【デュエマ】キーワード能力解説 No.11「フシギバース」

こんにちは、神結です。



能力説明

  • W・ブレイカー
  • このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から4枚を表向きにする。そのうちの1枚をマナゾーンにタップして置き、残りを墓地に置く。
  • このクリーチャーが自分の手札からバトルゾーンに出た時、破壊する。
    フシギバース [dn07](自分のクリーチャーを1体タップしてマナゾーンに置き、 [dn07] からそのクリーチャーのコストを引いた数のコストを支払って、このクリーチャーを自分の墓地から召喚してもよい。ただし、コストは [dn02]より少なくならない)

さて、今回は「フシギバース」です。

こちらもお馴染み十王篇で登場した、不死樹王国のキーワード能力です。例として《ライマー・ドルイド》を出しておきます。このカードも書いてあること結構凄いんですよね。

 

その効果ですが、「自分の場にいるクリーチャーをマナに送って、墓地のこのクリーチャーを蘇生する」というものです。

ただしコストはあって、フシギバースnで指定された数字のコストを支払う必要があります。

……もっともこれは不死樹王国の罠で、実はこの数字は素材にしたクリーチャーをコスト分だけ、コストを軽減出来るんですよ。例えば6コストのクリーチャーをマナに送って《ライマー・ドルイド》をフシギバースしようとすると、支払うコストは1で済みます。(※追記:《ライマー・ドルイド》は多色なので2コスト払います。例えが悪かったです)

不死樹王国は闇自然カラーのテーマなので、フシギバースを繰り返してマナと墓地を伸ばしつつ、最終的には《大樹王 ギガンディダノス》や《ブラキオ龍樹》のような高コストカードへと繋いでいく……というデザインだったのだと思います。

 

フシギで済むのか……?

それは2020年の秋のことでした。

十王篇ののほほんとしたパワーのプールに突如《最終龍覇 グレンモルト》や《爆龍覇 ヒビキ》といった強力なドラグナーたちが追加され、やがて環境ではドラグナーが大暴れを始めます。

特に2ターン目に《ヘブンズ・フォース》からの《爆龍覇 ヒビキ》をされると返せるデッキはほぼ存在せず、そこから先は一方的な破壊と蹂躙が待っていました。

ちなみに当時のプレイヤーの証言は「《ヘブンズ・フォース》から《爆龍覇 ヒビキ》が出てきて《ニコル・ボーラス》が捲れるのは全然ゲーム続くし、《∞龍 ゲンムエンペラー》もいい。でも《最終龍覇 グレンモルト》が捲れるだけは本当に許せん」という。どんなカオス環境なんだ。

あまりにもな理不尽が横行していたわけですが、一方でその裏ではとあるプレイヤーの手によって「早期の零龍卍誕によって、ドラグナーの理不尽盤面すらも破壊出来てしまうデッキ」が、密かに開発されていました。(或いは「ドラグナーの理不尽に抗うには早期の零龍卍誕しかない」というアプローチだったかもしれません)

彼の名はななおなお。そして彼が生み出したデッキこそが、かの有名な【オカルトアンダケイン】だったのです。

  • W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする)
  • このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、コスト4以下のクリーチャーを1体、自分の墓地からバトルゾーンに出す。
    フシギバース [dd08](自分のクリーチャーを1体タップしてマナゾーンに置き、 [dd08] からそのクリーチャーのコストを引いた数のコストを支払って、このクリーチャーを自分の墓地から召喚してもよい。ただし、コストは [dd01]より少なくならない)

このデッキは《一なる部隊 イワシン》や《暗黒鎧 ダースシスK》などを絡めて早期に墓地肥やしを行い、《無限超邪 クロスファイア》から《不敵怪人アンダケイン》へのフシギバースを狙うというコンセプトになります。

