yk800の週刊! メタゲーム・ウォッチング Vol.31【20.11.25】

 どうも、レッドことyk800です。

 R.I.P. 閣ループ。

 というわけで去る11月19日、殿堂環境に激震が走る総合ルール改訂が施行されました

 簡単に説明しますと、今までは「クリーチャーを『入れ替える』際に置換効果が割り込む場合は、それらを可能な限り処理したうえで不発になる」という感じでした。

 翻って、新しいルールでは「クリーチャーを『入れ替える』際に置換効果が割り込む場合は、それらを処理せずに『入れ替える』という処理自体が実行されなかったものとして進行する」というふうにゲームを進めることとなります。

 言うまでもありませんが、いわゆる「閣ループ」は旧ルールを前提としていたため、新ルールでは完全に実行不可能となりました。同時に、【ラッカドラグナー】もコンセプトレベルで崩壊。結果として先週末のCSは混迷を極めることとなりました。

 まずは客観的な視点から今回のルール改定を見ますと、「閣ループ」を止めるため・今後「入れ替わる」というテキストのカードを増やしていくためには必要な改定だったと思われます。

 入れ替え系のカードが出るたびに「龍回避」持ちのドラグハートが悪用されていてはいたちごっこですからね。

 環境への影響という視点で見れば、圧倒的な安定感・速度・出力で王者デッキの風格をほしいままにしていた【ラッカドラグナー】をピンポイントで撃ち落とすルール改定は、確実にいい影響を与えたと言えるでしょう。

 「《爆熱天守 バトライ閣》を最速で設置して、対処困難な3打点をぶち込む」というコンセプトは依然として強力なまま、ループによる過剰打点の制限によって危ない体勢でのシールドブレイクを余儀なくされる機会が増えたため、受け志向のデッキにとっては付け入る隙が大きくなりました。

 弱体化の方向性としてはちょうどいい塩梅で、今後の環境の動向は面白くなりそうです。

 個人的な感情としては、今回のルール改定は説明文に反して「非常に直感的でないもの」なように映りました

 「入れ替わる」という処理を「クリーチャーがバトルゾーンを離れて特定のゾーンに移動し、同時にそのゾーンからクリーチャーがバトルゾーンへと移動する」処理であるというように分解して解釈すれば、置換効果は適用されてしかるべきです。

 筆者のTwitterでも言及しましたが、「入れ替えようとしたが、入れ替えができなかったので、時を遡って入れ替えようとした事実自体をなかったことにする」というのは、総合ルール101.3.にも記載されている「できることは全て行う」というデュエマの原則に反していて、長くデュエマのルールに親しんでいるプレイヤーほど違和を感じるルールであるように思います。

 気持ち的には納得できない部分が大きいものの、レベルデザインという観点で言えばいいルール改定であるようにも思うので、非常に複雑な心持ちですね……。

 新商品の発売とルール改定が重なった激動の11月第4週。メタゲーム・ウォッチング、スタートです!



先週の結果総まとめ

 まずは先週(20.11.21〜20.11.23)行われたCSの結果を見ていきましょう。

(※元となった大会結果は田園補完計画さんからお借りしています。また、情報の抜け・漏れがある可能性がございますことをご了承ください)

 【バーンメア】、肉薄。

 【ドラグナー】のくくりを分解すればもはや首位。東北地方を中心として新たな構築も爆誕しましたが、現状は先週紹介した《チキン・タッ太》をガッツリ採用している【旅路バーンメア】がまだまだ主流です。

 オールドスクールな【火水自然バーンメア】も3件の入賞が確認されており、いずれも《ツネキン☆ゲームス》入り。《奇天烈 シャッフ》との2枚看板で、現在の【火水自然バーンメア】におけるメタクリーチャーの枠を支えています。

 また、ひっそりと上位に再浮上してきたのが【ギャラクシールド】

 メタ対象がはっきりする【ハムカツ型ドラグナー】の活躍する週に【ギャラクシールド】が浮上するのは定番でしたが、今週はそれに加えて【ドギラゴン閃】系のデッキに対する有利もあったのではないかと思われます。

