こんにちは、神結です。
今回は歴代最強デッキ選手権のSランクのラストになります。
紹介するのは”なんでもあり”のアドバンス環境を、1年間支配したデッキ。中国で付いた渾名は“絶望”。ごめんこれは嘘。
というわけで、アドバンスの王である【闇単XENARCH】の話になります。
目次
XENARCHの生涯
アドバンス環境の流れを把握している方もそれほど多くないでしょうから、今回はXENARCHの活躍の歴史を環境に沿いつつ紹介していきたいと思います。
XENARCH、鮮烈デビュー
《死神覇王 ブラックXENARCH》の登場は2024年6月22日に発売の王道篇第2弾「カイザー・オブ・ハイパードラゴン」。

- 各ターンの終わりに、このクリーチャーが自分の墓地にあり、自分のマナゾーンに闇のカードがあれば、自分のタップしているクリーチャーを3体破壊してもよい。そうしたら、このクリーチャーを自分の墓地から出す。
ブロッカー - W・ブレイカー
- 自分のクリーチャーが出た時または離れた時、相手は自身のクリーチャーを1体選び、破壊する。そうしなければ、相手は自身の手札を1枚選び、捨てる。
「各ターンの終わりに」「墓地から」「盤面のタップクリーチャーを3体破壊して」出せるカードです。
そして一度盤面に着地した後は、後続のクリーチャーを出していく毎に破壊を、相手のクリーチャーがいなければハンデスをしていくことが可能です。
更にアドバンスでは《零龍》との組み合わせによってより強力に。
特に《復活の儀》は《死神覇王 ブラックXENARCH》の着地を、《手札の儀》は《死神覇王 ブラックXENARCH》の効果起動を、《破壊の儀》は《死神覇王 ブラックXENARCH》の着地で達成される上に後続を確保するのに役立ち、更に《墓地の儀》を残すことでカウンターも可能になるということで、極めて相性のいいカードになっています。
そして発売日の時点で、現ゴールデンラビッツのRikky & kaisoraが【闇単XENARCH】を制作、投稿します。
リストはだいたい以下の感じ。

回し方としては、3ターン目に《死神覇王 ブラックXENARCH》を置き、その後クリーチャーをポイポイ投げて全ハンデスしながら、《零龍》卍誕カウンターを用意しつつ刻んで勝つというものです。1点殴る→終了時に《死神覇王 ブラックXENARCH》降臨を繰り返すことで詰めきります。
わかりやすく?説明するなら、楯に《卍・獄・殺》を仕込んで《追憶人形ラビリピト》+《卍月 ガ・リュザーク 卍》で詰めてるみたいな感じです。
もうハッキリ書いちゃった方がわかりやすいでしょう。このデッキ、《死神覇王 ブラックXENARCH》が着地する=勝ちです。
そして同弾で登場した《霊淵 アガルーム=プルーフ》や、お馴染み《DARK MATERIAL COMPLEX》、更に《緊縛の影バインド・シャドウ》と併せるとタップしたクリーチャーを3体用意することは比較的簡単で、3ターン目には《死神覇王 ブラックXENARCH》を着地させることができます。
ちなみに、最速は2ターンです。
例えば《DARK MATERIAL COMPLEX》、2ターン目に《緊縛の影バインド・シャドウ》+《堕魔 ザンバリー》で《死神覇王 ブラックXENARCH》を捨てると成立します。
2ターンは結構口デュエマな部分はありますが、3ターン目の《死神覇王 ブラックXENARCH》着地の組み合わせは非常に多いため、この再現性はかなり高いです。◆ドラちゃんの1人回しによる検証だと、3ターン《死神覇王 ブラックXENARCH》はだいたい8割成立するとのこと。個人的な体感としても、そんくらいだと思います。
2割の《死神覇王 ブラックXENARCH》が絡まないゲームでも、のらりくらりとゲームを進めて《DARK MATERIAL COMPLEX》のカウントを溜めて勝つ手段もあります。
そしてこのデッキは当時のアドバンス2トップであった【火水マジック】【巨大天門】いずれにも有利だったこともあって、環境は一気に【闇単XENARCH】を中心としたものに変わっていくことになりました。
【火水マジック】はブロッカーの壁を突破する前に《死神覇王 ブラックXENARCH》によってリソースを刈り取られますし、【巨大天門】も同様に展開前にハンデスを刺されるか、展開の返しに《死神覇王 ブラックXENARCH》着地して勝つんですよね。
ちなみに「《死神覇王 ブラックXENARCH》が5コストだったら【巨大天門】で勝てた」という話を前にアドフィク(みかづきさん)としたことがあるのですが、《死神覇王 ブラックXENARCH》が6コストであるがため、《∞龍 ゲンムエンペラー》すら突破できてしまいます。
さて、基本的に環境トップが入れ替われば、前環境デッキに抑えつけられていたデッキが台頭して、環境が回っていく……というのが普通なんですが、この時のアドバンス環境はそうはなりませんでした。
というのも、この時点で【闇単XENARCH】にちゃんと勝てるデッキが存在しませんでした。
数少ない対抗できるデッキとしては《「無月」の頂 $スザーク$》で一気にリソースを取れる【水闇卍夜】とか、【闇単XENARCH】の攻撃を楯増やしで対抗できる【逆アポロ】くらいなんですよね。
両方ともちょっと尖ったデッキで、更に【闇単XENARCH】に安定して勝つにはそれなりに構築制限もあった(【水闇卍夜】は多色である《凶鬼98号 ガシャゴン / 堕呪 ブラッドゥ》が欲しくて、【逆アポロ】は楯追加トリガーの枚数をちょっと甘えると貫通された)ため、環境的には「XENARCH一強」と言ってよかったと思います。TierGOD。
もちろん、【闇単XENARCH】対策をプレイヤーも考えますが、非常に高い壁がありました。
基本的に《復活の儀》を切られてしまうと、零龍卍誕まではほぼ確定します。ですので、しっかり勝つことを考えるにはまず《復活の儀》の対策をしなければいけません。しかし、《復活の儀》は割と2ターン目で切れちゃいます。速ければ1ターンでも出来ます。
ですので、それを防げるメタカードとなると、《とこしえの超人》くらいしかありません。

