【デュエマ・十王篇コラム】《インフェル龍樹》2桁コストには相応の責任がある

こんにちは、神結です。

今回もまた十王篇のSRトークをしていこうと思います。

本日紹介するカードは、~~VRになって強化されたことでお馴染み~~《インフェル龍樹》さんです。

インフェル龍樹
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インフェル龍樹

今回のSRは十王篇第1弾『切札×鬼札キングウォーズ!!』より《インフェル龍樹》さんです。

マッハファイター

T・ブレイカー

このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から１枚目を墓地に置き、その後、カードを１枚、自分の墓地からマナゾーンに置く。

このクリーチャーが破壊された時、コスト10以下のクリーチャーを１体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出す。
フシギバース [dn12]（自分のクリーチャーを１体タップしてマナゾーンに置き、 [dn12]からそのクリーチャーのコストを引いた数のコストを支払って、このクリーチャーを自分の墓地から召喚してもよい。ただし、コストは [dn02]より少なくならない）

読みは「いんふぇるどらんじゅ」。イラストレーターはMiyamoto Satoruさんで、《Disメイデン》や《Disアイ・チョイス》、十王篇で言えば《雷龍ヴァリヴァリウス》などを担当しています。

不死樹王国の大型フシギバース持ちクリーチャーで、パワー14000のマッハファイターでT・ブレイカー。更にcipとpigも持っており、テキスト構造上では特に大きな欠陥もありません。

ですがそれは別に活躍を保証してくれる訳では無く、キッチリ何もしませんでした。

問題点はというと、「圧倒的コスパの悪さ」に尽きるのではないでしょうか。

第一に、コイツは10コストなんですよね。世間の10コストのクリーチャーと言えば《勝利宣言鬼丸「覇」》や《龍世界ドラゴ大王》。まぁブロック戦を超える活躍をするコイツらクラスと比べるのは酷だとしても、それでも《スペリオル・シルキード》とか《古代楽園モアイランド》とか色々いるわけですよ。

何が言いたいかというと、10コストのクリーチャーって出したら勝ってるか、相当勝ちに近付くかでなくてはいけないと思っているんですよね。それが2桁コストクリーチャーの責任の取り方なんです。使用者に高い金払わせてるんだから、そんくらいのことはやらないと。

では《インフェル龍樹》が何をやっているかと言えば……なんと、山札の上から1枚目を墓地に置いて、その後墓地のカードを1枚マナに置くんです。

……。

…………？

お前、正気か……？

パワー14000のマッハファイター持ちなので実質的に1除去を持ってはいることを加味しても、ちょっと給料泥棒じゃないか？

ただここで注意しておきたいのは、この子自身もcipをまさか自分のセールスポイントだとは思っていないということです。

そんなの「ガブリアスのC種族値は特殊アタッカーとしては低すぎるから弱い！」みたいな話で、フェアじゃないでしょう。

恐らく《インフェル龍樹》さんの一番の自慢は「このクリーチャーが破壊されたときにマナから10コスト以下のクリーチャーを出す」という部分でしょう。

実際このテキストは、まぁまぁ強そうに見えます。実際効果が起動すれば強いです。起動すれば、ね。

まー、最初の話に戻ってくるんですが、とにかくコスパが悪い。

そもそもデュエマで「破壊されたとき」の効果はそこまで強くないです。意外な話ですが、クリーチャーを破壊で対処するカードって、案外少なくて環境によるという話になります。デュエマにはフリーズ、バウンス、マナ送り、封印と様々な除去手段があって、「このクリーチャーが離れたとき」は流石に強いんですけど、破壊に限定するとあんまり、というのが正直なところ。

相手のスレイヤー持ちに突撃したり、クリーチャーにバトルしてもらう考え方もありますが、完全に相手依存ですし、なんなら14000という自慢のパワーによって寧ろ相手のクリーチャーを粉砕してしまいます。

