サムネは、この大会で一番好きな写真。
こんにちは、神結です。
前回の続きということでGP振り返りをやっていきたいと思います。
参加人数、プロモ等は前回の記事を確認してください。
前回→アドバンス編
事前メタゲーム ~オリジナル~
開催日は2024年4月21日。
今回の大きな特徴と言えば、チーム戦ということでしょう。過去にはGP6th(2018年4月)で一度開催があっただけなので、6年ぶりということになりました。
実はコロナで中止となったGP10th(2020年4月開催予定だった)がチームだったので、そのリベンジといったような形になるでしょうか。
運営側としては2dayで個人→チームというかなり過酷なスケジュールだったとは思いますが、両日イベントを完走された方は本当に本当にお疲れ様でした。
さて、チーム戦というフォーマットについてのお話しておきましょう。
前提として、チーム戦は強豪プレイヤーが勝ち残りやすいルールであると言えます。
理由は明確で、強豪プレイヤーであれば当然強豪プレイヤー同士でチームを組むからですね。
これによって、誰かが不運で落としたとしても他のメンバーでリカバリーしやすく、デュエマで絶対に避けられない「しょうがない負け」を勝ちにできる可能性もあります。
すごく単純な例えを出しますが、強豪プレイヤーA・B・Cの勝率をそれぞれ65%と仮定した場合、彼らが3人でチームを組めばチーム勝率はだいたい約72%まで伸びるんですよ。
またデュエル・マスターズのチーム戦は構築制限などはなく(例えば、他のTCGのチーム戦でありがちな「3人全員が異なるクランを使用しなければならない」といったルール)、3人で同じデッキを使うことも可能です。
そのため最強のTier1デッキを3人で使うという選択も可能な訳です。最強のプレイヤーが使う最強のデッキを2回倒さなくてはいけません。1回は上振れがあっても、2回はな……。こうしたルールも上記のチーム戦は強豪プレイヤーが勝ち残りやすいという点を押し上げていると言っていいでしょう。
続けてメタゲームの方を見ていきましょう。
実はオリジナルもアドバンスとそこまで大きな差があるわけではなかったのですが、プレイヤー数がCS数が圧倒的に多かったために、より明確なメタゲームが存在しておりました。
即ち【闇自然アビス】vs【火水マジック】です。


ただリストについては、アドバンスとは多少の差がそれぞれあります。
まず【火水マジック】については、アドバンスでは天門対策の《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》の採用に関するお話をしましたが、オリジナルでは同型と【闇自然アビス】のマッハファイターに対抗するための《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》採用型が主流でした。
上面は勿論ですが、下面についても「《飛翔龍 5000VT》で手札に返されたことで8を宣言し、次に走られないよう止める」みたいな運用もあり、上も下も大活躍する1枚です。
そんなわけで《ボン・キゴマイム》をスマートに処理しながら走るというのはマジックでは多少マナを必要としますので、何ターン後に走るイメージを持つかとか、どのように相手の《歌舞音愛 ヒメカット》や《ボン・キゴマイム》を掻い潜るかなど、練度の問われる部分があり、ミラーは特にここが見どころになるわけですね。
一方のアビスは《超霊淵 ヤバーダン=ロウ》の獲得によって《ヨービリン=リリン / 「……誰を呼びたい?」》を採用するケースが少なくなりました。
前述の《ボン・キゴマイム》の処理についても、《邪幽 ジャガイスト》のメクレイドで《超霊淵 ヤバーダン=ロウ》を捲れば、その後《邪幽 ジャガイスト》の蘇生効果で《ア:エヌ:マクア》などを出すと、処理しつつ盤面制圧ができます。
折角なので、久々の《邪幽 ジャガイスト》様のお顔を拝んでおきましょうか。2023年のカードでは一番好きかもしれません。
また《轟く覚醒 レッドゾーン・バスター》のようなパワー12000以上のクリーチャーがポンポン出てくることの少ないオリジナルでは《アビスベル=覇=ロード》の制圧力も凄まじく、一度盤面を取ってしまうと逆転されるケースはかなり特殊なデッキに限られてくるでしょう。
ただその特殊なケースとして《DARK MATERIAL COMPLEX》が存在しており、これを止めるためにオリジナルでは《秩序の意志》を採用しているというケースが多かったです。
なお「マジック vs. アビス」の直接対決については諸説あるかと思いますが、わずかにアビス有利ではあるでしょうか。ただ実戦の場では相性以上に練度がゲームを決めるケースも多かったでしょうか。
