yk800の週刊! メタゲーム・ウォッチング Vol.27【20.10.21】

 どうも、レッドことyk800です。最近めっきり肌寒くなって体調の変化に気を遣いはじめた今日このごろ。なにぶんいろいろと危ないご時世ですので、皆さんも風邪には気をつけてくださいね。

 さて、来たる今週末の10月24日には、いよいよ「四強集結→最強直結パック」が発売されます!

 今週は、新弾の中から環境に影響を与える……かもしれないカードたちについて、筆者が独断と偏見でピックアップするコーナーを設けようと思いますので、そちらも楽しんでいただければ。

 「幻龍×凶襲 ゲンムエンペラー!!!」環境の総まとめとなる10月第3週。メタゲーム・ウォッチング、スタートです!



先週の結果総まとめ

 まずは先週(20.10.17〜20.10.18)行われたCSの結果を見ていきましょう。
(※元となった大会結果は田園補完計画さんからお借りしています。また、情報の抜け・漏れがある可能性がございますことをご了承ください)

【ドラグナー】の牙城、崩れず。

 先週の予想は外れにハズれ、ドラグナーの権勢を崩すデッキは現れない結果に終わりました。

 前回の類似状況との違いを検討しましたが、【火水自然ミッツァイル】の時と最も違うのは、環境を定義するビッグアクションの速度です。

 【火水自然ミッツァイル】のビッグアクションターンは、どれだけ早くとも6マナに到達する4ターン目。環境の問題児であった【火水万軍投ジョーカーズミッツァイル】ですらビッグアクションは3ターン目であったため、多くのデッキが2ターン目の自由なアクションを保証されていました

 しかし、【ハムカツ蒼型ドラグナー】の《ヘブンズ・フォース》+《爆龍覇 ヒビキ》はもちろんのこと、【火光水ドラグナー】もまた《ヘブンズ・フォース》+《龍覇 ラブエース》による2ターン目の《爆熱天守 バトライ閣》建築ムーブを持ち合わせています。

 これは、キルターンの速さとはまた違った基準になります。特に【火水光ドラグナー】の場合、現代の水準から見て特別速いデッキというわけではありません。ループプランなら安定して決まるのは4ターン目以降。相手のメタカード次第ではゲームが6〜7ターンに及ぶことも珍しいわけではないデッキです。

 しかしながら、一度《バトライ閣》を設置できてしまえば、メタの方向性が異なる《Code:1059》と合わせて即時3打点を形成できるようになるため、ゲームの流れを大きく傾けられます。キルターンが多少遅かろうと、コンセプトの遂行そのものは妨害の通らない先手2ターン目に可能なデッキなのです。

 この「ビッグアクションの成立ターンの速さ」が【ドラグナー】の覇権を支えています。これはデュエル・マスターズに1ターン目から使えるメタカードがなければ対策不可能な強みであるため、差し当たって12月に控える殿堂発表での規制が不可欠でしょう。

 少し気が早いですが、《ヘブンズ・フォース》のご冥福をお祈りします……。

 さて、【ドラグナー】以外の周囲のデッキに目を向けてみれば、今週最大のトピックスはTier上位と下位の絶望的な断絶だと言えるでしょう。そもそも母数があまり確保できていないことを加味しても、6件入賞の【カリヤドネ】の次点が2件入賞にまで落ち込むのは特筆すべき事項です。

 環境の使い納めということも影響している……のかは定かではありませんが、今週はメタゲームの明暗がはっきりとした結果になりました。

 環境の形が変化する中で復権を遂げたのが【ギャラクシールド】

 役割対象が明確な性質が今週の環境にマッチしていたことに加え、母数が増加傾向にあった火光軸のメタビート系デッキに対して戦いやすいデッキであったことが影響しているのかもしれません。この辺りはある程度予想が的中した形になりましたね。

 圧倒的な出力とメタ耐性の高さにより、絶対的な頂点として君臨しつづける【ドラグナー】。個々の入賞事例でいえば当然ブレはありますが、「先2《ヘブフォ》+ドラグナー」という対策不能の必殺ムーブが存在しつづける限り、メタゲーム・Tier単位での大きな変革は見込めなさそうです。

HOT TECH

《ブレイン・ストーム》

 以前から一定数存在した構築ではありますが、今週は優勝事例が報告されていたのでピックアップ。カラーリングとしては火光水の3色がベースになっていますが、コンセプトとしては【ハムカツドラグナー】の類型に当たります。