 シールドが強く、軽量メタクリーチャーが強く、《希望のジョー星》が革命チェンジを完封する【ギャラクシールド】は、【ドギラゴン閃】にとって天敵とも言える存在。今後《蒼き守護神 ドギラゴン閃》が環境で活躍の機会を増やせば、【ギャラクシールド】が再びTier1に返り咲いたとしてもおかしくはないでしょう。

 続いては当の本人、《蒼き守護神 ドギラゴン閃》の活躍について。単体でコンセプトとして活用しているデッキの入賞は3件に止まりましたが、【火闇邪王門】のバリエーションとして2件、【ラッカドラグナー】のバリエーションとして1件。合計6件の入賞デッキでの採用が確認されています。

 それぞれのデッキの構成についてはのちほどご紹介します。

 環境が激変し、既知のサイクルも崩れ去った先週のCS事情。

 ひとまず環境からほとんど姿を消した【ラッカドラグナー】ですが、最速2ターン目に設置される《爆熱天守 バトライ閣》と、《Code:1059》による踏み倒しメタを貫通した龍解達成のコンボは依然として強力です。

 ルール変更告知から間もなくの週末であったため、いったん手を離したプレイヤーが多かったとは思いますが、デッキ自体が死んだと決めつけるのは早計でしょう。研究が進めば、再び環境へと姿を現すだろうと筆者は考えています。

HOT TECK

《蒼き守護神 ドギラゴン閃》

 今週のピックアップは満を持しての《蒼き守護神 ドギラゴン閃》

 正直筆者としてはここまで話題になると思っていなかったカードなのでこの活躍はちょっと意外でした。恥ずかしながら、「強いカードだけどそこそこやる止まりだな」と思ってました。

 さて、現段階での環境における活用は大きく分けて3つ。

⒈コンセプトレベルで踏み倒しを活用する【ドギラゴン閃】

⒉打点補助および《バトライ閣》龍解要員として採用した【ラッカ型ドラグナー】

⒊往年の【火闇カウンタードギラゴン剣】を再現する【火闇ドギラゴン閃邪王門】

 ⒈はデータの分類上【ドギラゴン閃】に仕分けられているデッキです。火水のカラーをベースに各色のメタクリーチャーやトリガーを足して構成されており、「《ドギラゴン閃》+《ボルシャック・サイバーエクス》+《龍装者 バルチュリス》」のトリガーケア込み6点パッケージがいずれの構築にも見られるのが特徴です。

 手札の安定を図っていた《プラチナ・ワルスラS》の魂を引き継ぐように《*/弐幻サンドロニア/*》が採用されているなど、フィニッシュの作り方は少し異なるものの、コンセプトの形としては2017年全国大会を制した【火水t光ドギラゴン剣】に最も近いと言えそうです。

 現状存在するのは光採用型と闇採用型。

 光型は《凰翔竜機ワルキューレ・ルピア》や《チャラ・ルピア》など、シナジー要素の強いカードを採用できるのが特徴。より攻撃的に振る舞いやすい、という表現が最も正しいでしょうか。

 《奇石 ミクセル》の存在により、「溜めて《ジャミング・チャフ》」のプランも視野に入るのは強みのひとつです。

 闇型は《闇鎧亜 ジャック・アルカディアス》の存在によって《希望のジョー星》やメタクリーチャー各種に対する解答を用意できているのが大きく、筆者としてはこちらの方が発展性があるように感じました。

 その気になれば《絶望と反魂と滅殺の決断》をはじめとする各種ハンデスや、《無修羅 デジルムカデ》などのカードを追加してコントロール気味に振る舞えるのも面白そうですね。

 ⒉はほとんど【ラッカドラグナー】の発展系。

 閣ループの急逝により不足した打点を補いつつ、《龍装 チュリス》と合わせて《バトライ閣》の龍解に貢献し、なおかつ防御的にも立ち回れる《ドギラゴン閃》の強みを余すところなく活用。

