

 筆者自身も理解できていない部分が多いためなんとも言えないのですが……。あくまで私見として、カウンター性能の高さや、以前よりずっと言及しつづけている「呪文封殺フィニッシュ」デッキの減少が環境的な追い風になっているのではないかと考えています。

 もう1つの注目点として挙げたいのは、【邪王門】デッキの大幅減。母数がわからないため、そもそも数が少なかったのか、それとも勝てなかったのかまでは言及できませんが、少なくとも勝ち切れるデッキでなかったのは確かでしょう。

 単体除去では止まらない過剰打点を形成しつつ、《ジェイ-SHOCKER》6宣言で相手の選択肢を大幅に狭める【バーンメア】や、そもそも《百鬼の邪王門》を一切意に介さない【カリヤドネ】。

 【光水闇オレガ・オーラ】や【ギャラクシールド】は単純なビートダウンを遂行しづらいコントロールデッキであるうえに、なおかつ《希望のジョー星》でカウンターの芽まで潰してくる徹底ぶりです。

 《百鬼の邪王門》は強力ですが、総じて弱点が多く、なおかつ存在を意識されれば比較的プレイでケアしやすいカードでもあります。このままTier4あたりに落ち着いて、忘れた頃にスッと浮上してくるような、そんな立ち位置になっていくのではないでしょうか。

 

HOT TECK

《無修羅 デジルムカデ》

 今回は、言うなれば逆HOT TECK。

 今、全国の【光水闇オレガ・オーラ】から《無修羅 デジルムカデ》が消えつつあります

 蓋性能の高さで筆者も激しくプッシュしていたこのカード。カードそのものの強さはまったく変わっていませんが、それではなぜ《デジルムカデ》抜きの【光水闇オレガ・オーラ】が結果を残しはじめているのか。

 考えうる要因は、大きく分けて2つあります。

⒈「マナブーストしないデッキの《デジルムカデ》、出る頃には間に合っていない」説

 《無修羅 デジルムカデ》の最大の弱点。それは、出したターンに盤面に干渉する手段を持っていないことです。

 自然の入ったデッキであればマナブーストが豊富にあるため安定して素早い着地が見込め、パワー7000になった《スカップⅢ》がマッハファイターでどつきにいくなど、盤面への干渉もある程度期待できます。

 しかし、【光水闇オレガ・オーラ】の《デジルムカデ》は基本的に5ターン目の着地。《*/零幻チュパカル/*》などが絡めば4ターン目に出ることもありますが、除去されてしまえばテンポが遅くなりますし、そもそもデッキに4枚のカードに期待をかけすぎるわけにはいきません。

 現代デュエル・マスターズにおいて、4ターン目はほとんどのデッキがビッグアクションと位置付けるターンです。そこに先手からでも間に合わないのであれば、抜いてしまってもいいんじゃない? という発想ですね。

⒉「現環境の「蓋」、《御嶺》+《エルハ》+《スロチェ》で充分」説

 詰むんですよ、大多数のデッキが。現環境の呪文トリガーの通りの良さは、メタゲーム・ウォッチングを書きはじめたここ1年でもかつてないほど高水準です。

 ビートダウンデッキの基本が、「過剰打点を作って単体処理では止まらない盤面で勝つ」「ストップしても返しきれない速度で仕掛けて勝つ」といった物理的方向に移行しつつある昨今。

 「使ったトリガーがシールドに残り続ける」というバグじみた挙動は想定されておらず、止まるデッキはこれだけでほぼ止まってしまうのが実情です。

 このコンボを乗り越えられるようなデッキは、主にコンボデッキやコントロールデッキ。そもそも《デジルムカデ》があまり有効でない場合も多いため、役割対象を考えた場合、《デジルムカデ》まで入れることはオーバーキル気味になってしまいがちです。

