【デュエマ】GP5thのお話【GP振り返りシリーズ】

こんにちは、神結です。

 

秋、深まってきました。

思えば本来ならば今頃は秋GPも終わって、エリア予選の時期だったんですよね。

そんなわけで、今回も風情を感じながらGPの振り返りといきましょう。

今回はGP5thです。



GP5thの基本情報

開催日:2017年10月14日

会場:京都パルスプラザ大展示場

参加者:2268名

プロモ
TOP8:《ボルシャック・ドギラゴン》
TOP128:《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》
参加賞:《戦慄のプレリュード》

 

デュエル・マスターズ グランプリ -5th
~集う猛者、紡ぐ物語~


2015年夏からスタートした公認グランプリ「デュエマGP」、記念すべき第5回大会は2017年10月14日に古都「京都」で開催します!!

「デュエマGP」は、2,000名以上のプレイヤーが名誉と「DMPランキング」をかけ、 熱き戦いを繰り広げるグランプリ本戦をはじめ、初心者の方も楽しめる「サブトーナメント」や、豪華アーティストによる「サイン会」、 会場でしか手に入らない「限定品の販売」など、デュエル・マスターズを一日楽しんでいただけるイベントです。

公式サイトより引用)

というわけで、GP5thはまた関西にやってきました。会場の京都パルスプラザ大展示場はMTGの大会などでもお馴染みの場所となっております。参加者も2268です。2000ちょいって表現すればそれまでですけど、ちょい部分の268でも4倍CS開催出来ますからね。僕は友人宅で集まって、遠征組を応援していました。

主催は人気のフルコンプさん。今回は主催者のインタビューなんかもあったりします。

さて注目のCSプロモですが、今回TOP128の《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》が強力でした。これまでのGPプロモはプロモが発表されてから賞味期限切れになったり、もう環境から使われなくなったりといったカードも多かったのですが、今回は現役バリバリ第一線級のカードでした。なんなら今でも充分強い。

というわけでGT+オリジャに比べるとかなり歓迎されていた記憶があります。まあボルドギも人気ありますし、いいカードですからね(ちなみに当時はボルドギではNEXTが受からなかったので、使われていなかった)。

またこの大会は初めて公式チーム外の人間がカバレージを書いたGPにもなります。これは熊本で行われた超CSにてあーくんがライターデビューしたのを継承した形で、プレインや鐘子、ともといったお馴染みのメンツがカバレージライターデビューを果たしています。ちなみに私がGPで書くようになるのは、もう少し先の話です。



事前メタゲーム予想

GP4thの時も書いたんですが、環境トップはコイツでした。

「またコイツか」というより、「まだコイツか」といったところです。

昨冬の殿堂で《メガ・マナロック・ドラゴン》を、夏の殿堂で《スクランブル・チェンジ》をそれぞれ没収されていますが、だからどうしたと言わんばかりに結果を残し続けました。「○○を取られてもしぶとく環境に残っていた」みたいなデッキはこれまでにもたくさんあったと思うのですが、「○○と××を取られてもまだ環境トップだった」なんてデッキはコイツだけなんじゃないでしょうか。あ、ごめんドギラゴン剣もいたわ。

ただしNEXTの周囲を取り巻く環境は変化していました。

GP4thより始まった「猿NEXT環境」は夏の猿ループの大量規制に伴い【猿ループ】の環境からの退場という形で終焉を迎えました。その後超CSにてセキボン選手が緑単リペアを使って準優勝と結果を残したもの、安定性やループ難度といった側面から流行には至りませんでした。

以前も書きましたが、「猿NEXT環境」は互いの苦手とするデッキを、互いに補い合うことで成立していた節があります。二強の一角が崩れ、そしてNEXTも一定の弱体化を受けたことで、これまで抑圧されてきたデッキが環境に台頭してきました。

その中でも最大勢力と言えたのが、【青白ロージアダンテ】でしょう。

【青白ロージアダンテ】は2016年の全国大会から既に認知されているデッキではありましたが、この年の夏頃に《ヘブンズ・ゲート》を採用したロージアダンテが完成します。ここに来て、ようやくNEXTに対して充分な勝率を残せるデッキとなりました。猿ループに全く歯が立たないためTier2止まりの時期も長かったですが、ここに来て満を持して環境トップの一角に躍り出ることになります。