 トップの積み込みによる踏み倒しサポートはもちろん、山札を見られる枚数が増えるため手札にパーツを揃えやすいのが特徴。

 第3色を闇から水に移行した関係で《爆龍覇 グレンアイラ》と《イーヴィル・フォース》を排除しており、3ターン目のコンボ成功率そのものは見た目より向上しないものの、空いたスペースに採用される《龍世界 ~龍の降臨する地~》と合わせて単色の採用枚数を多めに確保できるため、《ブレイン・ストーム》の手札調整能力と合わせて、タップイン事故の大幅な低減を見込めます。

 ささやかではありますが、水マナ要員として採用される《メヂカラ・コバルト・カイザー/アイド・ワイズ・シャッター》により、受けトリガーを水増しできるのも悪くありません。常在型能力ではなくトリガー能力で相手の攻撃を封じる上面も、対面によってはゲームの趨勢を決するほどに強力です。

 走るカードに火文明がなければ積み込みができなかったために、《龍覇 ラブエース》がぎこちないカードだった【ハムカツドラグナー】と違い、《爆熱剣 バトライ刃》を装備した《ラブエース》からスタートしても、次のターンの《ブレイン・ストーム》でトップを積み込んで確実にアタリを使えるのも利点の一つです。

 「積み込めるとはいえトップ5枚に依存してしまう《勇者の1号 ハムカツマン蒼》と違い、当たりを確約したうえで走り出せる」というのも小さからぬ強み。きっちり《ブレイン・ストーム》を撃てる体勢が整えば、その安定感は比べ物になりません。

 相手に合わせて手札にキープする大型ドラゴンを変えれば効き目の薄いカードをめくってしまうリスクを軽減できるので、採用する大型ドラゴンを散らして対応力を上げることも検討できます。

 欠点としては、まず「確実に水含みの2マナを支払う必要がある」点。テンポロスの面でも影響の大きい事項ですが、改善したはずのマナべースの面でも少なからぬ課題を抱えています。

 《ブレイン・ストーム》以外の水マナはほとんどの場合で多色であり、必然的に、1ターン目に水含みの多色をセットできなければ2ターン目にはプレイできない公算が高いです。コンセプトレベルで寄せるのであれば、初手には《ブレイン・ストーム》込みで2枚は水文明のカードが欲しいところ。16枚というのは少し心許ない数字に見えます。

 4ターン目に《ヘブンズ・フォース》とのセットプレイ、と考えるのであれば十分な枚数だとは思いますが、そこまでゲームが進んでからの《ニコル・ボーラス》はさほどインパクトのあるアクションではないでしょう。

 また、《ブレイン・ストーム》4枚ぶんだけデッキ内のドラゴン・ヒューマノイド比率が下がるため、コンボが揃っていない状況からの見切り発車に大きなリスクを背負うことになります。たかが4枚、されど4枚。単純計算で4/40=10%近くハズレ率が上がるため、早期に引き込めなかった場合は苦しい展開になるでしょう。

 筆者の触った感想で恐縮ですが、総じて、「引けなかった場合に構築全体を寄せたリスクを抱えるものの、引けてプレイできれば安定感とゲームの破壊を両立できるカード」という評価に落ち着きました。

 安定と破壊力、どっちつかずになりがちで難しいカードではありますが、このカードにしかできないことがあることも事実。選択肢として、また対峙した場合に使われる可能性があるカードとして、特徴を覚えておいて損はないでしょう。

注目の新カードピックアップ!

《勝熱龍主 モモキング》

《勝熱龍主 モモキング》
ヒーロー・ドラゴン/ジョーカーズ/チーム切札
火/自然 コスト4 クリーチャー
パワー5000
■スピードアタッカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から4枚を見る。その中からジョーカーズを1枚相手に見せ、手札に加えてもよい。残りを好きな順序で山札の下に置く。
■このクリーチャーがシールドをブレイクした時、このターン中、自分が次に使う「キリフダッシュ」能力のコストを最大2少なくしてもよい。ただし、コストは1以下にはならない。

 ついに出た《ドンドド・ドラ息子》の追加枠。

 いくつか差異はありますが、「《タイク・タイソンズ》からJチェンジしろ!!!!!」とウィザーズからの熱いメッセージを感じるコストや能力は、特化したデッキを組むに足るだけのインパクトを持っています。

