yk800の週刊! メタゲーム・ウォッチング Vol.35【20.12.23】

 どうも、レッドことyk800です。

 来たぞ新環境!

 というわけで殿堂入り&新弾発売のWパンチで環境が激変した先週末。プレイヤー間の事前予想では、

・【バーンメアジョーカーズ】

・【オカルトアンダケイン】

・【水魔導具】

・【光火ヴァイカー】

・【デッドダムド】

 あたりのデッキが有力デッキとして取り沙汰されていました。果たして実態はどうなっているのでしょうか……?

 とにもかくにも結果を見なければ始まらない! ということで、デュエル・マスターズが新たなスタートを切った12月第4週。メタゲーム・ウォッチング、スタートです!



先週の結果総まとめ

 まずは先週(20.12.18〜20.12.20)行われたCSの結果を見ていきましょう。

(※元となった大会結果は田園補完計画さんからお借りしています。また、情報の抜け・漏れがある可能性がございますことをご了承ください)

 大混沌の環境初期、鍔迫り合いを鼻差で制したのは【バーンメアジョーカーズ】!

 1位に輝いた【バーンメアジョーカーズ】をはじめとして、上位勢の多くは下馬評通りのデッキ群に。環境上の立ち位置がどうというよりも、「評判が良かったために使われ、実際にデッキパワーが伴った」ゆえの結果ではないかと考えられます。

 前評判ではほとんど噂にならなかったものの、殿堂を乗り越え環境に残ったのは【ドラグナー】と【ギャラクシールド】。

 集計結果からわかるとおり、【ドラグナー】の主流は《ブレイン・ストーム》採用型。新弾から加入した新勢力《「時空さえも突き抜けろ!」》や《「祝え! この物語の終幕を!」》などのビビッドローを併用する構築がほとんどであり、動き出しの安定感に寄与しています。

 《ヘブンズ・フォース》を失ったものの、環境全体が低速化しているために相対的なダメージは軽微なものに収まった模様。一方で、踏み倒しのターンが基本的に4ターン目以降になったことで、先攻を取ったとしても《洗脳センノー》などのメタクリーチャーに咎められるようになりました。

 これを見越してメタクリーチャーに有効な《“乱振”舞神 G・W・D》を採用した構築も出はじめているなど、「王者ではないがゆえの工夫」が随所に見られるようになったのがこれまでになかったポイントです。こういう構築の動きを見るのは楽しいですね。

 【ギャラクシールド】は《凄惨なる牙 パラノーマル》の撤退によって蓋を失ったものの、《DG-パルテノン 〜龍の創り出される地〜》や《洗脳センノー》といった環境にぶっ刺さりのメタカードを無理なく採用できるデッキとしていまだ健在。

 しかしながら、安易に「詰み」を作れなくなった【ギャラクシールド】には明確な勝ち筋が必要。そこを補うべく、《ドラゴンズ・サイン》やそこから飛び出すドラゴンを採用した新たなアプローチの構築も登場しています。

 では、《凄惨なる牙 パラノーマル》の殿堂入りはあまり影響がなかったのでしょうか?

 そんなことはありません。このカードの殿堂入りによって元気を取り戻したのが、GRクリーチャーたちです。

 件数としては少数ですが、4色以上の《“魔神轟怒”万軍投》を主体としたコントロールが2件。長らく2ブロックでしか見なかった【闇自然ド・ラガンザーク】もまた2件の入賞報告アリ

 前者は環境全体の低速化に伴うコントロール・ビッグマナデッキの復権によりポジション向上、後者は【カリヤドネ】の殿堂入りに合わせて墓地メタが減少している現在の環境に噛み合っているのが大きな理由として挙げられそうです。

 ただし、【闇自然ド・ラガンザーク】に関しては《DG-パルテノン》がどうしようもない部類のコンボなので、現環境上位陣に対して劇的に有効なこのカードが流行っているうちはあまり大々的な活躍が見込めなさそうではありますね……。

 忘れた頃に浮上してきそうなデッキタイプですので、頭の片隅には止めておきたいところです。

 そして、最大のトピックが「ビッグマナデッキの大隆盛」。

 デッキタイプが細分化されているためわかりづらいですが、【水闇自然シャコガイル】、【5c】系統、【4c】系統を全て合算すると15件と【バーンメアジョーカーズ】を上回るほどの一大勢力になります

