yk800の新・週刊! メタゲーム・ウォッチング Vol.13【23.09.23】



結果総まとめ

 先週から今週(2023/9/16〜9/22)にかけての、新弾が使用可能だったCS結果は以下の通り。

(※データはDMPランキングに掲載されている公認CSの運営Twitter等を元に独自に集計したものとなっております。詳細な大会結果を確認できなかったCSについては集計の対象となっていないこと、その他抜け・漏れがある可能性がありますことをご了承ください)

 復活の【アナカラージャオウガ】。

 ここしばらく環境の外にいた【アナカラージャオウガ】ですが、立ち位置の改善&新規戦力の加入で一気に環境最前線に返り咲き。

 立ち位置としてのプラスで言えば、現在では【アナカラー】側有利とされている【青魔導具】系デッキの台頭はひとつ大きな要素でしょう。メタクリーチャーによって「無月の門」系能力が止まったところに《CRYMAX ジャオウガ》がインスタントな過剰打点を形成すれば止め切るのはなかなかに困難。

 《天体妖精エスメル》+《母なる星域》多投型が一般的になってきてからは4ターン目に《CRYMAX ジャオウガ》が着地することも多くなり、相性差がより浮き彫りになっています。

 スピードアタッカーやマッハファイターを止めて間接的に革命チェンジを牽制できる《ボン・キゴマイム》、メクレイドに対する抑止力となる《とこしえの超人》、なんだかんだで幅広く刺さる《若き大長老 アプル》といったメタクリーチャーたちが、ここしばらくのメタ傾向に噛み合っているのも評価できるポイントでしょう。

 さらに、新たな戦力として《同期の妖精/ド浮きの動悸》と《アーテル・ゴルギーニ》が加入。

 特に《同期の妖精/ド浮きの動悸》は攻守に渡って大活躍が期待できる、次世代のスタンダードとなるであろうカードです。

 まずはデコイ能力。メタクリーチャーを単体除去から守りながらメガ・ラスト・バーストで呪文面を詠唱可能で、バウンスで相手にテンポロスを押し付けながらリソースを回収する、相手視点で見れば極めて厄介なカード。

 さらに詰めの場面で「最初の1点」を入れるクリーチャーとして非常に優秀で、先に攻撃してしまえば以降のG・ストライクは全て吸い寄せますし、単体除去も1回は回避可能。先にこのクリーチャーから殴るプレイングが肯定されやすいので、自然とS・トリガー・プラスをケアできる形になるのも嬉しい限りです。

 呪文面単体で見ても手札をロスしないバウンス除去トリガーとしても機能するため受け性能の底上げにもナチュラルに貢献してくれます。総じて隙がなく、もはや「採用候補」ではなく確定枠の域にまで達していると感じます。

 《アーテル・ゴルギーニ》は除去と蘇生で盤面にプレッシャーを掛けられるカードとして《絶望と反魂と滅殺の決断》の枠にすんなり入った形。

 そもそも《天体妖精エスメル》+《母なる星域》型の【アナカラージャオウガ】は4ターンリーサルを積極的に狙う攻撃的な構成で、やや後ろ向きなハンデス戦術との噛み合いは従来型と比べて悪くなっていました。

 そこへ行くと、《アーテル・ゴルギーニ》は本体がパワー6000でW・ブレイカーのブロッカーでありながら、蘇生先に文明制限がなく、先に除去モードでメタクリーチャーを飛ばしてから蘇生も可能と展開を作るスペックにかけては《絶望と反魂と滅殺の決断》以上。

 文明制限がないことで《同期の妖精》や《ボン・キゴマイム》、《とこしえの超人》や《若き大長老 アプル》に至るまで蘇生対象とできるため、除去されたこれらのクリーチャーを釣り上げたり、ツインパクトの下面で使った後に蘇生したりと柔軟な立ち回りが可能になりました。

