yk800の新・週刊! メタゲーム・ウォッチング Vol.10【23.08.10】

 どうも、レッドことyk800です。

 ついにデュエル・マスターズの長い歴史の中で、ひとつの時代が終わりを迎えましたね。人によって様々な感想があるかとは思いますが、手向けには笑顔がふさわしいものでしょう。

 今回は殿堂施行による環境リセットに合わせてほぼ2週分の集計。圧倒的データ量の8月第2週、メタゲーム・ウォッチング、スタートです!



結果総まとめ

先週から今週(2023/7/31〜8/10)のCS結果は以下の通り。

(※データはDMPランキングに掲載されている公認CSの運営Twitter等を元に独自に集計したものとなっております。詳細な大会結果を確認できなかったCSについては集計の対象となっていないこと、その他抜け・漏れがある可能性がありますことをご了承ください)

 その姿、まさに有終の美。

 殿堂前最終週の補正がかかったことも否めませんが、「ビクトリーBEST」参入後のダンタル型【サガループ】はまさに完全無欠の風格。

 《飛翔龍5000VT》はメタをこじ開けてのループインはもちろん、ミラーで相手のコンボを1ターンストップさせたり、リソースを制圧した後に《「本日のラッキーナンバー!」》を絡めたビートフィニッシュに移行する際の打点として非常に重宝したりとやりたい放題の1枚。

 登場以降水と闇のカードがリリースされるたびに進化を続けてきた【サガループ】の極致。「芸術的」という言葉すら相応しい完成度です。

 ではオーソドックスな青黒の【ダンタルサガ】一辺倒かといえば、実はそうでもなく。

 【サガループ】にとって最終週となった8/7以降の平日CSでは、【サガループ】ミラーを嫌ってか【青魔導具】や【アナカラージャオウガ】の入賞数が有意に増加しており、そこに対抗しやすいカード除去・面処理に優れた【クローシスサガループ】がラスト数日でググッと勢力を伸ばしていたのが印象的でした。

 その後は【アナカラージャオウガ】、【赤緑アポロヌス】、【青魔導具】が約40件入賞。少し離れて【5cザーディクリカ】、【サムライ】、【黒赤アビス邪王門】(【テレスコジャガイスト】)、【赤単我我我ブランド】が10件台入賞と、TierGodの【サガループ】を頂点に明確な階層構造が形成される結果となりました。

 前者のデッキは五分ないしはやや有利寄りで、後者のデッキは現在の【サガループ】に対して不利と、【サガループ】に対する主張の強さでわかりやすく明暗が分かれた格好です。

 これらのデッキの中で大躍進と呼べるのは【サムライ】でしょう。

 出力の高さやリソースの安定性も強みですが、とにもかくにも面処理能力の高さがこのデッキのブッ飛びポイント。メタクリーチャーやシステムに依存するデッキは容易く破壊できます。

 受けデッキに対しても呪文封殺を挟む余地があるため、相手が展開につまずけば十分に勝てる相手です。

 主要パーツの枚数が多くない分脇を固めるカードの選定が重要でいまだ構築が最適化されていませんが、超CS大阪以降登場したのが《ドラゴンズ・サイン》+《覚醒連結XXDDZ》のパッケージを取り込んだ形です。

 受けギミックに幅ができたのはもちろんのこと、S・トリガーを起点とした展開は《ボルメテウス・武者・ドラゴン「武偉」》の強制ブレイク能力に上ブレを持たせられる点で相性抜群。 メクレイドとの噛み合いはよくないため一概に強力とは言えないものの、アイデアとしては非常に面白いギミックです。

 【黒赤テレスコ】は《邪幽 ジャガイスト》を取り込み構築を最適化していった結果、【黒赤アビス邪王門】とも呼ぶべきデッキへと進化。

 「ビクトリーBEST」リリース直後は《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》を追加採用する程度でしたが、現在では初動枠に《ド:ノラテップ》を採用してさらにアビス色を強化した構築が主流になってきています。

 コスト4〜5のアビスが増えて《鬼寄せの術》を強く使いやすくなったのはもちろん、《ド:ノラテップ》の加入によって《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》や《「力が欲しいか?」》など、3ターンに能動的な動きを押し付けるパターンが一気に充実。

 自分から面を作れる《邪幽 ジャガイスト》のおかげで単なるメタデッキを脱却し、強力な受けギミックとコントロールプランを持ちつつも盤面の強さでも戦える新型のアビスデッキとしてポテンシャルを開花させはじめています。

 また、「禁王創来」の影響も少なからず見られ、《Disコットン&Disケラサス》で初動のパワーを高めた【4cディスペクター】や、《終末縫合王 ザ=キラー・キーナリー》を採用した《流星のガイアッシュ・カイザー》軸のアナカラーデッキが複数件入賞を果たしています。

 「最強」としての格を保ったまま勇退を果たした【サガループ】の陰で、着々と近付いてくる次なる環境の足音。ひとつのチャプターが終わりを告げ、メタゲームは次のステップへと踏み出しました。



メタゲーム予報

 今回の殿堂入りでダメージを受けたのは事実上【サガループ】のみ。非常にシンプルな引き算に見えて、この先を想像するのはなかなかに困難です。

 何せ、マナを伸ばすデッキは誰しもが《とこしえの超人》と《お清めシャラップ》から構築をはじめ、防御的なデッキはとりあえず《DG-パルテノン 〜龍の創り出される地〜》と《♪なぜ離れ どこへ行くのか 君は今》をガン積みするのが当たり前。【サガループ】はあまりに環境を歪めました。

