暴拳王国のクリーチャー、全体的に名前が好き。
こんにちは、神結です。
今回もいつものようにキーワード能力解説の方をやっていきます。
十王篇も残すところあと2つ。今回は「アバレチェーン」です。
(※過去のキーワード能力はこちら)
目次
キーワード能力説明
- アバレチェーン:自分のクリーチャーが攻撃する時、それがこのターン最初の攻撃なら、このターンの終わりにそのクリーチャーをアンタップする。
アバレチェーンは暴拳王国が持つキーワード能力です。
その能力は「自分のクリーチャーが攻撃する時、それがこのターン最初の攻撃なら、〇〇する」といったものになります。
というわけで、アバレチェーンはかなり攻めの能力になります。まぁ暴拳王国って名前ですからね。たぶん護廷十三隊でいうところの十一番隊みたいなもんなのでしょう。
そして特筆すべきは「ターン最初の攻撃」という部分で、かなり狙って起動しやすい能力なのが魅力的です。能力を使いたかったら、アバレチェーン持ちのカードを場に出して横向きにするだけでいいんですよね。更に暴拳王国は白と緑なので、マッハファイター持ちもそこそこいます。当然、相性はいいです。
加えてアバレ“チェーン”という名前もあるでしょうか、連鎖出来るということもあってアバレチェーン同士が横の相性もいいんですよね。アバレチェーン持ちが2体並んでいれば、1体目の攻撃で2つの効果が起動します。
さて、例に挙げた《貴不の鎖 マガタイル》だと、最初の攻撃であれば、ターン終了時にアンタップします。
……まぁ例に挙げたカードもあって(?)ちょっと微妙な顔になるかもしれませんが、他のカードの方を見ていきましょう。
「アバレチェーン」の代表的なカード
増刀の鎖 シノブ
- アバレチェーン:自分のクリーチャーが攻撃する時、それがこのターン最初の攻撃なら、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。
アバレチェーンの初動で、わずか2コストで殴りながらマナ加速が出来ます。デュエパで使ってる人も多いかも?
特に《聖武の鎖 レスラコーン》や《魔軸の鎖 カメカメン》と繋がったときの強さは折り紙付きと言えます。
裏鍛の鎖 ポコアイアイ
- このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から2枚をタップしてマナゾーンに置く。
アバレチェーン:自分のクリーチャーが攻撃する時、それがこのターン最初の攻撃なら、カードを1枚、自分のマナゾーンから手札に戻してもよい。
こちらもデュエパを嗜んでいる方にはお馴染みかもしれません。5マナの2ブーストサイクルで、アバレチェーンでマナ回収です。回収は任意なので、8を目指すプランと喧嘩しないのが嬉しい。
我怒の鎖 パンサーベア
- マッハファイター(このクリーチャーは、バトルゾーンに出たターンの間、タップまたはアンタップしているクリーチャーを攻撃できる)
- T・ブレイカー
アバレチェーン:自分のクリーチャーが攻撃する時、それがこのターン最初の攻撃なら、このターン、そのクリーチャーのパワーを +20000し、「ワールド・ブレイカー」を与える。(「ワールド・ブレイカー」を持つクリーチャーは相手のシールドをすべてブレイクする)- 相手は、自身のターンにクリーチャーを召喚するか呪文を唱えたら、そのターンの間、召喚も唱えることもできない。
UDBでflat-くんをボコボコにしたアレ。
巨大天門のフィニッシャーとして使われていましたね。
剛力羅王 ゴリオ・ブゴリ
- マッハファイター
アバレチェーン:自分のクリーチャーが攻撃する時、それがこのターン最初の攻撃なら、このターン、そのクリーチャーのパワーを2倍にし、「パワード・ブレイカー」を与える。(「パワード・ブレイカー」を持つクリーチャーは、そのパワー6000ごとにシールドをさらに1つブレイクする)- 自分のクリーチャーの「アバレチェーン」のテキストにある「それがこのターン最初の攻撃なら」を、「それがこのターン最初または2度目の攻撃なら」に変える。
暴拳王国のキングマスターが《剛力羅王 ゴリオ・ブゴリ》です。こちらはキングマスターらしく、唯一無二の能力として「アバレチェーン」の使用出来る回数を増やせるカードになります。
マッハファイターでパワーを2倍に出来るので、システムクリーチャーの処理にもかなり有用な1枚ですね。
デュエマ以外のデュエマで強い
さて、起動もしやすく横の相性もよく、そこそこ強い効果も貰えているアバレチェーンですが、残念ながら環境での活躍は相当限られてしまいました。
さきにもちょっと触れた《我怒の鎖 パンサーベア》と《魔軸の鎖 カメカメン》くらいじゃないですかね?
ではそれは何故なのでしょうか?
