yk800の新・週刊! メタゲーム・ウォッチング vol.2【23.05.05】

 どうも、レッドことyk800です。

 年末年始やゴールデン・ウィークといった大型連休はまさにCS日和。流れてくる大会結果の奔流に圧倒される日々です。個人的には世間がお休みのタイミングこそ忙しいのでなかなか大変ですが……。データとしては充実してくれそうなので、来週の集計は怖さ半分、楽しみ半分といったところですね。

 それでは連休真っただ中の5月第1週。メタゲーム・ウォッチング、スタートです!



結果総まとめ

 先週(2023/4/24〜4/30)のCS結果は以下の通り。

(※データはDMPランキングに掲載されている公認CSの運営Twitter等を元に独自に集計したものとなっております。詳細な大会結果を確認できなかったCSについては集計の対象となっていないこと、その他抜け・漏れがある可能性がありますことをご了承ください)

 【赤単我我我】・【サガループ】の牙城は強し。今週も先週に引き続いて1位・2位の座に君臨する結果となっています。

 環境で活躍する他のデッキは、たとえコントロールデッキでなかったとしても、そのほとんどが【赤単】・【サガ】には対応する側の立ち位置を取らざるをえません。現環境において、「攻め」の強さではこの2者に勝るものはいないと言ってしまってよいでしょう。

 この構造が強固なのは、《コダマダンス・チャージャー》型の【サガループ】がデッキとしてあまりにも堅牢すぎる部分が大いにあります。メタカードを駆使してくる相手に対してリソースを抱えながらマナ加速して1ターン内のて数を増やしてコンボに突入する姿は、かつての【アナカラー墓地退化】を思い起こさせます。「サガループ」ギミック自体のパワーが「墓地退化」よりも高いため、強さでいえばそれ以上。

 ただし、中速以降のデッキに対しては有効なこのチャージャーによるターンをズラす戦術も、《U・S・A・BRELLA》や《とこしえの超人》などを添えてループを止めながら高速でビートダウンしてくる相手にはあまり意味を為しません。

 なにせ《コダマダンス》型【サガ】の数少ない大きな弱点は、「防御手段を《「迷いはない、俺の為すことは決まった」》を起点としたカウンターループに依存しており、ここを止めながら6点作られると簡単に負けてしまう」こと。

 チャージャーも妨害手段もコンボ速度の向上には寄与せず、別軸の勝ち筋にもならないため、《超神星DOOM・ドラゲリオン》を着地させる前に防御を貫通されてしまうと基本的にまともにゲームができません。

 対【サガループ】性能に加えて、そもそものデッキの再現性の高さ、圧倒的火力によるその他のデッキへの突破力などを総合すると、このような詰め筋を取れるデッキの中では【赤単我我我ブランド】が群を抜いて強力でしょう。

 本来であればここで【赤単我我我ブランド】の増加を見て受けるデッキが伸びてくるのがお決まりのメタゲームの流れですが、ちょうどそこに対して【サガループ】が門番として立ちはだかるような格好になっており、受け主体のデッキが1位・2位を乗り越えるまでに至れないのが、ここ数週間のオリジナル環境の構造だと考えられます。

 以上のように、大枠としては典型的な2強環境の形を取る現在のオリジナル。そんな中でもこの両者に対して食い下がれるデッキとして、【5cザーディクリカ】・【ラッカ「正義星帝」】(【ラッカライオネル.Star】)は先週からさらに躍進する形となりました。

 どちらも非常に高いカウンター能力を持ちつつ、4ターン前後での押し付けムーブが強烈なデッキであることは先週ご紹介した通り。

 【赤単我我我ブランド】に対して、【5cザーディクリカ】はデッキの半数近くを占めるS・トリガーやG・ストライクでガッチリと受け止められ、【ラッカ「正義星帝」】は受けの安定こそ見込めないものの6〜7枚ある「ドボン」がシールドに埋まってさえくれればカウンターは容易。

 【サガループ】に対しては純然たる速度勝負で後塵を拝するものの、メタカードで少しズラしてビッグムーブを先に決めれば全く勝てないわけではありません。

 引き続き好調を維持している【青魔導具】についても今週は構築の変化が見られました。《ガル・ラガンザーク》殿堂後のトレンドであった《DG-パルテノン 〜龍の創り出される地〜》が不採用or減量され、かわりに《終末の時計 ザ・クロック》と《ゴゴゴ・Cho絶・ラッシュ》の受け札2種を採用する構築が数を伸ばしています。

 特に《終末の時計 ザ・クロック》は4枚×3人の12枚フルに採用した【青魔導具】3面チームがチームCSで優勝を飾るなど、先週のトレンドと言ってもいい採択。殴ってくる対面には何もなくとも40%強で拾える勝ち筋を用意しつつ、そのほかの対面にはコンボとしての強さで戦っていく形で現在のメタゲームに適合しています。

 《ゴゴゴ・Cho絶・ラッシュ》では最近の【赤単我我我】がデフォルトで採用している《U・S・A・BRELLA》が除去できず、横に味方が破壊されるとシールドブレイクをかましてくる《烈火大聖 ソンクン》まで添えられるとほとんど詰み。筆者も受け札を採用するなら《ザ・クロック》の方が現在のメタには向いていそうに思います。