というかフシギバースなんだからコイツをタネにフシギバースしたときに効果起動してくれても良さそうなのに。なんで破壊限定なんだホントに。

これが5マナパワー4000とかだったら全然話変わってくるんですけど、10マナパワー14000はなぁ……。レフト専の年俸2億円の外国人選手にバント上手いですとか言われても困るんですよ。

ただ、まだコイツにはテキストがあります。それがフシギバースです。

盤面のクリーチャーのコストを差し引いて墓地から出せる不死樹王国の奥義で、これで一気に評価が逆転する可能性があります。《不死の墓守シヴァンリンネ》も《大樹王ギガンディダノス》もコイツがあるからこそ、評価が高いんです。

で、肝心の《インフェル龍樹》さんのフシギバースのコストは12。

……まぁ、悪くはない。

6マナのクリーチャーに当てて6コストで、くらいが多分妥当な運用になるんですが、《ライマー・チャント》と一緒に運用して、みたいなところになりそうです。

このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から３枚を表向きにする。その中からクリーチャーを１体選んで手札に加え、残りをタップしてマナゾーンに置く。

フシギバース [nn09]（自分のクリーチャーを１体タップしてマナゾーンに置き、 [nn09] からそのクリーチャーのコストを引いた数のコストを支払って、このクリーチャーを自分の墓地から召喚してもよい。ただし、コストは [nn01].より少なくならない）

うん、悪くない。

悪いわけではないんだけど、かといってここまでの評価を逆転させるほどにプラスになる訳ではないという、微妙なアレです。

そもそも同弾のSRに《ダクライ龍樹》というカードがあって、こっちは8コストでフシギバース11。もちろんマッハファイター。マナを伸ばしながら後続のフシギバースを確保しつつ、「離れた時」に除去を飛ばせるというゲームの繋ぎとしては強いカードとなっています。

……うん、コイツでよくね？

マッハファイター

T・ブレイカー

このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から３枚をマナゾーンに置いてもよい。そうしたら、カードを１枚、自分のマナゾーンから墓地に置く。

このクリーチャーがバトルゾーンを離れた時、相手のクリーチャーを１体選び、持ち主のマナゾーンに置く。

フシギバース [nn11]（自分のクリーチャーを１体タップしてマナゾーンに置き、 [nn11] からそのクリーチャーのコストを引いた数のコストを支払って、このクリーチャーを自分の墓地から召喚してもよい。ただし、コストは [nn01]より少なくならない）

そう考えると、やっぱり《インフェル龍樹》さんにカードとしてさせたいことがイマイチわかりません。

自身の高コストを生かしてフシギバース元とするならば、墓地とマナの操作が不器用過ぎるし、マナから巨大なフィニッシャーを出して貰うにしてもコスト10までなので《大樹王ギガンディダノス》などのようなカードは触れません。そもそもフシギバースを使う前提なのに、マナと墓地両方を強くしとかなきゃいけないって、要求多くない？　お前、そんな要求が出来る程に一軍カードか？

となると、どちらかというとゲームを終わらせるというよりも、ゲームを続けていくためのカードという印象を受けるのですが、だとしたらやっぱりコスト重すぎないか？という。8コストでフシギバース10とかだったら全然評価違うんだけどな。

あと《ドンジャングルS７》攻撃誘導とかあったら（十王篇基準で）相当化けた気もします。それだとかなり強力な蓋になるんで、コイツ自身に役割が出てくるんですよね。

繰り返しになりますが、やっぱり2桁コストのクリーチャーには、2桁相応の責任があるんです。2億円貰ってるならホームラン20本くらいは打って欲しいっす。

某スーパースターさんの「使ってあげようにも使いたいところがない」とはまた別で、「使えないわけではないが金が掛かりすぎる」というなんとも言いにくい部分がまた十王篇らしいなと思うカードでした。

なおコイツは後に転生？して《インフェル星樹》というアドバンス環境を代表するバケモノとなるので、その意味では一番「救われている」のかも？