超大物が来たな……。
ファビュラス一番ドリップ
今回のSRは十王篇2弾「爆皇×爆誕 ダイナボルト!!!」より、《ファビュラス一番ドリップ》になります。
イラストを描いていらっしゃるのはnablange(ナブランジャ)さんで、《連鎖類超連鎖目 チェインレックス》や《味頭領ドン・グリル》、《若き大長老 アプル》などのイラストを担当しています。
- バズレンダ [cc03] [OL]カードを5枚引く。
- T・ブレイカー
- このクリーチャーの[OL]能力を使った時、それがこのターン中3回目なら、自分のマナゾーンのカードをすべてアンタップする。
- このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、かわりに自分の手札を5枚、山札に加えてシャッフルしてもよい。
- 自分の山札にカードがなくなっても、自分はゲームに負けない。
……。
…………。
……………???
えーーーと、このカードは……なんなんだろう。
いや、本当になんなんだろう……。
まず名前がよくわかりませんが、これはもう雰囲気なんでしょう。たぶん。何がファビュラスでなんの一番ドリップなのかわからないけど、これが合わさったとこによって何が表しているとか、なんというかこう、魂で感じ取るというか、ニュータイプでわかり合うというか、こう。うん。たぶん、
やっぱりこう、「居酒屋で作られたカード」って本当は存在していないと思いますけど、でも「居酒屋で付けられた名前」は正直あるんじゃないかな、って……。
とか思ってデュエマwikiを覗いて見たら、「一番ドリップ≒一番搾りで、イラストは一番搾りにも使われている架空の生き物である麒麟だよ」みたいなことが書かれていました。やっぱり居酒屋で付けた名前じゃね?
たぶん、仕事の後の一杯目のビールがめっちゃ美味かったんだと思う。「ああ、素晴らしい巴里歌劇団」と同じ。で、『一杯のコーヒーから』みたいなノリで搾りをドリップに変えたんじゃないかな。うん、もうそれでいいや。
で、名前の話はそこまでにして。
カード能力の話をすると、チームウェイブらしい大型かつ大胆な能力にはなっています。9コストで5枚ドローが出来ます。基本スペックは《サイバー・A・アイアンズ》ですね。
もちろん令和に《サイバー・A・アイアンズ》なんか出されても困るので、色々とテキストは盛られています。
このカードの最大の売りは、この「5ドロー」がバズレンダ能力となっていることでしょう。
バスレンダについては過去に記事にもしたことがありますが、要するにバスレンダで指定されたコストを払うことで、もう1回その効果を使えるというものです。ファビュラスで言えば、バズレンダのコストは3。要するに12コストで召喚すれば10枚ドローが可能ということになります。
ただ12コスト10ドローでも、別に評価は変わらないでしょう。
このファビュラスは、《コスパンダメソッド》や《水の魔術師マジックス》と同様に「バスレンダ能力をそのターン中にn回使えば」という、バスレンダの追加テキストも持っています。
そしてファビュラスはというと、計3回でマナゾーンを全アンタップというもの。つまり15マナを使えば15ドロー+マナアンタップが出来てる訳です。
ちなみにこの「5枚引く」は強制で5枚ドローです。バスレンダを3回使ったら、15枚ドローは強制です。
デュエル・マスターズのデッキは40枚で、初手5枚、シールド5枚から始まるので初期の山札は30枚。15マナ用意して15枚ドローしたら、山札は切れます。
当然これではカードにならないので、「山札が切れても、山札が切れたことで負けにはなりません」という能力も持っています。良かった。加えて、山札0の時に除去一発で即敗北にならないように、ちゃんと除去耐性もあります。良かった良かった。
というところでカードテキストの説明は終わるのですが、ここからが問題です。
その上で改めて思うのですが、「で、お前は何?」。
一応コイツのデザインとしては、たぶん「超大型ドロソで、15マナ払える状況なら好きに勝っていいよ」ということだと思うんですよ。
要は15枚ドロー=キーカードが山札の何処にいても引ける ということなので、それまでの引きとか運とかに左右されずに勝ってね、という。
でもそれってなんかこう、勝つために極めて遠く限りなく蛇足なことをしてないですかね……?