しかし【闇単XENARCH】は《とこしえの超人》だけ置いても勝てません。むしろ《無限皇帝の顕現》で相手の《とこしえの超人》を逆利用しながらマナを伸ばし(通称メンデルスゾーン)、6マナから《死神覇王 ブラックXENARCH》の素出しを狙ってきます。また、ウカウカしていると、《DARK MATERIAL COMPLEX》が動き出します。
ですので【闇単XENARCH】に勝つ条件としては、以下の2つを満たしていないといけません。
- 《とこしえの超人》を使える
- 《とこしえの超人》で貰った2~3ターンのうちに勝つことが出来る
この時点だと、これを満たしているのは【緑単オービーメイカー】くらい。

で、当時のオービー vs. XENARCHってどうだったっけ?って有識者(アドフィクと、お友達のあーるさん)にも確認しましたが、それでもせいぜい五分くらいとのこと。ただしXENARCHに勝てるデッキがなさすぎて、「五分も取れるなんてオービーはスゴイね!」みたいな話をしていた記憶もあります。
というのもオービーが性質上、手札を3ターン目に吐くためにキープしなきゃいけないのに対して、XENARCH側が《アイロン=バイロン》を引けていると《とこしえの超人》を割りながら《ビックリーノ》が蘇生して《復活の儀》が達成、これにてゲームエンドというわけです。
更に当時は【闇単XENARCH】以外にも旧環境デッキたちが残っていたんですよね。(そもそも、【闇単XENARCH】のCSでのシェア率がそこまで高くないという事情もある)
果たして【緑単オービーメイカー】で【火水マジック】にどうやって勝つんだという話になりますが、どうやっても《Napo獅子-Vi無粋》の下面や《歌舞音愛 ヒメカット》の下面の手打ちに対抗できる手段がないため、まぁつまりそういうことです。
XENARCH、ファンタジーBESTに遭遇
2024年7月~8月になると、オリジナル環境ではファンタジーBESTで新たに登場した【ファイアー・バード】が【火水マジック】を駆逐し、更に【火水マジック】【闇自然ジャガイスト】といったデッキたちにも殿堂が入ったことで、環境は変化していました。

