マーシャルデリートと”彼”
マーシャルデリートに魅入られた男の話をしようと思う。
彼と初めて会ったのは、2023年の夏。ちょうどビクトリーBESTが発売された後のことだった。
大宮のホビーステーションで開催された氷星杯(アドバンス)に参加した私は、予選4回戦を終えて3-1だった。次勝てば、晴れて予選抜けである。
そして対戦卓が発表されると、対面に座ったプレイヤーはあまり見慣れてないプレイマットを敷いていた。
それは、赤いマットに「FUNKS」と書かれたもの。
デュエルマスターズ
ファンクスCS《定員48名》
【アドバンス】
12月4日(日)受付開始 11月13日(日)12:00
【オリジナル】
12月18日(日)受付開始 11月20日(日)12:00https://t.co/RR6x0qLVJu
【ログイン→大会日程→ファンクスCS→参加表明】#ファンクスCS pic.twitter.com/w5pirgRc7F
— トレカショップ ファンクス (@tcgsfunks) November 13, 2022
関東では殆ど見ることがないが、西の人なら知っている人も多いだろう。
愛媛県新居浜市にあるカードショップ「ファンクス」。そこの限定プレイマットである。
このカードショップはデュエマにも非常に熱心で、副店長である「しゃくれ副店長」さんはかつてデュエマの全国大会に出場したこともあるし、DMGP8thでは解説も務めたこともある人だ。
僕が解説者として参加しています(^_^)
興味がありましたら是非◎DMGP8th
■13日(土) 2ブロック
予選ラウンドhttps://t.co/tCu4qR4fkF
決勝ラウンドhttps://t.co/gWmsGQkYU1■14日(日) 殿堂
予選ラウンドhttps://t.co/iQj8FrCYN6
決勝ラウンドhttps://t.co/rQmna7GXVZ pic.twitter.com/SCil7k29dK— しゃくれ副店長 【ファンクス】 (@funks_hukuten) April 15, 2019
彼を慕うプレイヤーも多いだろう。
私もDMGP8thのカバレージを担当していたため何度がお会いしたことがあるが、会場で会う時は勿論、何かあれば挨拶してくださる方で、カードゲーム業界では極めて珍しい人格者である。
故に私は(まだ訪れたことない)ファンクスとしゃくれ副店長さんのファンなのであるが、だからこそ対面のプレイヤーが「ファンクス」のプレイマットを敷いていたのが非常に印象に残っているわけだ。
とはいえ、西から上京してくる方はそこまで珍しい訳でも無いので、「就職とかして引っ越してきたのかな?」くらいに思っていた。
試合内容はよく覚えている。彼の使用は【マーシャルデリート】だった。


ご存じの方も多いだろう。《マーシャル・クイーン》から《暴発秘宝ベンゾ / 星龍の暴発》を経由し、《オールデリート》を撃つ。
後は《伝説の禁断 ドキンダムX》で攻撃して勝利、というコンボデッキだった。
【マーシャルデリート】自体は、既に周知されたデッキであり、アドバンスCSでは常に一定数の使用があったから、特段驚いた訳では無かった。
対して私の使用していたデッキはというと、ビクトリーBESTで強化された【火光サムライ】であった。
……2023年夏の時点でのこの相性を知っている人ならば、結果はお分かりだろう。
先攻だった私は《チャラ・ルピア》→《ヴァルキリアス・武者・ムサシ「弐天」》と召喚し、進化元である《コスモ・ポリタン》を粉砕。
次のターンに悠々とサムライを展開させると、5ターン目に《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ》へと繋げてゲームは一瞬で終わった。
「この相性、マジで先3以外無理っすねぇ」
彼とそんな談笑をして、その日は終わった。ただ普通の予選最終戦であり、それで終わりだと思っていた。
ところがその後もアドバンスのCSに行く度に「ファンクス」のプレイマットを見掛けるようになった。
あるときは大宮で、またあるときは池袋で、吉祥寺で。オリジナルのCSで見掛けたことはない。
こうなると、何度か対戦もすることになる。
流石に名前も覚えた。彼の名は「しょーけん」。やはり思った通り、愛媛より上京してきたプレイヤーとのことだった。
だがそれ以上に、興味深いことがあった。
いつ会っても、いつ戦っても彼は【マーシャルデリート】を使っていたのだ。
……別に、当時の【マーシャルデリート】はTier1デッキではない。Tier2かも怪しい。
当時のマーシャルデリートは流行していたドラゴンデッキの《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ》で屈服するし、そもそも禁断を突破するには《テック団の波壊Go!》+αが必要で、それを1枚のマーシャルから実現するのは不可能だった。
正直なところ、【クランヴィアデリート】とも対した差はないデッキだった。
ところがいつ見てもどこで会っても、彼は【マーシャルデリート】を使っている。
これが「マーシャルデリートしかデッキを持っていない」とかだったら、まだわかる。
しかし実際はそうでない。彼を見ていると、回戦の合間のフリー対戦では、普通に環境デッキを回しているのだ。
しかもちゃんとプレイも上手い。対面している友人にプレイのアドバイスをしているくらいだった。
