【デュエマコラム】《次元の嵐 スコーラー》とかいうカードの話

数多の「そっちかい」を集めて、いま。

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こんにちは、神結です。

昔からの知り合いが「不亞幽の声優さんの声が好きすぎてデュエプレ始めた」とか言ってたので、何処に縁があるものかはわからないんだな、なんてことを考えています。

 

さて、去る8/15日に新殿堂が施行されました。来週末には新殿堂後の最初の大型大会、超CS京都も開催されます。

まぁ殿堂に関する内容自体はだいたいは予想選手権の方に書いていて、特にそこまで大きなサプライズはなかったのでいいです。《カンゴク入道》が逃れたくらいですかね。

ただ1つ、この話だけしておいきたい、という1枚はありまして……。

はい、アレです。

《次元の嵐 スコーラー》。

当ブログでも本家動画の方でも何度も取り上げてきた1枚になります。

なんか「工房切り抜きまとめ スコーラー編」みたいな動画をたまたま見たら、最初にスコーラーを殿堂候補に挙げてたのは2019年の12月らしいです。ミッツァイルvsカリヤドネの時代ですね。

以降、ことあるごとにコイツを殿堂予想に入れ続けましたが、現在もなお4枚使えるカードとして健在しています。

色々言われておりますが、ここまで咎められないことには何か客観的な理由があるはず。

ということで、改めて《次元の嵐 スコーラー》と向き合っていくというのが、今回のコラムになります。

それではどうぞ。



好き? 嫌い? スコーラー

ある程度スタンスを明かしておくべきかと思うので最初に書きますが、個人的には《次元の嵐 スコーラー》ってカード自体は割と好きなんですよね。

  • G・ゼロ:このターン中に自分の呪文を5枚以上唱えていれば、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
  • W・ブレイカー
  • このクリーチャーが召喚によってバトルゾーンに出た時、それがこのゲーム中にバトルゾーンに出した最初の《次元の嵐 スコーラー》なら、このターンの後で自分のターンをもう一度行う。

この子、イラストが愛嬌あって可愛い、というのは置いといて。個人的には「好きだから殿堂しないで欲しい」とか「嫌いだから殿堂して欲しい」みたいなことを最近はなるべく考えないようにしていて、「環境的に適正なカードか」という観点で考えるようにしています。

ぶっちゃけ個人的なヘイトでいうと、《グレート・グラスパー》とか《天風のゲイル・ヴェスパー》とかの方が1000000億倍は……。あ、でも先攻で《ストリーミング・シェイパー》から4ターンループされたらキレます。

 

まぁ、このカードを使うデッキって最終地点がコイツになるからわかりやすいし、デッキとしてやることが明快になるんですよ。そういう意味ではデッキ構築とかもしやすい……というよりかは、特定のデッキのフィニッシャーとして常に採用候補になるわけです。

そういう意味では、カテゴライズ的には《水上第九院 シャコガイル》に似ているのかもしれません。

逆に対戦する方も見ず知らずのカードが幾つか入っていても、マナにスコーラーが見えたら「あ、そういう感じね」となるからわかりやすくもあります。

デュエルマスターズっていまだと1枚で勝っちゃうというカードも多い中で、スコーラーはどちらかというとデッキ40枚をフル稼働させるデッキでもあり、その辺りは個人的にポイント高いです。

また、スコーラー系のデッキは基本的にループに準ずる勝ち方をするわけですが、スコーラーは実質的な0コストのSA2打点であり、複数体の召喚によってビートプランが狙えるんですよ。「ループできるビートデッキ」ってデッキの強度があがるので、そういった点でもこのカードは好みでしたね。

 

まー、欠点はコイツが絡むゲームは異様に1ターンが長くなるってところでしょうか。最低でも5枚は呪文を撃つわけですし。

あとは「スコーラーを目指すデッキ」であれば程々のデッキパワーになるんですが、「何かの行動をしていると、ついでに呪文が5回撃てるので、オマケでスコーラーが出る」系のデッキが生まれてしまうと危険です。デッキのサブプランとしてのスコーラーが存在するとき、そのデッキはだいたい問題だったりします。カリヤドネなんかが一番わかりやすい例でしょう。

いいカードだけど、まぁちゃんとバグるよな、というのがこのカードの評価ですかね。

新殿堂カード《月下旋壊 ド・リュミーズ》

そんなわけで2022年8月、《月下旋壊 ド・リュミーズ》の殿堂が施行されました。

  • 自分のマナゾーンにカードが4枚以上あり、そのうち少なくとも1枚が魔導具なら、コストを支払うかわりに魔導具を2枚自分の手札から捨てて、この呪文を唱えてもよい。
  • カードを3枚引く。

このカードは0コス3ドローカードですが、条件があります。

1つは、4マナ以上あってその中に魔導具があること、そしてもう1つは魔導具を2枚手札から捨てること。

2捨て3ドローとなり手札の増え方は微妙にも見えますが、《堕魔 ヴァイプシュ》のお陰でデメリットは消えます。

なんか呪文撃つと手札に返ってくるんですよね。

そんなわけでこの《月下旋壊 ド・リュミーズ》+《堕魔 ヴァイプシュ》ですが、【青単スコーラー】というデッキで活躍しました。

終わったデッキの解説をするのもアレなんで簡単に書きますが、このデッキはまず4ターン目に《月下旋壊 ド・リュミーズ》を唱えられるように手札を用意します。そのターン中に5回の呪文を唱えて《次元の嵐 スコーラー》を使って追加ターンを獲得。そこでループを決めて勝とう……という感じのデッキですね。

