【デュエマ】歴代最強デッキ選手権Sランク~ドラグナー2020~

こんにちは、神結です。

祝！《最終龍覇グレンモルト》5周年！

登場以来、殿堂環境からアドバンスへと戦場を変えつつ、長く戦い続けています。最近は《双龍覇王モルトVERSUS》のお陰でちょっと立場が危ういのですが、《最終龍覇グレンモルト》ならではの使い方を見付けてあげたいところです。

というわけで今回は、コロナ禍の環境でコロナの次に猛威を奮ったデッキのご紹介をしていきます。

歴代最強デッキ選手権、Sランクより「ドラグナー2020」のご紹介です。

なおドラグナーについては、今年の8月にガチまとめの方の「歴代名作シリーズ」で4回に渡って連載しているので、改めてこちらで整理させていただこうかな、と思っています。あと未公開リストを過去ログから発掘したので、そちらも掲載させていただきます。

ドラグナーの登場
デイガドラグナー（初期）
ラッカドラグナー
ハムカツドラグナー
ドラグナーの終焉
番外編　デイガドラグナー（終期）
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ドラグナーの登場

ドラグナーは2020年8月22日に発売されたクロニクルデッキ「⿓魂紅蓮譚」によって成立しました。

なお、このクロニクルデッキには公式ソングがあります。

さて、「⿓魂紅蓮譚」で登場した新カードは以下の通りです。

・《最終龍覇グレンモルト》
・《最終龍覇ロージア》
・《最終龍覇ボロフ》
・《龍覇ラブエース》
・《爆龍覇ヒビキ》
・《爆龍覇リンクウッド /「お前の相手はオレだ、ザ=デッドマン！」》
・《龍覇グレンアイラ》
・《始まりの龍装具ビギニング・スタート》

結論から言いますと、この8種全てが「ドラグナー」というデッキにおいて使用されることになります。何この構築済デッキ。

そしてドラグナーの特異だった点は、「最終結論構築」的なものが誕生することなく、むしろ様々なタイプを生み出しながら環境を支配したことでした。

デイガドラグナー（初期）

ドラグナー登場後、まず最初に活躍したのがこのタイプです。発売日その日から、このタイプはすぐに活躍しました。

構築としては、クロニクルデッキに《ヘブンズ・フォース》、《龍装05号イヴィルヴィ / イーヴィル・フォース》という2種の踏み倒し呪文と、このデッキのために先んじてリリースされていた《龍覇龍デッドマン=ザ=オリジン》を投入した、といったデッキになります。

それだけでもう充分に最強だったんですよね。

中でも大量のドラグハートを一気に展開できる《龍覇龍デッドマン=ザ=オリジン》はデッキの核。

超無限進化：自分のドラグナー１体以上の上に置く。
侵略：ドラグナー（自分のドラグナーが攻撃する時、自分の手札にあるこのクリーチャーをその上に重ねてもよい）
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、このクリーチャーの下に重ねたカード１枚につき、コスト３以下のドラグハートを１枚、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。（その中のドラグハート・ウエポンはすべて、このクリーチャーに装備する）

デッキの動きとしては小型ドラグナーである《龍覇グレンアイラ》などからスタートし、そこに《龍覇龍デッドマン=ザ=オリジン》が侵略。超次元から《爆熱剣バトライ刃》や《無敵剣プロト・ギガハート》、《始まりの龍装具ビギニング・スタート》などをベタベタ並べていきます。

《龍覇龍デッドマン=ザ=オリジン》が複数枚あれば、一気に6枚とかドラグハートを出せたりとかも。

最終的には展開したドラグハート&ドラグナー、或いは《終わりの天魔龍ファイナル・ジ・エンド》で軽減された《最終龍覇グレンモルト》を投げて殴り倒します。

当時はG・ストライクなどもなかったので、《最終龍覇グレンモルト》＋《銀河剣プロトハート》という組み合わせはかなり信頼できるフィニッシュでもありました。

このドラグナーは「バトライ捲りデッキ」ではなく、「盤面に展開されるドラグハートの枚数で押す」といった思想のデッキですね。

発売からしばらくはこのタイプのドラグナーが流行しました。

流行……では済まないかもしれません。大流行しました。

当時の大会数自体が少数であることや、コロナ期の合間にわざわざCSに参加する熱心な層ってそりゃドラグナー使うよねって話もありますが、踏まえても「ドラグナー最強」時代に入ったと言っていいでしょう。

