#毎日クソデッキ Vol.Ex-1 〜特別企画・もしもあのカードが殿堂解除されたら……《アクア・メルゲ》編〜

 どうも、レッドことyk800です。

 いよいよ今日の夜には殿堂発表が行われるわけですが、そこにあやかって立ち上がったのがこの特別企画! 「あのカードが殿堂解除された・殿堂入りしていない世界線のデュエマ」をテーマに、歴代の殿堂カードがいかに許されてはいけないカードなのかがわかるような、冗談みたいな動きをするクソデッキを妄想していきたいと思います。

 初回のテーマは《アクア・メルゲ》。

なぜかずっと続く《否男》との因縁。いつまで待ってても来ないんじゃないかなぁ……。

 このカードのプレミアム殿堂入りは今年の頭、2020年1月1日施行の殿堂レギュ更新の出来事でしたので、まだ記憶に新しい人も多いのではないかと思います。長らくの殿堂入りカードから昇格となったわけですが、殿堂入りするまでの経緯については神結さんの連載企画をチェックしてみてください!

 また、この企画では特殊なレギュレーションの世界を妄想するので、テーマとなるカード以外のカードについても殿堂入りを無視してデッキを組んでいる部分がございます。今回は……まあ、【メルゲループ】が大暴れしていた時代のデッキを知っている人なら想像できるんじゃないかな。

 それではさっそく本編に……と、その前にこれだけは本当に注意しておいてほしいのですが、今回に限らず、本企画のデッキは当然ながら現行の殿堂レギュでは使えないデッキ群です。うっかり組んで友達に棒で叩かれることのなきよう、お気をつけて!



 

 結論:遅い。あまりにも遅い。

 《アクア・メルゲ》といえば、かつて環境を席巻した《疾封怒闘 キューブリック》と《盗掘人形モールス》を活用したお手軽無限ドローループ。手順は以下のような感じです。

1.《アクア・メルゲ》がいる状態でG・ゼロで《モールス》を召喚。

2-A.墓地に《キューブリック》がある場合、先に《モールス》の能力で《キューブリック》を回収。そのまま《メルゲ》の能力で《キューブリック》を捨てて1ドロー

2-B.手札に《キューブリック》がある場合、先に《メルゲ》の能力で《キューブリック》を捨てて1ドロー。そのまま《モールス》の能力で《キューブリック》を回収。

3.捨てられた《キューブリック》の能力で《モールス》を手札に。

 このようにカードをループさせると、太字1ドローの部分だけが積み重なって無限ドローが発生します。この方法で手札を爆発的に増やし、《ルナ・コスモビュー》にソウルシフトした《マクスウェルZ》を重ね、《天災超邪 クロスファイア2nd》も絡めて打点を確保しつつワンショットを決めるコンボが当時の主流でした。

 僕もE3当時は【墓地ソース】の愛好者だったので、このギミックにはいろいろと思い入れがあったり。そんな懐かしい気持ちになりながらこのギミックを現代スペックに持ち上げるべく意気揚々と調整を始めたのです……が。

 間に合わない。

 先ほどは軽く書いた無限ドローコンボの始動条件を改めて書いていきましょう。

・墓地にクリーチャーが6枚以上落ちている
・マナに水文明のカードが3枚以上ある
・《アクア・メルゲ》がバトルゾーンにある

 なるほど、確かに無限ドローの手段としてはお手軽です。ですが、4ターン目ないし5ターン目に人が死ぬ現代デュエル・マスターズにおいて、この条件はあまりにも悠長。特に「墓地にクリーチャーを6枚以上落とす」「マナに水文明のカードが3枚以上ある」の両立が非常に困難でした。

 早期にクリーチャーを大量に墓地に落とす手段は、そのほとんどが闇文明のカード。しかし、4〜5ターン目にマナに水文明のカードを3枚揃えようと思うと、水文明を含まないカードはできれば10枚前後、多くとも15枚ぐらいまでには抑えたいところです。

