【十王篇コラム】《百万面相トカゲ丸》だから2桁コストならちゃんと勝ってよ！

こんな奴でも、就活のときは「デッキに採用された際には副サークル長として、サークル長の手伝いをしながらサークルの活性化に尽力しておりました」とか喋ったりするんかな。

百万面相トカゲ丸
- ちゃんと勝ってよ！
- 意外な場所での大活躍
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百万面相トカゲ丸

こんにちは、神結です。

今回の十王篇SR紹介は《百万面相トカゲ丸》になります。

十王篇第4弾「百王×邪王鬼レヴォリューション!!!」に収録されたSRですね。

ちゃんと勝ってよ！

T・ブレイカー

自分のクリーチャーはすべて「スピードアタッカー」を得、アンタップしているクリーチャーを攻撃できる。

自分の他のクリーチャーが相手のクリーチャーとバトルする時、かわりにこのクリーチャーにバトルさせてもよい。

このクリーチャーがバトルに勝った時、相手のシールドを１つブレイクしてもよい。

コスト10、パワー16000で、自軍全体にSAと「アンタップしているクリーチャーを攻撃できる」効果を付与します。後者は一見マッハファイターなのですが、出たターンではなく永続なのでマッハファイターより強いです。

あとはバトルを代替したり、このクリーチャーがバトルに勝ったときにシールドをブレイクする効果があります。

……。

…………。

まぁ、種族・名前・イラストを隠されて「これは何篇のSRでしょうか？」って訊かれたら、とりあえず十王篇って答えそうですね……。

一応先に擁護から入っておくと、このカードは恐らくデザイン上《勝熱百覇モモキングReVo》からのキリフダッシュで出すことを想定している筈で、たぶん10コストを払ってくださいと言われている訳では無いと思うんですよね。

キリフダッシュ [fn08]（自分のクリーチャーの攻撃の終わりに、そのクリーチャーがその攻撃中にシールドをブレイクしていれば、このクリーチャーを [fn08]支払って召喚してもよい）

スピードアタッカー

W・ブレイカー

自分の手札にあるチーム切札すべてに「キリフダッシュ [fn02]」を与える。
キリフダReVo：このクリーチャーが「キリフダッシュ」能力によってバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から２枚をマナゾーンに置き、自分のマナゾーンから３枚まで手札に戻し、その後、自分のマナゾーンのカードをすべてアンタップする。

8コストは払えって言われてはいるんですけどね。

まぁそれは置いといて、仮に8マナあって1点入れてキリフダッシュで《勝熱百覇モモキングReVo》が召喚されて、キリフダReVoの効果で2ブースト3キャッチ全マナアンタップしたとしましょう。

当然モモキングReVoが攻撃して、これが通ればキリフダッシュを宣言出来るわけですが、何体か同時に出すことになるとしてわざわざトカゲ丸さんを使う事になるかと言えばそれはそれで謎です。

あとこの2点でトリガーを踏んだら死にます。

まぁこれは一見してReVoさんの責任という見方はありますが、素でキリフダッシュを持っていないトカゲ丸さんサイドにも大きな責任が生じています。

それこそ2ブロックとかだったとしても、ReVoが除去られても使えてフィニッシャーとしての性能に文句ない《勝熱英雄モモキング》とかで良くないですか、という話になります。

キリフダッシュ [fn06]（自分のクリーチャーの攻撃の終わりに、そのクリーチャーがその攻撃中にシールドをブレイクしていれば、このクリーチャーを [fn06] 支払って召喚してもよい）

スピードアタッカー

T・ブレイカー

各ターン、このクリーチャーがはじめて攻撃する時、その攻撃の後、このクリーチャーをアンタップする。

相手は、多色ではない呪文の効果、または、多色ではないクリーチャーの能力によって、このクリーチャーを選べない。

やっぱり二桁コストカードなんだから、自分自身でゲームを決めて欲しいんですよね。

あとトカゲ丸さんに関しては更なる問題があるんですが、まずこのカードを見て欲しいんですよね。

キリフダッシュ [fn05]（自分のクリーチャーの攻撃の終わりに、そのクリーチャーがその攻撃中にシールドをブレイクしていれば、このクリーチャーを[fn05]支払って召喚してもよい）

W・ブレイカー

自分の火のクリーチャーすべてに「スピードアタッカー」を与える。

自分の自然のクリーチャーすべてに「マッハファイター」を与える。

トカゲ丸先輩、嘘だよな……？　ちなみに《アーサー・ポンアタイム》は、最凶シリーズとして馴染み深いWドッキングパックのカードです。

もちろんちょっとずつ能力は違うので一概にどっちが強い弱いとは言えないのですが、だとしても自身でキリフダッシュ5を持っているなら、基本的にはこっちの方が腐らないですよね。

差別化出来そうな点で言えばシールドブレイク効果なんですけど、3点入った上で出てくる前提で、そこにある1ブレイクの効果ってだいぶ過剰だったりしません？　相手のシールド、少なくとも5枚じゃない気がする。（それで言うと、デュエパとかではちゃんと強い気がします）

