yk800の週刊! メタゲーム・ウォッチング Vol.22【20.2.12】

 どうも、レッドことyk800です。時期的にそろそろコロコロコミックで新シリーズ「十王篇」の情報公開が始まるかも? ということで非常にワクワクしている2月12日。

 「十王」ということでなんかいっぱいヒロイックなクリーチャーが出てきそうでテンション上がりますよね。
 今は昔の戦極編もバトルロワイヤルな感じでヒロイックなクリーチャー満載! って謳い文句だったんですが前弾の目玉SRが次の弾では討ち死になんてこともザラにあった諸行無常の世界観だったので正直あんまり面白くないな……? って思ってましたよね、小学生ながらに。
 最終弾のスクープとしてコロコロ巻頭に大々的に取り上げられた「これが決勝進出者8人だ!」っての、全員が全員新弾初登場クリーチャーで笑っちゃったんだよな。

 まあその反省として勝太くん以降の「主人公ポジション」カードが定番化したのかな? という部分もあり、今思えばあれも一つのいい思い出ですね。RevFの各団長の扱いからみてもおそらく「十王」が途中で切り捨てられることはないと思うんでその辺りは安心して見れたりとかとか。

 と、老害トークはこんなところで本編に参りましょうか。2月第2週、メタゲーム・ウォッチングスタートです!



先週の結果総まとめ

 まずは先週(20.2.8〜20.2.11)行われたCSの結果を見ていきましょう。
(※元となった大会結果は田園補完計画さんからお借りしています。また、情報の抜け・漏れがある可能性がございますことをご了承ください)

環境2トップ、がっぷり四つ。

 日本一決定戦のランキング枠が確定した影響か否か、今週はこれまでに比べてCS開催数が非常に少なかったように感じます。必然的にサンプルの母数もやや物足りない数となったため、今回の結果はあくまで参考値程度と認識していただきますようお願いいたします。

 まず同率で1位となったのは環境2トップと言っても過言ではない【火自然+αバーンメア】と【火水自然闇ドッカンデイヤー】。

 【バーンメア】はやはり同型意識で構築が変化してきており、これまで火自然に水を足した形がほぼ全てをしめていたのに対し、今週は妨害枠を闇に割り振った構築も一定数見受けられました。まだまだ母数の面で追いついていませんが「DMVault(※1)」内で行われる大会でも徐々に存在感を見せており、注目の1デッキ。

 また、【ガンバトラー】に対するガードが上がった結果か、今週はビートダウン全般がやや苦しい週となりました。

 【火闇自然バーンメア】はトリガー枠として《ドンドン吸い込むナウ》や《知識と流転と時空の決断》などのかわりに《九番目の旧王》を投入し、同型のGR軍団をはじめとしたウィニーの一掃を可能に。
【火水自然闇ドッカンデイヤー】は特別に新しいテックカードが発見されたわけではないですが、ここ2週間ほどは減量もしくは完全に抜かれる傾向にあった《テック団の波壊Go!》や《*/弐幻キューギョドリ/*》といったカードを戻し、シールド・トリガーの枚数を確保した構築が結果を残しています。

 しかし、同じくビートダウンデッキでありながらも【火水クラッシュ“覇道”】はポジションを落とさず
 《クラッシュ“覇道”》というカードの特性上、基本的に破壊による除去しかできないこれらのトリガーはあまり有効ではなく、むしろ【バーンメア】から《ドンドン吸い込むナウ》が減りはじめた影響を受けてより止まりづらくなっています。今週はかなりポジションの良いデッキだったといえるでしょう。

 【水魔導具】は、《堕呪 ゾメンザン》の採用された構築が本格的に結果を残し始めました。今週ベスト4に入賞した【水魔導具】4つにはその全てに《ゾメンザン》が採用されており、これを考えない構築は少なくとも現環境においてはありえなさそうです。
 《卍 新世壊 卍》を引く許容ターンが短くなっているとはいえ、自由枠が比較的広いため文明さえ合えば入れられるトリガーの幅は広く、受けと速度のバランスにメタの通しづらさを加えた総合力を考えれば、現在の環境におけるスペルコンボデッキの急先鋒と言っても差し支えない存在に。

