【デュエマ】GP4thのお話【GP振り返りシリーズ】

こんにちは、神結です。

全然関係ない話なんですが、この前工事業者の方がうちの部屋に来たんですよ。

それで自分の部屋を客観的に見返してみたんですが、単純に汚いし物が多いしオタクグッズがそこら中に置いてあるし、何体おるかわからない量のぬいぐるみもいるし、思ったより限界オタクっぽさが全開だったんですよね。

前日くらいに気付いていれば掃除もしたんですが、残念なことに業者の方を部屋に入れたときに気付いたんで、もう色々手遅れだったんですね。だったらいっそのこと気付かなかった方が幸せだった。

まあ何が言いたいかというと、部屋は基本的に綺麗にしておくべきだという話と、たまには客観的に自身を振り返ってみるのも面白いな、という話でした。本当か?

さて、少しお休み期間が入りましたがGPの振り返りをやっていきたいと思います。

今回は2017年春に開催されたGP4thになります。



GP4thの基本情報

開催日:2017年4月16日

会場:池袋サンシャインシティ(東京)

本選参加者:2051名

プロモ
TOP8:《暴走龍 5000GT》
TOP128:《オリオティス・ジャッジ》
参加賞:《フェアリー・ライフ》

事前アナウンスではGP4rdという名前で告知されておりましたが、ちゃんとGP4thの名前で開催されました()

今回は東京に戻ってきての開催となりました。開催日は4月の中旬になりましたが、以降春開催はこの時期で固定されました。

大きな変化としては、予選抜けの人数が64から128に変更になりました。実際2000人規模で64抜けというのは選手側としてはかなり遠く、序盤で2敗するともう厳しいといった大会になってしまうんですよね。だからこの変更は嬉しい側面でした。

ただその反動でもあるんですが、朝の集合時間がめっちゃ早くなりました。開場時間が7時半とかだったんですよね。まあ試合数も増えているので、こればかりは仕方ないですね。僕も滅茶苦茶早く会場に行った記憶があります。

TOP8プロモは墓地ソースのフィニッシャーお馴染みの《暴走龍 5000GT》。予選抜けは《オリオティス・ジャッジ》でした。ただこの頃は、両方とも環境でそれほど使われなかったんですよね。2枚とも後々また使われるようにはなりましたが、当時は若干ハズレといった扱いでした。

 

なお本大会では、ルール関連でちょっと怪しい場面がありました。

それは【バッシュギヌス】の《復活の祈祷師ザビ・ミラ》に絡む《超覚醒ラスト・ストームXX》に関する裁定になります。

すごい簡潔に言うと「超次元クリーチャーを複数同時に展開したとき、《時空の踊り子マティーニ》の覚醒を残したまま《超時空ストームG・XX》を載せるとストームGを《超覚醒ラスト・ストームXX》にすることが出来ますが、この時ストームGの下にいる他の超次元クリーチャーは超次元ゾーンに帰れますか?」という裁定です。

結論からいうと、現在はNGです。ただし当時はプレイヤー側はOKと認識していました。そもそも、元々はOKだったんですよ。

ただ公式側からすると、GP4thの前に裁定変更でNGにしていたという認識だったらしいんですね。

ちなみにカバレージには

上記のルールについては、事務局の回答以外ではプレイヤーが知るすべがなく、かつ前のルールを想定して大会に参加したプレイヤーが多数だったため、本大会では特例として前のルールを適用する事となった。
(Round 4:パタ vs. オルニ より引用)

とあります。

この記載によると、事務局に問い合わせたプレイヤーはあたかも上記の裁定を知ることが出来たかのように書かれていますがこれは誤りです。当時【バッシュギヌス】を使用していた関東のプレイヤーがGP3日前に事務局に問い合わせを行っていますが、変更前の裁定を案内されています。

ルール絡みの問題は現在でもちょくちょく話題に上りますが、公式FAQの登場などで改善されつつある部分でもあるので、「まぁそんなこともあったんだなぁ」くらいに思っていただければ幸いです。

事前メタゲーム予想

結論から言うと、この時のメタゲームは「NEXT一強」でした。

最強!

冬の殿堂で《メガ・マナロック・ドラゴン》を失ったものの、まず不利対面だった【ドギラゴン剣】系統が壊滅。そして長らく天敵だった【天門ループ】が《奇跡の精霊ミルザム》のプレ殿によって遂に姿を消しました。全国大会2016でも見事優勝を果たし、その後リストも洗練されて向かうところ敵なしといったデッキに成長していきます。

とにかく《スクランブル・チェンジ》からの《超戦龍覇 モルトNEXT》が強かったのが、このデッキの特徴です。仮にNEXTを引いていなくともスクチェン+《永遠のリュウセイ・カイザー》でビート相手に蓋をしたり、《伝説のレジェンド ドギラゴン》でターンを貰ったりと、出来ることが豊富なもの強さの一つです。

 