9月上旬までの環境は、このタイプの【デイガドラグナー】を中心に動いていました。

しかしドラグナーもドラグナーを使うプレイヤーたちも、これで満足はしていなかったんですよね。

そしてここ後、新たなタイプのドラグナーたちが誕生していきます。

ラッカドラグナー

ドラグナーの中でも、「閣ループ特化」という別なコンセプトを盛っていたのがこの【ラッカドラグナー】でした。

後述の【ハムカツドラグナー】とどちらが先に登場したかはちょっと正確なところはわからなかったのですが、だいたい同時期です。

旧来の【デイガドラグナー】の問題点として、《龍覇龍デッドマン=ザ=オリジン》が絡まないときの火力不足は挙げられるところでした。

そこで【ラッカドラグナー】は、その問題点を「閣ループ」によって解決しました。これによって、最初のドラグナーさえ引いていれば、《龍覇龍デッドマン=ザ=オリジン》が絡まずとも勝てるプランを組み上げました。

具体的な手順の話をしますと、例えば《龍覇ラブエース》を置いて《爆熱天守バトライ閣》を作って一旦ターンを返します。

そして次のターン、手出しドラゴン＋革命チェンジなどでドラゴン2枚を用意し、一気に《爆熱DX バトライ武神》の龍解まで持っていくわけです。《ヘブンズ・フォース》が絡めば、最速3ターン。

ちなみに《Code：1059》からGR召喚でドラゴンクリーチャーが捲れると、1枚で龍解までいきます。《Code：1059》というオーラ自体がドラゴンだからです。

これを付けたクリーチャーに「パワード・ブレイカー」を与える。（「パワード・ブレイカー」を持つクリーチャーは、そのパワー6000ごとにシールドをさらに１つブレイクする）
DL-Sys：これを付けたクリーチャーの攻撃の終わりに、相手の墓地にある呪文を１枚コストを支払わずに唱えてもよい。そうしたら、その呪文を持ち主の山札の一番下に置く。その後、このオーラを自分の他のGRクリーチャー１体に付けてもよい。
自分のターンの終わりに、GR召喚する。

《爆熱DX バトライ武神》＋革命チェンジがあると、閣ループと呼ばれるループが可能です。すなわち、《爆熱DX バトライ武神》攻撃時に革命チェンジを宣言、龍回避でアタキャンの後に山札3枚を捲ってドラゴンを出し、ドラゴンが出たので再び《爆熱DX バトライ武神》へ龍解……というのを繰り返します。これでデッキのドラゴンを殆ど全て出すことができます。

《不敗のダイハード・リュウセイ》が1枚採用されているのはこのためですね。山札にあったら出せます。

なお、現在この閣ループは裁定が整備されたことによって出来ない挙動となっておりますので注意。

また仮に閣ループが出来なくとも《爆熱DX バトライ武神》までは行けるので、その圧力で倒し切るということも可能です。

更に【ラッカドラグナー】の優れた点として、当時メジャーなメタカードとして採用されていた《希望のジョー星》に対してある程度の耐性があるという点がありました。

このゲームで使用するカード、そのコスト、そのテキスト内のコストはすべて、文明を失う。（無色となる）
（他のD２フィールドが出た時、このD２フィールドを自分の墓地に置く）

というのも《爆熱天守バトライ閣》さえ立っている状態であれば、文明を参照しないタイプの革命チェンジである《凰翔竜機ワルキューレ・ルピア》で《爆熱DX バトライ武神》を作って殴り倒す、というルートが存在しています。

また《爆熱天守バトライ閣》の前に《希望のジョー星》を貼られても、こちらを文明を参照しないでドラグハートを出せる《龍覇龍デッドマン=ザ=オリジン》が活躍してくれます。

更にリストの幅も広く、例えば【青黒カリヤドネ】に対するメタカードである《龍素記号Xf クローチェ・フオーコ》を採用できたり、或いは《龍世界～龍の降臨する地～》を増やしたり、《“龍装”チュリス》を入れてより《爆熱DX バトライ武神》の龍解に繋げやすくしたりなど、環境に合わせた調整もできたんですよね。

というわけで、安定かつ広く戦えるという点で【ラッカドラグナー】は特に上位層を中心に人気のデッキになりました。

ちなみに、当時2020年12月に開催されると告知されていた全国大会に向けて調整していたときのリストを発見したので、こちらも貼っておきます。

蒼龍革命（dottoさんの構築済デッキ、《蒼き守護神ドギラゴン閃》などが収録）で新登場した《ボルシャック・サイバーエクス》が革命チェンジとして扱いやすく、このリストの感触はかなり良かったです。

ちなみになぜ「お嬢様部」って名前が付いているかなんですが、たぶん当時【ハムカツドラグナー】に対してお口が悪くなっていたため、お嬢様になることで対策していたような記憶がありましてよ。

