【がんばれ十王篇・番外編 その2】《不死の墓守 シヴァンリンネ》が活躍するまで

こんにちは。神結です。

 

十王篇のSRカードの紹介をする「がんばれ十王篇」シリーズ。

今回も?番外編ということで、見事に大出世を果たした《不死の墓守 シヴァンリンネ》の紹介をしたいと思います。



不死の墓守 シヴァンリンネ

というわけで、今回は《不死の墓守 シヴァンリンネ》です。

イラスト・テキストはこんな感じ。

  • W・ブレイカー
  • このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から4枚を墓地に置いてもよい。
  • このクリーチャーがバトルゾーンを離れた時、コスト4以下のクリーチャーをすべて、自分の墓地からバトルゾーンに出してもよい。
    フシギバース [dd12](自分のクリーチャーを1体タップしてマナゾーンに置き、[dd12]からそのクリーチャーのコストを引いた数のコストを支払って、このクリーチャーを自分の墓地から召喚してもよい。ただし、コストは[dd01]より少なくならない)

十王篇第2弾「爆皇×爆誕 ダイナボルト!!!」に収録されたSRです。

同期は《爆龍皇 ダイナボルト》の他、《キング・マニフェスト》に《「正義帝」》のキングマスターたちに《ブラキオ龍樹》や《水の魔術師マジックス》、《雷龍 ヴァリヴァリウス》といった面々。VR以下だと《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》とか《護天!銀河MAX》辺りが有名ですかね。

イラストの担当はIttokuさん。最初期からデュエマのイラストを描いていらっしゃる方です。

公式カード検索ではイラストレーターで検索が出来るので是非試してみて欲しいです。この方は、全ての悪魔神の父みたいな人です。

最近だと《ア:エヌ:マクア》とかも担当していらっしゃいますね。

ザ・十王篇 シヴァンリンネ

さて、肝心の能力の方について触れていきましょう。

テキストは4つほどありますが、大きく言えば2つ。自身がバトルゾーンを離れた時にコスト4以下のクリーチャーを全て出すというものと、フシギバース12というもの。

【デュエマ】キーワード能力解説 No.11「フシギバース」

「離れた時に」「全部出す」というのは、自然に使うのは難しいし自己完結はそうそうしないけど、成功すれば特大リターンという。まぁ十王篇らしい尖った能力です。

これは何度かこのシリーズで触れていますが、十王篇はデフレと限定戦を意識したシリーズであったと(私は)考えています。そのため、汎用性という観点から見ると必然的に基礎パワーは落ちます。

とはいえそればっかしていると売れないため、特定のシナジーによって輝いたり、或いは「なんかで使えそう感」を出す必要があると思うんですが、シヴァンは前者2割後者8割くらいですかね。結論、尖っているという話なんですが。

逆にデフレ弾でシンプルに使いやすく丸いものを目指すと、どうしても《驚言廻し コミックリリヰフ》みたいなのが生まれてきてしまいます。まぁそれはそれで必要なんですけどね。特に限定戦をやる上では。デッキに1~2枚くらい刺してもらう枠としての除去とか。

一応運用のイメージ的には、8コストを手で召喚すること(=マナ加速)と、墓地を大量に作っておくことは本来あまり両立しません。

ただしここは不死樹王国ということもあって、ほどよく互いを両立させて運用してくれ、という話だと思います。

で、《不死の墓守 シヴァンリンネ》は、大量展開のトリガーが「自身が離れた時」なので、シヴァンもフシギバースのタネにするよ、という前提のデザインでしょう。

加えて保険として、cipの4墓地肥やしがあります。このため、フシギバースの出し先がなくても、或いは展開したい4コストのクリーチャーを用意出来ていなくとも、自分で供給することは一応可能です。

 

またもう1つの運用として、墓地を大量につくって墓地軽減の掛かる《暴走龍 5000GT》のようなカードを経由し、シヴァンを着地される、というのもあると思います。後に使われるときは、こっちの運用になりました。

 

いずれにせよ、下準備の量は多めです。自分を出すための準備、自分をバトルゾーンから引っぺがすための準備、そして離れた時に出てくるクリーチャーたちの準備……。

尖ってる、と評する所以はここですね。手間が多い。

手間が多いとデッキにするのって難しいじゃないですか。カードにそれぞれの役割を持たせなきゃいけないし、その配分も難しいですからね。

 