 《ドラ息子》との最も大きな違いは、<キリフダッシュ>を持ってさえいれば自然文明のクリーチャーも軽減できてしまう点。

 言うまでもなく《熊四駆 ベアシガラ》との併用が激アツですね。2マナで出てきて2マナブーストするので、他の<キリダッシュ>とセットで使えば実質0マナ2ブースト1回収2打点です。草。

 コスト2まで軽減すれば、《タイク・タイソンズ》に限らず《ボーボボ・ボーボ坊》でも<キリフダッシュ>が可能になるのは見逃せません。現在は下火となっている《ジョリー・ザ・ジョルネード》を採用したJチェンジ初動型の【ジョラゴンジョーカーズ】も面白いかもしれませんね。

 次の<キリフダッシュ>しか軽減できないので連打は効きづらいものの、《パンヌダルク》や《カダブランプー》などと組み合わせれば複数回の起動も可能。サーチ能力も強力で、総じて<キリフダッシュ>のサポートパーツとしては非常に優秀だといえそうです。

《鬼ヶ大王 ジャオウガ》

《鬼ヶ大王 ジャオウガ》
デモニオ/鬼札王国
闇/火 コスト5 クリーチャー
パワー7000
■スピードアタッカー
■W・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のシールドをすべて手札に加えてもよい。ただし、その「S・トリガー」は使えない。

 yk800的「なんかヤバいコンボが生まれそうなカード」優勝候補。《生命と大地と轟破の決断》でちょうど出るコスト設定がニクいですね。

 古来より「自分のシールドを全部吹っ飛ばす」系のカードはコンボデッキのおもちゃです。特に今期は<オシオキムーン>や<鬼エンド>など、相性のいいギミックが大量に登場しているため、思わぬところにバグが転がってそう感はMAX。

 鬼札王国というチーム自体がコンセプトとして押しが弱いため、真っ当なチームデッキでの活躍はあまり見込めなさそうですが、デッキビルダーはこういうおもちゃが大好きな人種なのでどっかしらでなんかするカードだと思います。

 盾回収が任意なのでビートプランが立てやすそうなのも、ヤバそうさに拍車をかけている。

《限りなく透明に近いワルツ》

《限りなく透明に近いワルツ》
エンジェル・コマンド/デーモン・コマンド/月光王国
光/闇 コスト7 クリーチャー
パワー9000
■ブロッカー
■W・ブレイカー
■自分のターンのはじめに、自分のシールドを1つ墓地に置いてもよい。そうしたら、光または闇の「ブロッカー」を持つクリーチャーを1体、自分の墓地からバトルゾーンに出す。
■このクリーチャーがタップした時、自分の山札の上から1枚目を裏向きのまま、新しいシールドとしてシールドゾーンに置く。

 踏み倒しコスト制限なし!

 踏み倒しのタイミングにやや懸念はあるものの、書いてること自体ははかなり凄まじい踏み倒しエンジンです。《ヨミノ晴明》が泣いちゃう。

 《冥界を統べる新月のハーデス》や《「終焉」の頂 オーエン・ザ・ロード》で除去耐性を付与してやりたいところ。どちらも《ヘブンズ・ゲート》とセットで出るのがとてもありがたいですね。

 《「絶対の楯騎士」》や《∞龍 ゲンムエンペラー》など踏み倒して遊べそうなカードはいっぱいいっぱい。序盤をハンデスや妨害で凌いで《ワルツ》からの《∞龍 ゲンムエンペラー》で蓋を継続させるコントロール系の【ヘブンズ・ゲート】、みたいなデッキは、もしかすると成立しうるかもしれません。

 サプリメント商品ということで派手に環境を動かすカードはパッと見では見当たらない新パックではありますが、キングマスター2種をはじめ、チームギミックのサポートとして優秀なカードがちょこちょこと見受けられます。

 チームギミックは選択肢の広さと序盤の足回りが何よりも重要になるので、まだ発表されていないレア・アンコモンにも期待が高まりますね。

今週のメタゲーム予想

 新商品登場ということで今週の予想はおやすみ。

 現段階で発表されているカードの中で、即座に環境に影響を与えるとすれば、《勝熱龍主 モモキング》になるでしょう。Jチェンジ特有の脆さ・不安定さが解消されたわけではありませんが、爆発力には見るべきものがあります。

 そもそも環境の中で一定の地位を確立している【旅路バーンメアジョーカーズ】。先週ピックアップしたように、<キリフダッシュ>軸の構築は古いものとなっていましたが、また環境へと舞い戻ってくる可能性も十分にあるでしょう。

 今週のメタゲーム・ウォッチングはここまでとなります。それでは、また来週!

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