そこに追随してきそうなデッキとなるとかなり限られてはくるのですが、前述した《DARK MATERIAL COMPLEX》を軸とした【水闇COMPLEX】ですとか、《光開の精霊サイフォゲート》を手に入れアドバンスで活躍を見せている【光自然巨大ヘブンズ・ゲート】、更に状況が整えば安全なフィニッシュを決められる【火光水ゴスペル】といった辺りのデッキになるでしょうか。
ただそれらは2強とは流石にワンランク差があり、当日はこの2つを中心にメタゲームが形成されるだろうと予想ができました。
当日の結果
優勝:みんなと戦えてよかった。(火水マジック、水闇COMPLEX、闇自然アビス)
2位:朝は太極拳(5c蒼龍×3)
3位:スマホは23時まで!(火水マジック×2、闇自然アビス)
4位:特田ハウス(闇自然アビス×3)
また、予選を抜けた64チーム(計192)のデッキは以下の通りです。
58 【闇自然アビス】
32 【水火マジック】
13 【巨大天門】
12 【水闇COMPLEX】
10 【水闇自然グラスパー】
8 【5c蒼龍】
7 【闇火自然アビス】
6 【水闇自然DOOM】
6 【光水火ゴスペル】
6 【水魔導具】
4 【フィオナアカシック】
3 【闇単アビス】
3 【水闇火バイク】
24 その他(母数2以下)
戦前の評判通りに【闇自然アビス】と【火水マジック】の2強であり、それ以外のデッキはロングゲームが出来て安全なフィニッシュがあるという「GPで強い」と言えるようなデッキが揃っているでしょうか。
特にTOP4はそれが顕著に出ていますね。
以下、それぞれのデッキについて振り返っていきましょう。
闇自然アビス
個人戦では「2ブーストを引かないと負け」と言われるアビスですが、チーム戦となると自分が2ブーストを引けなくても勝てます。
結果、予選突破デッキのうち約30%が【闇自然アビス】を使用していた、ということになります。(ちなみに近しいコンセプトの【火闇自然アビス】も含めると、更に増えます)
上位でいうと、優勝したお馴染み「みんたた」のRikky選手が【闇自然アビス】を使用。またベスト4となった特田ハウスは3人全員が【闇自然アビス】を使用しています。
リストについては、Rikky選手がメタクリーチャーである《とこしえの超人》と、劣勢の盤面をパワーで覆しうる《邪闘 シス》を採用。また特田ハウスのメンバーは2名が《秩序の意志》と《邪闘 シス》をそれぞれ1枚ずつ、1名が《秩序の意志》を2枚採用した構築となっております。
アビスは《謀遠 テレスコ=テレス》のドローと《ア:エヌ:マクア》、そしてメクレイドによって山札を一周されることもできますので、ピン投のカードでもプレイによって触れることができますね。
《とこしえの超人》については、【闇自然アビス】が唯一どうしようもない「マナからの踏み倒し」を阻止できるカードなのですが、何故それが強いのかについては後ほど触れることになるでしょう。
火水マジック
個人戦では「《芸魔隠狐 カラクリバーシ》だけは引かないといけない」と言われるマジックですが、チーム戦となると自分がバーシを引けなくても勝てます。
結果、総数ではアビスには劣るものの予選突破デッキのうち約15%近くを占めることになりました。
上位でいうと、「極限バンバン辿異」なる謎の名前で出場していたkaisora選手がチーム優勝。3位となったスマホは23時まで!が2名使用しています。
リストについてはkaisora選手の《楽識神官 プレジール》はやや珍しいかな、といった印象で、スマホは23時まで!のみらくる。選手は《五郎丸コミュニケーション》を採用しておりました。マジックも多数のドローソースによって山札を触りきることが可能なデッキですが、前者は突破力の補助、後者は安定して《単騎連射 マグナム》に触る、ということを意識した採用でしょうか。
アビスに対してロングゲームを主体としたデッキが一定の主張を持つ中で、マジックはそうした相手に滅法強く、メタゲーム上ではマジックが一番優位だったかもしれません。
その中で突破者数でアビスに先を譲ったのは、アビスと比べたときの使用難度にあるでしょうか。
ただいずれにせよ、最強と言われながらも中々タイトルのなかった【火水マジック】に優勝の箔が付いたのは喜ばしいことだったと思います。
5c蒼龍
2強が抜群の存在感を放つ中、勢いよく勝ち進んでいたのが【5c蒼龍】になります。
チーム朝は太極拳が3人全員で使用し、準優勝に輝きました。
「ワシワシ系デッキ」の代名詞的なデッキですが、ノーマークであったことや【闇自然アビス】への有利主張ができることから使用に踏み切ったようで、結果見事な活躍を見せることになります。
