【考察】先攻4ターン目に《獅子王の遺跡》で3ブーストを決めたい。

by 神結

【今回のお題】

先攻4ターン目に《獅子王の遺跡》を撃って3ブーストを決められる確率は、果たして何%なのか。

事の発端

12/5のflat工房の動画にて、『5Cジョリードルマゲドン』のデッキが紹介された。
多色26枚・単色14枚の5cジョルマゲドンについて、3ターンタップインチャージした後に《獅子王の遺跡》を唱えた場合に3ブースト出来る確率を「26/40で多色が捲れる=成功率65%」と表記。

flat氏曰く「だいたいの目安としての数字」を提示した、らしい。

とはいえ目の前のマナに3枚多色あるのにこの表記はどうなん? 等のツッコミや、確率考察班がやってきてツイキャスで楽しいパーティーが始まった。手札の枚数でどうのこうのみたいな話が出てきて、「これは収拾付かなそうだなぁ」と思った辺りでツイキャスを抜けたので、最終的にどういう結論に至ったのかはよくわからない。

ちなみに私が最初にflat氏を認知したのは「成長バスターの3キル率の計算をミスった時」なので、この人はどうやらつくづく確率と縁があるらしい。将来は「数字の魔術」みたいな自己啓発書を書いて欲しい。

そんな訳で私も自分なりに考えたんだけど、そもそもこの確率自体があまり“生きた数字”に見えなかった。
というのも確率が何%だろうと《獅子王の遺跡》は撃つし、少なくともプレイに関与しない確率である(例えば「相手のデッキのトリガ枚数を鑑みたとき、踏む確率が高ければリスクを冒さない」みたいな確率は、プレイに関与する“生きた確率”だと個人的には思っている)。

仮にデッキ構築の段階では使う数字だとしても、そもそも「4ターン目に《獅子王の遺跡》を撃てる確率」くらいまで落とし込まないと意味ないのではなかろうか。

そんな気がしたので、数学科のagehanto先生ことオネストくん(※)に協力を仰いで「4ターン目に《獅子王の遺跡》を撃って3ブーストを決める」確率の計算をすることにした。

※オネストくん……緑単ループと30代未婚声優のオタク。専攻が数学ということで、今回は協力してもらった



実際に頑張ってみた ~場合分けの高い高い壁~

命題:4ターン目に《獅子王の遺跡》を撃って3ブーストを決める確率を求める→山札を8枚引いたあと、9枚目のカードが多色である確率を求める

条件

・先攻
・多色26枚・単色14枚。うち4枚は《獅子王の遺跡》。(リストは動画で紹介されているものを使用する)
・シールドの5枚はブレイクされないものとする。
・本来ならば初手は5枚でターン毎に1枚ずつ引いていくわけだが、「場合分けで死ぬ」という結論に達したため「初手8枚換算で考える」こととした。よって、最終的には算出された%から微少だが確率は下がることになる。
・計算はカードゲーム支援さんを使用。いつもお世話になってます。

ぼく「××~(普段の挨拶)。というわけで先生、よろしくお願いします」

オネスト「×××!!!(普段の挨拶) はい、よろしくお願いします。まず残念なお知らせですが、デュエル・マスターズに於いてはデッキを動かす時の正確な確率を求めるのは、ほぼ無理です。色や雑多すぎる場合分けが発生するので」

ぼく「なるほど」

オネ「だからおおよそのさっぱりした数値を求めてそこに誤差がどれくらいあるか、みたいな感じで考えた方が妥当だと思います。少なくとも個人でやる限りは」

ぼく「ちなみにシールドに落ちてる多色の枚数とか換算すると、『シールドに何枚多色が落ちているかわからない』というシュレ猫的な話になって、実数値で確率出すのって無理だったりはしないんですか?」

