こんにちは、神結です。
今回の歴代最強デッキ選手権は、原初の《零龍》デッキにして、最速2キルでプレイヤーたちを恐れさせた【アグロ零龍】の解説となります。
このデッキも【4cデイヤー】などと同じくコロナ禍に泣いたデッキではあるのですが、2月までの活躍やデッキの強さを鑑みて、今回はA評価とさせていただきました。
今回の殿堂・プレ殿カード
・《怨念怪人ギャスカ》
・《暗黒鎧 ザロスト》
・《暗黒鎧 ダースシスK》
アグロ零龍ってどんなデッキ?
アグロ零龍は、《零龍》の完成(卍誕)を目的した高速アグロデッキです。別名は【零龍ギャスカ】。
登場は《零龍》が発売された2019年12月末。発売とほぼ同時に登場し、いきなりの活躍を見せました。
《零龍》について簡単に触れると、4つのクエスト条件(○○の儀)が存在しており、それが達成すれば前述したように離れないワールド・ブレイカーの化け物が誕生します。
クエストの達成報酬として、全体除去を飛ばした後に、汎用除去がほぼ無効のすべてのバトルに勝つワールド・ブレイカーとなって暴れまわります。
《零龍》のそれぞれのクエストについて、簡単に触れておきましょう。
まず《手札の儀》。
これはどちらかのプレイヤーの手札が0枚であれば、自分のターンの終了時にクエスト達成できるものです。達成報酬はGR召喚1回。
続けて《墓地の儀》。
こちらは墓地の枚数が8枚以上になった時にクエスト達成できます。以上なので、一度条件さえ満たせば結構自由なタイミングで使うことが可能です。達成報酬は相手のクリーチャーを-3000。これでメタクリーチャーなどを焼けます。
3つ目は《復活の儀》。
こちらは墓地から何かしらのカードを蘇生させたときに達成できます。達成報酬は2墓地肥やし。
そして最後に《破壊の儀》。
こちらはクリーチャーを同一ターンに3体破壊していたら達成できます。達成報酬は、墓地から闇のカードを1枚回収。
これらの4つの儀は達成順はどの順番でもよく、そして全達成したときに《零龍》が誕生します。
《零龍》についての詳しい解説は別記事に置いておりますので、そちらを参照してください。
で、この【アグロ零龍】というデッキは最速で《零龍》の完成を目指すデッキとなっています。
その速度は、なんと最速2ターン。ですので、2ターンキルもできました。
できてしまいました。
当時は通年だった全国ランキングの終盤期ということもあり、【アグロ零龍】の2キルに泣かされたランカーもいたことでしょう。
最速2ターンの要となっているのが《怨念怪人ギャスカ》です。
- このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の手札をすべて捨てる。
テキストはシンプルに、出したら自分の手札をすべて捨てる、というもの。
まぁ普通はデメリット効果でしかないのですが、《手札の儀》のある《零龍》なら話が別。
デュエマというゲーム性質上のそもそも早期に手札を使い切るのが難しいのですが、1枚でそれが達成できる《怨念怪人ギャスカ》が破格の存在でした。
先攻1ターンで《怨念怪人ギャスカ》が着地した場合、ターン終了時に《手札の儀》が達成して盤面は2体で、墓地は3枚。
ここで例えば《暗黒鎧 ザロスト》+《ステニャンコ》+《卍∞ ジ・エンデザーク ∞卍》みたいな落ち方をしていると、ターン開始時に《暗黒鎧 ザロスト》の蘇生して《復活の儀》が達成、《ステニャンコ》→《卍∞ ジ・エンデザーク ∞卍》を順に蘇生することによって《破壊の儀》も達成。


これで《破壊の儀》で《暗黒鎧 ダースシスK》を拾うと、ターン開始時のドローで増えた手札と併せて《暗黒鎧 ダースシスK》の召喚条件が揃い、かつGRクリーチャーの破壊も含めて瞬間的に墓地がちょうど8枚になるので、《零龍》が卍誕して《怨念怪人ギャスカ》とのリーサルが組めるというわけです。
《手札の儀》で出てきたGRクリーチャーが《シニガミ 丁-四式》などであれば、《ブラッディ・クロス》などでも代用可能で、比較的広い範囲のカードで墓地8枚条件も達成できますので、そこまで非現実的なプランというわけでもありません。
仮に《怨念怪人ギャスカ》を引いていなくとも《堕魔 ザンバリー》+《暗黒鎧 ダースシスK》などでも近しい動きは可能だったりします。
というように後の《零龍》とそれにまつわる殿堂を知っている人間からすると犯罪者みたいなカードたちばかり出てきますが、ともあれ2・3ターン目の《零龍》卍誕は現実的に達成可能であり、そして一度受け止めたとてその後の《零龍》を止められないということも多く、「史上最速のアグロデッキ」として超天篇最終期に環境にエントリーしたのでした。
アグロ零龍 活躍の歴史
【アグロ零龍】は《零龍》の情報解禁後からリストが検討されており、発売日(2019年12月20日)からほぼほぼすぐに環境に持ち込まれて活躍を見せていました。
その後、年を挟んで《BAKUOOON・ミッツァイル》などが殿堂し、《MEGATOON・ドッカンデイヤー》を軸とした環境へと変化していきますが、最強というポジションではなかったものの2~3番手以降のデッキとして新環境をスタートします。