というわけで、ドラグナーには凄まじいヘイトを買っていたもう別の姿がまだ存在していたんですよね。

ハムカツドラグナー

その一方で、別軸のドラグナーとして暴れ散らかしたのが【ハムカツドラグナー】です。バカカスクソヤバカズヤミシマ。なお当時はまだスマブラにカズヤは参戦してません。

それはともかく、「ドラグナー」と聞いた時にこのタイプのリストを思い浮かべる人も多いんではないでしょうか？

こちらは特に「幻龍×凶襲ゲンムエンペラー!!!」（2020年9月発売）にて《∞龍ゲンムエンペラー》が登場して以降、よく見ることになるタイプのリストです。

このデッキの狙いはわかりやすいです。2種の踏み倒し呪文で《爆龍覇ヒビキ》を踏み倒しつつ、《爆熱剣バトライ刃》を装備。

そして攻撃時に《勇者の１号ハムカツマン蒼》へ革命チェンジし、効果で山札の上5枚を見て積み込み。

マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
革命チェンジ：火または自然のクリーチャー（自分の火または自然のクリーチャーが攻撃する時、そのクリーチャーと手札にあるこのクリーチャーを入れ替えてもよい）
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から５枚を見る。その中から多色クリーチャーを１体選んで相手に見せ、自分の山札の一番上に置いてもよい。残りを好きな順序で自分の山札の一番下に置く。

そして《爆熱剣バトライ刃》の効果で積み込んだドラゴンを踏み倒す……というのが、このデッキのコンセプトそのものです。

特に《∞龍ゲンムエンペラー》や《最終龍覇グレンモルト》などが着地すると、それでもうゲームが終わります。

ムゲンクライム４（自分のクリーチャーを４体タップし、 [wd04]支払って、このクリーチャーを自分の手札または墓地から召喚してもよい）
∞ブレイカー（「∞ ブレイカー」を持つクリーチャーは、相手のシールドを好きな数ブレイクできる）
ブロッカー
コスト５以下のクリーチャーの能力とコスト５以下の呪文の効果を無視する。

《∞龍ゲンムエンペラー》は生まれながらの環境覇権カードでした。

このリストに単純に捲って強いドラゴンが多いため、素捲りの期待値が高いのも特徴です。

とはいえ、デッキとしてはかなりの暴れ馬です。多色の枚数は22枚。コンボデッキでこれです。複数引いて嬉しいカードも下のドラグナーくらいであんまりないです。

更にこのデッキ、メタカードに屈服します。《爆龍覇ヒビキ》に《爆熱剣バトライ刃》を装備しなければ話が始まらないので、《希望のジョー星》は詰み。

諸説あるけど、【ギャラクシールド】から出てくる《洗脳センノー》もだいたい負け。

《龍覇龍デッドマン=ザ=オリジン》もないので、仮に相手のメタカードより先に《爆龍覇ヒビキ》を出せても、一度捲りを外すと返しの《洗脳センノー》とか封殺されることにもなり得ます。

ただし上記のような《ヘブンズ・フォース》が絡んだとき出力は異次元でどうしようもなく、この爆発力によって【ハムカツドラグナー】は環境最上位にいました。当然、最上レベルのヘイトも買っていました。

最終的には【ラッカドラグナー】vs【ハムカツドラグナー】vs その他のデッキ（カリヤドネ、ギャラクシールドなど）が大会環境では発生していました。

実戦数が少ない上に【ハムカツドラグナー】が最終的に引きで全てを蹂躙できてしまうので、正直正しい相性関係はよくわかっていません。仮にこの環境を今のCSペースでやるとしたら、自分は【ラッカドラグナー】か【ギャラクシールド】を使用しているとは思いますが（一旦オカケンは無しという前提で）、たぶん毎日【ハムカツドラグナー】にキレているとは思います。

ドラグナーの終焉

8月下旬に登場して、12月までの4ヶ月間、とにかくドラグナーは環境を支配していました。

【オカルトアンダケイン】とぶつけると実は【オカルトアンダケイン】側が勝ち越すんじゃないかという説はあったりしましたが、実環境で発生したわけではないのでこれは一旦置いておくとして。少なくともCS環境ではダントツのトップを走っていたことは間違いないです。