そんなNEXTに対して、対抗出来るデッキはややパワー不足感は否めませんでした。

【ロージアダンテ】はデッキとしては存在していましたが、一見防御を売りにしているこのデッキもNEXTにはあまり勝てませんでした。

【ロージアダンテ】がNEXTに勝てるようになるのは《ヘブンズ・ゲート》を搭載したロージアダンテの登場を待つ必要がありましたが、これはGP4th以降のことになります。

 

またGP4thの前に発売されたのは、新DMシリーズの「ジョーカーズ参上!!」でした。

この弾は新シリーズの「種族推し」の第1弾ということもあってカードパワーが全体的に低めな一方で、《異端流し オニカマス》のような革命チェンジのメタカードがふんだんに搭載されているというちょっと不思議な弾でした。

《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》や《破界秘伝ナッシング・ゼロ》といったエピソード期のカードを組み合わせたダンガンオーで5億点入れる【ジョーカーズ】は充分な強さがあったものの全体的なカードパワーは低めで、NEXTとは五分といった程度でした。

また《蛇手の親分ゴエモンキー!》の殿堂によって再考を余儀なくされた【緑単ループ】は、《桜風妖精ステップル》の獲得を果たしたものの、この時点では未知数。そもそもリストすらよくわかっていません。

というわけでGP4thは「NEXTが圧倒的優勢で、次点に何が存在するかすらいまいちわからない。使うデッキ思い付かないなら、とりあえずNEXTを使っておこう」といった環境で開催されることになりました。



当日の結果

優勝:カムイ(モルトNEXT)
準優勝:しゅーいち(ジョーカーズ)
3位:トゥルチ(ジャックループ)
4位:にいな(モルトNEXT)

(ハンドルネーム等は入賞当時のもので表記しています)

なおメタゲームブレイクダウンによると、本選進出プレイヤーの使用デッキは以下の通り。

モルトNEXT…47
緑単ループ…14
ドギラゴン剣…9
ロージアダンテ…7
ドロマーコントロール…5
レッドゾーン…5
墓地退化…4
ビッグマナ…4
バッシュギヌス…4
ジョーカーズ…3
デッドゾーン…3
成長…3
その他(2人以下のアーキタイプ)…15
デッキ不明…5

というわけで、各デッキの振り返りをしていきましょう。

モルトNEXT

下馬評通り、ちょっと強すぎました。本戦進出者の3割以上がこのデッキを使用しています。

GP4th 優勝

優勝したカムイ選手のリストは《二刀龍覇 グレンモルト 「王」》入りの所謂【NEXTキング】の型でした。

ちなみにご存じの方はご存じだと思うのですが、カムイ選手はデッキシートの超次元のリストを間違えていて、次元のカードが2枚ほど死に札になっていますし、モルト 王から《銀河剣 プロトハート》も付けられないリストになっています。それでも優勝したんですから、まあNEXTがいかに強かったかという話です。

 

GP4th 4位

4位のリストは当時流行していたかなりテンプレに近いものでした。次元の《恐龍界樹 ジュダイオウ》が《勝利のリュウセイ・カイザー》になっているのと、GPで雑多なデッキに対応しやすい《メガ・マグマ・ドラゴン》が採用されているくらいでしょうか。

 

GPのような舞台では殴る系のデッキは、相手のトリガーに左右されることもあって戦績が安定しないことも多いです。

しかしNEXTは

  • 《スクランブル・チェンジ》による早出しで相手の防御体勢が整う前に殴れること
  • スクチェンのお陰でアグロデッキにも《熱血龍 バトクロス・バトル》1枚トリガーで逆転
  • 多様なドラグハートの選択によって大抵の防御ギミックを貫通してしまうこと
  • 《蒼き団長 ドギラゴン剣》による閣ループ
  • 《終焉の禁断 ドルマゲドンX》による盤面リセット
  • そもそも《終焉の禁断 ドルマゲドンX》を作るか作らないか選べること
  • 仮に《終末の時計 ザ・クロック》みたいなのを踏んでも《永遠のリュウセイ・カイザー》や《伝説のレジェンド ドギラゴン》でケアが可能なこと
  • グッとガッツポーズを決めただけでロージアダンテが粉砕

……など、出来ることがあまりに多すぎて、これまでの事例に囚われないんですよね。

ベスト8に入賞したうち5人がNEXTを選択しているのですが、この結果はあまりに妥当といってよかったのではないでしょうか。

 

緑単ジャックループ

今回の新デッキ枠に換算していいのではないでしょうか。

《蛇手の親分ゴエモンキー!》の殿堂によって緑ループのリストは再考を求められることになりましたが、《桜風妖精ステップル》の登場によって主に大きく2つに分かれることになりました。

1つは実際に3位となった《フィーバー・ナッツ》を採用したループになります。

GP4th 3位

ちなみにどういったループをするのかについてですが、「軽減された状態で場に出た《S級原始 サンマッド》がマナに戻ることによってアンタップマナが作られる」くらいに認識しておけばOKです。大丈夫、もう使うことないから。

で、もう一つが制作者の名前をとってHZM48なんて呼ばれる《原始 サンナップ》+《獣軍隊 ヤドック》を採用した型です。

HZM48

ちなみにどういったループをするのかについてですが、「軽減された状態で場に出た《S級原始 サンマッド》がマナに戻ることによってアンタップマナが作られる」くらいに認識しておけばOKです。大丈夫、もう使うことないから。