あ、ここまでさも当然のようにキリフダッシュで使う話をしていますけど、《百万面相トカゲ丸》さん自身にはキリフダッシュはないです。あくまで《勝熱百覇モモキングReVo》と組み合わせる前提の話になっています。

まー……《勝熱百覇モモキングReVo》で殴って踏まなかったときにわちゃわちゃいっぱい出てきて、ソイツらを全員SAにしつつ、盤面まで取りながらブレイクするかを選べるとなると……まぁ、そこまで決まればそりゃ勝つけど。いや、それでも《アーサー・ポンアタイム》でいいような気がするな。

まぁ素で10コストのカードなんだから、ちゃんと自分自身で勝って欲しいんですよね。それがやっぱり二桁コストカードの責任ってやつですよ。勝ちを他人の効果に託さないで欲しいところです。

意外な場所での大活躍

そんなわけで十王篇SRらしい《百万面相トカゲ丸》ではありますが、実は意外な場所では現役で大活躍を見せています。それは何処でしょう？

……正解は、なんと「よくある質問」です！

この《百万面相トカゲ丸》さん、バトルとか効果付与とかが面白いので、よくある質問では基礎のルールの確認からあの厄介な《∞龍ゲンムエンペラー》絡みの裁定まで確認させてくれる優れものなのです。

折角なので、幾つか特徴的なものを見ていきましょう。

Q.自分と相手の《百万面相トカゲ丸》がバトルした場合、両方の《百万面相トカゲ丸》の「バトルに勝った時」がトリガーしますか？

A.いいえ、同じパワーでバトルした場合、どちらもバトルに負けます。
（総合ルール　115.3c）

(よくある質問より引用)

こちらはバトルの原理原則のルールを教えてくれます。一般的な「相打ち」は、両方バトルに負けた扱いになります。

総合ルールを読んでいて知ってれば一発なんですが、結構CSで訊かれることも多い質問の1つです。

Q.相手の「アバレチェーン」能力によって破壊されない《兵繰凄の鎖サイノ・ブサイ》に、自分の《百万面相トカゲ丸》が攻撃し、バトルに勝ちました。相手の《兵繰凄の鎖サイノ・ブサイ》は破壊されませんが《百万面相トカゲ丸》の「バトルに勝った時」の能力はトリガーしますか？

A.はい、バトルに勝っていますので、破壊されなくてもトリガーして効果を解決できます。
（総合ルール　115.3b）

(よくある質問より引用)

バトル後の処理に関わらず、バトルは行われその結果は生じます。スレイヤー相手にバトルした時なんかもそうですね。

Q.バトルゾーンに相手の《∞龍ゲンムエンペラー》と、自分の《百万面相トカゲ丸》、《ヤッタレマン》がいます。コスト5以下のクリーチャーの能力が無視されている状況ですが、《百万面相トカゲ丸》の「自分のクリーチャーはすべて「スピードアタッカー」を得、アンタップしているクリーチャーを攻撃できる。」という能力はどうなりますか？
類似例：《轟く革命レッドギラゾーン》

A.「スピードアタッカー」は《ヤッタレマン》が得ている能力なので、無視されます。「アンタップしているクリーチャーを攻撃できる」能力は《百万面相トカゲ丸》が発生源ですので、無視されません。
（総合ルール　110.1）

(よくある質問より引用)

《∞龍ゲンムエンペラー》絡みのややこしいルールですが、書いてある通りの結果になります。

ちなみに総合ルール110.1の記述は以下の通りです。

110.1. 能力とは、カードの持つ特性で、そのカードがゲームに影響を与えられるようにするものです。カードの能力はそのルール文章によって定義されます。能力は、ルールや効果によってカードに与えられることもありえます。(「持つ」「得る」と書かれている効果によって与えられます) 能力は効果を生み出します。

《百万面相トカゲ丸》さんのテキストが「自分のクリーチャーはすべて「スピードアタッカー」と「マッハファイター」を得る」だったら両方とも無視されるんですけど、テキストがそうはなっていないためにこういうことになります（類似例に《轟く革命レッドギラゾーン》があるのはそういうこと）。

近しい例で言えば、《侵攻する神秘ニガ=アブシューム》に「自分のドラゴンが破壊される時、墓地に置くかわりに自分のマナゾーンに置く」っていう能力があるんですけど、この場合の能力の発生源はアブシュームなので、ゲンム下でも《ボルシャック・栄光・ルピア》は破壊される時にマナゾーンにいけます。

ただこのテキストが「自分のすべてのドラゴンは『破壊される時、墓地に置くかわりに自分のマナゾーンに置く』を得る」みたいな書き方がされていれば、ゲンムに引っ掛かるようになる筈。恐らく。デュエマはこういう書き方しないですけどね。（Mtgのテキストはこういう書き方されている印象があります）

まぁあんまり難しい話してもあればなので、まとめるとカードというのは仮にそこまで強くなかったとしても、なんか特徴を持っていれば別な場所で活躍することも出来る、ということです。ね？　ね？

うん、なんか綺麗に収まったかな？

というわけで、今回はここまで。

次回の十王篇シリーズもよろしくお願いします。

それでは、また。