もっともこのデッキはそんな都合良く4キル出来ませんし、絶対見切り発車になるし、先攻は手札は足りないし、メタカードにはめっちゃ弱いし、ハンデスにも弱いし、殴られるとすぐ死ぬ虚弱体質だしで決して強いデッキではなかったんですが、「ループで4キルが出来る」という他のデッキにはない、オンリーワンの強みがありました。

そのオンリーワンがあったお陰で、後ろ寄りのデッキが増えてくるとコイツが水を得たムートピアになるという、まぁまぁ愉快とは言えない環境だったんですよね。アグロ、コントロール、ループの終わらないワルツが続いていました。

滅茶苦茶強いデッキではないと言えど、放置しておくとずっと消えませんし、1ターンはクソ長いし、そもそも4ターン目にループするデッキとやってオモロイか……? とはなるので、殿堂を食らうのはまぁ妥当だと思うんです。

そして殿堂するなら……《次元の嵐 スコーラー》だと、多くの人が思っていたでしょう。

私も最初はそうだと思っていたんですけどね。正直スコーラーが残るとは思っていませんでした。

 

《月下旋壊 ド・リュミーズ》は身代わりだったのか?

いや、そっちかい! と思わず呟いてしまった《月下旋壊 ド・リュミーズ》の殿堂。

《次元の嵐 スコーラー》は《月下旋壊 ド・リュミーズ》を身代わりにして今回も生き延びたのでした。おしまい。

……と、結論付けちゃってもいいんですが。

でもこれってほんとにそうなんですかね?

本当に《月下旋壊 ド・リュミーズ》ではなく、《次元の嵐 スコーラー》を殿堂にすべきだったんですかね?

私もこのカードに関して改めて考えていたんですけど、今回に関しては厄介なことに、本当に厄介なことに実は《月下旋壊 ド・リュミーズ》で正しかったのでは、と思うようになりました。

確かに汎用性、カートパワー、これまでの実績等を考えると《次元の嵐 スコーラー》も充分殿堂相応のカードだと思っていますが、「《次元の嵐 スコーラー》の身代わりに《月下旋壊 ド・リュミーズ》は殿堂した」というストーリーは流石に違うのかなーと感じています。

 

というもの、今回の殿堂の目的は「青単スコーラーを環境から消すこと」だったと思います。

その上で青単スコーラーは4ターン目に《月下旋壊 ド・リュミーズ》を”複数”唱えてループをするデッキです。1枚の《月下旋壊 ド・リュミーズ》であっても回らない訳ではありませんが、ただでさえ怪しい安定感は大幅に低下します。

一方で《次元の嵐 スコーラー》はというと、《I am》の頭数には必要ですけどそれは別にスコーラーでなくともよく、またドローを重ねる中で1枚引けばいいカードです。

デッキの動きを考えたとき、【青単スコーラー】というデッキに関して”だけ”言えば……《月下旋壊 ド・リュミーズ》を掛けた方が困るんですよね。

そう考えると「身代わりになった」というのは結構一面的な見方かなぁという感想になっています。環境を整備する上での最適は、《月下旋壊 ド・リュミーズ》かもしれません。

 

で、その上で。

《次元の嵐 スコーラー》自体は、私はやっぱり殿堂相応のカードだとは思っています。

ただ、このカードが殿堂カードとなることがあるかと言うと、しばらくなさそうなんですよね。

 

カードの殿堂はどの基準で決めるべきか

殿堂カードをどれだけ出すべきかどうかは、かなり難しい問題です。

ただ開発側はなるべく殿堂カードの枚数は抑えたい筈です。殿堂カードを出したくない理由はそれなりにあるからです。

  • 枚数が多いと新規参入がし辛い
  • 顧客であるカードショップに迷惑が掛ける
  • 単純に遊べるカードが減る

などなど……。

殿堂カードを最小限に抑えたいときに、《次元の嵐 スコーラー》が含まれるのかという問題があります。

《次元の嵐 スコーラー》には性質上、絶対に相棒が必要です。そしてその相棒の方が、デッキの動きに与える影響が大きかったりします。

例えば【青単ムートピア】であれば《セイレーン・コンチェルト》、【青黒カリヤドネ】で言えばカリヤドネ本体、【青白スコーラー】みたいなデッキであれば、各種GRクリーチャーとその召喚呪文、そして【青単スコーラー】であれば《月下旋壊 ド・リュミーズ》……。

コイツねぇ、絶妙に二番手なんですよ。

まぁそんな訳であくまで最低限の殿堂を実施したい場合、絶妙に避けるんですよ。

 

また、前述したようにこのカードはフィニッシャー枠であって《水上第九院 シャコガイル》とニュアンスが近いカードと書きましたが、開発側はより強くその考えを持っているかもしれません。フィニッシャーはよっぽど殿堂にしないよね? という話です。

もっとわかりやすく言うと、《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》と同じ系統のカードということです。「マナブーストして耐えて刃鬼を出せれば勝ち」みたいなコンセプトがあったとして、そのデッキが強かったとして刃鬼本体に殿堂をかけるのは違うのでは? という感じですね。《次元の嵐 スコーラー》も、「呪文ブーストしてスコーラー出せれば勝ち」というコンセプトデッキの1つとして認知されてるのかも。

 

まぁそんな訳でまとめとしては、《次元の嵐 スコーラー》は、もう少し見掛けるカードになるでしょう。

ちなみに新殿堂後このカードを使ったにカリヤドネリペアなのも少し流行っていますが、弱点も多いデッキなので流石に環境トップになることはないと思います。

とはいえ《龍頭星雲人》はちゃんと強いカードなので、CSではそこそこ見掛けるデッキになるんではないでしょうか。

 


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