またNEXTに速度負けしなくなったことで、【赤侵略】もまた大きな選択肢となりました。

《スクランブル・チェンジ》を失ったNEXTがバイク相手に《永遠のリュウセイ・カイザー》や《伝説のレジェンド ドギラゴン》といったカードで封殺するのは流石に難しくなり、バイクの速度が強みとして生きてくるようになります。こちらは詳しくはレッドゾーンの歴史の記事でも書いたので、参考にどうぞ。

更には《蒼き団長 ドギラゴン剣》も健在で、《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》で一度受けたあとに《超次元ガロウズ・ホール》から走る【クローシスドギラゴン剣】は強力なデッキでした。

《裏切りの魔狼月下城》や《Mの悪魔龍 リンネビーナス》といったパワーカード、そして何より当時は殿堂ですらなかった《音精 ラフルル》と《単騎連射 マグナム》のコンビは健在で、速度を失っているものの一度受けを成立させればカウンターで勝てるという大きな主張点を持っていました。

 

……と、非常にヒロイックなカードたちが環境を賑わせていました。

 

そんな中ではやや異端とも言えたのが青系のビッグマナ、【青緑デュエランド】です。

このデッキはこの年の8月に発売されたクロニクルデッキ「風雲!! 怒流牙忍法帖」に収録された《怒流牙 佐助の超人》や《怒流牙 サイゾウミスト》といった青緑系のカードを用いたデッキで、バトライ閣でどんなに展開されても《英雄奥義 スパイラル・ハリケーン》1枚で返せるという大きな差別化要素がありました。

当時のシノビは使う側に有利だったという裁定も含めて(ダイスから打った《クリスタル・メモリー》経由で拾ったシノビを使えた、アタキャンにもシノビやダイスを合わせることが出来た)、有力なデッキの1つとなっていました。

またしばらく息を潜めていたはずの“奴”が、今度はメタリカと組んでまた悪さをしているらしいという情報も出回っており……。

 

というわけで「NEXT一強」とは流石に言えず、ビートもコントロールも多くのデッキに可能性がありました。その「NEXT以外」のデッキ同士の相性関係はかなり複雑です。

つまりプレイヤー側には様々な選択肢があり、またメタることを考える場合は多くのデッキを見る必要があります。非常に難しい環境の中で、選手達は今大会に挑むことになりました。

当日の結果

優勝:ナツメ(青白ロージアダンテ)
準優勝:かめ(赤緑レッドゾーン)
3位:ノン@ゴジット(赤緑モルトNEXT)
4位:ロマノフsign(赤青レッドゾーン)

ベスト8:
しあ(青白ロージアダンテ)
なつめたそ(赤青レッドゾーン)
シオリ(ジャスティスストーム)
maru(緑t青ゴエモンキー)

なおメタゲームブレイクダウンによると、TOP128の分布は以下の通りです。

火自然モルトNEXT 31
ロージアダンテ 16
(光水…6 光水闇…5 成長…3 カウンター…2)
レッドゾーン 14
(火水…9 火光…3 火自然…1 火闇…1)
火闇水ドギラゴン剣 7
闇水ハンデス 7
光自然メタリカ 6
ジョーカーズ 6
チェイングラスパー 4
(自然t光…3 自然単…1)
ビッグマナ 4
(5cジョリー…1 4cジョリー…1 5Cコントロール…2)
ジャスティスループ 4
自然系ループ 5
(自然単…4 自然t白…1)
墓地ソース 3
水光サザンルネッサンス 3
火水罰怒ブランド 3
水自然デュエランド 2
火闇ドルマゲドン 2
オールデリート 2
(4C…1 ティーツー型…1)
火単ビートジョッキー 2
火闇水デッドゾーン 1
GOD 1
オプティマスループ 1
ゲイル・ヴェスパー 1
水単VV-8 1
火水自然ランデス 1
不明 1

分布を見てわかるように様々なデッキが予選を突破しました。

その中から、主要となったデッキを振り返っていきましょう。

 

モルトNEXT

二度の殿堂などなんのその、予選突破数最大はNEXTでした。結局お前なのか。

勿論早いデッキへのガードは下がっているものの、逆に環境のデッキがバラけたことで、圧倒的な最大出力を持つこのデッキはGPに現れる有象無象を突破しやすくなったとも言えます。

ただ最後の最後は上位にNEXTに有利が付くデッキが残っていくという構造も相まって、GP連覇を果たすことは叶いませんでした。

GP5th 3位 ノン@ゴジット

 

