【デュエマ】殿堂解除選手権 TierS（その3 《黒神龍ブライゼナーガ》）

こんにちは、神結です。

マスターデュエル楽しすぎて止まらん。

さて、今回はTierSの第3回になります。

過去のまとめはこの辺から見られます。

Tier表について
今日のTierSの殿堂カード
関連

Tier表について

Tier表はS~Eの6段階ですが、C~Aまでは＋－を追加したので全9段階あります。

各ランクの内訳はざっとこんな感じです。

S……ピン投であってもデッキの核であり、プレイした試合はほぼゲームが決まると言っていい。プレ殿有力候補たち。
A……明らかにおかしな動きをするカードであり、引いた試合は勝ちゲームにかなり近付く。
B……かなり強力なカード。プレイ出来るとゲームが優勢になったり、不利対面を捲れることもある。
C……解除出来るか微妙なライン、環境で使っても充分強力で殿堂カードとしてデッキに投入されることもしばしばある。”切り札”として程よいレベル
D……それなりに力のあるカードだが、環境的にいえば標準的なラインなので解除してもよさそう。
E……解除されても使われなさそうだが、それはともかくしてあげてほしい。

なお零龍等の外部カードについて殿堂カード扱いですが、対象外としています。

またあくまでこのTier表は「各カードを均等に見た場合のTier表」になるので、「このカードは直近で殿堂したから」とか「ランデスカードは重くみるから」みたいな外的な要素は一切考慮しないものとします。

今日のTierSの殿堂カード

今回のカードはこちら。

W・ブレイカー

このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のシールドをすべて手札に加える。（その「Ｓ・トリガー」を使ってもよい）

罪状：一か八かのカードだったはずなのに、出したら確定勝利演出が出るようになってしまった

リスクのない賭けは賭けじゃあないんだよな。

というわけで《黒神龍ブライゼナーガ》の紹介になります。

初出は《セイレーン・コンチェルト》と同様に聖拳編第1弾……エターナルアームズです。これももう100回くらい書いた気がしますが、《無双竜機ボルバルザーク》とか《母なる大地》とか《転生プログラム》とか出ているいつもの奴ですね。奇跡の世代です。

その効果は「シールドを全て手札に加えて、そのトリガーを使っていい」というかなり豪快なものでした。

もちろん当時はただただリスクしかなかったのですが、時代を経るにつれて「出すと凄そう！」→「出したら勝てるかも！」→「出したら勝ち。」と鮮やかな変遷を遂げました。

多分最初に使用されたのは、《奇跡の精霊ミルザム》登場後でしょうか。

この時点で《ヘブンズ・ゲート》から《奇跡の精霊ミルザム》を出して、それを《黒神龍ブライゼナーガ》で爆発させる、って発想は当然ありました。当時はループなどしないので、トリガークリーチャーを並べてワンショットする、みたいなイメージです。【星龍ベンゾ】にブライゼを採った、みたいな認識でいいと思います。

で、時はだいぶ流れて《ヘブンズ・ゲート》からループするようになった頃。天門ループが流行し、ミルザムも殿堂となった後のこと。

《奇跡の精霊ミルザム》の1枚制限になったことで盾落ちした際にそれを救出する必要も生まれ、結果として「ブライゼナーガ、いけるのでは？」と注目されるようになります。実際、ブライゼを投げるだけで盾の埋まり方次第で即勝ちも狙えることがわかり、【緑天門】なんかは《ディメンジョン・ゲート》などで盾の中身を確認したあとに、ブライゼをシュートするデッキに本質的には寄せられています。

その後ミルザムのプレ殿によって天門ループは消滅しましたが、新DMになってスーパーSトリガー（SST）というギミックが登場します。

これは「そのシールドが最後の1枚だったときに、追加で強い効果も得られるよ」っていう強化版のトリガーです。例えば《コクーン・シャナバガン》であれば基本的には2ブースト1回収するカードなのですが、SSTで唱えるとなんかマナから自然のクリーチャーを2体踏み倒すことが出来ます。

もう、お分かりですね？

ブライゼを投げると、盾にある複数のSSTを同時に起動することが出来るんですよ（余談ですが、この時シールドブレイク効果のルールが変わり、結論を言うとブライゼが非常に有利な変更を貰っています）。そしてかつての天門ループなどの経験から、プレイヤーたちは盾が5枚もあればなんとかなることを把握していました。

