山梨Dynamite(山梨DM林間学校)レポート 後編 ~ちゃんとしたイベントレポート~

by 神結

【前編】→https://flatdmkobo.com/all/yamanasshidmreport_akun/

山梨出身の父は、ことあるごとに「富士山は山梨のもの」と断言していた。曰く、山梨側からみた富士山は欠けるところもなく(静岡側からみた富士山は確かに右側に隆起している箇所がある)美しい姿をしており、「静岡県民にはしょうがなく富士山の裏側を見せてあげている」とのことらしい。

普通に炎上しそうな言い草である。

そんなことを平然と言ってしまうような父が最近Twitterを始めたなどと知って、我が家では懸念の声が後を絶たないのだが、神結家の事情はともかくとして、実際のところ富士山を眺める機会といえば、圧倒的に東海道側からという人が多いだろう。遠征勢にとってみれば、山梨側から観る富士山は新鮮だった筈だ。

さて、会場となった富士緑の休暇村は河口湖畔にある保養施設である。場所によっては富士山をその目で眺めることも可能だ。この日は2つのサッカー少年団もこの施設を利用しており、グラウンドを眺めると少年たちが声を掛け合いながらボールを追っていた。

CSは「このイベントを楽しみたい」という人が多かったためか、勝っても負けてもワイワイ騒いでいて雰囲気は明るかった。進行自体も滞りなく、初日の結果は無難に赤青ジョーカーズミッツァイルが優勝している。まあ、強いからね。赤青ジョーカーズ。

しかしこのイベントの最大の楽しみはCS本戦ではなく、やっぱり夜だろう。食事会→露天風呂→懇親会と続くこの時間のために、我々は”CSにかこつけて”遙々山梨までやって来たのだ。

だからこそ、である。
ここから先の時間でこそ、我々はプレイングを試されているのだ。



食事会

同室のメンバーは8人。うち、過去の山梨イベントの経験者は初雪ハマチ、私。

まず予選が終わると、車を飛ばして買い物へと向かう。実は車で15分くらいのところに、マックスバリューがあるのだ。過去の経験が生きたシーンである。
もちろん確保するのは夜をDynamiteに過ごすための酒、お菓子、食事。途中ナゲキング(※)が、
「酒飲むなら氷がないと嫌だ」
「サングリアが飲みたい」
「飲むならドライフルーツが欲しい」
と王の名に相応しい発注をした以外は滞りなく、わずか8000円程度で確保に成功(ちなみに酒は足りなかった)。
そして会場に戻ると、準決勝まで見事に勝ち進んでいたえむつー(北海道より来場)に「じゃあ、頑張ってくれ。俺たち飯食ってくるから」と言い残して食事会へと向かった。

ここまでノーミスのプレイである。

さて、食事会はバイキング形式となっており、何をどれだけ食べても許される。ここからは団体戦ではなく、各々の個人戦が始まる。ある者は茶碗蒸しを大量に抱え、ある者は自分の盆をステーキ一色に染め上げ、ある者は一人でキャンプファイヤーをし、そしてある者は混ぜご飯をおかずにご飯を戴く、それでいい筈だった。実際、昨年の開催ではそれが可能だった。

だが今年は、簡単にはいかなった。刺客がいたのだ。

そう、無邪気で無垢なサッカー少年たちである。

実のところ、このサッカー少年たちは既に「風呂上がりの牛乳」を全滅させており(マイケルがすごいしょんぼりしていた)、次のターゲットをこの食事会場に定めた上で、満を持して乗り込んできたのだ(たぶん)。

部屋に籠もって紙をパチパチする陰の者と、グラウンドを駆け回る陽の者。本来出会うことのない、相対する存在。

少年とDMPたちの、熱い戦いが始まった。(などということはなく、みんな行儀良く並んでいました)