 【ロマノフワンショット】、【水火ジョーカーズミッツァイル】、【ドッカンデイヤー】、【カリヤドネ】、ありとあらゆるアンフェアデッキに抑え付けられて【チェンジザドンジャングル】以降日の目を見ることのなかったビッグマナですが、ついに環境上の優位を得るまでに至りました。

 採用できるカードの幅が非常に広く、環境に合わせてチューンが容易なのも非常に魅力的。そもそもが受動的なアーキタイプであるためメタりきるのも難しく、今後も大きな勢力として存在感を示すのではないかと考えられます。

 いかにも環境初期らしい群雄割拠のメタゲーム。その構造を筆者なりに紐解いていきます。

 大きな分類として、現在の環境は「押し付けデッキ」「ミドルデッキ」「メタデッキ」の3つに分かれます。

 筆者の私見ですが、押し付けるデッキパワーの強さでは【オカルトアンダケイン】が頭ひとつ抜けて最強。先攻最速での動きに対応できるデッキは皆無であり、仮にメタカードを積んだ相手だったとしても、一度動き出せば問答無用で破壊しうる出力を持っています。

 サブプランも決定力・戦術の幅ともに非常に強力であるため、あらゆる対面に対して何らかの勝ち筋を用意できるのも強さのうち。

 ただし、裏を返せば相手のメタカードと引きの噛み合いやプレイングの習熟度に左右される部分が非常に大きく、プレイヤーを選ぶのが難点です。

 他に押し付けるデッキとして挙げられるのが【ドラグナー】と【零龍速攻】

 【ドラグナー】は先述の通りですが、特に現在は《∞龍 ゲンムエンペラー》の有効な対面がかなり多いのが特徴。《最終龍覇 グレンモルト》を止めきる手段も少ないため、攻勢に回れば非常に強力なデッキです。《DG-パルテノン 〜龍の創り出される地〜》が効きづらいのも◎。

 主流なメタカードの通りづらい速攻デッキである【零龍速攻】も密かに入賞数を伸ばしており、注目の押し付けデッキ。ビッグマナの中でも早期の打点にやや脆く、《零龍》の対処に手を焼く【5c蒼龍】系のデッキが流行れば有力な選択肢となるでしょう。

 強い「自分の動き」を持ちながらも、自由枠のカードチョイスでメタ側にも回りうる【闇火邪王門】・【バーンメア】・【デッドダムド】などのミッドレンジ・カウンターデッキが次点

 対応力も兼ね備えつつもメインにわかりやすい動きを持っているため、多くのプレイヤーに人気が出るであろうデッキタイプです。この中で言えば【闇火邪王門】・【バーンメア】デッキは押し付けデッキ寄りのミドルデッキ、【デッドダムド】はのちに紹介するメタデッキ寄りのミドルデッキになります。
 
 最後に、メタカードを駆使してこれらを抑え付けにかかるのが【光火ヴァイカー】や【ギャラクシールド】、そしてビッグマナ系統。能動的に勝負を決めきるパワーは少し劣るものの、対面次第で劇的に有効なメタカードを序盤から展開し、ゲームの趨勢の掌握を狙います。

 特に現環境で有効と目されているのが《DG-パルテノン 〜龍の創り出される地〜》と《洗脳センノー》。メタデッキにはいずれもこの2種のどちらか、あるいは両方が採用されており、端的に言いましてこれらのカードが現在の環境を形作っています。

 「押し付け」と「メタカード」の2極を軸に、その立ち位置を調整することでバランスを取り合っている現在の環境。入賞リストを見る際には、特にメタカードの枚数・チョイスに注目していきたいですね。

HOT TECK

《DG-パルテノン 〜龍の創り出される地〜》

 ということで、今週の注目カードは《DG-パルテノン 〜龍の創り出される地〜》

 現在の環境は【オカルトアンダケイン】vs.《DG-パルテノン》を中心に形成されていると言っても過言ではないほどの影響力を発揮しています。

 まず役割対象から考えると、このカードが特に有効な環境上位デッキは、【オカルトアンダケイン】・【光火ヴァイカー】・【バーンメアジョーカーズ】など。いずれも事前評価が高く、実際に母数も多いデッキたちです。