 新環境の【アナカラージャオウガ】はまさに盤石。環境トップの姿に相応しいデッキになったと言えるでしょう。

 攻守ともにガッチリと強化され頭ひとつ抜けた【アナカラージャオウガ】に、また環境と噛み合いが良くなってきた【赤緑アポロヌス】が続き……そのすぐ下にはマッハの速度で最上位に迫る【黒緑アビス】と【青赤マジック】の姿が。

 最新弾のORとして登場した《アビスベル=覇=ロード》と《芸魔王将 カクメイジン》を主役にしたデッキが揃って環境の最上位入りを果たし、「魔覇革命」の強さを見せつける結果となっています。

 どちらのデッキにも共通しているのは、これまでから一段ギアを上げたようなスピード感。3ターン目にゲームに勝つところまでは行かずとも、ゲームの行方を左右するほどの強烈なインパクトを叩き出せるようになっています。

 【黒緑アビス】は2ターン目のマナブーストから繋がるメクレイド5呪文・《「力が欲しいか?」》の出力がとにかくぶっ飛んでおり、《邪幽 ジャガイスト》からのアビス・メクレイド5や《ア:エヌ:マクア》+《アビスベル=覇=ロード》の革命チェンジが3ターン目に決まるだけで、容易には覆せないほどの盤面を築き上げます。

 仮にハズしたとしても《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》によるピーピングハンデスや《謀遠 テレスコ=テレス》を設置できるだけでも及第点。メクレイドできなかったとしても、《フェアリー・ギフト》による展開加速や《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》素出しという次善策まであるため、2コスマナ加速さえ引ければ「動き出せない」ことがあまりないのも評価点です。

 《アビスベル=覇=ロード》のマッハファイター付与と《邪幽 ジャガイスト》の展開力によって地上戦の強さは環境最強格。メクレイドの多さから展開の再現性も高く、新弾リリース直後はそれほど評価されていなかったものの、3日目付近から一気に追い上げを見せて従来の【黒単アビス】を突破。堂々の入賞数3位にまで上り詰めました。

 【青赤マジック】は2ターン目の《AQvibrato》や3ターン目の《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》から《芸魔隠狐 カラクリバーシ》に繋ぎ、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》や《♪音速で 本番中に チューニング》を唱えて《芸魔隠狐 カラクリバーシ》をアンタップ。この時点で手札に《芸魔王将 カクメイジン》があれば即座に入れ替わってフィニッシュに向かう3ターンキルを有しています。

 流石に毎ゲームのように決まるほどの安定性は持ち合わせていないものの、《♪やせガエル 負けるなケローラ スパイラル》や《ストリーミング・シェイパー》でパーツを強引に手繰り寄せたり、そもそも手札の減らないアクションを連打して十分に体勢を整えてから4〜5ターンでのフィニッシュを狙ったりと、ドローの豊富さのおかげでゲームレンジを自在に変えられるのが大きな強みです。

 一方で現時点で半ばテンプレート化している構築は盤面に触る手段がやや少なく、シールドブレイクが能力トリガーの条件となる《芸魔王将 カクメイジン》が止まってしまうブロッカーをきっちり展開してくるデッキにやや苦戦を強いられます。《Napo獅子-Vi無粋/♪オレの歌 聞けよ聞かなきゃ 殴り合い》である程度対処できるとはいえ、革命チェンジそのものを止めてしまうメタクリーチャーもかなりの苦手。

 もちろん構築次第である程度まではどうにかなりますが、特別な工夫なく対策を乗り越えるのはやや難しいデッキです。

 わかりやすいスペックと爽快感溢れる革命チェンジ体験から人気が高く、発売直後から大活躍して注目を集めた【青赤マジック】。

「勢い」という意味ではやや落ち着いてきたものの、その後もコンスタントに入賞数を伸ばしています。ライバル(?)の【黒緑アビス】は週後半の怒涛の入賞ラッシュによって追い抜かれる、さながら背景ストーリーの再現のような結果になったものの、デッキの強さには疑う余地もないでしょう。

