こんにちは、神結です。
レジェンドスーパーデッキ『蒼龍革命』が来週11/21より発売されます。
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その中で収録されるカードたちのフレーバーテキストがあまりに好きなので、今回はその解説をさせていただきたく思います。
このブログを読んでいる人の中にも「デュエマは好きだし環境も追ってるけど、競技的なシーンやプレイヤーの話はよくわからない」という方も多いと思いますので、是非これを機にそういった競技や最前線で活躍するプレイヤーの魅力を感じ取って欲しいですね。
蒼龍革命と全国大会2017
ドルマゲドンX、デ・スザーク、ドラグナー、ジョーカーズ、アウトレイジ、ドギラゴン剣といった最強を名乗るやつらが集結した。そこでは掟破りの「ドギラゴン剣同士の戦い」すらも行われる……「最強の伝説」を決める何でもありの戦いが、皆の知るクリーチャー世界と別のクリーチャー世界で開かれていたのだ!!
デュエルマスターズのメインの背景ストーリーとは違う世界線の話。
そこでは「最強の伝説」を決める戦いが開催されたとかなんとか……。
これは『全国大会2017』をモチーフとしています。
この全国大会は直前に多くのカードが殿堂制限を受けて行われた大会でもありました。
【モルトNEXT】からは《爆熱剣 バトライ刃》とのコンビ殿堂、【白緑メタリカ】からは《ベイB ジャック》がプレ殿、【青白ロージアダンテ】からは《真・龍覇 ヘブンズロージア》が殿堂……といったように、環境デッキは軒並み一掃されます。
【ドギラゴン剣】からもそれなりにカードが規制を受けましたが、《蒼き団長 ドギラゴン剣》本体は無傷。更には《“龍装”チュリス》を手にしたことで【赤青バスター】というデッキが考案され、全国大会前はこのデッキがもっぱら環境を支配することになりました。
このデッキは《“龍装”チュリス》+《勝利のアパッチ・ウララー》+《蒼き団長 ドギラゴン剣》による最速3キルのルートをチラつかせながら、相手の踏み倒しには《異端流し オニカマス》で対応します。
また《プラチナ・ワルスラS》を採用することで、手札を確保して長期戦も出来る構成となりました。
ターンは《異端流し オニカマス》で貰えるので、殿堂になった「単騎ラフルル」を掘り当ててフィニッシュすることも可能になっています。
「最強の伝説」を決める戦いで勝つためには、かつての敵とすら手を組むことになる。ドギラゴンは、プラチナ・ワルスラSの攻撃力と知力を買って、仲間へと招き入れた。
序盤は繊細に、そして終盤は豪快に。「蒼き守護神」の、その緻密にして勇猛な戦い方は伝説として語り継がれている。
そういうわけで【赤青バスター】の強さは揺るぎなく、全国大会2017においても同型戦が勃発します。結果的に、TOP4のうち3人がドギラゴン剣を使用していました。
世界中から集まった「最強」の2文字を求める軍団の戦い。そこで最後の4軍団に残ったのは、ミラダンテ率いる軍団と……ドギラゴン率いる3軍団だった。準決勝でミラダンテは脱落し、世界の最強を決める戦いは、同時に最強のドギラゴンを決める戦いとなった。
準決勝にて、【赤青バスター】を使うちゃそ(関東エリア代表)が【ドロマーロージアダンテ】を使う神衣(GP4th優勝)を撃破し、決勝進出を決めます。
一方もう一つの卓では、dotto(DMPランキング代表/現Card Rush Pros)とピカリ(関西エリア代表)が【赤青バスター】の同型戦をしていましたが、これは様子が少し違いました。
両者は全国大会に向けた調整を共同で行っており、そして【赤青バスター】の同型に於ける回答札に辿り着いていました。
《Dの牢閣 メメント守神宮》です。
本来【赤青バスター】の同型戦は互いの《異端流し オニカマス》を退かすことが出来ないため、《プラチナ・ワルスラS》による殴り合いになります。
シールドの枚数=寿命となるため、カマスを守りながら先にワルスラで殴るというゲームになっていたのですが……。
ところが《Dの牢閣 メメント守神宮》の存在によって、その前提は崩れることになります。
ブロッカー付与が単純にシールドを守れるようになって寿命を延ばしただけでなく、このカードをプレイすると相手の《異端流し オニカマス》をタップして除去することが出来るようになった訳ですね。
ドギラゴンがドギラゴンと戦って勝つ。そのために、選抜されたオニカマスだった。だが「メメント守神宮」からの祈りは、無敵のオニカマスすらも倒す力となったのだ。
こうして知を尽した果てに答えに辿りついた両者が、準決勝で出会うのは必然だったのかもしれません。
準決勝の壮絶な戦いはイヌ科(のちのGP9th優勝者)の手によってカバレージに……もとい、石板に刻まれることになります。
ちーっす!団長たちの伝説の戦い?は石板に刻まれ永遠に残されることになったッピ!ポンポンッ!
