yk800の週刊! メタゲーム・ウォッチング Vol.25【20.10.7】

 初めましての方は初めまして。お久しぶりの方はお久しぶり。レッドことyk800です。戻って来た!

 殿堂予想の前回が6月21日なので3ヶ月ぶり。通常回の更新ともなると2月26日から実に7ヶ月ぶりとなる更新です。いやはや大変お待たせいたしました。

 CS数がある程度戻ってからも再開できなかった理由としては、僕自身の生活の変化によってあまり環境に触れる時間を取れず、自信を持って記事を書けるほど精度を高められなかった、というのが最も大きなものになります。

 「そろそろ余裕も出来てきたなぁ」というころに、折りよくflat-さんから「そろそろやらん?」とお声がかかったので再開の運びとあいなりました。また末長くお付き合いいただければ嬉しい限りです。よろしくね。

 というわけで連載復活初回、お送りするのは2020年10月初週環境。メタゲーム・ウォッチング、スタートです!



先週の結果総まとめ

まずは先週(20.10.3〜20.10.4)行われたCSの結果を見ていきましょう。
(※元となった大会結果は田園補完計画さんからお借りしています。また、情報の抜け・漏れがある可能性がございますことをご了承ください)

【ドラグナー】包囲網、進行中。

 デッキ発売以降、常に環境トップの地位をほしいままにする【ドラグナー】ですが、今週の結果からは「決して対抗できないデッキではない」ということが見て取れます。

 先手後手や手札の噛み合い、「そもそもメタを引けるか引けないか」という部分で運の絡んだ勝負になってしまいがちなことは否めないものの、メタの張りやすさそのものは超GR全盛期と比べるとまだマシだと言えるでしょう。

 さて、神結さんの「環境デッキTierランキング」をお読みいただければわかりますとおり、現在の【ドラグナー】は大きく2つの構築がメインストリームとなっています。

 1つが、「火光水(通称ラッカ)型」。環境初期に活躍した【ドラグナー】の、アグロデッキとしての側面を発展させた構築です。東北地方のトッププレイヤーを中心に開発されたこのデッキタイプは「序盤の安定と決定力の両立」を標榜。

 デッキのコンセプトは「《爆熱剣 バトライ刃》を高速で《爆熱DX バトライ武神》まで育て、革命チェンジ不発+龍解除による無限攻撃機構(いわゆる閣ループ)で大量のドラゴンを展開し、勝負を決める」というもの。

 まずは《爆熱天守 バトライ閣》が設置できなければお話にならない都合上、この最低ラインをカード2枚で達成できる《爆龍覇 リンクウッド》+《龍覇龍 デッドマン=ザ=オリジン》のパッケージは当然のごとくフル採用されています。

 《爆龍覇 リンクウッド》は強力である反面、《バトライ刃》による踏み倒しに注力した構築ではチグハグになりがちなカードでした。このカードを、《ヘブンズ・フォース》がない時の妥協した選択肢ではなく、コンセプトレベルで肯定されうるアクションとして運用できるのがこの構築の強みだと言えそうです。

 もう1つが、「火闇光t自然水(通称ハムカツ)型」。こちらは初期構築の【連ドラ】としての側面を発展させた構築です。近畿地方の強豪が開発したこのデッキは、安定感を犠牲にして手に入れた「圧倒的な速度と爆発力」がウリとなっています。

 通称に冠されている《勇者の1号 ハムカツマン蒼》は、革命チェンジ:火のクリーチャーでトップ積み込みが可能なカード。《爆龍覇 ヒビキ》や《イーヴィル・フォース》によってSAを得た《龍覇 グレンアイラ》に《バトライ刃》を装備させたうえで攻撃、《ハムカツマン蒼》に革命チェンジしてトップ操作をしてから《バトライ刃》の攻撃時能力を解決することで、確実に多色の強力なドラゴンを投下できるコンボがデッキの主軸を担っています。