 緩やかながらも確かな変動を見せるメタゲーム。【バーンメア】一強で完全な停滞に入ってしまうのでは、との懸念は杞憂だったのかもしれませんね。

(※1:デュエル・マスターズの総合情報サイト。カードの詳細な情報閲覧やデッキリストの作成、ユーザーが公開したデッキリストの閲覧ができるほか、実際にそのデッキを使って対戦することもできる。対戦機能の延長としてVault内では毎日大会が開かれており、リアルのメタゲームが影響を受けることも少なくない。)

今週のトピックス

【火闇自然バーンメアジョーカーズ】

 今週は【バーンメアジョーカーズ】の派生形として環境に爆誕した【火闇自然バーンメアジョーカーズ】をピックアップ。もともと細々と環境の片隅で考察され続けてきたデッキタイプではありますが、環境の変化とともにポジションを上げてきました。

 前々回のメタゲーム・ウォッチングvol.20で紹介したように、現在の【バーンメア】の、特に後手時での基本理念は2でブーストして4で妨害、5で《ダール》《灰ヒー》からの《バーンメア》。

 水文明はハンドキープのために採用していた部分が大きく、実を言えばアクションの根幹部分にはあまり大きく関わっていません。
 もちろん《奇天烈 シャッフ》、《ドンドン吸い込むナウ》といったパワーカードにアクセスできる点は見逃せませんが、それは別の文明で代用が利く部分でもあります。特に《奇天烈 シャッフ》は増加傾向にあったミラーマッチ・環境2トップの片翼である【火水自然闇ドッカンデイヤー】との対面においての活躍はほどほど止まり。

 そこで、4マナ時点で放つ妨害を《拷問ロスト・マインド》や《解罪 ジェ霊ニー》などのハンデスに差し替えてもいいのではないか? という理念のもと構築されたのがこの【火闇自然バーンメア】です。

 1枚でも落とせば御の字、2枚も落とすことができれば万々歳。特定の対面においてはタイミングが噛み合えばプレイした時点で勝利が確定しかねないほどの絶大なアドバンテージ差を発生させる《拷問ロスト・マインド》。

 柔軟性に富み、GR召喚によってさらなるアドバンテージを発生させることも可能。《マリゴルドⅢ》対応で終盤でも役割があり、無条件ピーピングでブレの小さい《解罪 ジェ霊ニー》。

 これらのカードはどちらも相手のプランニングを確認しながら妨害をこなし、盤面に《グレープ・ダール》の的を残さず役割を遂行できるのでミラーにおいてプレイにリスクがありません。【バーンメア】に入っているカードの多くが呪文ないしツインパクトであるため《拷問ロスト・マインド》が非常に有効な点も追い風。

 また、闇を足すことによって得られる利点がさらに2つ。それが《九番目の旧王》と《ヨミジ 丁-二式》です。

 《九番目の旧王》は手打ちも視野に入る柔軟な除去トリガーです。本来プレイされた時点で詰みかねない《暴走龍 5000GT》もトリガー・手打ちのどちらからでも処理できますし、【火水自然バーンメア】のGR軍団に対して踏ませて全体-3000をプレイすることができれば十分に粘ることができます。
 アドバンテージこそ伸びないものの旧来の【火水自然バーンメア】が苦手としていた面処理をこのカードが克服させたことは特筆すべきでしょう。横展開を手早く捌くことでミラーの《ジェイ-SHOCKER》や《全能ゼンノー》を退かし、優位に立てる点も魅力的です。

