yk800の新・週刊! メタゲーム・ウォッチング vol.1【23.04.27】

週刊メタゲーム・ウォッチング、復活‼︎

 …………というわけでデュエマ工房blogでは久方ぶりのお呼ばれとなりましたレッドことyk800です。ご存知なかった方はどうぞお見知り置きを。

 今回はまたまたご縁がありまして、以前連載していた「週刊! メタゲーム・ウォッチング」を再開する運びとなりました。最後の更新が2021年1月なので、まる2年以上が経っていました。時の流れは早い。

 その間にデュエル・マスターズのライティング事情にも色々と変化が起こっており、あの頃は誰もやっていなかったのでしゃーなし自分(と調整チーム)のために始めてついでだしブログに載せとこーと思って始めたCS結果集計でしたが、今や複数の方が様々なメディアで挙げる時代に。いい時代になったもんだなぁ……。

 ただ、これって逆に言えばデータを集めること自体の価値は相対的に薄れていることの裏返しでもありますので、どうにかただのデータではない「何か」を伝える記事をお届けできればな、と思っております。

 それでは最新弾「双竜戦記」も参入した4月第4週。メタゲーム・ウォッチング、スタートです!

(※サンプル母数によるデータの偏りを鑑みまして、現時点ではオリジナル環境のみに絞った記事となりますことをご了承ください)



結果総まとめ

というわけで先週(2023/4/17〜4/23)のCS結果は以下の通り。

(※データはDMPランキングに掲載されている公認CSの運営Twitter等を元に独自に集計したものとなっております。詳細な結果を発見できなかったCSについては集計の対象となっていないこと、その他抜け・漏れがある可能性がありますことをご了承ください)

 オリジナルのメタゲームは大混戦。無数のデッキが活躍する中でも、【赤単我我我ブランド】と【サガループ】という環境の2大巨頭が先週はワンツーフィニッシュを果たしました。

 

 【赤単我我我ブランド】は大別して《烈火大聖 ソンクン》型と《ボルシャック・フォース・ドラゴン》型の2つが活躍中。週の前半はほとんどが《ソンクン》型でしたが、週末に近付くにつれて《フォース》型が追い上げを見せる格好に。

 《ソンクン》型は4マナスピードアタッカー2打点として機能しつつも、継続的に面処理を行えるのが強み。ビートジョッキーシナジーで軽減やリソース補充を使った立ち回りが可能で、場合によっては5ターン以上の長期戦も戦い抜ける粘り強さも持ち合わせています。

 また、自分のクリーチャーが破壊された際に相手のシールドをブレイクできるため、《九番目の旧王》でアグロデッキを見ようとしているデッキに対してはリソース力の高さやパワーラインの高さも合わせて痛打を与えることができます。【アナカラー】系のデッキが多い環境ではこちらの方が良い選択肢だと言えるかもしれません。

 その一方で、コスト1のクリーチャーが8〜12枚ほどまで絞られているため《一番隊 チュチュリス》のコスト軽減が絡まなければ3ターンでの過剰打点を形成しづらいのが欠点。純粋に速度を重視したい環境では扱いづらいデッキタイプです。

 逆に《フォース》型は3ターン目に置きに行くアクションを有しているものの、「火のクリーチャーまたはタマシード4体」を達成したいこともあり、コスト1のクリーチャーをしっかりと14枚ほど採用して相手次第では序盤から攻めやすい形にまとめるのが一般的です。

 除去能力こそ単発ですが、《キャディ・ビートル》などの厄介なメタクリーチャーを粘り強く展開してくるデッキに対しても《フォース》自身が高火力のSA付与要員として機能するためさほど困りません。

 こちらはコスト1の軽量クリーチャーが多めに採用されていることもあり、コスト軽減を噛ませなくとも《“罰怒”ブランド》や《我我我ガイアール・ブランド》による3ターンリーサルプランを取りやすくなっています。

 【青魔導具】や【ラッカ「正義星帝」】のような4〜5ターンでコンボや超火力でゲームを畳もうとするデッキに対しては速度で押し切る必要があるため、対応範囲を広げつつもデッキの構造に負荷をかけない《ボルシャック・フォース・ドラゴン》が活躍しやすそうです。

 上位2デッキから下には【青魔導具】や【アナカラージ・ウォッチ】と錚々たる顔ぶれが並び、赤マル急上昇中の【5cザーディクリカ】と【ラッカ「正義星帝」】、ややポジションを落としつつある【4c邪王門】と続きます。