そんなオリジナルの新王者である【ファイアー・バード】も、アドバンス環境では先3の《死神覇王 ブラックXENARCH》に対して無力である点や《DARK MATERIAL COMPLEX》への対処、頼みの《ポッピ・冠・ラッキー》も《墓地の儀》で処理できるということもあり、【闇単XENARCH】側がかなり有利でした。
アドバンスの世界では、あの【ファイアー・バード】ですら何も出来ずにボコボコにされるなんていう、信じがたいことが起こっていたのです。
そんなわけで8月中頃までは相も変わらず【闇単XENARCH】が最強だったのですが、ここでそれに挑戦する者が現れます。
同じくファンタジーBESTで登場した【ドリームメイト】です。

【ドリームメイト】は、先に紹介した【闇単XENARCH】に対して勝てる条件である
- 《とこしえの超人》を使える
- 《とこしえの超人》で貰った2~3ターンのうちに勝つことが出来る
の2つをしっかり満たしたデッキだったんですよね。加えて《料理犬のヴィヤンドゥ》の存在が盤面勝負でかなり活躍してくれることもあって、仮に《とこしえの超人》を引くのが遅れても勝てるケースがありました。
というわけで、環境的にはようやくここで【闇単XENARCH】に勝てるデッキが登場してきます。
ただ環境は環境で色々ごちゃごちゃになっていました。
まず、8月に「ドギラゴンの書」が発売されたことで、《王道の革命 ドギラゴン》を採用したドラゴンデッキが台頭。そしてこれをカモにできる【ファイアー・バード】も台頭。結果、【ファイアー・バード】に不利な【ドリームメイト】の序列は低下。
結果として、【闇単XENARCH】にとっては都合のいい環境が続きます。
そういうわけで【闇単XENARCH】の評価が落ちるわけもなく、秋のシーズンを迎えることになりました。
XENARCH vs 宿命のライバル
DMGP2024-2nd前の10月19日「天下夢双!!デュエキングDreaM 2024」が発売。
とにかくこのパックは歴代でもトップクラスに強いパックで、今やアドバンスの代表面している《夢双龍覇 モルトDREAM》などが収録されています。
しかし何よりこの記事で言及すべきことは、XENARCHの生涯となるライバルとなる《頂上混成 BAKUONSOOO8th》が登場したことでしょう。

これにより、XENARCH vs. BAKUONSOOOの戦いが幕を開けることになります。
以降、両者は互いを意識しながら、リスト・プレイを洗練させていくことになるのです。
さて、【闇単XENARCH】はDMGP2024-2ndの結果こそよくなかったものの、GP以降のCSではしっかり不安を払拭する活躍を披露します。
対ドラゴンや対BAKUONSOOOに対して強い【光水天門】が台頭してきましたが、これに対してはXENARCHが流石に有利だったのも大きかったですね。
一方のライバルで《頂上混成 BAKUONSOOO8th》ですが、GP後に徐々にリストも整い始め、《夜露死苦 キャロル》という《死神覇王 ブラックXENARCH》へのハンデスに対する回答や、《破壊の儀》を成立させない《強瀾怒闘 キューブリック》の採用、更に《龍素記号Xf クローチェ・フオーコ》などの採用もあり、この時点では「対XENARCH有利」をしっかり主張できるデッキとなっていました。

これに対してXENARCH側も、《頂上混成 BAKUONSOOO8th》への回答となる《逆転の影ガレック》を採用するケースも。

というわけで、GP以降のリストは、基本的にはこんな感じでした。

改めて言及するまでもないですが、当然Tier1を維持しています。
なお【モルトDREAM】との相性については議論がありますので、あまり踏み込まないことにします。が、少なくとも私は【闇単XENARCH】側が有利だと思っています。数々の3ターン《夢双龍覇 モルトDREAM》を食らってきたため、「負けるわけなくね?」とは口が裂けても言えないんですけどね。
XENARCH、《影邪盗霊》を獲得
次に大きな変化があったのは、12月に「悪魔神、復活」が発売されたことでしょう。
ここで【闇単XENARCH】は、非常に相性のいい《影邪盗霊》を獲得します。

盤面を寝かしながら墓地を肥やしつつメタクリを焼けるという、XENARCHのために作られたようなカードでした。
例えば《霊淵 アガルーム=プルーフ》→《ベル=ゲルエール》などでスタートし、3ターン目に2体を寝かせて《影邪盗霊》。これで憎き《とこしえの超人》を破壊しつつ、残る2マナで何かしらのクリーチャーを召喚して《霊淵 アガルーム=プルーフ》のハイパーモードを起動すれば、《死神覇王 ブラックXENARCH》の着地までいきます。
そう、遂に《とこしえの超人》を克服したんですよね。当時、これで【ドリームメイト】の評価が落ちました。
また《影邪盗霊》と相性がよくないことから、《DARK MATERIAL COMPLEX》を減らすというアプローチも試みられることになります。(これは《影邪盗霊》のコスト軽減に寄与できないという点もだが、COMPLEXにはメタクリーチャーを突破するという役割もあり、そこが被っているという考え方もあった)
そして《DARK MATERIAL COMPLEX》1枚リストを作成した墓地くんが優勝。