 アタリ枠として採用されているのは《最終龍覇 グレンモルト》、《ニコル・ボーラス》、《∞龍 ゲンムエンペラー》などなど。多色ではないため積み込み出来ませんが、光文明単色マナになりつつ呪文を封殺する《光神龍スペル・デル・フィン》も多くの構築で4投されています。

 完全に初速に全てをかけている構築ですが、最速2ターン目に飛び出す大型ドラゴン軍団は理不尽度が非常に高く、決まってしまった場合はほとんどのデッキが膝を折らざるをえないほどの破壊力をもたらします。現環境における「デュエル・マスターズの破壊者」といっても過言ではないでしょう。

 同じ【ドラグナー】という括りではあり、有効なメタカードなども近しいものがある両デッキですが、見ているゲームのレンジが全く異なるためプレイングの面では異なるベクトルの思考をもって使用・相対する必要があります。

 このギャップの広さも【ドラグナー】というデッキの厄介さに拍車をかけている印象です。

 そんな【ドラグナー】に対するカウンターデッキの筆頭候補であり、幅広い対応力と鉄壁の防御力で地位を確立しているのが【ギャラクシールド】

 多様なメタカードで稼いだ時間を元手に、《「絶対の楯騎士」》という環境でも指折りのアドバンテージメーカーで《凄惨なる牙 パラノーマル》を探しつつゲームメイク。最終的に《「雷光の聖騎士」》+《パラノーマル》複数枚の陣形を築き上げ、相手のクリーチャーを生存不能に追い込んでから、相手のシールドを割り切って勝利します。

 《パラノーマル》複数によるボード殲滅が常に視野に入る性質上、最終的にクリーチャーが勝ち手段に絡むデッキであれば、ビート・コンボ問わずほとんどのデッキに対して一定の勝率が見込めるのが強みです。

 メタコントロールともいうべきこれまでにあまりなかった機軸のデッキであり、プレイ・構築ともに環境デッキへの高い理解度が要求されます。また、カードパワーは決して低くありませんが、《「絶対の楯騎士」》以外に効率良くアドバンテージを稼ぐ手段がないこともあり、見た目より線の細いデッキでもあります。

 総合的に見た使用難易度は環境デッキの中でも高めの部類です。

 【カリヤドネ】は相変わらずのデッキパワーで悠然と環境の波を航行していますが、現在はメタカードの狙い先が【ドラグナー】に傾倒しているため、ポジションとしては悪くない傾向にあります。

 ただし、【火光自然メタビート】が跋扈した関西エリアではイマイチ振るわない戦績に。今後、この傾向が別のエリアにも波及するのであれば、立ち位置は少し悪くなっていくでしょう。

 環境の三巨頭に続くデッキ群は、メタカードをうまく使うことによって【ドラグナー】環境への適応を果たしています。

 《洗脳センノー》、《希望のジョー星》、《堕呪 エアヴォ》etc…。環境トップに対して有効なカードが知れ渡ってきた今、思わぬデッキが復活を果たし、環境に名を挙げることもまだまだ考えられそうです。

 ノウハウの共有が進むことにより、【ドラグナー】一強の時代は既に終焉を迎えています。メタカードが回す環境の行き着く先は果たして。

HOT TECK

《洗脳センノー》

 環境初期は《ヘブンズ・フォース》ラインである「先攻を取ったら2ターン目に間に合う」ことを前提としたメタカードに注目が集まっていました。

 しかし、「先攻2ターン目のブン回りにはどちらにせよ勝てず、発生する確率はそこまで高くない」ということが知れ渡った結果、コスト3でも場持ちの良さとメタ性能の強度に優れるカードが盛んに試されるようになりました。