 他にも【4c邪王門】が《Napo獅子-Vi無粋》や《五番龍 レイクポーチャー ParZero》を迎え入れて構築の幅を広げたり、【サムライ】にも《飛ぶ革命 ヴァル・ボルシャック》を採用したアプローチが見られたり、【ゼーロベン】が《アーテル・ゴルギーニ》の加入で大幅なアップデートを受けたり。

 種族デッキだけにとどまらず多くのデッキに革命をもたらした新パックだけに、今後もまだ見ぬ新たなカードの活躍が見られそうです。



メタゲーム予報

 「魔覇革命」はまだまだ1週目。密度の濃い情報をシェアしている上位層はともかく、多くのプレイヤーはようやく【黒緑アビス】や【青赤マジック】の強さを目の当たりにし、触りはじめたばかりでしょう。

 とりあえず強いとウワサのデッキを使ってみたくなるのは人の常ですので、【黒緑アビス】や【青赤マジック】、それに加えて圧倒的な強さを平日CSで見せつけた【アナカラージャオウガ】の使用者が真っ当に多くなりそうに感じます。

 また、これらのデッキ全てに共通して【アポロヌス】の最速パターンはかなり厳しいので(【黒緑アビス】は《悪灯 トーチ・トートロット》や《大地門ライフ・ゲート》を採用すればある程度までは対抗可能ですが)、【アポロヌス】も引き続き人気の高いデッキになりそうです。

 上位デッキの中でもバリエーション豊かかつこれらのデッキがしっかり強く、この4デッキすべてに勝ち越しを付けられるようなデッキを探すのは難しそうに感じるので、これらの選択肢(+【青黒ヴォゲンム】)から選んでいくのが無難でしょう。

 あえて上位陣に対抗するのであれば、キーとなりそうなカードはいくつか思い当たります。

 まずは《ボン・キゴマイム》。

 革命チェンジの元となるマッハファイターやスピードアタッカーをきっちり止めつつ、強引にメクレイドや革命チェンジを進めてきた相手には増えたリソースで切り返しを狙える点で環境との噛み合いが良好。コスト3とやや重いものの《♪オレの歌 聞けよ聞かなきゃ 殴り合い》で除去されない点はメリットと言えるかもしれません。

 次に《流星のガイアッシュ・カイザー》。

 こちらもメクレイドと革命チェンジの両方に反応し、ドローや重量級クリーチャーのコスト軽減で返しの反撃を狙いやすいカードです。スピードアタッカーの突貫を止められる点では《ボン・キゴマイム》と似ていますが、マッハファイターは止まらないのがやや残念なところ。

 先週の時点で【刃鬼】や【ガイアッシュ覇道】、【4cディスペクター】などのビッグマナ系デッキの入賞数はじわじわと増加傾向にありました。今後も革命チェンジ・メクレイド環境が続くのであればますます注目の高まるカードです。

 《異端流し オニカマス》もかなり面白く、マッハファイターには弱いものの革命チェンジを最低限牽制しつつ、先置きで《カチコミ入道<バトライ.鬼>》を絡めた《超神羅星 アポロヌス・ドラゲリオン》の突貫に対処できる稀有なカードです。

 特に【青赤マジック】は性質上革命チェンジしたクリーチャーがバトルゾーンに止まらなければ打点を継続させられないので、このクリーチャーへの対処は必須。単体除去での突破も非常に難しいので《♪オレの歌 聞けよ聞かなきゃ 殴り合い》での除去を強要できます。

 個人的には、これらの中でも《流星のガイアッシュ・カイザー》の環境への刺さりの良さに注目したいところです。

 先週の入賞リストの中では、相手の革命チェンジに合わせて《バイケンの海幻》で《五番龍 レイクポーチャー ParZero》を投げつつ、6ルックで《流星のガイアッシュ・カイザー》を抱え込んで相手のエンド時に踏み倒すギミックを採用した【ガイアッシュ覇道】の構築が非常に綺麗かつ面白いと感じました。

 《バイケンの海幻》から直接《流星のガイアッシュ・カイザー》を投げて後続を止めるパターンもあるのが美しい!

今週のメタゲームウォッチングはここまでとなります。それでは皆さま、また次回!


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