 それならそれでと、その枠を序盤の妨害や《ア・ストラ・ゼーレ》などの直接的な盤面干渉手段に費やすようになったのではないかと考えられます。

 このような要因から減少傾向にある《無修羅 デジルムカデ》ですが、受けのほとんどを《スローリー・チェーン》に依存しきってしまった代償として、【火水自然バーンメア】や【デッドダムド】などの、フィニッシュに《奇天烈 シャッフ》を多用するデッキがかなり重くなっています。この点には留意が必要です。

 もっとも、これらのデッキは《生命と大地と轟破の決断》の殿堂入りで小さくはないダメージを受けてしまうんですよね……。外的要因を鑑みれば、今後も《無修羅 デジルムカデ》減少傾向は続きそうです。

殿堂についてあれやこれや語るコーナー

 出ましたね、殿堂。

 もう見飽きた方も多いんじゃないかとは思いますが、改めて殿堂入りカードを振り返っていきましょう。

・殿堂入り

《爆熱剣 バトライ刃》
《凄惨なる牙 パラノーマル》
《魔導管理室 カリヤドネ》
《生命と大地と轟破の決断》
《ジョット・ガン・ジョラゴン》
《海底鬼面城》

・プレミアム殿堂入り

《ヘブンズ・フォース》

・殿堂解除

《爆熱剣 バトライ刃》+《超戦龍覇 モルトNEXT》(プレミアム殿堂超次元コンビ)
《超次元ガロウズ・ホール》
《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》
《超次元ホワイトグリーン・ホール》

 総評としては、「殿堂入りではオリジナルの初期整備に注力し、来年以降フォーマットとしてガッツリサポートしていく姿勢を見せてきた。一方で殿堂解除によって超次元関連のカードをいくつか解禁し、アドバンス環境とオリジナル環境の差別化を図る」といった意図のある殿堂発表だったのではないかと感じました。

 では殿堂入りから……いや、プレミアム殿堂入りから一言ずつ。

・《ヘブンズ・フォース》

 一発プレ殿とは読めなかったこのyk800の目を以下略。

 このカードについては口を酸っぱくして言ったように、強さ云々以上に「妨害の通らない先攻2ターン目に返せない盤面が完成する」というゲーム体験への悪影響が大きかったカードでした。

 開発としては許しがたいカードであったことは確かでしょうし、ここまでとは思いませんでしたが不思議ではない、といった感じです。

・《爆熱剣 バトライ刃》

 神結さんもおっしゃってましたが、「うん? うん。」という感想。

 ハムカツ型派生の2コスブースト採用式【ドラグナー】には大きいと言えるほどの影響はなさそうですが、《バトライ閣》複数を建設して《バトライ武神》による打点にも期待をする【デッドマン】型はそれなりに厳しい改定となりました。

 まあでも、プレミアム殿堂コンビ解除の口実って側面が大きいんじゃないですかね、正直……。という邪推はしてしまいました。

・《凄惨なる牙 パラノーマル》

 個人的には避けてほしかった殿堂。まあ仕方ないのかな……。

 【ギャラクシールド】のセールスポイントであった「GRクリーチャーへのナチュラルな耐性」が大きく低下したため、アドバンス環境での活躍はかなり難しそうです。

 が、オリジナル環境にはGRクリーチャーがないため相対的に《凄惨なる牙 パラノーマル》殿堂入りの影響が小さく、またオリジナル環境の上位として予想に上がっていた対抗馬が今回の殿堂入りで軒並み(【水魔導具】以外)沈んだため、【ギャラクシールド】というデッキ自体は依然として有力候補に上がるのではないかと考えています。

 【ドギラゴン閃】など革命チェンジ系に対しては《希望のジョー星》、【ナウオアネバー】などのループコンボに対しては《DG-パルテノン》。どちらも今回の殿堂発表を受けてオリジナルの有力候補として名前が上がるであろうデッキであり、《パラノーマル》が効きづらく、なおかつ他の部分で【ギャラクシールド】が優位を主張できるデッキです。

 盤面デッキに対しての弱みは残りますが、ある程度は採用するトリガーなどでケアできますし、そもそもGRや超次元のない環境で単なる盤面デッキがどこまで強みを主張できるかが未知数。