— チャラ・ルピア
デュエマのカバレージライターの中での業界用語に「石板に刻む」という言葉がある。
端的に言えば「いい試合だったから、いいカバレージ書けよ」くらいのニュアンスだ。
その始まりとなったのが、このマッチを対戦しているdottoが全国王者となった2017年の準決勝のカバレージだ。
ミラーマッチによる屈指の名勝負が書かれたカバレージ。これを見て奇行士こと塚本が「石板に刻んで残したい」と言ったのがすべてのはじまりである。
そして、このカバレージを書いたのが、イヌ科だ。
準決勝を制したdottoは、ちゃそとの決勝を迎えます。再び【赤青バスター】同型という《蒼き団長 ドギラゴン剣》の同士の戦いでした。
しかしこの時点で、デッキにはもう差が生じていたわけです。
掟破りの「ドギラゴン同士の戦い」。最強を知るものは、己を知る。伝説となったドギラゴンは、ドギラゴン同士の戦いに備え光文明と手を組んでいたのだった。
元来の【赤青バスター】に、《Dの牢閣 メメント守神宮》を除去する札は用意されていません。
そしてその差は、ゲームを決めるほど決定的なものであったことは言うまでもないでしょう。
積み上げて来た必然を最後まで遂行したdottoは、見事ちゃそを撃破し日本一に輝きます。
ゲームを決めたのはやはり《Dの牢閣 メメント守神宮》、そして最後の締めは《単騎連射 マグナム》でした。
ドギラゴン同士の最終決戦。そこで光の力を纏いし最強となった者が「蒼き守護神 ドギラゴン閃」として、伝説となった。
単騎連射 マグナムが最後に呼ばれ、逆転の手段を封じた。そして「蒼き守護神」が戦場に飛来した。その瞬間が、伝説の瞬間となった。
この大会で圧巻のプレイスキル、一切表情の読めないポーカーフェイスを見せたdottoは、後に“dotto神”や“魔王”などと呼称されるようになります。
“龍装”チュリスに先導され戦場に降り立つ蒼き団長。果敢に戦うその姿は「神」とも「魔王」とも呼ばれた。
決勝を記したカバレージには、次のように刻まれています。
dottoは、1枚1枚のカードが少しでも最高の働きをできるよう、1手1手でわずかでも価値を積み重ねていくだけで、それが勝ちにつながるだけのシンプルなプレイなのだ。だが、そのシンプルなプレイが普通はできないのだ。微差の優位に身を委ねるのが怖くて、人は3ターン目に《蒼き団長 ドギラゴン剣》をしたくなってしまう。
委ねられるに至るまで、どれだけの経験の積み重ねが必要なのだろうか。それを成し遂げた男こそ、王や神と呼ばれるにふさわしい。
そして、決勝戦を勝利したことで、1年間積み重ねてきたDMPランキングでも1位となった。誰もが認める2017年最強のプレイヤーだ。
神は細部に宿る。
そして、細部を制したものが王となる。
「神と呼ばれた龍」はメンバーの厳選を重ねた。神は細部に宿るのだ。
おわりに
以上は蒼龍革命のカードに記された言葉の解説になります。
私は競技シーンが好きです。プレイヤーが好きです。
デュエマという競技を愛し、第一線で活躍するプレイヤーたちの魅力を感じていく。
そしてまた自分たちも競技シーンに憧れ、のめり込んでいく……。
そんな人々がこれからも増え続けるために、注力していきたいと思っています。
戦士たちの戦いは進化し続け、新たな伝説を生み出していく。次の伝説の主となるのは……君かもしれない。