 また、墓地ソースなどで早期に墓地を爆発的に肥やす手段として採用されている《復活の儀》+《暗黒鎧ザロスト》のコンボも、《ザロスト》が闇単色であるためかなりのスロットを圧迫します。

 その上で確実に相手を倒せる勝ち筋も確保するとなると……枠が厳しいのは明白ですね。《暴走龍 5000GT》はただでさえ闇と水のバランスでギリギリなマナベースにさらに赤マナ要求という形で負担をかけるので論外、かといって《マクスウェルZ》のみで止まるほど現代のカードパワーは甘くありません。そもそもあまりに早くコンボを決めすぎると相手の墓地に呪文が落ちていない可能性すらあります。ここまで構築に縛りを入れて確実に勝てないのは問題外。

 というわけで引っ張り出してきたコンボがG・ゼロ《ビーチ・ボーイズ》+《蝕王の晩餐》+《MEGATOON・ドッカンデイヤー》。

 超天篇第4弾登場以降の【メルゲドッカンデイヤー】は自壊サイクルの獲得により《百発人形マグナム》なしで山札を掘り切れるようになっていました。

 《パッチネーター》はマナにジョーカーズこそ要求するものの、本来《予知 TE-20》に1スロットを割いて解決していたボトム固定の役割と、自壊による無限ルーティングを同時に解決する便利なカードです。自分の山札を減らしたりもせず、要求されるマナの枚数も少ないため無限に回す上で非常に都合がいいカードですね。

 「でも《マグナム》抜きじゃ《メカーネン》回らんくね? 【メルゲデイヤー】エアプか?」 そんな声が聞こえてくるかもしれませんが、今回の企画において、僕たちには心強い味方がいます。そう、

 《疾封怒闘 キューブリック》です。

 GRループのなかで《キューブリック》を2枚以上捨てて《バクシュ》と《メカーネン》をバウンス、すぐに《ワカメチャ》で山札に戻して《パッチネーター》爆破でボトムを固定すれば、必ず次のループでも《キューブリック》を引いて捨てることができます。この方法で《バクシュ》と《メカーネン》を無限回ストックし、相手の山だけが減ることを確定させて勝利を目指します。

 《キューブリック》を無駄なく使えるこのフィニッシュループ自体は結構お気に入りのものだったのですが、《蝕王の晩餐》構えの3マナ要求がかなり厳しく、3ターン目に《メルゲ》を置かなければ4ターン目のコンボインすら見込めないとあっては、お話になりません。

 《モールス》か、《キューブリック》か。墓地6枚という条件がなくなれば水マナ3枚自体は3〜4ターン目に達成できるものですし、その逆もまたしかりです。長年連れ添ったトリオともいうべきコンボから脱落することになったのは……。


(※《デュエマボーイ ダイキ》の枠は《眼鏡妖精 コモリ》に差し代わります)

 バイバイ、《モールス》! ハロー、《フェアリー・ギフト》!

 というわけで残ったのは火水自然というオーソドックスなカラーリングの【メルゲドッカンデイヤー】。そして一夜限りのスペシャルゲストとして《フェアリー・ギフト》さんにお越しいただきました。

 先述の通り、超天篇第4弾の登場で自壊サイクル、極端に言えば《クリスマⅢ》さえいれば無限に山札を掘れるようになったこのデッキは、もはや「自然込みの3マナがあれば《メルゲ》+《ドッカンデイヤー》が揃った時点でゲームに勝てる」ようになりました。これがどういう意味かというと、

2ターン目:《アクア・メルゲ》を召喚する

3ターン目:《フェアリー・ギフト》+《ドッカンデイヤー》。相手は死ぬ。

 うーん、クソ!w

 盾埋まりは《クリスマⅢ》ループでマナ伸ばして《アカカゲ・レッドシャドウ》で解決できます。

 フィニッシュは《クリスマⅢ》ループでマナ伸ばして《キューブリック》のバウンスを起動できれば先述のループで勝ちます。今回は《予知 TE-20》も絡むので《キューブリック》の要求枚数は増えますが、マナにジョーカーズが必要なくなりました。