それでもいざマッチングが発表されると、彼の手に握られているのは【マーシャルデリート】なのである。
もちろん、デュエマには色んな遊び方はあると思う。どう遊んだって自由だ。
しかし「アドバンスのCSにしか来ず」「複数の環境デッキを回せるだけの技量もカードも持ち合わせていながら」「環境外に近いマーシャルデリートだけをCSで回し続ける」人間というは、私も初めてだった。
ここまでくると、もはや怪異である。
個性派揃いの関東アドバンスプレイヤーの中でも、ぶっちぎりの変人だった。彼の友人をして「彼は変人ではない。ヤバい変人だ」と言ったくらいである。
ただ彼が変人であったとしても……いや、むしろそうであったからこそなのだろう。数少ないアドバンスプレイヤーの1人ということもあって、私は彼を「自慢の後輩」みたいにも思っていた。
GP前に普段はオリジナルで遊んでいるプレイヤーがアドバンスに来て彼に破壊されているのを見ると、何かとても誇らしく思えた。自分の地元や、そこの名産品を他人が絶賛してくれたときのような、そんな嬉しさがあったのだ。
そんな訳だから、彼らが超CS横浜のフィーチャー卓に来たときも、勝ったときも、そして予選を抜けたときも、「どうです?うちの子たちはスゴイでしょう?」といった気分だった。
初めてアドバンスCSに行って彼と当たったという人に、「いやぁ、アイツはずっとマーシャルデリートを使っている奴なんだけどね……」と、何故か得意げに話すこともあった。
ちなみに私はというと、サムライの後は主に【ガイアッシュ覇道】を使用していたため、この変人に負けることはまずなかった。
《煌銀河最終形態 ギラングレイル》で捲られそうになった試合は何度かあったが、あるときは楯から3トリしてワンショットを止め、あるときはターンを返してきたので《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》から《「オレの勝利だオフコース!」》を見せたので死んでいった。
その後、環境が変わっても、私のデッキが【4cドラグナー】に変わっただけで、結果は同じだった。(ちなみに彼は一時敵に【逆アポロ】を使っている時期もあったが、対戦の結果に影響はなかった)
不思議と私が【巨大天門】のようなデッキを使っているときは当たらず、【マーシャルデリート】に有利なデッキを使っている時に限って当たっていた。
だからただの一度も、彼に負けたことがなかったのだ。
こうして初めて出会ってから1年半以上が経った訳だが、今ではCS終わりにご飯に行ったり、しょうもない談笑をする仲である。
当初この記事は、私が初めて彼に負けた日、つまり2024年11月10日に書くことを考えていた。
11/10Pleiades CS in BOOKOFF西友大森店 最終結果
🥇1位:卍しょーけん卍選手(マーシャルデリート)
🥈2位:顔面ボルメテウス選手(水自然ジャイアント)
🥉3位:れもん選手(デイガファイアーバード)
🎉4位:神結選手(闇単ゼナーク)
おめでとうございます!
次回の開催は11/16です。
是非ご参加ください! pic.twitter.com/FD1k0fk1ml— Pleiades CS (@DM_Pleiades_CS) November 10, 2024
ところが、その後に色々と事情が変わった。
そう、【マーシャルデリート】がまさかのTier1に進出したのだ。
いや、これはもしかしたら説明が正しくないか。彼が【マーシャルデリート】をTier1に押し上げたのかもしれない。
もちろん、ファンタジーBESTで登場した《キール・ロワイヤル》や《エメラルド・クーラー》もその強化に大いに寄与した。
だが最終的なキッカケは、この1枚だった。
《♪立ち上がる 悪魔に天使 堕ちるかな》の登場は、あまりにも革命的だった。
遂に相手の禁断すら無視しながら、《オールデリート》を撃てるようになったのだ。【マーシャルデリート】がデッキ単位で抱えていた最大の問題をクリアしてしまったのだ。
また《煌銀河最終形態 ギラングレイル》のルートを取っても、やはり《♪立ち上がる 悪魔に天使 堕ちるかな》が強力であり、《無限合体 ダンダルダBB》でこれを唱えると呪文トリガーをケア出来るようになった。
結果として彼と、彼の教えを受けた【マーシャルデリート】軍団はCSで結果を残しまくった。もうそれは、誰の目から見ても明らかな程に。
2月に開催されたデュエチューブリーグ第5節のアドバンス戦では、全てのチームが【マーシャルデリート】を使用。アドバンスをやらない人でもわかるくらい、名実ともにTier1と認識されるようになった。
ただ彼にとってもっとも不幸だったのは、オリジナルの世界でもう1つのマーシャルが世界を破壊していたことだった。誰の目から見てもライン越えであり、関連パーツはもとより、《マーシャル・クイーン》本体が殿堂してもおかしくはなかったのだ。
2月のCSで会う度に「残りひと月だから、せいぜい今を楽しんでくれよな」みたいに軽口を飛ばすこともあった。
そして――
マーシャルデリートは死んだ。
……彼が今後何を使うのか、、特にまだ話したことはない。
まぁ、聞かなくてもいずれわかることだ。
アドバンスCSに行けば、会えるのだから。
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