特に【闇自然アビス】は制圧力はあれど全体除去やパワーラインの高いクリーチャーには弱く、そうしたデッキに対してトップからの一発回答が多いこのデッキは有利というわけです。
受けについても同様で、マナさえ伸びてしまえばどんなにハンデスをしながら攻めていっても《蒼龍の大地》からの《聖魔連結王 ドルファディロム》が回避の難しいカウンターとなっています。Rikky選手は《とこしえの超人》を採用していたのは、このデッキの存在を知っていたからかもしれません。
なお作成意図については現紅茶派閥のどんよく選手がデックテク内で語っているので、併せてご覧ください。
ちなみにインタビュー内にもありますが、「5c蒼龍」というデッキ名が罠の1つで、実際は《Disアイ・チョイス》からの《ブレイン・スラッシュ》による大型クリーチャーの早期着地を狙うデッキとなっています。
しかし初見で当たった相手は【5c蒼龍】に詳しいほど「まぁボチボチ8マナくらいまでは大きな動きがないから、1ターン溜めよう」と考えることになるため、《Disアイ・チョイス》からの展開が刺さる、というわけですね。
こうして終身名誉ワシワシ日本代表である《砕慄接続 グレイトフル・ベン》などが一度通ってしまえば、後は好きなフィニッシャーが出し放題。《勝利宣言 鬼丸「覇」》、《終末の監視者 ジ・ウォッチ》、《終末縫合王 ザ=キラー・キーナリー》など、何でもOKです。
こうした相手のデッキに応じた豊富なフィニッシャーというのも、何と当たるかわからないGPにおいては強みだったと言えるでしょう。
決勝では想定通りマジックに敗れつつも闇自然アビスを撃破し、残る1戦は【水闇COMPLEX】と有利な相手。優勝まであと一歩というところまで来ましたが、惜しくも敗れることになってしまいました。
その他
というわけで決勝で見事に朝は太極拳のtaki選手を撃破し、優勝を決めたのがみんたたの紅蓮選手でした。
彼が使用していたのが【水闇COMPLEX】ですね。
《DARK MATERIAL COMPLEX》の強さを水闇のハイスペックカードたちが支えていくというデッキであり、
紅蓮選手は《虹速 ザ・ヴェルデ》+《SSS級天災 デッドダムド》のパッケージを採用しており、中終盤以降の除去をかなり重視したものになっています。色の都合が大分シビアにはなりますが、面で攻めてきて《DARK MATERIAL COMPLEX》が育ちきるまでに決着を付ける、といった主張を持つデッキを意識していたのだと思います。
その他、ベスト8となった夢を信じてデュエル・マスターズのにわか選手&はやと選手が使用したのは、共にヘブンズ・ゲート。
ただ両者のリストには違いがあり、はやと選手が一般的な【巨大天門】を使ったのに対して、にわか選手は《光の兄妹 るる&ルシファー》を使用したちょっと変わったヘブンズ・ゲートを使用しています。
こちらはチーム内でリストを分けることで相手からデッキを誤認させやすいことや、そもそもとして《聖魔連結王 ドルファディロム》という強力なカードを使用できるという点で差別化を図ったのだと考えられます。
その他《水晶の王 ゴスペル》や、火入りのアビスもいますが、全体としてチーム戦と言えどベスト8には限られたデッキしか残っておらず、「アビス・マジック」の2強の強さが際立った大会であったと言えるでしょうか。
まとめ
というわけで、DMGP2024-1stの振り返りは以上になります。
ちなみに私はオリジナルはカバレージの方を担当しました。その中でも決勝戦のカバレージが妙に人気があるらしく、スゴイ反響がありました。
一応僕の担当はtakiさんと紅蓮くんの対戦だったのですが、なんかすごくあーくんのカバレージを書いた気がするんですよね。
ちなみにあーくん曰く「全国も決まって決勝の相手もジャッジもライターも含めて知り合いしかいなかったのでテンションが上がってしまった」とかいう謎の供述をしていたのですが、まさかね、FTG所属でデュエチューブリーグにも出場しているあーくん選手がね、公共の場で悪いインターネットミームを連発しているなんてことがあってはならないので、きっと何かの間違いだったのでしょう。
最後にデュエル・マスターズを愛する皆さんにお願いです。
カードゲームが強いからといって、何をしていいわけでもありません。
どうか皆さんは、人権意識と良識を持った上でデュエル・マスターズを楽しんでいただければと思います。
てなわけで、今回はここまで。
次回のGPの振り返りはDMGP2024-2ndになります。お楽しみに。
それでは、また。
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