 【ダイナボルト】や【キリフダッシュ】などが環境上位に上がってくる可能性はありそうですが、この辺りも《パラノーマル》で詰むか? と問われればおそらく否でしょう。

 そんなこんなで【ギャラクシールド】はオリジナルのTopTierたりえるとは思うんですが、うーん、どうなんでしょうね……プレイ時間問題……。

・《魔導管理室 カリヤドネ》

 ありがとうカリヤドネ。GP9th楽しかったぜ。

 殿堂環境にも激震が走りますが、今回の傾向を見る限りはそれ以上に「オリジナルでも構築変わらず大暴れ」を嫌った形でしょう。1年間にもわたってTier1〜3の間をうろちょろしながら完走しきったので充分だと思います。お疲れ。

・《生命と大地と轟破の決断》

 いずれは逝く運命にあったけど今だとは思わなかった枠その①。

 こちらもメインはオリジナルへの影響、特に【デッドダムド】への牽制だと思われます。今後オリジナルも意識したカードを作っていくのであれば存在し続けるだけで制約がかかるこのカードが邪魔になった側面はあるのでしょう。

 ただし、そもそも1積みや2積みでもガンガン使われていたカードであるため、展開補助や小回りとしての《生命と大地と轟破の決断》は死んだわけではありません。そもそも安易な上振れを作りやすいカードというわけでもないため、このカードをコンセプトにしたデッキは成立しないものの、優秀なサポートカードとして使われていくでしょう。

・《ジョット・ガン・ジョラゴン》

 もろオリジナル環境整備枠であり、いずれは逝く運命にあったけど今だとは思わなかった枠その②。

 実際、4ターン目から《燃えるデット・ソード》が飛び交う環境で遊びたいか? と言われれば否なのでまあ……。天敵であった《全能ゼンノー》や《無修羅 デジルムカデ》が消えることで、いきいきと動けるようになったのがダメだったのではないでしょうか。

 「オリジナルにどれだけ手を加える気かは《ジョラゴン》の殿堂次第」だと密かに考えていたので、実は総評の分水嶺となったカードでもあります。

・《海底鬼面城》

 その③。このカードはおそらく、クロニクルデッキ以前の《ライベルモット・ビターズ》型【マーシャルループ】を意識した、オリジナル枠の殿堂だと思います。あとはちょっとだけ【水火クラッシュ“覇道”】。こちらもオリジナル。

 個人的にはなんとも言えんなぁ……という感想になってしまいます。まあ遅かれ早かれって感じではあるんですけど、うーん。来年以降の新テーマに絡んだ殿堂である可能性もあるなあ、という感じです。もしくはよっぽどヤバいビビッドローが控えてるとか。

・《爆熱剣 バトライ刃》+《超戦龍覇 モルトNEXT》

 順当、という感じ。最初に《バトライ刃》が見えた瞬間、「ああ解除するのね」と思いましたし実際そうなりました。

 Twitterで構築が流れてきて個人的に面白いなと感じたのは、《メンデルスゾーン》や《チャラ・ルピア》から《ラブエース》を3ターン目に設置しつつ《バトライ閣》をひっくり返してからゲームを始める【光火自然モルトNEXT】。

 《スクランブル・チェンジ》も閣ループもなく、《バトガイ刃斗》というもっと強い相棒も手にした今の【モルトNEXT】に《バトライ閣》を採用する意味ってあるの? って正直思ってたんですが、先置きできるなら話が変わってきますよね。

・《超次元ガロウズ・ホール》

 やや力不足、というのが正直な感想です。そういう意味で妥当な解除ではあるのかな。

 もちろん《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》から撃つのが弱いわけではないんですが、手撃ちがちょっと重いですよね。トリガーもついてないし。