 そんな中でも筆頭とも言えるのが、《洗脳センノー》

 パワー4000は《第二種 タマネギル》の火力から逃れ、《熱血剣 グリージーホーン》を装備した《龍覇 ラブエース》に上を取られないため、場持ちが格段に上昇するライン。その上で、能力も「バトルゾーンに出ること」そのものを禁止しているため、登場時能力でのアドバンテージ獲得や、《無敵剣 プロト・ギガハート》によるメタ回避も許しません。

 メタ能力が相手にしか影響しないこと、無色カードであることから、《洗脳センノー》は採用するデッキを比較的選びません。無色なのでマナ色要求の厳しい4色以上では採用が困難、3色デッキでやや苦しくなるぐらいでしょうか。

 現在の環境トップに近いデッキでは【バーンメアジョーカーズ】や【ギャラクシールド】などでの採用が見られます。幅広いデッキに採用されうるとあって、今後の研究が期待される1枚です。

《ZERO ハンド》

 圧倒的な自前のデッキパワーを背景に、長らくの間、構築の変化を必要としなかった【カリヤドネ】。ですが、【ハムカツ型ドラグナー】の繰り出す《∞龍 ゲンムエンペラー》を前に、新たなパーツを迎え入れることとなりました。

 それが、《ZERO ハンド》です。

 コスト6、ノーコストで発動可能、呪文なので《魔導管理室 カリヤドネ》のコスト軽減に貢献。後手からでも1ターン目の《ア・ストラ・センサー》で探しに行けることもあり、非常にデッキと噛み合った選択肢です。

 が、カードパワーとしてはほどほど止まりのカードであることは確か。

 《スーパー・デーモン・ハンド》の枠をそのまま入れ替えた構築が現状では多数派ですが、シールド・トリガーの枚数も確保するために2種のハンドを併用している構築も少なからず入賞しています。

 同じ確定除去ではあるものの、受けとして使えない《ZERO ハンド》と手撃ちは最終手段となる《スーパー・デーモン・ハンド》とでは、デッキでの役割が全く異なります。

 もちろん色のバランスを見て直接差し替えることも検討する必要はありますが、「同じような除去カードだから」と思考停止せず、環境に合わせて柔軟に構築を変化させることが重要になるでしょう。

 余談ですが、ベスト4には入賞していないものの、《ZEROの侵略 ブラックアウト》をフィーチャーした《終焉の禁断 ドルマゲドンX》採用型の【デッドダムド】も先週末に登場していました。

 《ヘブンズ・フォース》を活用するデッキが多い現在の殿堂環境、「侵略ZERO」を持つカードには要注目です。

今週のメタゲーム予想

 関西出身の秘密兵器、【火光自然メタビート】がどこまで普及するか。それに尽きると予想しています。

 環境のトップ3種に対しては軒並み有利がつき、実績もそれを証明している同デッキタイプですが、メタの届かない相手に対してはほどほどに速度の出るビートダウン止まり、というメタビートの宿命を背負っています。流行りすぎてミラーが増える・新機軸のデッキが活躍するなどの事態が起こればあまり活躍は見込めないでしょう。

 現在は有料noteを購入したプレイヤーや実際にCS会場で目にしたプレイヤーにしか情報が出回っておらず、後者は地域性が強いため、エリアをまたいで広がる余地がそれほど大きくありません。

 流行りすぎれば活躍できず、流行らなさすぎても存在感を主張できない。ですが、ほど良いバランスで情報が出回った際には、環境を激変させるほどの影響力があるだろうと筆者は感じました。

 メタの傾向から現在はやや上向きになっている【カリヤドネ】ですが、仮に【火光自然メタビート】が流行れば負け組デッキになってしまうであろうことは関西エリアのCS結果から容易に想像ができます。

 このデッキの存在を知ったプレイヤーがどれほどいるか、彼らがこのデッキの存在をどこまで意識するか。【火光自然メタビート】を取り巻くデッキの動向も含め、今週末は大注目のアーキタイプになりそうです。

 今週のメタゲーム・ウォッチングはここまでとなります。それでは、また来週!



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