両者の違いですが、前者は単純に《フィーバー・ナッツ》を採用したことによって軽減を作るのが容易になっており、後者は《原始 サンナップ》+《S級原始 サンマッド》によるビートプランが通しやすくなったのと、《獣軍隊 ヤドック》によって《スクランブル・チェンジ》がケアできるようになっています。

つまりどういうことかというと、ナップ型はNEXT(ダンガンオーにも)に強く、対してナッツ型はその他大勢に強いといった具合です。

以前も書いた記憶があるのですが、関東ではナップ型が主流となり、関西ではナッツ型が主流となったと記憶しています。ちなみに筆者はナップ型を使っていました。

いずれにせよNEXTに唯一対抗できる存在としてGP4thで大きく名を上げ、このGP4thの後「猿NEXT環境」と呼ばれる二強環境が始まることになります。

ジョーカーズ

二強以外でもしっかり結果を残したデッキはかなり限られますが、【ジョーカーズ】は前評判通りの活躍を見せました。

新DMで登場したジョーカーズの基本パーツに構築済みデッキに入っている《超特Q ダンガンオー》、そして《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》と《破界秘伝ナッシング・ゼロ》という「あー、そういえばそんなカードもあったな」というエピソード時代のカードを加えて誕生したのがジョーカーズ最初期の「ダンガンオージョーカーズ」です。

とにかく《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》が狂っているため手札を抱え込むことができ、その手札から小型を並べてダンガンオーで〆るというのが、基本的な動きになります。あとはダンガンオーが引けない場合でも《破界秘伝ナッシング・ゼロ》によってリーサルを組んだり、革命ゼロトリガー対策に《ジョリー・ザ・ジョニー 》なども使われました。

ちなみにこの時のナッシングゼロですが、元々市場に殆ど出回っていなかったカードだったため、1枚2000円とかになりました。

この「ダンガンオージョーカーズ」ですが、猿にもNEXTにもそこそこ勝てるデッキとして二強環境下でもそれなりの地位を保ち続けることになります。

またこれは余談ですが、GP4th2位に輝き筆者も非常に尊敬しているしゅーーーーーーーーーーーーいちさんからは、「GP4thの振り返りはいつかなーわくわく」的な催促をめっちゃ貰いました。

その他

NEXTへの挑戦権を得るのが難しい環境であったため、中々その他のデッキが活躍する様子は見られませんでした。

またNEXTに勝てるデッキであっても、本戦で台頭してきた緑単に勝てないというパターンも多かったように思います。

【バッシュギヌス】なんかもその一つで、このデッキも最速で4ターンでループは出来るんです。

採用されている《終末の時計 ザ・クロック》が強くて対NEXTはいけるんですが、緑単の《獣軍隊 ヤドック》がどうしても重くこれを突破出来ないんですよね。【墓地退化】もNEXTには勝てるんですが、緑単には最速を通さないと厳しいという事情を抱えています。

この「NEXTには勝てるけど、緑単には勝てない」というのは逆も然りで、盤面をちょくちょく取り合うデッキなんかは緑単とはそこそこ戦えますが、この手のデッキはNEXTにパワーで圧殺されるんですよ。

「受けからのループや強力なワンショットを持っているデッキには勝てないけど、盤面干渉やコントロールを軸とするデッキを圧殺出来るNEXT」「盤面に干渉されると戦いづらいけど、一度受けることを前提としているデッキには絶対負けない緑単」は互いに互いの弱点を補っているため非常に相性がいいんですね。

これはGP以降の環境もそうだったんですけど、「二強の両方にちゃんと勝てるデッキ」の開発は困難を極め、プレイヤーたちを大いに悩ませることになります。

 

総じてGP4thは「強いデッキは強い」に尽きる結果だったと思います。

まとめ

というわけで、GP4thの振り返りでした。

ちなみに私は今回も3-3という結果でした。使用したのはアナカラービッグマナです。

なお余談ですが、1回戦の隣の席がVのもれさんだったんですよね。実はこの時が初対面だったんですけど、ご挨拶しようにも何か本人が焦ってるというか困ってるご様子だったんですよ。

何かと訊いてみると「オンラインのデッキシート提出が出来ない」とのことでした。

ちなみにこれはバグでも不具合でもなくオンラインデッキシートの〆切時間を過ぎていたことによる仕様だったのですが、原因がわかったところで解決するはずがなかったので、結局ジャッジ(松浦さん)を呼ぶことになりました。

事情をかくがくしかじか説明したところ、松浦さんもちょっと苦笑いしながら紙のデッキシートの提出してくれればいいですよー、という話をしてくれました。そんなわけで延長時間を発行してもらって必死にデッキシートを書いているのもれさんを横に、私は試合をすることになりました。私も彼も、無事GPに参加出来ることになって良かったです。

ちなみに試合はのもれさんが鬼丸覇に轢かれて負けてました。

 

というわけで次回は、GP5thになります。お楽しみに。