ちなみに、当時の事前記事における、私の《不死の墓守 シヴァンリンネ》評価は以下の通り。

シヴァン、リンネにございます……。

(中略)

直ぐに思い付く限りでも《百発人形マグナム》と《黒神龍ザルバ》(《ラルド・ワースピーダ》)と《凶鬼34号 バッシュ》が出せますので、ループ致します……。即死ループです。もっと効率のよいルートも、あるかと思います。

ループのための下準備にどれだけ時間が掛かるか、という話にはなってしまいますが……。

それに破壊しないと起動しないため、もう一手間必要です……。場に《百発人形マグナム》がいればそれに越したことはないでしょうが……。

一応ジライヤ斎さんや鬼札王国さんで釣れるため、リンネを早出しすることはできます。墓地は増やしておきたいので、リアニ戦術とも噛み合います。ヨミジさんは、もういません。

蘇生対象の文明は選ばないので《奇天烈 シャッフ》さんたちも釣ることも可能です。

だからなんだって話にはなりますが……。

他に何かリンネに出来ることはあるでしょうか……。

大味なカード、使いづらいですよね……。

いま読み返して感じたのは、当時の自分の杜野凛世への解像度が思った以上に低かった、ということですかね。

星雲人との邂逅

ただ大味で尖っているというのは、将来性があるということです。

無難な奴や、平均的な奴には将来はありません。おだやかだったりがんばりやだったりするポケモンが使われないのと同じです。デュエマの世界も厳しいのです。

(※追記:おだやかは攻撃↓特防↑の優秀な性格でした)

つまり、シヴァンはドラフト下位のロマン枠みたいなものだったのです。即戦力にはならないけど、秘めたポテンシャルは感じるという人もいたでしょう。

それはつまり、ポテンシャルを生かせるようになったら大化けするということであり、開花したときの出力は凄いよ、という話でもあります。

 

というわけで、二軍で塩漬けされること約2年。《不死の墓守 シヴァンリンネ》に、転機が訪れます。

 

2022年夏、クロニクルデッキ『零龍』が発売。

それ自体はただの新デッキの発売なのですが、その中の新規カードとして《龍頭星雲人 / 零誕祭》が収録されていたことが、シヴァンの運命を変えます。

  • 自分の墓地にある水または闇のカード1枚につき、このクリーチャーの召喚コストを1少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。
  • このクリーチャーが出た時または攻撃する時、相手は自身の手札を2枚選んで捨てる。
  • T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3つブレイクする)

 

  •  S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
  • 自分のクリーチャーを1体破壊する。その後、相手のクリーチャーを1体破壊する。

フシギバース系のデッキに求められているのは、「中間地点となるカードを出した時に、ターンを貰えるかどうか」です。

フシギバースを使った代表的なデッキで言えば【グルメ墓地】になりますが、このデッキは《天幕船 ドンデンブタイ》のブロッカーがそもそも蓋になっていたり、デッキによっては《暴走龍 5000GT》召喚がかなり有効になったり、最悪《樹食の超人》がマッハファイター持ちだったり、そもそも4ターン目以降であれば中間地点でターンを返す必要がなかったりと、この点を上手く解決しています。

そして《龍頭星雲人》はその点で優れた経由地です。ハンデスというのが、時間稼ぎとしてわかりやすい。

一方で《龍頭星雲人 / 零誕祭》自体も欠点というか弱点はありまして、それが「別に《龍頭星雲人》が着地しただけではまだ全然勝っていない」というものでした。星雲人のビートで勝つプランはあったとしても、相手のデッキよっては有効でないことも多く、別途フィニッシャーを用意するはあったんですね。