速度的に早かったのは間違いなかったのですが、当時は既に《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》が存在していたことや、超天篇デッキが軒並み強力であったことも含めて、環境を制圧したという印象はありませんでした。
特に【アグロ零龍】はやることがわかりやすく、そのために【ネバーループ】などの受けループ系のデッキには当然ながら不利だったわけです。これに関しては、本当に【火自然アポロ】なんかと近しい部分があると思います。
そんな折、日本をコロナ禍が直撃。環境は一気に停滞します。
そしてこのコロナ禍のタイミングというのがちょうど全国大会の直前だったということもあって、各地で研究されていたであろうデッキたちが世に出ることなく消えてしまった……という側面はありました。
例えば私たち(いわゆるヘルペタ)の周りでは、【アグロ零龍】に《解罪 ジェ霊ニー》を採用することで【ネバーループ】のような受けデッキから各種コントロールデッキまで有利を取れる構築が完成していたんですよ。
これで全国大会に挑む予定だったのですが……肝心の全国大会が消滅してしまいました。
「全国大会がいつ開催されるかわからない以上、構築を公開する必要はない」という話に当然なるわけで、結局このタイプの【アグロ零龍】はそのまま歴史の闇に葬られることになりました。
それでもvaultを始めとしたオンライン環境で【アグロ零龍】は相応に強かったです。
特に当時環境トップであり最強のデッキと目されていた【4cデイヤー】にはトータルで有利とされていました(デイヤーの対応力はスゴイため、その気になれば寄せることは出来る)。
その他の環境デッキでいうと、当時のメモ書きを見ると【シータバーンメア】には後攻をもった瞬間に《怨念怪人ギャスカ》が絡まない試合は《お清めシャラップ》がほぼ当たるためにだいぶ不利っぽくて、【水闇カリヤドネ】や【火単バルガ】には有利といった感じでしょうか。
当時の環境で言えば、そもそも【4cデイヤー】に勝てるだけで、使うには充分すぎる理由がありました。
ちなみに私も調べていて思い出したのですが、深夜vault部というグループ内で行われた“模擬全国大会”では【アグロ零龍】が優勝を果たしています。
カバレージもあるので参考までに。ライターはジャイロくんらしいです。
参加者一覧を見ると、どういうわけか涙が溢れそうです。
その後コロナ禍が長引く中で、2020年6月に《怨念怪人ギャスカ》の殿堂が決定。
【アグロ零龍】はその全盛期の大半をコロナに縛られたままでしたが、実は《怨念怪人ギャスカ》が1枚となった中でもvault大会では快進撃を続けており、2020年の8月になるかみさんがこのデッキでレート2200超えを達成しています。
その後ぼちぼち大会が戻ってくる中で、環境は【ドラグナー】に寄っていくこととなり、対して【アグロ零龍】は2キルが厳しくなったことからやや後退した、とみるのが自然でしょうか。
その一方で、裏では密かに同じく《零龍》を使用する【オカルトアンダケイン】の影が忍び寄っておりましたが……この話は、また後日。
個人的な意見としては、現代くらいの規模でCSが行われていれば、【アグロ零龍】はもっと結果を残していたでしょうが、ただもっと【オカルトアンダケイン】の台頭は早かったと考えられるため、デッキとしての役割はやはり8月くらいまでで終えていたのかもしれません。
今回、【アグロ零龍】はAランクとして設定させていただきました。
理由としては最速2キルというデュエマにとって革命的であった点や、幻の全国大会2019では相応の結果を残しただろうと考えているからです。【火自然アポロ】と同様、存在そのものが環境に一定以上の影響を与えますからね。もちろん、当時は大会が無くなってしまった以上、vault大会での結果も重視しております。
とはいえ活躍を想定することはできたとて、断定することはできないためAランクで留めておきました。
この時期のデッキと言えば同じく【4cデイヤーループ】や【ダッカルパラノーマル】といったデッキが挙げられるのですが、“仮定”の話が多くなってしまう以上ランクに多少の下降補正が入ってしまうことは避けられない……ということで、その点はご容赦いただけますと幸いです。
おわりに
というわけで、今回は【アグロ零龍】の紹介でした。
環境上では、最強として【4cデイヤー】と並び立つ可能性はありました。理屈を言えば、一定の受けがあって確殺ループで相手を殺せる【4cデイヤー】と、そのデッキに有利の最速アグロである【アグロ零龍】って手を組んだら厄介極まりないわけで、実は詰めていくと両雄並び立つくらいの環境になったのではと想像しています。
ただこればかりは幻の話ではあるので、あくまで今回は史実に即した形で、Aランクのデッキとして紹介させていただきました。
次回、Aランクのデッキはもうちょい続きます。
それでは、また。
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