ちなみに揚げ物や焼きそば、サイコロステーキ、ジュースといった子どもにもDMPにも大人気の品々の前には長蛇の列が出来た一方で、逆にサラダなどの野菜やコーヒー、(恐らく子どもたちには危ないからストップがかかっていたと思われる)火を扱う鍋の前はガラガラという構図になってたりする。
茶碗蒸しはあーくんに無限回収され、復活したと思ったら今度はスプーンがなくなる……といったこともあり、この戦いが如何に厳しいものであるか、事実を突きつけられた人も多かっただろう。

恐らくこの日一番正しいプレイは「食事会場が開いた直後、子ども達来る前に乗り込み一通り満足した後、並んでいる人たちを眺めながらゆっくりコーヒーを飲む」だったのだろう。

来年の参考になれば幸いである。

※ナゲキング……群馬県のプレイヤー。一応本当のHNは白梟。2019年全国大会出場。CSに負けると嘆くこと、嘆きでメンタルをコントロールしていると噂されることから、「ナゲキング」と命名された。



懇親会


気付けば、一部屋に三卓並べられていた。
その部屋を覗くと、半裸でアクロバティックにデュエマをしていた。
続く部屋ではボードゲームが繰り広げられ、その傍らであーくんとしまむらが日本語以外の言語を叫びながらデュエマをしていた。

夕食が終わり、温泉に浸かった後は完全にフリーだった。大会場で懇親会に参加してもいいし、一方で各部屋で個別に懇親会をやっているところもあった。実際のところ、卓を四人で囲めば懇親することが出来る空間があり、私も懇親したけどトンだのであのゲームは二度とやらん。

他の階ではどうなっていたか不明だが、一階では各部屋が解放されそれぞれ「麻雀部屋」「ボードゲーム部屋」「デュエマ部屋」が作られていた。要はゲームセンターみたいになっていたのである。

なるほど、その手があったか。
各部屋毎に分業化するのは非常に効率的で、ある種快適なまちづくりの一環だとも言える。商店街に八百屋、パン屋、飲み屋があるように、山梨宿泊所には雀荘、デュエルスペース、ボードゲームカフェ(出している飲み物は赤霧島)があるというわけだ。

せっかくゲームセンター街があるのだから……と、私も各部屋を順々に訪問した。

最初に入った麻雀部屋では「あれ、この人きょうCS出てたっけ……?」と、会場で早々に敗退した人が抜群の存在感を放っていた。ちなみに第1試合からばっちり飛ばされたからあのゲームは二度とやらん。

続いてデュエマ部屋でSpirits Channelの面々と飛ぶ、跳ねる、走り出す等のなんでもありのアクロバティックデュエマを楽しんだ。これは本当に楽しんだけど、カメラワークの都合上動画に出来なそうなのが残念である。
あの人たちは面白いので、是非とも動画も観てください。彼らの面白さの20分の1くらいは伝わると思います。

【参考】彼らのチャンネルはこちら→ Spirits Channel

最後に流れ着いたボードゲーム部屋では、一人キャンプファイヤー男が持ってきた噂のボードゲーム『ito』をプレイした。
数字を直接言わずに物に例えることで数字の大小を察知し、これを小さい順番に出していくというゲームで、大人数でも遊べるのが特徴だ。

ゲーム中は次々と力強い言葉が並ぶので、一回遊んでみて欲しい。
プレイ動画も面白いので、是非観てね。

【参考】プレイ動画はこちら→ 最強の神ゲー「ito」で笑い過ぎた回。

こうしていくうちに夜は更けていった。
他の面々は起きてるけど明日もあるし早めに寝るかー、と寝たのは深夜の3時半くらい。

翌日は当然のようにボロボロに負けました。

でも宵のプレイングは、決して間違ってなかった。それは間違いない。

 

おわりに

帰りの電車でぼーっとイベントをおさらいしたが、やはり楽しい思い出しかなかった。行きの電車、食事、露天風呂、ゲーム大会……。
ああ、もう一晩あっても楽しいだろうなぁ。でもこの名残惜しいくらいが、イベントには丁度いいのだろう。

あ、朝晩はかなり冷えるので、来年参加希望の各人は寒さ対策だけは抜かりのないよう。

改めて主催のゴメスさんを始め、運営の皆様、本当にありがとうございました。