オネ「あ、いや、それは大丈夫です。シールドは考慮しなくていいですよ。シールドも山札の下に置かれてるのも変わらないんで、確率的には問題ないです」

ぼく「それなら良かった」

算出の計算式

ぼく「そもそも確率の算出方法ってこんなですかね」

4ターン目に獅子王の遺跡を撃てる確率 × 山札の9枚目が多色である確率4ターン目に獅子王の遺跡を撃って3ブースト出来る確率

オネ「それ自体は合ってます。まず4ターン目に獅子王を(3ブーストが出来る可能性を残した状態で)撃てる計算ですが」

・マナに置くための多色が最低3枚、撃つための獅子王が最低1枚、その他の単色が最低1枚(これは2枚目の獅子王でも可だが、この場合分けが厄介なため省略)
・40枚のデッキにA(多色)が26枚、B(獅子王の遺跡)が4枚、C(その他の単色)が10枚
・8枚を引いてAが3枚以上、Bが1枚以上、Cが1枚以上(ただしBが2枚以上でも可)
・かつAは6枚以下、BとCは4枚以下

≒ 53%

オネ「みたいな感じですね」

ぼく「獅子王チャレンジ自体は結構出来るんだね……」

オネ「で、問題はここからです。山札の9枚目が多色である確率はイコールで合計32枚の山札から多色を引く確率になるわけですが……」

ぼく「もしかしてこの確率って既に引いてる手札の多色によって変わる……」

オネ「そうなんですよ」

ぼく「ええ……」

オネ「つまりは」

・山札の9枚目が多色である確率→合計32枚の山札のうち多色を引く確率
・合計32枚の山札のうち多色を引く確率→手札の8枚の多色/単色を引いた枚数で変わるので、場合分けが必要
・手札の【多色3単色2】を固定し、多色0ー単色3 多色1ー単色2 多色2ー単色1 多色3ー単色0 の時にトップが多色であるという場合分けをし、その後確率を算出する

オネ「ってなりますね」

ぼく「Oh…」

オネ「ちょっと待ってくださいね。えーっと(謎の計算を始める)」

ぼく「(見守る)」

オネ「(続ける)」

ぼく「(見守る)」

オネ「……っと、≒55%? くらいだと思います」

ぼく「流石ッス。で、これをさっきの数値と掛ければいいんですね」

0.53 × 0.55 × 0.98(緑を2枚以上引く確率)

≒ 0.28

オネ「というわけでだいたい28%前後なんじゃないですかね」

突然会話に参加してきたげんじくん(※)「ぜったいれいどじゃん」

同じく突然参加してきたあがちくん(※)「思ったより高いね」

オネ「まあ赤青全盛期のドルガン・バスター・アパッチも、4枚ずつあればそこそこの確率で達成出来てたから、実は思ってる以上に数字自体は出たりするんですよね」

ぼく「あれいくつだっけ? 確か18%とかだよね」

3tバスターのプロあがち「まじ? そんな低いんだっけ? 普通に決めてたから知らんかったわ」

ぼく「(なんだコイツ? みたいな顔)」

げんじ「そういえばぜったいれいどって決まればほぼ勝てるけど、獅子王の場合って……」

ぼく「それ以上はやめましょう」

なお本来は8枚を同時にドローをしないため確率はもう少し下がり、獅子王2枚単色0枚のパターンを考慮していないためその後にごく僅かに上がる。また場合分けに考慮漏れがある可能性もあるので、あくまで目安程度に。

※げんじくん……最近はカバレージを書いている。出家したため、社会の職とは無縁の生活を送っている
※あがちくん……インターネットお絵かきマン。本人はよくコラにされている


ぼく「ところでこのデッキ、3色持ってる3コストの《天災 デドダム》ってカードもあって……」

オネ「それ以上はやめましょう」

 

【今回の結論】

先攻4ターン目に《獅子王の遺跡》を撃って3ブーストを決められる確率は、だいたいぜったいれいどと同じ

・初動を獅子王のみに頼るのは危険なので、《フェアリー・ミラクル》や《天災 デドダム》といったカードも用意しよう
・おおよそのデッキに対しては、決めた試合は勝てるように構築しよう
・相手に決められて負けても「はぁ? れいど負けやん」と割り切ろう