これは私が思うに、アバレチェーンがあまりにも「通常環境のデュエルマスターズ」に向いてないから、ではないかと。
どういうことかと言うと、「進みすぎた現代デュエマには、刻みながらリソースを伸ばすというコンセプトがそもそも合わない」という話です。
手札を1~2枚も与えようものならループコンボに移行、トリガーの《ドラゴンズ・サイン》1枚でゲームが崩壊などなど……。
赤単やアポロの盾殴りとは訳が違って、彼らは「何も踏まない=勝ち=ゲームエンド」なんですが、アバレチェーンに関しては「何も踏まない=ゲームの開始」ということでしかないんですよ。あとはアグロは明確に「割ったシールドのカードをゲームリソースとして転換される前に決着させられる」というのがありますが、アバレチェーンはこちらについてもケアしていません。
デュエマに向いていない。
身も蓋もないですが、これがアバレチェーンが環境上で活躍しなかった原因だと思っています。
逆にこうした問題点が解消された状況……要するに現代デュエマがちょっと外れた場所、具体的には2ブロック、キューブドラフト、シールド戦、そしてデュエパーティーなどでは、アバレチェーンはちゃんと活躍を見せています。
特に印象深いのはシールド戦ですね。
シールド戦では能力を使いやすく、使えたらゲームを有利に進めやすい……つまり、殴るデメリット<殴るメリット になりやすい状況だっただけに、アバレチェーンのカードはかなり強力でした(またシールド戦で有用になりやすいマナ操作やパワーパンプ、盾追加などがあったのも後押ししました)。
加えて十王篇はパックのシステム上「チーム〇〇詰め合わせセット」が存在していました。これはつまりチーム切札詰め合わせであれば、キングマスターである《勝熱英雄 モモキング》とチーム切札のカードが入っている内容固定パックが封入されていたんですね。
で、暴拳王国は《天渚の鎖 イキリワニ》、《呼織の鎖 マチョシビロ》、《未謎の鎖 ブリタネッコ》、《兵繰凄の鎖 サイノ・ブサイ》に《剛力羅王 ゴリオ・ブゴリ》なんです。
思い出して欲しいんですけど、アバレチェーンって横に増えても強いんですよ。ですのでただでさえ《兵繰凄の鎖 サイノ・ブサイ》単体でも強いのに、これらをまとめて引いたときのセットの強さがね、だいぶ大変なことになりまして……。特記戦力「未知数の暴力」みたいな活躍をしていました。
- ブロッカー
- W・ブレイカー
- このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、クリーチャーを2体まで選び、それぞれタップまたはアンタップする。
- 各ターン、相手がはじめてクリーチャーで攻撃する時、可能ならクリーチャーを攻撃する。
アバレチェーン:自分のクリーチャーが攻撃する時、それがこのターン最初の攻撃なら、次の自分のターンのはじめまで、そのクリーチャーは破壊されない。
あとは《明日の鎖 ハヤブサツイン》とかも効果見ればわかると思うんですけど、キューブドラフトのような「コンセプトはあるけどそれだけで固め切れない」みたいなバランスのゲームで相当強いカードだったりするんですよね。
- マッハファイター(このクリーチャーは、バトルゾーンに出たターンの間、タップまたはアンタップしているクリーチャーを攻撃できる)
- W・ブレイカー
アバレチェーン:自分のクリーチャーが攻撃する時、それがこのターン最初の攻撃なら、コストの合計がそのクリーチャーのコストより少なくなるようクリーチャーを2体まで自分のマナゾーンから選び、バトルゾーンに出してもよい。
あとはさっきも書いたんですけど、デュエパーティー勢の方なら何枚かお馴染みのブーストカードがあったりすることだと思います。デュエパも盾1枚で地獄になるケースは少ないですし、何か踏んでもある程度巻き返すだけの時間が貰えたりしますからね。
ですのでアバレチェーンは、リミテッドでは滅茶苦茶に強かったんですよ。
この点に関しては、ビビッドローやオシオキムーンみたいな、十王篇の他の使いにくいキーワード能力とは一線を画していると思っています。
このシリーズで十王篇のカードを改めて振り返ってみると、公式的には「2ブロック」に大きく舵を切ろうとしていた時期で、まぁコロナとか複合的な要因含めて上手くいかなかったんですが、カード自体はよく出来てるものも多いなと感じるんですよね。
そう考えると十王篇って別に失敗した訳じゃないと思うんですよ。いや、まぁ商業的にはよくない部分もあったんでしょうが、ゲーム的にそんな悪くないんじゃないですかね。何が面白いかを伝える場が(コロナによって)無かったのも不幸だったし、ユーザーも食わず嫌いした(或いは、別に食べたい料理ではなかった)けど、料理そのものは美味しかった、っていう。
まー評価としては7くらい。だってちゃんと強いんだもん。
もしアバレチェーンのカードに触れたことなかったら、デュエパのデッキに何か入れてみるのもオススメします。思ったより使いやすいし、思ったより強いしで楽しいと思いますよ。
というわけで、今回はここまで。
次回のキーワード能力は十王篇ラスト「ムゲンクライム」になります。お楽しみに。
それでは、また。
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