そんな【ドラグナー】にも、終わりがやってきます。

まず第一波として、2020年11月19日「クリーチャーの入れ替えに関する裁定変更のお知らせ」が更新され、ざっくり言えば閣ループが挙動として不可能になりました。

≪爆熱DX バトライ武神≫で攻撃する時に《蒼き団長ドギラゴン剣》の「革命チェンジ」を使用した場合、「龍回避」によってカードがバトルゾーンを離れないため入れ替えは実行されない。結果として、≪爆熱DX バトライ武神≫は攻撃を継続し、《蒼き団長ドギラゴン剣》は手札にとどまる。

これによってデッキコンセプトを閣ループに特化していた【ラッカドラグナー】は大きなダメージを負うことになります。

それでもなお、この裁定でダメージを負わなかった【ハムカツドラグナー】は勝ち続けていました。

ですが、とうとうその時がやってきます。殿堂です。

新殿堂が発表されました!!
こちらとなります!!#デュエマ #新殿堂 pic.twitter.com/2ARPLdcXum

— デュエル・マスターズ公式アカウント (@t2duema) December 8, 2020

新プレミアム殿堂が発表されました!!
こちらとなります!!#デュエマ #新プレ殿 pic.twitter.com/7CnGGqzs9j

— デュエル・マスターズ公式アカウント (@t2duema) December 8, 2020

《爆熱剣バトライ刃》が無制限→殿堂に。そして致命的だったのは《ヘブンズ・フォース》の一発プレミアム殿堂行きです。

《イーヴィル・フォース》もあったので、一発プレ殿は非常に妥当な判断であったと思います。

これによって【ハムカツドラグナー】もちゃんと壊滅。以降、ドラグナーは《ブレイン・ストーム》＋《爆龍覇ヒビキ》を基軸とする【ブレストドラグナー】へと変化し、Tier2辺りのデッキに落ち着いていくこととなります。

番外編　デイガドラグナー（終期）

というわけで、今回も番外編。

紹介するのは【デイガドラグナー改】とも言えばいいんでしょうか。

元々初期段階で作成された【デイガドラグナー】は《龍覇龍デッドマン=ザ=オリジン》が絡まない時のゲームが弱く、【ラッカドラグナー】は閣ループに突入できないときの捲りが強くなく、そして【ハムカツドラグナー】は安定感がないということで、それぞれに弱点と言える部分がありました。

そんな中で、アドバンスの巨匠でお馴染みマイケル（元TEAM SAGA）さんたちがそれぞれのドラグナーを上手く”折衷”して作った【デイガドラグナー】が上記のリストになります。

目指したのは、コンボにも寄らず、捲りの火力もあり、かつメタカードも突破できるドラグナーです。

【ハムカツドラグナー】ほどの爆発力はありませんが、捲りの辺りとして《最終龍覇グレンモルト》の他に《ニコル・ボーラス》と《偽Re:の王ナンバーナイン》らを用意。またゲームの継続性が上がっているので、《ニコル・ボーラス》を出したのに逆転されるようなケースはほぼなくなったでしょう。

そして《龍世界～龍の降臨する地～》や《龍覇龍デッドマン=ザ=オリジン》を採用できたことで、《希望のジョー星》に抗う術を残しております。《爆龍覇リンクウッド /「お前の相手はオレだ、ザ=デッドマン！」》の採用によってデッキが柔らかく動けるようになっているのも特徴ですね。多色も12枚と、最低限の枚数まで収めました。

このリスト、関東の方では比較的よく知られたものではあったのですが、全国大会が12月と告知されていたためにリストを隠していたのもあり、あまり全国的には知られないまま終わってしまいました。まぁこの時期は仕方ないですね。

マイケル本人が書いたブログも貼っておきますので、ぜひ読んでみてください。

というわけで、歴代最強デッキ選手権、Sランクより【ドラグナー】でした。

なぜSランクなのかは上で説明してきた要素の通りなのですが、当時CS環境的に最強であったのは間違いないものの、あまりにもメタカードに脆い点が引っ掛かるからです。

僕の好きなエピソードに、この時期に行われたCSの決勝の話があるんですけど。

決勝がドラグナーvsギャラクシールドで、2本先取だったんですが

1本目：2ターン目にドラグナーが《ヘブンズ・フォース》引いて終わり
2本目：ドラグナーが《ヘブンズ・フォース》を引けずに返しに《洗脳センノー》が出てきて終わり
3本目：ドラグナーが《ヘブンズ・フォース》を引いて終わり

というのがあってですね。なんか当時の環境やドラグナーというデッキの性質をよく表した名（迷？）エピソードだと思うんですよね。

そんなわけで、ドラグナーはSが妥当だろうと。

SSSランクの称号を得るなら、やっぱりメタクリ2枚くらいは悠々超えてリーサル組まないとね。

次回は【闇単XENARCH】の予定です。お楽しみに。

それでは、また。