ちなみにプレイヤーたちはもうこの辺りで「NEXTはどんなに周りのパーツに殿堂を掛けても《超戦龍覇 モルトNEXT》本体か《爆熱天守 バトライ閣》を殿堂させない限りどうしようもない」ということに気付いています。結果、冬の殿堂へと繋がっていくことになるんですね。

 

青白ロージアダンテ

元々前評判の高かったデッキが、使い手の卓越したスキルもあって頂点に立ちました。

GP5th 優勝 ナツメ

《ヘブンズ・ゲート》に《龍聖霊ウィズダムフェウス》+《アルカディア・スパーク》というパッケージを取ったことでモルトNEXTの攻撃を耐えきるだけの防御力を有しています。使用難易度は高いデッキでしたがその分人気も高く、全国的にも広く使用されていました。

ところがGP5thを前にして、強敵が現れます。

それが【白緑メタリカ】です。

当時のメタリカは皆さんがよく知っているものとは些か凶悪性は薄かったのですが、このメタリカに入っていた《デスマッチ・ビートル》の突破が苦しいデッキでした。《ドラゴンズ・サイン》や《ヘブンズ・ゲート》は勿論、革命チェンジもこのカードによって阻止されてしまいます。

そこで考案されたのが《Dの楽園 サイケデリック・ガーデン》です。

肝となるのはエスケープ。これによって、味方の軍勢を守れるようになりました。

最後のパーツを手にした【青白ロージアダンテ】は、アーキタイプ登場以来の悲願を遂に達成することになります。

 

レッドゾーン

バスターの影に隠れて不振に喘いでたこのデッキが、ようやくスランプを抜けました。

NEXTに単純に速度勝ち出来るようになったのは大きかったです。

GP5th 2位 かめ

GP5th 4位 ロマノフsign

 

かめ選手が使用したのは少し珍しい【赤緑レッドゾーン】、ロマサイ選手が使用したのが当時一般的だった【赤青レッドゾーン】でした。

いずれのデッキも《獣軍隊 ヤドック》や《異端流し オニカマス》といったメタカードを採用することで上位デッキに対する時間を稼ぎ、本命のバイクを通すデッキになっています。トリガーも《終末の時計 ザ・クロック》や《Rev.タイマン》といったターンを貰えるものを採用しています。

こうしたターンを飛ばしたり攻撃を止めたりといったトリガーは《閃光の守護者ホーリー》と違ってモルトNEXTがケアするのが難しく、また赤青は《龍脈術 落城の計》という禁断解放によるストップを可能にするギミックまで採用しています。

またこのデッキは盤面を作り合う場合は《轟く侵略 レッドゾーン》が、防御的なデッキには《熱き侵略 レッドゾーンZ》が強く、噛み合えば広く色んなデッキ勝つことが出来ます。上位に進出したのも、納得と

伝説的な準決勝を経た後、決勝でかめはナツメを追い詰めたものの最後は《アルカディア・スパーク》のトリガーで万事休す。惜しくも準優勝に終わりました。

 

その他

さて、今大会は比較的順当なデッキが勝ち上がる中で環境に顔を出し始めていたのが【白緑メタリカ】です。

ご存じ《ベイB ジャック》を使うヤベーデッキの第二弾ですが、この頃はまだ未完成で、フィニッシュに《水上第九院 シャコガイル》 などが採用されていました。

数々の受けるデッキを滅ぼし、「NEXTメタリカ環境」という悪夢を築きあげるのはもう少し先の話になります。

 

また、ループ系のデッキでは【ジャスティスストーム】が活躍しました。

従来の【ジャスティスループ】は優秀なトリガーカードなどを駆使して最後は相手をLOさせるループデッキでしたが、このデッキは《テキサス・ストーム》でジャスティスを繰り返し出しながらシールドを削っていき、《ロスト・ソウル》を挟むことで手札を落としながら最後は安全に殴って決めるというものに変化しました。

また前評判の高かった【青緑デュエランド】や【緑単グラスパー】、他にも【ジョーカーズ】や【墓地ソース】といったデッキも予選を突破するなど、比較的様々なデッキが結果を残したと言えるでしょう。

まとめ

というわけでGP5thの振り返りでした。

前述した通り、この大会は私は生放送観戦勢だったのですが、友人たちと一緒に応援するのって楽しかったんですよね。

ただ出なかった後悔や「デュエマっておもしれーな」といった想いを改めて感じることが出来て、私の中でもひとつの大きなポイントとなる大会だったと記憶しています。

というわけで皆さん、次のGP6th振り返りをお楽しみに。