 特に《龍覇龍 デッドマン=ザ=オリジン》に第二の役割を付与できるのが大きく、3ターン目の侵略から《バトライ閣》建設→4ターン目に《ラブエース》を投げつつ《デッドマン》チェンジ《ドギラゴン閃》と動くことで《バトライ閣》をひっくり返せます。

 上から《その子供、可憐につき》が降ってくれば横の《ラブエース》がSAになって侵略《デッドマン》まで視野に入るなど、細かなシナジーが気持ちいいカードチョイスです。

 先攻であればメタクリーチャーとしても強力な《可憐》の参入により初動が強くなった反面、相手のメタクリーチャーに対して脆くなってしまった部分は否めません。この辺りはまだ発展の余地がありそうです。

 ⒊は正しく過去のデッキの魂を受け継ぐデッキ。《ボルシャック・ドギラゴン》の枠はそのままに、《革命の鉄拳》を採用していた部分が《百鬼の邪王門》に切り替わったことで、トップリフレッシュの役割を保ったまま踏み倒しによるカウンター補助の追加カードをも手にしました。

 火闇というカラーリングのおかげで《勝利のアパッチ・ウララー》のマナ置きに一切デメリットがなく、このカードの殿堂解除の恩恵を最も大きく受けたデッキだと言えるでしょう。

 《ドギラゴン閃》からの弾も豊富ですが、中でも特に筆者が注目したいのは《鬼ヶ大王 ジャオウガ》。自分のシールドを吹っ飛ばしていきなり鬼エンドに突入しつつ、《ドギラゴン閃》と合わせて5点を形成。自身が殴りながら《百鬼の邪王門》でSAを投げつければそのままダイレクトアタックまで見込めるヤンチャ極まりないフィニッシャーです。

 取れる戦術が幅広くなり、殴ってこないデッキに対しても能動的な出力が確保しやすくなった反面、ブレる要素もかなり多いじゃじゃ馬なデッキであるように見受けられます。乗り手の腕が試されそうですね。

 フィニッシュの出力や安定度は《ドギラゴン剣》に劣るものの、殴るデッキの多い現在の環境に噛み合った攻防一体の能力は十二分に強力です。

 とはいえ発売から2日〜3日前後、まだ構築が洗練されきっていない部分も多いにあるように感じます。今後の活躍が楽しみですね。

今週のメタゲーム予想

 ずばり、盾の強いコンボorコントロール。

 現在の環境上位は「殴って勝つ」デッキが席巻しており、なおかつ直接的なトリガーケアは減少傾向にあります。

 ただし、シンプルに「受けが多い」というだけでは、最近顔を見ることの増えた《勝熱英雄 モモキング》や《龍装者 バルチュリス》を乗り越えることができません。

 これらのカードへの対策手段として、《その子供、可憐につき》や《無修羅 デジルムカデ》などのタップイン強制カードや、シールドの直接的な追加、シノビや革命ゼロ・鬼エンドなどの手札誘発カードが需要増加傾向にあります。

 というわけで、今週は【ナウオアネバー】や【水闇光オレガ・オーラ】、【ギャラクシールド】などが筆者の注目したいデッキ群。

 【ナウオアネバー】は《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》、【水闇光オレガ・オーラ】は《無修羅 デジルムカデ》、【ギャラクシールド】は盾追加とそれぞれに求められる要件を達成している点が魅力的。なおかつ、【水闇光オレガ・オーラ】と【ギャラクシールド】は革命チェンジに対する最終兵器、【希望のジョー星】までも持ち合わせています。

 新興勢力である【ドギラゴン閃】側は、逆にこれらの強力な受けデッキをどこまで乗り越えられるかで環境における強さの指標が見えてくるのではないでしょうか。

 今週のメタゲーム・ウォッチングはここまでとなります。それではみなさま、良い週末を!


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