世は今まさにGP真っただ中!!!
今回の週メタはカバレージ席よりお届けしております。……2週ぶりの更新が何でこんなタイミングなんだ、という話ではあるんですが。色々間に合わなくて本当にすみません。
その分GP直前までの結果を含んだ新鮮な情報をお届けしたいと思います! 生配信のお供にもピッタリな9月第2週。メタゲームウォッチング、スタートです!
結果総まとめ
先週から今週(2023/10/7〜10/13)にかけての、CS結果は以下の通り。
(※データはDMPランキングに掲載されている公認CSの運営Twitter等を元に独自に集計したものとなっております。詳細な大会結果を確認できなかったCSについては集計の対象となっていないこと、その他抜け・漏れがある可能性がありますことをご了承ください)
圧倒的【アナカラージャオウガ】環境はまだまだ収まらず。
このデッキの強さはもはや改めて語るまでもないでしょう。2マナブースト→《キユリのASMラジオ》のブン回りは莫大なアドバンテージを生み出し、3ターン目までに一度でもブーストを挟んで5マナ揃っていれば4ターン目にはブースト→《母なる星域》から《CRYMAX ジャオウガ》が着地するスピード感。
《ボン・キゴマイム》によるスピードアタッカーロックと8枚のトリガー、《アーテル・ゴルギーニ》の盤面制圧力で生半可なビートダウンはものともせず、《同期の妖精》や《アーテル・ゴルギーニ》で《とこしえの超人》を添えれば墓地・マナからの踏み倒しを封殺して詰め切れるためフィニッシュ力も十分の、まさに「王者」に相応しい貫禄を有するミッドレンジデッキ。
アナカラージャオウガに対して悪くない相性を維持しつつ速度とパワフルさで他のデッキに対する勝率を一定以上確保している【青赤マジック】、【アナカラージャオウガ】はやや厳しいもののそれ以外のデッキに対して圧倒的な制圧力を発揮する【黒緑アビス】の「魔覇革命」を代表する2デッキがそれに追随。
その下には【魔導具】系の2デッキ、【アポロヌス】といった歴戦の面々が顔を並べます。
特筆すべきは【魔導具】系デッキの【青魔導具】と【青黒ヴォゲンム】のデッキリストに変化があったことでしょうか。
【青魔道具】は《好詠音愛 クロカミ》の採用でデッキパワーの大幅な底上げに成功。
《卍 新世壊 卍》とのセット運用での上ブレ要員・《卍 新世壊 卍》を引けていなかったり、出せてもエレメント・カード除去で対応されてしまった際の《「無月」の頂 $スザーク$》開門補助要員のどちらとしても強く、魔導具呪文や《神の試練》のコストが引き下がるため無限Exターンフィニッシュの要求値も低下。
ジャストダイバーでほぼ確実に1ターン生き残って軽量呪文連打で相手の盤面を止め続けて1枚でリーサルを組めないデッキに対して絶えず圧力を掛け続けます。
環境トップの【アナカラージャオウガ】には召喚酔いしない打点が《CRYMAX ジャオウガ》しかいないため、魔導具呪文さえ足りればほぼ確実に返しのリーサルがない状況を作り出せます。
ただし、《同期の妖精》に能力を全て吸われてしまう点には要注意。逆に、【アナカラージャオウガ】側からすれば《同期の妖精》+多面展開を作るのがひとつの到達点になりうるでしょう。
環境にエレメント除去がやや減ってきているのも手伝って、【青魔導具】の立ち位置は大幅に改善しています。
【青黒ヴォゲンム】はフリースロットの多さを活かして環境のトレンド・《飛翔龍 5000VT》を運用しやすい点が最大の強み。
山札回転率が高いため2枚程度の少数採用でも引き込みやすく、対【アナカラージャオウガ】においては言うまでもなくキーカードとして機能します。
受け札の枚数を確保しやすいため、特に【青赤マジック】との相性は【青魔導具】と比べて良好。
ただし、あくまで浮動枠に環境に適したカードを入れやすくなっただけの話。ベースのデッキパワーの高さで補えているものの、《飛翔龍 5000VT》自体は環境上「入れさせられている」カードであることには留意しておくべきでしょう。
これら【魔導具】系デッキに共通するのが、《飛翔龍 5000VT》・《ボン・キゴマイム》という環境を定義する2大メタカードの影響をほぼ受けずに自分の動きを完遂できる点。最上位デッキには五分ないしやや不利な立ち位置ではあるものの、そこから外れたデッキほぼ全てに強い、というのは特筆すべき強みでしょう。
そのすぐ下には、しばらく環境的に立ち位置の悪かった【5cザーディクリカ】の姿が。
現在のトレンドは《飛翔龍 5000VT》と《聖魔連結王 ドルファディロム》の多投。《飛翔龍 5000VT》は今回の記事のなかで何度も言及のあったとおり環境のキーカードのひとつですが、《聖魔連結王 ドルファディロム》も現環境におけるひとつの最適解でしょう。
全体除去と単色呪文ロックのどちらも現環境にブッ刺さっており、このカードが出てくるだけでゲームが終わってしまうデッキも少なくありません。【青赤マジック】などはその代表格。
重量級面処理+ロッククリーチャーが主体となっている以上、デッキの鍵を握るのはコスト8蘇生呪文と墓地肥やし手段。《天災 デドダム》のトップ3枚ではどうしても不安定なため、マナから選んで墓地を肥やしながらマナを伸ばせる単色のG・ストライクと至れり尽くせりの《オ:ドユニワ/喰土邪覇》に人気が集まっているのも納得です。