 メタクリーチャーが出てきてGRができなくなった? 《宝箱》や《コモリ》で水3マナを揃えれば、《ドッカンデイヤー》を召喚した時に手札から《キューブリック》がこぼれて、バウンスでメタクリをどかしてからGR解決することで、何の問題もなく対処できるでしょう。

 もちろん定番の(2t《メルゲ》→)3tブースト→5t手撃ち《生命と大地と轟破の決断》か《デイヤー》素出しルートもフル投入して(むしろ基本的にはこちら狙い)、あらゆる角度から《メルゲ》+《ドッカンデイヤー》コンボを決めに行くおどろおどろしいデッキに仕上がっています。

 注意点ですが、マナからの《ネイチャー》で《デイヤー》と《メルゲ》を揃えるとマナが2枚になるため《クリスマⅢ》が使えません。《生命と大地と轟破の決断》は手撃ちにする、予め《メルゲ》を出しておいて《デイヤー》だけ出す、6マナまで伸ばしてから使う、などの工夫は必要になります。

 《海底鬼面城》、《卍獄ブレイン》は水マナカウントを稼ぎつつ序盤の動き出しを安定させる1マナ域。

 《シナプス・キューブ》を採用しようか迷ったんですが、先攻1ターン目に使うと3ターン目に理想のハンドが整っても《メルゲ》で捨てる手札がなくなってしまうので不採用になりました。

 3コスのブースト枠域には《コモリ》と《神秘の宝箱》を採用しました。

 山札からパーツを探せる《宝箱》に不思議はないとして、《コモリ》の採用はやや特徴的。いちばんの理由は、《キューブリック》達成のための水マナカウントになってくれることですね。また、手札を調整できるため、この手の「手札とマナのどちらにも特定のパーツが欲しい」コンボデッキにとっては柔軟性が高く、非常に便利なカードです。

 環境に出てくるカードかは分かりませんが、ファンデッキを中心に遊ぶプレイヤーは、この先何度も彼女にお世話になるのではないかと思います。

 《デイヤー》素出しを見るためには火文明単色のマナも一定数欲しいところ。いくつか候補を挙げましたが、最終的には《U・S・A・BRELLA》を採用しました。

 このデッキだと、《フェアリー・ギフト》から2ターン目に出して先攻3ターン目のGRをロックすることができるんですよね。【火光レッドゾーン】の《ヘブンズ・フォース》+《U・S・A・BRELLA》に近しいものがありますが、これはけっこう便利なポイント。マナカーブと噛み合っていない部分は少しあるので浮動枠ではあります。

 というわけで今回は《アクア・メルゲ》を中心にデッキを考えていきましたが……このカードはやっぱヤバいですね。薄々察していただけたかと思いますが、現状では《MEGATOON・ドッカンデイヤー》との相性が本当にヤバい。

 仮に《ドッカンデイヤー》がいなくなったとしても、今後も「カードを捨てることに反応して何かを起こすカード」とは永久に良好な相性を保ち続けます。最初に見たときはここまで出世するとは思ってなかったんですけどね……もう出てくることはないんじゃないかな……。

 あとは、やっぱり《MEGATOON・ドッカンデイヤー》もダメなカード。これはマナドライブがどうこうではなく、ダメさの本質が《アクア・メルゲ》と一緒なんですよ。「タダで、何度でもクリーチャーをバトルゾーンに出す」というアクションは誘発させうるシナジーがあまりに広すぎます。
 また、トリガーとなる「手札を捨てる」というアクションが基本的にデメリット効果であるため、コスト査定が非常に軽いのも大きな問題点ですね。

 僕個人は1発プレ殿と予想していましたが、もし今回は通常の殿堂入りに収まったとしても、ゆくゆくはプレミアム殿堂入りに格上げされるカードではないでしょうか。

 さて、今回はこの辺りで。次にどのカードで妄想していくかは未定です。せっかくだし個人的に思い入れの深いカードでやっていきたいですね。
 それでは、また次回!