 【オカルトアンダケイン】は現在主流になりつつあるランデスロック戦術に対して非常に有効。そうでなくとも《煉獄の悪魔龍 フォーエバー・オカルト》+《不敵怪人アンダケイン》+αの動きをするともう後続が出せず、《暗黒鎧 ダースシスK》の同名カードリアニメイトも強制なので小回りとして使うことも難化。総じて行動が大幅に制限されます。

 40枚全部で戦うデッキであるため「メタのメタ」まで枠を割くことも難しく、【オカルトアンダケイン】側はプラン変更が必須となります。

 【光火ヴァイカー】、【バーンメアジョーカーズ】もフィニッシュとの要となるGR大展開が大幅に制限されるため、サブフィニッシャーなしでの突破はほぼ不可能

 《ジョギラゴン&ジョニー 〜Jの旅路〜》や《勝熱英雄 モモキング》である程度対抗しうる【バーンメア】はともかく、【光火ヴァイカー】は素直に盤面に6打点を並べて《ジャミング・チャフ》を撃つ以外に勝ち筋がなくなるため、非常に厳しい戦いを強いられることとなります。

 【光火ヴァイカー】が擁するメタクリーチャーの有力度に比して伸び悩んでいるのは、このカードの増加による影響も少なくないと考えられます。

 また、ループデッキの代表格であった【カリヤドネ】は《DG-パルテノン》を1枚程度であれば乗り越えられたのに対して、現在環境に残ったループデッキは全てこのカードが致命的に刺さります。

 【ナウオアネバー】や【闇自然ド・ラガンザーク】が厳しいのはこのあたりであり、特に事前評価では立ち位置が悪くないと考えられていた【ナウオアネバー】は今週の入賞数ゼロ。結果として、ループデッキには非常に厳しい環境となりました。

 このカードを採用する主流なデッキは、【5c蒼龍】、【水闇自然シャコガイル】、【ギャラクシールド】など。【デッドダムド】も可能性は0ではありませんが、現在のところは自分に影響がなく、自然文明で色も合致する《リツイーギョ #桜 #満開》が優先されています。
 
 現在のビッグマナ・コントロールを支える屋台骨のような存在であり、環境を定義するメタカード、《DG-パルテノン》。

 あらゆるデッキにこのカードを乗り越えられるプランやデッキパワーが求められており、このカードを無視できるような勝ち筋を持ったデッキは相対的に良い立ち位置にあると言えそうです。

 文明を問わず採用できるカードであるため、今後どのようなデッキに《DG-パルテノン》が採用されるようになっていくかにも注目ですね。

 

今週のメタゲーム予想

 環境の結果が出そろったことにより考えられるのは、【オカルトアンダケイン】と《DG-パルテノン》の対立構造の激化。これに伴ってポジションを下げそうなのが【光火ヴァイカー】です。

 一見すると【オカルトアンダケイン】に対してかなり有利そうな【光火ヴァイカー】ですが、ある程度引きの噛み合いが要求されるうえに《零龍》卍誕で返された盤面を立て直すのがかなり難しいデッキであるため、立ち回りが固まった相手であれば微有利〜五分程度が実態ではないかと考えています。対抗する《DG-パルテノン》デッキにかなり不利なことを考えると、立ち位置はかなり厳しめ。

 というわけで、今週末は【オカルトアンダケイン】が苦手としつつ《DG-パルテノン》の影響を受けづらい、「GRに依存しない超高速ビートダウン」。特に《零龍》のワールドブレイクで雑に相手のシールドを吹き飛ばして「詰み」を作れる【零龍速攻】の動向に注目したいと思います。

 同じく高速でシールドを割りに行ける【闇火邪王門】や【レッドゾーン】も注目株ですが、【零龍速攻】は《零龍》を止められるデッキが環境に少ないのが何よりの魅力。前述の通り5cの主流である【5c蒼龍】は《獅子王の大地》複数枚を踏ませなければほぼ確実に返せなくなるため、特に有効な相手となります。

 安定感にやや乏しく、墓地メタが増えそうな傾向にあるのが懸念点でしょうか……。この辺りを意識するのであれば【闇火邪王門】や【レッドゾーン】を選択するのも悪くないかもしれません。

 今週のメタゲーム・ウォッチングはここまでとなります。それでは皆さま、良い週末を!


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