というわけでブーストから《黒神龍ブライゼナーガ》を投げる【ブライゼシュート】が制作され、流行します。数々のデッキをブライゼ1枚から屠ることが出来るようになりました。

リストはこんな感じ。

ちなみにややこしいですが、カード自体は新DM時代の2017年には揃っていたのですが、デッキとして登場したのは翌年の双極篇になってからです。難しい話ですが、環境変化でこういうデッキを考えることが許されるようになったりとか、そもそもこんな発想に至れなかったとか様々な要因はありますが、1つ言えるのは「現行のカードプールでも未だ見ぬお宝デッキは眠ってるかも？」ということでしょうか。

さてこのデッキ、狙いとしては《フェニックス・ライフ》から《黒神龍ブライゼナーガ》へと繋ぎ、複数枚のSSTから盤面をぶっ壊しにいきます。

具体的にいうと、盤面0の状態からブライゼを投げると《偽りの王ヴィルヘルム》が複数体並んでありえんくらいマナブーストされ（一見わかりにくいですが、2体のヴィルが同時に並ぶと8ブースト出来ます）、ブーストされたマナから《ボルバルザーク・エクス》とか《「覇道」の頂シュラ・ベートーベン》とか並んでワルドナインされてゲームエンド、なんてのが日常的に起こりました。

またこの年の夏にクロニクルデッキで《トライガード・チャージャー》が登場します。

手札から盾埋めが出来るということで、単純に上記のブライゼシュートとも相性がいいのですが、そこで終わらないのがDMPです。

チャージャー効果によってアンタップの白1マナが生まれることに注目した変人が、《ラッキー・ダーツ》と組み合わせることを思い付きます。あ、ちなみにこの《ラッキー・ダーツ》は次回また詳しく触れます。

あれ？　ブライゼから《ドレミ団の光魂Go！》とか経由してトライガード撃てば、好きな呪文を《ラッキー・ダーツ》で撃てるのでは……？

こうして出来たのがブライゼトライガード型の【ダーツデリート】、通称「理論派ダーツデリート」です。

リストはこんな感じ。

《ロジック・キューブ》から呪文を拾って、手札の準備をしつつ、《黒神龍ブライゼナーガ》から上記したような《ドレミ団の光魂Go！》なり《唸る鉄腕ギリガザミ》なりで《トライガード・チャージャー》を詠唱。《オールデリート》を埋めつつ、何故か生まれた白1マナから《ラッキー・ダーツ》を唱えるわけです。これまでの運ゲー狙いのダーツとは違い、絶対にダーツデリートが決まることから、理論派の名が付きました。

ちなみにこのデッキ、《超次元ガード・ホール》から《時空の支配者ディアボロス Z》や《超時空ストーム G・XX》を投げることで禁断を剥がすことが出来るため、《ラッキー・ダーツ》が禁断落ちしていても上5枚までなら救出が可能でした。

こうしたデッキの流行もあって、「今後もトリガーカードが強くなる中で、ブライゼというカードのパワーも上がり続けてしまう」という問題が浮き彫りになったのでしょう。殿堂制限を食らうことになりました。墓地に落ちた《ラッキー・ダーツ》は《貝獣ウーニ》のSSTからトライガードと一緒に唱えることが出来ます。（《目的不明の作戦》が入った構築もありました）

……と、いうように見ていただければわかると思いますが。《黒神龍ブライゼナーガ》って割となんでも出来ちゃうカードなんですよね。

現代になればなるほどトリガーの質も上がっていきますし、使えるカードの種類も増えていきます。要するに時間経過によって無限に強くなってしまうのが《黒神龍ブライゼナーガ》なのです。

こうした自体を鑑みてか、この年の終わり（性格に言えば超天篇が始まる前の2019年始め）に《黒神龍ブライゼナーガ》は殿堂カードに指定されます。当時の反応は惜しむ超えもありつつも、「まあ、このカードはいつか殿堂になるよね……」という割と皆が納得した上での処置でした。

そもそも、殿堂であっても【ブライゼシュート】を組む人がいるレベルであり、「1枚であってもデッキの根幹をなしてしまう、やばいカード」というTierSカードの理念に相応しいですね。

直近でプレ殿の可能性は低そうですが、次なにかしらの環境デッキでパワーを発揮したときが、《黒神龍ブライゼナーガ》の命日かもしれません。

というわけで今回は《黒神龍ブライゼナーガ》でした。

次回は文中にも登場した1コストのカードです。

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