その後《DARK MATERIAL COMPLEX》が殿堂するのは皆様ご存じだと思いますが、実は《影邪盗霊》を獲得していた時点で【闇単XENARCH】的には《DARK MATERIAL COMPLEX》は必須カードではなくなっていたんですね。
ちなみに環境的な話をすると、この時は「悪魔神、復活」で《♪立ち上がる 悪魔に天使 堕ちるかな》が登場したことで、【マーシャルデリート】が大活躍をしていました。

ただこの相性は【闇単XENARCH】が有利でした。
《死神覇王 ブラックXENARCH》が盤面にいる状態で《オールデリート》を撃っても、最終的に《死神覇王 ブラックXENARCH》の効果で《伝説の禁断 ドキンダムX》が飛んでいくので、《♪立ち上がる 悪魔に天使 堕ちるかな》で6を宣言した上じゃないと通らないんですよね。
そして、《死神覇王 ブラックXENARCH》に対してそのような手札キープが許されるターンは、あってせいぜい1ターンということもあり、まぁそりゃ不利だなともなります。楯からの《アクア・スペルブルー》からの《オールデリート》についても、ターン終了時に《手札の儀》を切って零龍卍誕が成立し、やはり《伝説の禁断 ドキンダムX》がどっか飛んでいきます。
また相変わらず《頂上混成 BAKUONSOOO8th》とは激しい戦いを繰り広げていましたが、この時期になると【闇単XENARCH】側も、対【火水BAKUONSOOO】のプレイが確立しつつありました。
「先に展開して小型でポコポコ殴って《終止の時計 ザ・ミュート》を踏んでおく」「その上で《頂上混成 BAKUONSOOO8th》の攻撃は零龍卍誕で切り返す」といったプレイを徹底することで、ある程度の勝率を維持できるようになったのです。
逆に【火水BAKUONSOOO】側も、当初は枚数を妥協していた《夜露死苦 キャロル》について、4枚フル投入するケースが増えました。最終的に、4枚がテンプレとなっていきます。結果的にこうした構築になったことで、《強瀾怒闘 キューブリック》を複数枚強く使えるようにもなります。

XENARCHがBAKUONSOOOのポテンシャルを、BAKUONSOOOがXENARCHのポテンシャルをそれぞれ引き出していたのです。
というわけで、「XENARCH、BAKUONSOOO、マーシャル」の環境がしばらく続きました。
XENARCH、新殿堂後の環境へ
3月になると新殿堂が施行され、オリ・アド両方で弾けていた《マーシャル・クイーン》が殿堂。更に【ファイアー・バード】の主力であった《雷炎翔鎧バルピアレスク》も殿堂。あとは【水闇COMPLEX】などで活躍していた《DARK MATERIAL COMPLEX》も殿堂に。
【闇単XENARCH】的に《DARK MATERIAL COMPLEX》の殿堂がそこまで痛手でなかったのは先に説明しましたが、「COMPLEXが強い環境であればCOMPLEXを多めに取る」という選択肢は常にあったため、構築の幅が狭まったのは事実であり、まぁ弱体化ではあるでしょう。
ここからの環境は、かなり変化をし続けます。
まず環境的には【マーシャルデリート】が消えたことで【光水天門】が復権し、更に【火水BAKUONSOOO】に勝ちやすいメタクリーチャー軸+《金天使 エン・ゴルギーニ》という【火水光BAKUONSOOO】も活躍をみせます。

これらを経過を受けて、全国大会では【闇単XENARCH】【光水天門】【火水光BAKUONSOOO】のいずれにも強い【ドリームメイト】が台頭しました。
しかしその【ドリームメイト】や【水自然ジャイアント】のような《とこしえの超人》を使用するデッキは、4月に入ると《真気楼と誠偽感の決断》の登場によって大きなダメージを負い、環境からは姿を消すことに。