 《ヨミジ 丁-二式》は言わずもがな。《バーンメア》や《エモG》などを釣り上げれば莫大なアドバンテージを稼ぐことができ、うまく連鎖すれば【ドッカンデイヤー】よろしく《ジェ霊ニー》を介しての無限ハンデスで返しの攻め手を潰すことも。
 《グレープ・ダール》による墓地肥やしに幅を与えるカードでもありますが、《ダール》のチェンジ先がなくなってしまうのは本末転倒なので扱いは少し難しそうですね。

 しかしながら、色を変えたことによって新たに生まれた弱点も、もちろん存在します。

 当然ながら《シャッフ》の枚数が犠牲になっているため、ハンデスの通らないマナに全てのパーツを逃すことのできる《生命と大地と轟破の決断》系統のデッキに対するガードはやや下がりました。素直に殴ってくる【ネイチャーヴァイカー】ならまだしも、呪文やクリーチャーのプレイを封じてくる【ハイオリーダファイブスター】は一度コンボインされるとワンチャンスもありません。
 これを見越して《シャッフ》を数枚残すために、水文明込みの4色で構築されたリストも存在するようです。

 また、先述したように除去が《九番目の旧王》に寄ったためメインギミックが止まりづらくなった【火水“覇道”】、やっていることはウィニービートでありながらパワーラインの標準が4000を超えており全体-3000修整に屈しづらい【零龍速攻】あたりは火水自然の3色で組まれていた頃よりも取りづらくなっていると考えています。
 水文明とともに《スゴ腕プロジューサー》が抜けたことでカウンター気味にマナ・打点を伸ばしにくくなっているのもあり、速攻を相手取るにはそれなりの右手力が要求されそうです。

 ミラーマッチを制するために産声を上げた新たなる兵器、【火闇自然バーンメア】。徐々に動き始めたメタゲームの中で生き残っていくことができるのでしょうか。

今週のメタゲーム予想

 ゆっくりとですが、【火自然+αバーンメアジョーカーズ】はミラーマッチを意識した形へと移行しはじめています。全体として墓地メタ・呪文メタは縮小傾向、反面ハンデス・トリガーなどは増加傾向にあり。

 【火光ビートダウン】が沈黙していることも考慮して、今週の注目デッキは【カリヤドネ】と【水魔導具】としたいところ。これらはスペルコンボでありながら《奇天烈 シャッフ》によるメタが通りづらく、トップからドローを連鎖させやすいためハンデスに対しても一定の耐性を持っています。
 ただし、デッキのほとんどが呪文で構成されている以上、《ジェ霊ニー》程度であればともかく、早期の《ロスト・マインド》でハンドを根こそぎにされれば苦しいことに間違いはありません。
 まだまだ母数で劣る火闇自然型の【バーンメア】がどれだけいるか、彼らがどれだけ《ロスト・マインド》を積んでいるかが活躍の分かれ目となるやもしれません。

 【墓地ソース】も決して悪い立ち位置ではないのですが、比較的トリガーで捌かれやすい点がやや心配か。リソースを後ろに抱えることが苦手であるため墓地対策をプレイされた際に【カリヤドネ】と比較してやや脆く、難儀しそうです。

 また、【火水クラッシュ“覇道”】は相変わらず好調を保ちそうです。
 ボードを維持するビートダウン系のデッキが減少しそうなので、それに比例して《G・W・D》なども減少。空いた枠に《爆鏡 ヒビキ》や《異端流し オニカマス》などのメタカードや【バーンメア】をはじめとする各種クリーチャーデッキに有用なトリガー:《爆殺!! 覇悪怒楽苦》や《ゼンメツー・スクラッパー》などを適宜投入した構築が増えるのではないかと予測しています。

 先週期待したような「ブレイクスルー」とまではいかなかったものの、殿堂環境特有のカードプールの広さに支えられ、メタゲームは確かに流動しています。今後同じような形に戻ってくる可能性は非常に高いですが、それまでにどんな環境の変遷が観られるかは未知数です。
 度肝を抜かれるような新デッキの登場を夢見つつ、今週はお別れといたしましょう。

 今週のメタゲーム・ウォッチングはここまでとなります。それではみなさま、良い週末を!