 【5cザーディクリカ】と【ラッカ「正義星帝」】はどちらもメタカードで遅延を挟みつつ、トリガーからクリーチャーが展開できるためカウンター性能に優れ、4ターン目以降に対面を問わず通る痛烈なアクションを叩きつけてゲームを決定できるデッキタイプ。

 個々のデッキ単位で苦手とするデッキはもちろんあるものの、「構造的に苦手とする戦略」はあまりなく、幅広いゲームレンジに対応できるデッキだと言えます。様々なデッキと戦わざるをえない現在のメタゲームにおいては活躍しやすいデッキだと考えられるでしょう。

 特に【ラッカ「正義星帝」】は《スロットンの心絵》を使って「手札からの踏み倒しを活用して」「相手のターン中に」「ロックされづらいタマシードを起点とした」カウンタームーブを押し付けられるため、シールドをブレイクして勝利する相手には常に裏目を押し付けることができます。

 【4c邪王門】は【赤単我我我ブランド】の隆盛だけを考えれば悪くない立ち位置に見えるものの、【サガループ】はもちろん、呪文ロックや《とこしえの超人》を添えたフィニッシュで《百鬼の邪王門》を機能させないデッキが環境上位に揃い踏みしているのが大きなネック。

 先に動こうにも、4〜5ターンで《鬼ヶ大王 ジャオウガ》と数枚の《百鬼の邪王門》だけで勝ち切るのはやや難しいため、どうしてもキルターンが数ターン後ろに寄ってしまいます。

 そもそも環境に増えたデッキを対策するためにメタカードに枠を割き、そのためにフィニッシュに活用する《音響の精霊龍 ラフルル・ラブ》が減り……と攻める動きがどんどん弱体化している【4c邪王門】。《生命と大地と轟破の決断》の上ブレがなくなったこともここに来て足を引っ張っている印象です。



今週のトピックス

 今週はせっかくの新弾発売週ということで、アビス・レボリューション第1弾「双竜戦記」のパーツを取り込んだ意欲的なデッキたちをピックアップ。

 メクレイドは現状のカードプールではやや出力が間に合っておらず、ギミック自体の強さは確かなもののあと一歩及ばない評価を受けています。そんな中でも、新カードを主軸としたデッキとして登場したのがオーバーレアを擁する【アーマード】と【ジャイアント】です

アーマード

 【アーマード】はGoA第1弾「伝説の邪神」から立て続けに収録された強力無比なボルシャックたちをアーマード・メクレイド5でサポートしていく、爆発的な展開が自慢のビートダウンデッキ。

 「双竜戦記」のSR・《ボルシャック・アークゼオス》は自分自身がコスト5のアーマードでありながら、出るだけでアーマード・メクレイド5を行える破格のスペック。アーマードがアーマードを呼び、一瞬にしてアーマードがバトルゾーンを埋め尽くします。

 同じく新弾に収録されたオーバーレアの《覇炎竜 ボルシャック・ライダー》は《クック・轟・ブルッチ》との相性が抜群で、3ターン目までにチャージャーや《アシスター・コッピ》を挟めば4ターン目にW・メクレイド。そこから出てきたドラゴンも《クック・轟・ブルッチ》で全員スピードアタッカーになるため、よほどのことがなければゲームが終わるだけの打点を一瞬にして展開できます。

 火力の高さでは環境上位陣にも引けを取らない【アーマード】ですが、相手の行動をロックしたり味方に除去耐性を付与したりといった手段がないため、ビートダウン対策として普遍的に採用される《B.F.F. モーメント》などの全体除去トリガーに為すすべもないのが最大の悩みのタネ。

 現状のプールでは《インフィニティ・ドラゴン》ぐらいしかこれらのカードをまともにケアできるカードがありません。もちろん採用候補ではあるのですが、【アーマード】にはコスト5以下にメクレイド8できるカードがほとんどないのも惜しいところ。もうあと一声あれば、と思わざるを得ないカードプールです。

ジャイアント

 もう1つのメクレイドデッキとして注目を集めているのが【ジャイアント】です。

 今弾では優秀な足回りがこれでもかと追加されており、特に2→4のジャンプアップに貢献できるジャイアントの充実ぶりは破格。通常弾ひとつになんと3種も収録されています。

 5マナでマッハファイターにメクレイド8、なぜかマナからジャイアントを召喚できる常在型能力も持つ《チアスカーレット アカネ》がこのデッキのエースカード。見た目と共に人気も高く、「双竜戦記」の通常カードの中では押しも押されもせぬトップレアに数えられます。