15マナもリソースを伸ばせる状況なら、大抵はそんなことしなくて勝てるんだよな。
あとこのコスト帯までいくと、本当にライバルが強い。
通常環境で見たときは、「マナアンタップと手札を調整」でいうなら《天地命動 バラギアラ // 輪廻暴氷》などが大きなライバルというか、「まぁだいたいこっちでよくない?」という話になります。序盤から中終盤まで、いつ引いても強いですからね。
- このクリーチャーが召喚によってバトルゾーンに出た時、自分のマナゾーンにあるカードをすべてアンタップする。
- 輪廻∞:このカードの呪文側を、バトルゾーンに置いたまま唱えてもよい(コストは支払う)。そうした時、バトルゾーンにある自分の《天地命動 バラギアラ》1体につき、自分の山札の上から1枚をマナゾーンに置く。
- T・ブレイカー
- 自分の山札の上から3枚を見る。その中から2枚を自分の手札に加え、残りの1枚を山札の一番下に置く。
また、9コスト帯のゲームエンドカードと言えば、お馴染み《水上第九院 シャコガイル》がいます。
- T・ブレイカー
- このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の墓地にあるカードをすべて山札に加え、シャッフルする。
- 相手のターンのはじめに、カードを5枚引き、その後、自分の手札を3枚捨てる。
- 自分の山札の最後の1枚を引く時、ゲームに負けるかわりに勝つ。
こちら使用感は全然別のカードです。が、好きなだけ山札引けるファビュラスとは一見相性のいいカードのように思えます。しかし実際のところはファビュラスの負けない効果がかかることで、「負けるかわりに勝つ」シャコガイルの効果は起動しません。そんな。
まぁ以前お話した通り、十王篇は少し事情が違うシリーズだと思っているので他のシリーズと比べて多少カードが弱いのは仕方ないかもしれません。
ですが、他のバスレンダ持ちと比較したときも「……?」となると話は別です。
例えば、《コスパンダメソッド》。
- バズレンダ [cc02](このクリーチャーのコストを支払う時、追加で [cc02]を好きな回数支払ってもよい。このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、その{OL} 能力を1回と、追加で [cc02]支払った回数、使う)
{OL}相手のクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻す。- W・ブレイカー
- このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、その{OL}能力を4回以上使った場合、このターンの後にもう一度自分のターンを行う。
こちらはバスレンダで相手クリーチャーをバウンスしますが、バスレンダの追加コストは2で、加えて4回使った時に追加ターン。要するに13マナで追加ターンです。
コスト2も少なくて追加ターン、相手のクリーチャーも弾ける、だいたいこっちでよくね……?
《コスパンダメソッド》だと相手のクリーチャー退かして追加ターン獲得から《ジョリー・ザ・ジョニー Joe》に繋げるっていう綺麗な2枚勝ちもありますからね。
- スピードアタッカー
- Q・ブレイカー
- このクリーチャーが召喚によってバトルゾーンに出た時、バトルゾーンに相手のクリーチャーがなければ、自分はゲームに勝つ。バトルゾーンに相手のクリーチャーがあれば、他のクリーチャーをすべて破壊する。
あとバスレンダ持ちだともう一体、《ロールモデルタイガー》という優秀なカードもありまして。
- バズレンダ [cc03] (このクリーチャーのコストを支払う時、追加で [cc03] を好きな回数支払ってもよい。このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、その{OL} 能力を1回と、追加で [cc03] 支払った回数、使う)
{OL} カードを1枚引き、その後、自分のマナゾーンにあるカードの枚数以下のコストを持つクリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出す。- マッハファイター
- T・ブレイカー
- 相手のクリーチャーが攻撃する時、可能ならこのクリーチャーを攻撃する。
《ドンジャングルS7》のような攻撃誘導を持っていて、それでいてマナの枚数以下のクリーチャーを踏み倒せます。しかも踏み倒しがバスレンダなので、12マナで2体踏み倒しが可能です。十王ブロックに限定しても《地封龍 ギャイア》とか《ブラキオ龍樹》とか、ゲームエンド級のカードをすんなりマナから繋げられます。
そして問題は、コイツらがファビュラスより少ないコストで勝ちに直結させていることです。
ファビュラスのバスレンダ、3じゃなきゃ駄目だったんですかね。《ロールモデルタイガー》と同じバスレンダ必要ですかね、その効果って。
このバスレンダが2だったら、13マナで全マナアンタップして、それこそ《コスパンダメソッド》や《ロールモデルタイガー》たちと相性が良くなって一緒に運用出来る芽もあるんですけど、許されなかったんですかね……?
結局15とかいう1人よくわからない領域のマナを要求してくるお陰で、名前で首を傾げるだけのカードになってしまったような気がします。
まぁ相性が良さそうなカードと言えば、強いて言うなら《恵みの大地ババン・バン・バン》のような16マナにすんなり到達出来るカードでしょうか。2倍マナは凄い。まぁそれでも《天地命動 バラギアラ // 輪廻暴氷》の方が……と思ったりすることもあるけど。
というわけで、今回はここまで。
次回の十王篇シリーズもよろしくお願いします。
それでは、また。
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