また【5cバロム】という、《魔令嬢バロメアレディ》+《悪魔世界ワルドバロム》を軸とした新たなデッキも登場します。
この動きは、【闇単XENARCH】にとっては歓迎すべき内容でした。
《真気楼と誠偽感の決断》があれど【光水天門】には相変わらず有利ではあり、そして【5cバロム】にも有利だったからです。

ただ、少し不穏な動きを見せていたのが【ファイアー・バード】でした。
以前の【ファイアー・バード】は【闇単XENARCH】にとってはおやつだったんですけど、《雷炎翔鎧バルピアレスク》の殿堂によって《凰翔竜機マーチ・ルピア》を複数採用したリストが登場することになり、XENARCHにとってはこの《凰翔竜機マーチ・ルピア》はちょっと面倒な相手でした。

別に対【ファイアー・バード】の相性は自体は依然として有利ではあったんですけど、勝率はやや低下しました。
とはいえ、この時期のXENARCHは環境的な不利はほぼおらず、かなり追い風でした。ライバルの【火水BAKUONSOOO】は【光水天門】に追いやられていたのです。
その流れで突入したDMGP2025-1stでは、【闇単XENARCH】は前回に比べるとかなり躍進したものの、もう少しのところでTOP8進出できず。「最強だったはずの【闇単XENARCH】が何故GPで勝てなかったのか?」みたいなテーマがちょっとXで話題になったりもしました。
個人的には、まぁ別に環境最強のデッキがTOP8に残らないことはそこまで珍しいことでもないので、そんなもんじゃね?といった感想を抱いていました。
XENARCH、最後の戦い
さて、GPも終わった6月、「邪神vs邪神Ⅱ ~ジャシン・イン・ザ・シェル~」が発売。
《魔誕導師ブラックルシファー》や《一音の妖精》、《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》に《BARUGA-雷座87》など、環境を変えるようなカードが多数登場しました。
その中で【闇単XENARCH】はというと、《エリー=エリザベス》を獲得。

相手の《メンデルスゾーン》や《Forbidden Sunrise ~禁断の夜明け~》といった上振れカードに干渉できるカードでもあり、採用されることになりました。

ちなみにアドフィクの説に依れば、この時期の【闇単XENARCH】は、最強レベルに立ち位置が良かった時期ということです。
その理由は、【火水BAKUONSOOO】の変化にありました。
別に【火水BAKUONSOOO】が弱くなったわけではありません。むしろ《一音の妖精》を引っ提げて、最強の姿となっていました。

この《一音の妖精》の登場によって、【火水BAKUONSOOO】は登場以来の課題であった【光水天門】を遂に克服するに至ります。
しかしそれはそれとして、BAKUONSOOOは最強になりすぎました。
最強には、最強の宿命があります。横綱が、横綱の相撲を求められるように。
具体的には、この時期のBAKUONSOOOは《終止の時計 ザ・ミュート》は採用していません。「とりあえず走って殴って、踏んでも楯で返す」というような戦い方は、最強のデッキの戦いではないからです。
代わりにゲームをコントロールできる《♪立ち上がる 悪魔に天使 堕ちるかな》が採用されていました。

この時期の【火水BAKUONSOOO】は、アグロミッドレンジコントロール。
これはある意味で、【火水BAKUONSOOO】の強さが【闇単XENARCH】に並んだことを意味しているのかもしれません。
しかしこうした変化というのは、逆に【闇単XENARCH】にとっては好都合だったのです。
上でも触れましたが、【闇単XENARCH】の対【火水BAKUONSOOO】は、《終止の時計 ザ・ミュート》を如何に先に踏むかにありました。しかしこのリストの変化によって、序盤の打点がそのまま素通りしやすくなり、XENARCH側の勝率が上がったのです。
ちなみに【闇単XENARCH】と【火水BAKUONSOOO】直接対決におけるキーカードは、《戦攻のシダン アカダシ》だったと言います。

理由は簡潔、1コストのブロッカーだからです。早期のビートダウンに対して、小型ブロッカーで受ける。歴代最強デッキレベル同士の戦いは、デュエマの基礎の基礎とも言えるやり取りで決着を付けていました。
他の環境デッキは、特に大きな変化はありませんでした。相変わらず有利なデッキが多かったこともあり、【闇単XENARCH】はこの夏を謳歌します。
《エリー=エリザベス》入りの【闇単XENARCH】は、中部のカフェオレオ選手を中心に、かなり勝ちました。
が、その日は突然やってきます。
長らく公式からも特に制限等がなかったアドバンス環境でしたが、遂に2025年8月に手が入ります。
その内容は、《死神覇王 ブラックXENARCH》の殿堂。
最後の最後までライバルだった《頂上混成 BAKUONSOOO8th》も一緒に。