というわけで、ここに互いの利害が一致。

そうして生まれたのが、【水闇シヴァンリンネ】でした。制作者は、flat-工房の動画ではちょくちょく出てくるむった

《龍頭星雲人》の軽減対象は水・闇の”カード”であるため、呪文の採用も難なく可能。ということで、高い効率で墓地を作ることが可能に。

更に《一なる部隊 イワシン》が1枚絡めば、4ターン目に《龍頭星雲人》が着地しました。イワシンの枚数次第で4ターン目に雲人×2なんていう状況も。

余談ですが、私はこの時に《一なる部隊 イワシン》がラインを超えてしまったと実感しました。複数絡んで嬉しいし、絡めば絡むほどデッキ圧縮出来るし、更にビッグアクションが明確に1ターン早くなるという。《絶望神サガ》がこの世になかったとしても、この時点で殿堂送りになっていたことでしょう。

話は戻りますが、こうして4ターン目に《龍頭星雲人》でマウントを取ってしまえば、後は簡単です。続くターンにフシギバースからの《不死の墓守 シヴァンリンネ》が着地し、更にその《龍頭星雲人》を《死積人形ブラッディ》のフシギバース元にすることで、墓地からコスト4以下がワラワラ登場。

最終的には《奇天烈 シャッフ》+《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》でワンショットする、というデッキコンセプトです。

ちなみに《不死の墓守 シヴァンリンネ》は《龍頭星雲人》だけでなく下面の《零誕祭》とも相性がよく、自分のシヴァンと相手のクリーチャーを同時に割ることが出来るんですよね。これでシヴァンの効果を起動させる訳です。

具体的には一旦シヴァンだけを突っ立たせておいて、相手の攻撃を《零誕祭》のトリガーで受け、シヴァンの展開で打点を止める……なんて芸当も出来る訳です。あと単純にメタクリ除去りながら展開も出来るんですよね。

この時の環境デッキと言えば、ちょうど【JO退化】や【バルカ退化】などが環境からいなくなり、【火単我我我】や【水闇自然ハンデス】などが活躍していた時代でした。

特にフシギバースなどを防ぐ《若き大長老 アプル》などは一見天敵に見えますが、コイツが出てきた場合は《龍頭星雲人》で殴り倒すプランがあります。本当に上手く補完し合ってるなと感心しますね。

嘘か真か? 水闇シヴァンリンネ

さて、【水闇シヴァンリンネ】一見豪快なコンボではありますが、リソースが増えるデッキでは無いため、回すのは結構繊細です。最終的に《ダムダム・ジョーカーズ》とかを抜いて《アクアン》や《ライク・ア・ローリング・ストーム》といったリソースカードを積んでいた記憶があります。

ともかく、墓地の枚数管理や数ターン先のプラン、或いはハンデスやメタカードとの付き合い方など、プレイヤーが管理しなければいけない項目が多く、その難易度もあってか、そこまで使用率は伸びきらなかったという事実があります。

その結果、何故か”嘘デッキ”呼ばわりされることに。

ちなみに世間?では【水闇シヴァンリンネ】【クローシステスタ】【火闇コンプレックス】がデュエマ三大嘘デッキらしいです。このうち2つ作ってるむったは逆に何者なんだよ。

ちなみにこれで勝ってた人(どんよく選手とか)は勝ちまくってたので、身内贔屓とか抜きにしても嘘ではないだろ、というのは私の感想です。

とはいえむったという男は、生まれながらにして復活の儀が達成して墓地が肥えたり、初めて喋った言葉が「アツトカーペンター」だったり、3キロ先で対戦してるプレイヤーの墓地の枚数がわかるくらいには墓地ソのオタクなので、そのレベルのスキルを一般プレイヤーが求められたらそりゃ無理でしょ、とはなるよね。(テスタはテスタでまたちょっと事情が違うから、これはいつかの機会にでも)

 

まー【水闇シヴァンリンネ】が嘘か真かは置いておくにしても、ともかく《不死の墓守 シヴァンリンネ》は環境で日の目を見るくらい大きな出世を果たしたのでした。なんか1枚2000円くらいまで値段も跳ねたし。

やはり尖っているということはチャンスがあるということです。

皆さんも今日明日使わないカードだったとしても、なんかに尖っていたり斜に構えてるカードを見たら、記憶の引き出しに入れておくことをオススメします。いつか、活躍する日が来るかもしれません。

 

というわけで、今回は《不死の墓守 シヴァンリンネ》の話でした。

がんばれ十王篇はまだまだ続きます。お楽しみに。

それでは、また。


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