これによって《追憶人形ラビリピト》による全ハンデスや《奇天烈 シャッフ》を絡めたビートプランなど、状況に合わせたプランを狙っていきます。

《腐敗勇騎ドルマークス》を《不敵怪人アンダケイン》で使い回すという構想自体は既に実在していたのですが、それを現実的に動くデッキの形にしたのは間違いないなくななおなおの実績と言っていいでしょう。

で、当時の人はやっぱり思ったわけです。

「いや、《不敵怪人アンダケイン》が1コストで出てくるのはおかしくね?」

《無限超邪 クロスファイア》を使うことで、何故かアンダケインは1コストで登場します。ちなみに別にクロスファイアじゃなくてダースシスKだったとしても3ターン目に3コストで場に出てきた悪さを働いてました。

やがてオカルトアンダケインは《フォール・クロウラー》などで全ランデス全ハンデスする災厄デッキへと順調に進化を遂げ、半年ほど暴れ散らかした後に規制を受けました。

これが環境上でフシギバースがやらかした、最初の出来事です。

 

やがて時は過ぎて王来篇となりますが、ここでもフシギバースは本領を発揮します。

ご存じ、【グルメ墓地ソース】です。こちらは早ければ4ターン目に《樹食の超人》から《暴走龍 5000GT》へと繋ぎ、そこから《ブラキオ龍樹》なり《大樹王 ギガンディダノス》が降臨するやべーことしているデッキでした。

そしてやっぱり、人々は思うわけです。

「いや、《巨大設計図》が8枚入ってるのも大概だけど、1~2コストでディダノスやブラキオが出てくるのはおかしくね?」

《暴走龍 5000GT》の着地はいいとしても、そこからなんか更に上位種になるのは変な話では? と首を傾げることになったわけです。

やがて【グルメ墓地ソース】は殿堂によってデッキの両翼をもぎ取られ、普通の墓地デッキへと変わっていきました。

 

……そして現在進行形で、《不死の墓守 シヴァンリンネ》が大活躍しております。

さすがに3回もやらかすのは能力のやりすぎでは? フシギバース、ちょっとダメなのでは?

 

ではこの効果、何が強かったんでしょうか?

個人的にパッと思い付くのはこの辺ですかね。

①墓地に落としたターンにすぐに効果を起動出来るため、墓地メタなどが基本的に利かない
②フシギバースの数字自体は元のコストよりも増えているけど、基本的にはすんごい極端に軽いコストで出てくる
③そもそも墓地というゾーンにカードを置く行為がかなり楽
④労力の割りにヤバい効果を持ってるクリーチャーが多い

まぁ①とか③はデュエマのゲーム的な部分だからともかくとして、②はなぁ……。3~4くらいのコストを払うとそこまでなんですけど、1はね。ゲームを壊すんですよね。軽減の掛け方については直感的でわかりやすさとしては良かったんですが、内容がどうもダメだったみたいですね。

この辺りは10個も能力を作った故の弊害でしょうか。精査する時間がなかったのかもしれないですね。

まぁそれでも「マナを伸ばす」とか「墓地を増やす」みたいな中間管理職的なクリーチャーだけならよかったのかもしれないですけど、「クリーチャーの出た時効果を使えない」とか「出たときに全ハンデスして、攻撃ロック」とかのゲームエンドカードが複数あったのもよくなかったんでしょうね。これが④です。

ちなみに《不敵怪人アンダケイン》くんは一見中間管理職っぽい見た目をしていますが、アイツ1コストで4コストのカード踏み倒してるんで、極端な話やってること自体は《ヘブンズ・フォース》よりヤバいのでダメです。

 

※追記

この記事を投稿した2/28現在、直近で暴れて回ったフシギバースはありません。《若き大長老 アプル》強すぎ~~~

まとめ

というわけでフシギバースでした。

この記事では毎回能力の点数を付けてるんですけど、まぁさすがに今回は10点満点でいいでしょ。

 

さて次回(?)も十王篇より、「マジボンバー」となります。お楽しみに。

それでは、また。

 


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