いやー……。まぁ《死神覇王 ブラックXENARCH》は2ブロックでも使えるカードであったため、アドバンス環境以外の影響も懸念されていたとは思うんですが、まさか《頂上混成 BAKUONSOOO8th》と一緒に消えるとはね……。
「それBAKUONSOOO受かるの?」「そのデッキXENARCHに確負けじゃね?」でお馴染みだったアドハラコンビは、ここで解散に。
こうして2025年8月、約1年間続いた【闇単XENARCH】によるアドバンス環境の支配は終焉を迎えたのでした。
登場から1年間、結局Tier1から落ちることは一度もありませんでした。
XENARCH、実は簡単説
さて、よく話題になる「XENARCH難しい説」について触れておきましょう。
XENARCHがその強さの割りにオリジナルの【ファイアー・バード】や【マーシャルループ】ほどのシェアを得られなかった理由として、「XENARCHが難しかったから」という意見を聞くことがあります。
これ、本当なんですかね?
私も何度か難しい難しいって話は書いてきたと思うんですけど、最近はちょっと考え方が変わって(アドフィクに洗脳されて)、【闇単XENARCH】は比較的簡単なデッキだったのでは?と思うようになりました。
いや、完璧に回すのはそりゃ考えることは多いんですけど。
でもこのデッキ、というよりも《死神覇王 ブラックXENARCH》とリカバリー担当の《零龍》が強すぎて、多少のミスを許容してくれるんですよね。
そもそも《とこしえの超人》採用デッキのような特殊なケースはさておき、基本的には「引いた手札で3ターン《死神覇王 ブラックXENARCH》をする」だけで、だいたい勝つデッキです。《影邪盗霊》登場後は、《とこしえの超人》を後ろから捲るビジョンすら無くてもよくなりました。
それって別に、難しいことではないじゃないですか。《死神覇王 ブラックXENARCH》出してから、これを起点に地道なリソース合戦をするとかなら、難しいかなと思うんですけど。XENARCHが出た次のターンには、もう手札消し飛ばしてますからね。そんなにアドリブを求められることはありません。
ただ不注意とか処理順で損することは多いので、手癖を身体に叩き込むまでは多少時間を費やします。
《零龍》の儀の処理順とかを間違うと、かなり損します。そういう意味では、覚えた方がいいことは山ほどあります。
というわけで個人的な【闇単XENARCH】の使用感については、「覚えることが多くて面倒くさい」けど、「それはそれとして難しいデッキではない」という解釈をしています。
《零龍》は知識ゲーであり、そうした部分で敬遠された部分もあったのでしょう。逆に言えば、知識があれば回せます。
「本当に難しいのか、面倒くさいのか」については、今後のデッキ選択をする上で頭の片隅に置いておくべき概念なのかもしれません。
おわりに
というわけで、今回は【闇単XENARCH】でした。
登場から一度もTier1を譲らなかったことを鑑みて、アドバンス限定デッキながらもSランクというふうに設定させていただきました。
ちなみに「アドハラ」はぶっちゃけ宴会ジョークなんですが、XENARCHハラスメントは実在します。しかも指導がやたら体育会系です。
初めて【闇単XENARCH】の強さを知ったとき、結構絶望していました。これに勝てるビジョンが思い浮かばなかったからです。
2024年7月、アドフィクと「今月の目標はXENARCHと戦えるデッキを探すことだね」って話をして、ゴスペルとかドラガンザークとか色々考えたんですよ。全部ダメでした。【ドリームメイト】のリストの整備と活躍を待つことになりました。
本当に《頂上混成 BAKUONSOOO8th》がいてくれて良かったと思っています。以降のアドバンス環境は、かなり楽しく遊べました。
今後そういった絶望の瞬間を味わう機会があるかは不明ですが、願わくば楽しいアドバンス環境が続けばいいなと思っています。
ちなみに今はちょっと【モルトVERSUS】にウンザリしています。新弾に期待。
というわけで、今回はここまで。
それでは、また。
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