 ただし、《ベガス》スイッチ《ガロウズ・ホール》から《激浪のリュウセイ・スプラッシュ》を出して《時の法皇 ミラダンテⅫ》でカウンターするのはゴリゴリに楽しいと思います。楽しいデュエル・マスターズには間違いなく寄与してくれる解除。

・《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》

 遂に4枚。今の環境だとトリガー封殺ももちろん強いんですが、それと同じくらい「相手にリソースを与えない」のが強いですよね。とはいえ踏み倒すには運も必要なので、ブレの大きさやメタクリへの耐性の無さも考えると、やっぱり「環境激変」レベルではないだろうなとは感じます。

 《轟破天九十九語》で《ドラゴ大王》と一緒に出すとめちゃくちゃ強いフィニッシャーになるので、そういう遊び方も考えたいよな俺はな。

・《超次元ホワイトグリーン・ホール》

 ウィザーズは神。一生ついていきます。

 Twitterでも散々荒ぶったんですがめちゃくちゃ嬉しい殿堂解除です。嬉しすぎてサムネにした。

 大きな影響は与えないと思う、という前提のうえで、今回殿堂解除されたカードの中で一番環境で見ることになりそうなのはこのカードだと思います。なぜなら軽いので。

 3ターン目に撃てて打点を作りながらトリガーを埋めつつ終盤の小回りにも影響するカードなので、ビッグマナ系のデッキなら4枚フルでなくとも2枚から3枚は採用して損のないカードです。ずっとビッグマナで活躍できないかと思っていたギャンパレサイキックの裏面にもれなくアクセスできるのも最高。

 《Wave ウェイブ》という心強い味方を携えてGRビートと洒落込むことも可能なため、いろいろと妄想活用の幅が膨らむ1枚です。

 コスト4ってのがやっぱいいですよねー。《フェアリー・ライフ》から撃てますし、サポートできるカードもめちゃくちゃ増えますし。速度インフレが行き着くところまで行き着いている今の時代、軽さは正義ですよ。本当に。

今週のメタゲーム予想

 今週は殿堂前最終週であり、新パック発売の直前週。環境の総まとめということで、使い納めとなる【カリヤドネ】や【ドラグナー】は使用者が増える傾向にありそうです。

 これらを踏まえ、今週の注目のデッキは【火光ヴァイカー】。先週1段落だけ誌面を割いて紹介したデッキですが、今週は4件の入賞があり、新殿堂における被害もゼロ。確実に現&次環境におけるメタビートの代表格として、ポジションを確立しつつあります。

 先週末の段階では他のデッキと比べて知られていないデッキだったものの、【バーンメア】に対してもしっかりと勝ちきれるポテンシャルを持っているため、周知が進めば活躍が見込まれるのは明白。先週の結果を受けて今週は持ち込むプレイヤーが増えるのではないかと考えられます。

 増加傾向にある【サバキZ】に対しても《正義の煌き オーリリア》で小回りを潰して優位を作ることができ、環境上の立ち位置はかなり良い印象です。

 今週のメタゲーム・ウォッチングはここまでとなります。それでは皆さま、良い週末を!


カードの購入、予約はこちらから

・デュエル・マスターズTCG レジェンドスーパーデッキ 蒼龍革命 [DMBD-15]

トレカ(デュエルマスターズ)デュエル・マスターズTCG レジェンドスーパーデッキ 蒼龍革命 [DMBD-15]

・【BOX】デュエル・マスターズTCG 十王篇拡張パック第4弾 百王×邪王 鬼レヴォリューション!!! [DMRP-15]

トレカ(デュエルマスターズ)【BOX】デュエル・マスターズTCG 十王篇 拡張パック第4弾 百王×邪王 鬼レヴォリューション!!! [DMRP-16]

・デュエル・マスターズTCG 十王篇拡張パック第4弾 百王×邪王 鬼レヴォリューション!!! [DMRP-15] [1カートン]

トレカ(デュエルマスターズ)デュエル・マスターズTCG 十王篇 拡張パック第4弾 百王×邪王 鬼レヴォリューション!!! [DMRP-16] [1カートン]