 攻撃時誘発ということでマッハファイターを加味しても相手のバトルゾーンにクリーチャーを要求されるのがやや苦しいですが、攻撃さえできればわずか5マナで8マナ域まで繋がる可能性があり、破壊力は抜群。コストとしてマナに送ったクリーチャーも自身の能力で簡単に再利用できるため、盤面を掌握する力は折り紙付きです。

 上からメクりたい重量級カードもなかなかの充実度。

 ボルシャックと対をなすもうひとつのオーバーレア、《首領竜 ゴルファンタジスタ》は攻撃で勝負を決めたいデッキにとっては見た目以上に厄介な壁。ワールド・ブレイカーによって遂行速度も速く、返しに対処札が用意されていなければ一瞬でゲームを決着させるスペックを持っています。

 マナからコスト8以下のジャイアントを踏み倒すトリガー呪文・《輝跡の大地》との相性も抜群に良く、ビートダウンデッキに対してもこれを踏ませてマナから《ゴルファンタジスタ》を出せばそのまま相手の攻撃をほぼストップさせて、返しのワールド・ブレイカーでゴリ押す展開を望めます。

 この呪文自体がジャイアント・スキル=ジャイアント・メクレイド8から踏み倒せることもあり、マナ加速・メクレイド・マナからの踏み倒しと展開のバリエーションが非常に豊富です。

 ジャイアント(・インセクト)は過去にも何度かフィーチャーされていたこともあって《とこしえの超人》や《キャディ・ビートル》などメタクリーチャーの選択肢も多く、《巨打設計図》や《雲の超人》のように雑に爆発的リソースを稼いでデッキパワーを底上げしてくれるカードも存在するなど、現時点でもかなりの構築自由度を誇ります。

 反面、カードプールが広いがゆえに選択肢が散らばっており、構築が難しい印象。そもそもゲームレンジが噛み合わない相手も多く、パワーは現時点でも十分に感じられるものの、現時点では惜しいデッキに止まっています。今後の開拓に期待。

 どちらも「山札の上から3枚を参照する」メクレイドギミックの複雑さもあってか最適な構築の発見にはまだまだ時間がかかりそう。今後、これらの種族デッキが環境を席巻する日は来るのか……。

メタゲーム予報

 先週グッとポジションを押し上げたデッキとして挙げたいのが、【ラッカ「正義星帝」】、【5cコントロール】、《フォース》型【赤単】の3者。

 特に【ラッカ「正義星帝」】は入賞数最上位の【赤単】を見て増加しそうな受け主体のデッキに対して非常に強い崩し性能を持っており、今週末はさらに猛威を振るうのではないかと予想されます。

 ビートダウンデッキに対しても3枚の《終末の時計 ザ・クロック》か4枚の《スロットンの心絵》、計7枚採用されたトリガーを踏ませれば十分に戦えるうえ、ドローソースとなる《T・T・T》が強いため再現性の面でも不安なしと、現時点では頭ひとつ抜けた強みを発揮できる印象です。

 逆に【ラッカ「正義星帝」】を意識するのであれば、実は一番に候補に挙がるのではないかと考えられるのが昔ながらのメタビート型【ラッカ鬼羅.Star】。

 【ラッカ「正義星帝」】は手札からの踏み倒しを基調としているため《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》がことのほか厳しく、爆発力が最大の武器であるため《ボン・キゴマイム》や《レク・シディア》、《その子供、可憐につき》のような「走らせない」クリーチャーで打点を制限されるのも不得手。

 【ラッカ鬼羅.Star】側も《単騎連射 マグナム》を添えないと安心して詰められないものの、要素としては噛み合っています。

 また、タマシードとクリーチャーの登場時能力を素早く封殺する【オービーメイカー】系のデッキも対策デッキとしては有力でしょう。

 直近で活躍していた【アナカラーオービーメイカー】はすでに実績も十分で活躍が見込めますが、新弾で強化されたジャイアントシナジーを組み込んだ【緑単オービーメイカー】も今後の動向に注目したいデッキのひとつですね。

 ただし、これらのデッキは《フォース》や《ソンクン》を取り入れて面処理性能を上げた【赤単】とはやや噛み合わせが悪いのが難しいところですね……。《フォース》型が頭角を現しはじめたこともあり、【赤単我我我ブランド】はまだまだマークが欠かせないデッキとなりそうです。

 今週のメタゲーム・ウォッチングはここまでとなります。それでは皆さま、良い週末を!


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