 《クロック》を能動的に活用できる《凶鬼卍号 メラヴォルガル》や、《ガル・ラガンザーク》の裏の役割であった「トリガー魔導具から飛び出せるブロッカー」を補完できる《卍 ギ・ルーギリン 卍》などのドルスザクの採用数も合わせて増加中です。

 自然と《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》1発あたりの破壊力も高まっており、《「無月」の頂 $スザーク$》を採用しつつも、かつての「コンボデッキ」的側面が色濃い時期に回帰した構築が増えてきていることは意識しておくべきかもしれません。

 圧倒的強者である【赤単我我我】と【サガループ】、どちらかを意識すればもう片方へのガードが下がってしまう難儀なメタゲームを形成しているオリジナル。このジレンマを突破し、上位陣に風穴を開けるデッキは現れるのでしょうか……。



今週のトピックス

《終末の時計 ザ・クロック》

 非常に高い打点を誇る【赤単我我我ブランド】が幅を利かせる現環境において、確実に1ターンを稼いでくれる頼れるトリガークリーチャー。【ラッカ「正義星帝」】だけでなく先述した通り【青魔導具】にも採用例が増えはじめているため、今週のメタを代表する1枚として挙げさせていただきます。

 現在は純粋に相手のトリガーを封殺してケアしてくるほど時間的余裕のあるデッキが非常に少なく、除去耐性を持ったクリーチャーを絡めて過剰打点を押し付けるのがトリガーケアの基本。ターンスキップによる受けの通りが良い環境です。

 呪文トリガーは比較的《奇天烈 シャッフ》や《音響の精霊龍 ラフルル・ラブ》でロックされるのに対し、クリーチャートリガーは《時の法皇 ミラダンテⅫ》や《単騎連射 マグナム》などのごく限られたトリガーケア手段でしかケアされず、特に封殺されづらいのもミソ。

 現時点ではあまり確認できていませんが、最近では抜けがちだった【サガループ】への再起用も検討できるかも……?

 【ドロマー退化】や【青赤アポロヌス】といった、その他の《終末の時計 ザ・クロック》を使えるデッキ全般の動向にも注目したいですね。

《極智呪文 「ゼンブレイン」》

 半ばテンプレート化していた【5cザーディクリカ】の構築に一石を投じ、鮮烈なデビューを果たした《極智呪文 「ゼンブレイン」》。

 純然たるドローソースとして最低限の性能を持ちつつも、本領を発揮するのはS・トリガー・プラス。

 情報公開時から広く囁かれていたように「そのターン中にシールドが2つ以上ブレイクされていれば」という条件は非常に緩いものです。1ターンに1枚ずつしかシールドをブレイクしないデッキなどほとんど存在しないため、実質的には最初の1枚で踏み抜かれなければ発動してくれます。

 水のコスト6以下の呪文、《ブレイン・スラッシュ》や《ナウ・オア・ネバー》といった主要な踏み倒し呪文を手札から「選んで」使えるのが最大のポイント。【5cザーディクリカ】にありがちな「墓地に何もない時に蘇生札を踏んだり、手札に何もない時に《ナウ・オア・ネバー》を踏んだり」といったタイミングの噛み合いも、このカードを介して状況に応じた方を手札から唱える場合はある程度まで緩和可能。

 先に2ドローを挟んでから使う呪文を選べるため、踏んだ瞬間に持っていたカードよりも強い呪文を引き込める可能性もあり、受けトリガーとして非常に優秀な性能を持っています。

 マナ加速の自然・ハンデスの闇と明確に採用したい単色カードがある中で浮きがちな水文明単色を埋めてくれるのも嬉しく、手札に抱えておきたい《龍風混成 ザーディクリカ》や《ナウ・オア・ネバー》を2ターン目に埋めずとも《天災 デドダム》をよりプレイしやすくなります。

 やや防御に偏ったカードではあるため活躍できるかはメタゲーム次第な部分があるものの、カードとして多くの可能性を秘めているのは間違いありません。今後の研究に期待したいカードです。

メタゲーム予報

 【サガループ】との直接対決に有利を付けつつメタゲーム全体から意識されてなお最大勢力を保つ地力を持った【赤単我我我ブランド】と、メタ耐性が非常に高いコンボデッキで【赤単我我我ブランド】に強いデッキに対して強い【サガループ】。

 この2者を同時に攻略するのは非常にハードルが高く、対応できるデッキは【アナカラージャオウガ】や【青魔導具】、【5cザーディクリカ】や【ラッカ「正義星帝」】などごく一部。

 上位に居座れるデッキは非常に限られており、何か革新的なデッキテクが見つからない限りは、カードプールの変化があるまで現在の環境傾向は変わらず、現在環境上位を占める8デッキの中でメタゲームが変化していくと考えられます。

 先週は全体として【赤単我我我ブランド】へのマークが強いメタゲームが展開されたため、それを見越せば【赤単我我我】が減少して【サガループ】が増加するのが正着。

 あとは、そのもう一歩先を見据えて、防御的なデッキと【サガループ】のどちらにも戦えるデッキとして【アナカラーオービーメイカー】や《パルテノン》入り【青魔導具】を……というところまでメタが回るか否か、といったところでしょうか。

 個人的には《クロック》ピン投の枠を捻出した【サガループ】か、《パルテノン》入りの【青魔導具】を使いたいところですね。

 今週のメタゲーム・ウォッチングはここまでとなります。それでは皆さま、良い週末を!


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