 これらのノルマ的に採用されていたメタカードから解き放たれることで、様々なデッキが本来の強さを取り戻していくことでしょう。

 この路線の強化度合いで考えれば、個人的にまず筆頭に挙げたいのが【5cザーディクリカ】です。

 《とこしえの超人》に圧迫されて非常に窮屈な思いをしていたところに降って湧いたフリースロット4枠。

 《フェアリー・ミラクル》のような上ブレを起こすブーストを採用してもよし、蘇生札の5、6枠目に回してもよし、無限に採用候補が挙がるピン採用のユーティリティを散らしてもよしと、持ち前の構築自由度が火を噴きます。

 【4c邪王門】も同じく《とこしえの超人》や《お清めシャラップ》に取られていた3〜4枠をデッキパワー向上に充てられるようになるため評価◎。

 続いて注目したいのが、【サガループ】に存在意義を奪われていたコンボデッキ。

 【アナカラーグラスパー】や【ゼーロベン】は殿堂発表直後から話題になっていますが、個人的には密かに強化要素の多い【アナカラーグラスパー】が注目株です。

 元々採用率の高かった《CRYMAX ジャオウガ》ありがとうプランに加えて、《飛翔龍 5000VT》も無理なく採用可能です。メタクリーチャーを押し返して次のターンにループに入ってもよし、《CRYMAX ジャオウガ》ビートを後押しする打点としてもよし。

 同時に【サガループ】が登場したためにあまり検討はされていないものの、《ブレイン・スラッシュ》が単純なデッキパワーの底上げに貢献しつつ、トリガーとしても《グレート・グラスパー》を非進化で釣り上げて確定マナ送りで受けつつ返しにATでループインできそうだったりと、優秀なパーツの追加で構築の幅自体がかつてより広がっている印象です。

 最新特殊パックということで純粋にカードパワーの高い「ビクトリーBEST」の強化テーマもやはり見逃せないでしょう。

 【サムライ】と【黒赤アビス邪王門】はその代表格。すでに一定の評価を得たデッキタイプではありますがどちらもまだまだ構築が荒削りな印象があり、今後も更にブラッシュアップされる可能性が非常に高いです。

 筆者個人としてはメクレイド軸の【アビス】を使っていて《邪幽 ジャガイスト》と《アビスベル=ジャシン帝》が揃った時の強さが並大抵ではないと感じたため、今のところ採用例がほとんどない【黒赤アビス邪王門】にも《アビスベル=ジャシン帝》や《邪龍 ジャブラッド》が入る日が来るんじゃないかと期待しています。

 また、大量の追加パーツに加えて《勝利宣言 鬼丸「覇」》の4枚解禁を受け、追い風が吹き続ける【刃鬼】もかなりの注目株です。

 強化著しいメクレイドや相変わらず強力な革命チェンジの例を挙げるまでもなく、あらゆる踏み倒しに反応してホイホイ飛び出てくる《勝利のガイアッシュ・カイザー》は、次環境で猛威を振るう予感。

 《流星のガイアッシュ・カイザー》の能力を余すことなくプランに組み込める【刃鬼】や【アナカラーガイアッシュ】系、【4cディスペクター】などのビッグマナデッキも立ち位置がよくなりそうなデッキの候補でしょう。

 反対に環境初期に立ち位置があまり良くなさそうなのは【赤緑アポロヌス】や【赤単我我我ブランド】などの封殺要素を持たないビートダウン。

 そもそも【サガループ】環境中期にビートダウンの通りが爆発的に良くなったのは【サガループ】が苦手な受け要素を環境から減らしてくれたからで、そうでなくなれば強力ながらも対策自体は容易なデッキとして自然と環境の一角に収まっていくでしょう。

 アビス・レボリューションから始まったS・トリガー・プラスの充実もいよいよ本格的に牙を剥きはじめそうで、この辺りの事情も込みで【アポロヌス】の周辺パーツが殿堂を免れたのでは? と邪推してしまいます。

 【アナカラージャオウガ】や【青魔導具】もデッキとして強力ではあるものの「対【サガ】デッキ」としての価値がプラスされていたことに加えて、着々と数を増やす小型エレメント除去の影響を強く受けるデッキである点は懸念材料。

 これらの要素をフルに取り込んだ【サムライ】の登場は、まさに新時代を象徴するものとなるかもしれません。

 ここまでの予想をまとめると、現時点でトップクラスに強いデッキにとってプラスとなる要素はそれほどなく、逆にこれまで【サガループ】や強力無比なメタクリーチャーに抑圧されていたデッキは今回の殿堂やこれまでの優秀な小型除去カード群追加で本来の姿を取り戻すのではないか、というのが筆者の個人的な推測。

 結論として、新たなスーパーデッキが発見されるまでは環境全体としてかなりバランスの取れたメタゲームが形成されるのではないかと予想しています。

 繰り返しにはなりますが、手枷足枷を全部外した【5cザーディクリカ】は一線を画すデッキパワーを持っていると考えているので、新環境での活躍には真っ先に注目していきたいですね!

 今週のメタゲームウォッチングはここまでとなります。それでは皆さま、良い週末を!


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