by 神結
ジョラゴンくんは、日本一にもなったことがあるすごいカードです。
ですが友だちのガヨウ神くんをうしなってからは、むかしのようにブイブイ言わせることはできなくなりました。もちろんジョラゴンくんが攻げきすると強いのですが、手ふだがふえないので安心できません。手ふだをふやそうにも、シールドをいちど攻げきされてしまうと、たえるのはむずかしいのです。
だからといってバトルゾーンにいっぱいならべても、すぐにぐちゃぐちゃにされてしまいます。
なにより先につよいカードをプレイされてしまうと、ぎゃくてんするのがむずかしいのです。ジョルネードのお兄さんも心強い友だちではありましたが、これらのもんだいがなくなるわけではありませんでした。
「どうすればいいんだろう……」
ジョラゴンくんは考えました。どうすれば、むかしのようにまた活やくできるんだろう?
「そうだ、あたらしいジョーカーズをふやそう!」
こうしてジョラゴンくんは、あたらしいジョーカーズを作ることにしました。
「さきにつよいカードが出てくると負けちゃうから、さきに強いカードが出されても負けないカードがいいな」
いっぱい出てくるミッツァイルくんや、いっぱいなぐるまじごっとブランドくん、バトルゾーンをぐちゃぐちゃにするヴェルデくんは、とてもこわいカードでした。
そこでジョラゴンくんはひらめきます。
「そうだ、バトルゾーンに出たターンはなぐれないようにしよう」
相手のクリーチャーは、バトルゾーンに出たターン、攻撃できない。
「よしっ、カンペキだ」
あいてのクリーチャーだけであれば、ジョラゴンくんがなぐれないことはありません。
こうしてジョーカーズにあたらしい友だちができました。なまえは「なんでもしてくれるから」と、ぜんのうくんと名づけました。
これであしたのCSはバッチリだと、ジョラゴンくんはおうちでぐっずりおねんねしました。
よくじつ、ジョラゴンくんはCSかいじょうにつきました。
そこにはあのミッツァイルくんもいました。ミッツァイルくんはよくジョラゴンくんのカードを借りパクしていましたが、ジョラゴンくんより強いため逆らうことが出来ませんでした。
「やぁ、ミッツァイルくん。今日は早いね?」
「やぁ、ジョラゴンくん。そうだね、カード買ってたからね」
「そうだミッツァイルくん。せっかくなのでしょうぶしないか? 今日はじしんあるんだ」
「もちろん、のぞむところだよ。CSはじまったらたたかうことになるだろうから、そのときはよろしくね」
やがてCSがはじまり、ジョラゴンくんはミッツァイルくんとたたかうことになりました。
ですが、ジョラゴンくんはビックリしました。なんとミッツァイルくんのGRゾーンから、ぜんのうくんが出てきたのです!
「ミッツァイルくん、どうしてキミがぜんのうくんを……?」
「だってジョラゴンくん、キミの友だちはぼくの友だちだよ? ほら、これも、このカードも」
そういってミッツァイルくんは、GRゾーンからつぎつぎとジョーカーズを出してきました。
ジョラゴンくんも負けじとブーストを決め、ソーナンデスを召かんします。
ですが、攻げきを命じたのに、ソーナンデスくんは動きません。
「どうしたんだい? ソーナンデスくん」
「いやだって、向こうの場にぜんのうくんがいるからうごけなくて……」
「あっ」
なんとジョラゴンくんたちは、ぜんのうくんの力でみうごきがとれません。
泣く泣くターンをかえしましたが、ジョラゴンくんの場にはぜんのうくんがいます。これでまだだいじょうぶ、と思っていたところ、ぜんのうくんはバイナラシャッターでかんたんに飛んでいきました。
ジョラゴンくんは負けてしまいました。
なんかいやっても、ジョラゴンくんはミッツァイルくんに勝てませんでした。あるときは(ジョラゴンくんからパクった)プロジューサーから出てきたぜんのうくんが、あるときは(やはりジョラゴンくんからパクった)かんべえから出てきたぜんのうくんが、ジョラゴンくんの攻げきを全て止めてしまいます。
いっぽうでジョラゴンくんのぜんのうくんは、ミッツァイルくんのついでに出てきたオコラッタやバイナラシャッターでかんたんに飛んでいきます。
「そんな……ぜんのうくん……どうして……」
けっきょく、ジョラゴンくんのたいせつな友だちになるはずだったぜんのうくんは、ジョラゴンくんを一番くるしめるカードになってしまいました。
こうしてジョラゴンはミッツァイルの強大な力に対抗するため、理性を吹き飛ばして本能の力を解放することを選択したのでした。
おしまい
(作者は頑張るジョラゴンくんを応援しています)