マナが伸びるデッキに採用された《飛翔龍 5000VT》は盤面のクリーチャーが少なくとも飛んでくるため、そうでないデッキの《飛翔龍 5000VT》と比べプレイングでのケアが困難です。デッキと《飛翔龍 5000VT》との親和性で言えば、【アナカラージャオウガ】や【青赤マジック】とも引けを取らないでしょう。
メインギミックに相手の《飛翔龍 5000VT》や《ボン・キゴマイム》の影響がそれほどないのもこのデッキの評価点。全体的に環境に求められる要素との噛み合いが良く、速度やシールド依存の受けに不安があるものの、一定以上の活躍を見せています。
唯一の懸念点は、急激に立ち位置を上げた【青魔導具】との相性の悪さでしょうか。今週は【青魔導具】・【青黒ヴォゲンム】ともに人気を博しそうなこともあり、ややポジションが悪くなりそうです。
下位デッキで気になるのは【ガイアッシュ覇道】の急激な増加。
《バイケンの海幻》+《五番龍 レイクポーチャー ParZero》のパッケージに加えて、【アナカラージャオウガ】の布陣を軽く咎められる《「必然」の頂 リュウセイ/「オレの勝利だオフコース!」》を採用しています。
そもそも《流星のガイアッシュ・カイザー》というカードが現在の環境で使いやすく、一気に注目度の高まっているデッキのひとつです。
続く 【キリコグラスパー】も《流星のガイアッシュ・カイザー》・《飛翔龍 5000VT》といった環境内で強力なカードを無理なく採用できるデッキとして意外と悪くない位置に付けています。
総括すれば、上位10デッキのうち実に6デッキが《飛翔龍 5000VT》や《オレの勝利だオフコース!》を採用する極めて偏った環境。環境最初期は新デッキの速度に押されて苦戦していたやや遅めのデッキたちも、逆にこのカードを採用することで環境内で一定のポジションを確保できているのは歪ながら面白いところです。
《ボン・キゴマイム》も非常に環境に適した強力なカードではあるのですが、いかんせん即座に盤面に与える影響力は低く、「コスト3・1打点のクリーチャー」という取り回しの悪さから入るデッキはやや選んでしまいます。雑に投げて雑に相手の盤面を消し飛ばせる《飛翔龍 5000VT》はえらい。
そして、ここまで効果的なカードが跋扈してなお環境最上位を譲る気配のない【アナカラージャオウガ】というデッキの骨太さはやはり本物だと言わざるをえないでしょう。「魔覇革命」環境における「結論」に相応しい存在だと感じます。
メタゲーム予報
環境末期ということもあってか、【5cザーディクリカ】や【サムライ】までの上位7〜8デッキは固定化してきた印象。それぞれにバリエーションも豊かで、環境の牙城を崩すような新デッキは「デュエキングMAX2023」のリリースまでお預けになりそうです。
環境の中心は《飛翔龍 5000VT》、《ボン・キゴマイム》の2体のメタカード。上位2デッキの【アナカラージャオウガ】・【青赤マジック】の両方に有効なカードでありながら雑多なデッキにも有効で、なおかつこれら2つのデッキはどちらもこの2枚を有効に使える2トップであることが環境の固定化に拍車を掛けている印象。
とはいえそんな中でも上位陣の構築は日々洗練されており、特に《好詠音愛 クロカミ》の加入でデッキが一段階進化した【青魔導具】は今週の注目デッキのひとつでしょう。
ジャストダイバーで確実に1ターン生き残りつつ呪文のコスト軽減で2マナ魔導具の連打と盤面の封殺を一手にこなします。
エレメント除去やカード除去が減っていた環境傾向とも噛み合っていましたが、《ボン・キゴマイム》の流行もあって《Napo獅子-Vi無粋/♪オレの歌 聞けよ聞かなきゃ 殴り合い》の採用枚数が減っていた 【青赤マジック】も《AQsabbath/♪このギター グシャっとすれば グシャっとなる》の採用で非クリーチャーエレメントと《ボン・キゴマイム》の対処を両立していたりと、上位デッキの中で細かくメタが回っている印象。
総じて、今週は大枠として環境の形は変わらない予想。細部では《好詠音愛 クロカミ》型【青魔導具】の躍進と、それを受けた各デッキのエレメント除去採用事情に注目したいところですね。
やや下位寄りのデッキで個人的に気になるのは、【アナカラージャオウガ】が《CRYMAX ジャオウガ》攻撃時のランダムハンデスでしかケアできない手札からの踏み倒しを活用した受けギミックの使い手。具体的には【ヘブンズ・ゲート】系のデッキの存在です。
現在の上位デッキに採用されうる踏み倒しメタは《とこしえの超人》やせいぜい《若き大長老 アプル》ぐらいしかおらず、手札からの踏み倒しにかなり寛容な現在のオリジナル環境。
現時点でも悪くないと感じますが、《支配の精霊 ペルフェクト/ギャラクシー・チャージャー》の加入が予告されている次週以降の活躍には特に期待したいですね。
今週のメタゲームウォッチングはここまでとなります。それでは皆さま、また次回!
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